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双安定ネマチック液晶表示装置 コモンズ 新技術説明会

国内特許コード P08A013734
整理番号 BE059P03
掲載日 2008年9月12日
出願番号 特願2006-276175
公開番号 特開2008-096562
登録番号 特許第4817380号
出願日 平成18年10月10日(2006.10.10)
公開日 平成20年4月24日(2008.4.24)
登録日 平成23年9月9日(2011.9.9)
発明者
  • 郭 進碩
  • 米谷 慎
  • 横山 浩
出願人
  • 国立研究開発法人科学技術振興機構
発明の名称 双安定ネマチック液晶表示装置 コモンズ 新技術説明会
発明の概要 【課題】双安定性を綿密に制御することを、より正確でかつ簡単に行うことができる双安定ネマチック液晶表示装置を提供する。
【解決手段】一対の基板11,17と、前記一対の基板11,17間に配置された液晶層22と、この液晶層22と前記一対の基板11,17の少なくともいずれか一方との間に配置された液晶配向層とを有し、この液晶配向層の少なくとも一方には、ナノインプリント・リソグラフィ技術で液晶を配向し、双安定性を得るための液晶配向層の表面処理法として用い、前記液晶層に熱転移又は濃度転移型のネマチック液晶を用い、かつ二組の面内スイッチング(IPSあるいはFFS)電極構造を有する。
【選択図】図4
従来技術、競合技術の概要


液晶表示装置(LCD)の新しい用途を開拓するための画素表示の双安定性に関する研究は、電力消費の少ない小型表示装置の需要の高まりに後押しされて、近年多くの論文や報告書に絶えず見られるようになっている。無電界状態で二つの安定状態を有する双安定性を適用することで、高精細化を促進することができると共に、本質的な低電力消費化を図ることができる。このため、1980年代初期に双安定コレステリック表示装置、表面安定型強誘電性液晶(SSFLC)表示装置並びに双安定ツイストネマチック(BTN)表示装置が提案されて以来、表面アンカリング・ブレーキングと双安定表面アンカリング又はフレクソエレクトリック結合を使用した新種の双安定表示装置が開発され、それらのメリットが具体化された。



双安定コレステリック表示装置は、組成の秩序-無秩序転移を利用している。秩序状態の平面配向は、ブラッグ反射によって円偏光の内の一つを強く反射する。無秩序状態のフォーカルコニック配向は、線欠陥によって分離された小領域から成り、光を反射せずに透過し、黒い背板での吸光による暗状態を呈する。この双安定装置は、偏光子とカラーフィルターを必要としない。特に、双安定性が分散されたポリマー鎖によって安定化されると、その双安定性も十分に良好なものとなる。しかし、この装置の光学特性は、TFT(薄膜トランジスタ)-LCDのような高品質表示装置と比較すると劣る。おそらく、最もよく研究された双安定LCD技術は、SSFLCである。この表示装置は、二つの局所安定構造状態を示し、それら両状態で光軸はセル面内にあり、ビデオ・レートの画素書き換えができるように状態間の高速スイッチングを可能にしている。しかし、この表示装置の衝撃に対する安定性は極めて弱く、外部から小さな圧力が加わるだけでデリケートなスメクティックの階層構造が壊れたり又は表示画像が壊れたりする。BTNは、大きな反平行のプレチルトを有する強力な単安定アンカリングを採用している。双安定状態はトポロジー的に等価であり、表面アンカリングブレーキングをこさずに連続してこれらの状態間をスイッチングできる。このような装置は、優れたコントラストと視野角と速いスイッチング速度を有している。しかし、BTNの主な欠点は、多くの欠陥ラインが動き易いために安定時間が短く且つ双安定なグレイスケールを達成且つ制御するのが難しい点である。



近年このような問題に対処するために、ZBD(Zenithal Bistable Display )、デュラン等によって提案されたフレクソエレクトリック結合を有する表面ネマチック双安定表示装置、表面制御された双安定ネマチック(BiNem)表示装置などの新しい双安定ネマチック表示装置が研究されてきた。これら双安定表示装置の大部分は、表面分極を使用した直流(DC)駆動又は特別なパルス形状を使用した交流(AC)駆動による垂直電界スイッチングによって動作するものである(例えば、下記特許文献1,2)。ただし、より簡単な電極構造を有し、面内電界スイッチングする横山研究グループで実施された表面パターン付き双安定表示装置は除外する。



ところで、LCセルを駆動するために極性フレクソエレクトリック結合が方位角的に双安定な表面アンカリングを採用している装置で使用されているが、実際にはDC駆動がLCセルの寿命を短くするために、垂直スイッチングによって二つの安定状態を永久的且つ完全に制御することは非常に難しい。LCの面外スイッチングも、面内スイッチングよりも狭い視野角を持つ。方位角でLCの双安定性を得るために表面に溝を設けた形状を造る最も一般的な方法として、斜めに蒸着させたSiOが使用されてきた。しかし、この方法では、表面の溝のピッチと高さに関して、また大きな寸法のパネルにおける一様性に関して、正確なアンカリング制御を再現性良く行うことができない。横山研究グループは、前記問題を克服するために、面内スイッチングを有しマイクロパターン化された表面配向を使用した双安定又は三安定ネマチック液晶装置を開発した。
【特許文献1】
特表平11-513809号公報
【特許文献2】
国際公開WO 02/06887号公報

産業上の利用分野


本発明は、双安定ネマチック液晶表示装置に関するものである。

特許請求の範囲 【請求項1】
一対の基板と、前記一対の基板間に配置された液晶層と、該液晶層と前記一対の基板の少なくともいずれか一方との間に配置された液晶配向層とを有し、該液晶配向層の少なくとも一方には、ナノインプリント・リソグラフィ技術で液晶を配向し、双安定性を得るための液晶配向層の表面処理法として用い、前記液晶層に熱転移又は濃度転移型のネマチック液晶を用いる双安定ネマチック液晶表示装置であって、暗状態は、前記ネマチック液晶の二つの安定状態を有する下部層(又は上部層)の安定状態の液晶配向方向が、ラビング処理によって前記ネマチック液晶の単安定状態の上部層(又は下部層)の液晶配向方向に平行になるときに得られ、また明状態は、前記下部層(又は上部層)のもう一つの安定状態の液晶配向方向が前記上部層(又は下部層)の前記単安定状態の液晶配向方向と方位角が直交しているときに得られることを特徴とする双安定ネマチック液晶表示装置。

【請求項2】
請求項1記載の双安定ネマチック液晶表示装置において、前記双安定性は面内(又は方位角による)双安定性として実現されていることを特徴とする双安定ネマチック液晶表示装置。

【請求項3】
請求項1又は2記載の双安定ネマチック液晶表示装置において、前記液晶配向層の少なくとも一方は、液晶配向方向として二つ以上の方位角の異なる容易軸を有することを特徴とする双安定ネマチック液晶表示装置。

【請求項4】
請求項3記載の双安定ネマチック液晶表示装置において、前記方位角の異なる容易軸の組合わせは、ナノインプリント・リソグラフィ技術によって発生した容易軸の組合わせか、又はナノインプリント・リソグラフィ技術によって発生した前記容易軸とラビング処理、SiOx蒸着物、レーザ・リソグラフィ、フォトリソグラフィ、光配向又はイオンビーム配向のいずれかで発生した容易軸との組合わせであることを特徴とする双安定ネマチック液晶表示装置。

【請求項5】
請求項4記載の双安定ネマチック液晶表示装置において、前記方位角が異なる容易軸のアンカリング強度は、同じ程度であることを特徴とする双安定ネマチック液晶表示装置。

【請求項6】
請求項5記載の双安定ネマチック液晶表示装置において、同じ程度のアンカリング強度を有する方位角の異なる容易軸は、ナノインプリント・リソグラフィ技術によって異なった方向に対して溝のピッチと高さを制御することで発生することを特徴とする双安定ネマチック液晶表示装置。

【請求項7】
請求項6記載の双安定ネマチック液晶表示装置において、双安定性を得るために、凹凸金型による一工程のナノインプリント・リソグラフィ技術によって生成される方位角が直交した二つの溝から二つの競合するアンカリング強度を有する格子状パターンを使用することを特徴とする双安定ネマチック液晶表示装置。

【請求項8】
請求項6記載の双安定ネマチック液晶表示装置において、双安定性を得るために、線状のパターンのインプリントを行う二工程を用いることを特徴とする双安定ネマチック液晶表示装置。

【請求項9】
請求項6記載の双安定ネマチック液晶表示装置において、双安定性を得るために、凹凸金型によるナノインプリント・リソグラフィ技術とラビング処理による線状のパターンの組合わせを用いることを特徴とする双安定ネマチック液晶表示装置。

【請求項10】
請求項7から9の何れか一項記載の双安定ネマチック液晶表示装置において、前記溝のピッチ及び高さ(又は深さ)は、50から1500nm及び20から1000nmであることを特徴とする双安定ネマチック液晶表示装置。

【請求項11】
請求項7から10の何れか一項記載の双安定ネマチック液晶表示装置において、インプリント方法は、光ナノインプリントおよび熱ナノインプリントを含むことを特徴とする双安定ネマチック液晶表示装置。

【請求項12】
請求項7から10の何れか一項記載の双安定ネマチック液晶表示装置において、表面トポグラフィーを作成するインプリント条件は、配向膜用のインプリント装置と金型を使用して25℃から350℃で0.2分から5分の間、3MPaから10MPaの圧力を加えることを特徴とする双安定ネマチック液晶表示装置。

【請求項13】
請求項1から10の何れか一項記載の双安定ネマチック液晶表示装置において、前記ネマチック液晶のプレチルト角度は、双安定性を得るための二つの異方性アンカリングエネルギーによる二つの優先方向の内の少なくとも一方において、1°未満であることを特徴とする双安定ネマチック液晶表示装置。

【請求項14】
請求項1から13の何れか一項記載の双安定ネマチック液晶表示装置において、二つの安定状態をスイッチングするため、上部基板及び下部基板に交差した櫛歯状電極からなる電極構造を有することを特徴とする双安定ネマチック液晶表示装置。

【請求項15】
請求項1から13の何れか一項記載の双安定ネマチック液晶表示装置において、二つの安定状態の電極構造を、二周波駆動のネマチック液晶材料と上部基板と下部基板の一方に配置された櫛歯状電極からなる電極構造を有することを特徴とする双安定ネマチック液晶表示装置。

【請求項16】
請求項14又は15記載の双安定ネマチック液晶表示装置において、透明電極を用いることを特徴とする双安定ネマチック液晶表示装置。

【請求項17】
請求項1記載の双安定ネマチック液晶表示装置において、前記液晶層のリタデーションd△nは、0.3≦d△n≦0.6となるように制御されることを特徴とする双安定ネマチック液晶表示装置。

【請求項18】
請求項1から17記載の双安定ネマチック液晶表示装置において、配向層の材料は、10-7から10-4J/m2のアンカリング強度(係数)を有していることを特徴とする双安定ネマチック液晶表示装置。

【請求項19】
請求項1から18の何れか一項記載の双安定ネマチック液晶表示装置において、1μmよりも大きく且つ深さ(又は高さ)が50nm未満のピッチを有する金型がナノインプリント・リソグラフィに用いられることを特徴とする双安定ネマチック液晶表示装置。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2006276175thum.jpg
出願権利状態 登録
参考情報 (研究プロジェクト等) ERATO/SORST 液晶ナノシステム 領域
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