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超音波診断装置及び組織性状判別のプログラム

国内特許コード P08P005848
整理番号 412
掲載日 2008年9月12日
出願番号 特願2007-047005
公開番号 特開2008-206779
登録番号 特許第4839446号
出願日 平成19年2月27日(2007.2.27)
公開日 平成20年9月11日(2008.9.11)
登録日 平成23年10月14日(2011.10.14)
発明者
  • 内野 英治
  • 末竹 規哲
  • 久保田 良輔
  • 松崎 益徳
  • 廣 高史
出願人
  • 国立大学法人山口大学
発明の名称 超音波診断装置及び組織性状判別のプログラム
発明の概要

【課題】超音波の反射波信号を検出して得られた断面を表す画像の処理により管状器官内面の組織性状が線維性か脂質性かを判別できるようにする。
【解決手段】超音波探触子(T)を取り付けたカテーテル(C)、カテーテル(C)を軸を中心とした回転及び軸方向へ移動させる駆動部(1)、カテーテル動作制御部(2)、超音波探触子(T)の動作制御を行う超音波探触子制御部(3)、超音波探触子(T)で得られた信号を処理する信号処理部(5)、制御部(10)を備えた超音波診断装置であり、超音波探触子(T)により得られた信号から管状器官の一連の断面を表す画像を生成し、それらの画像の位置合わせを行ってから、隣接する画像の差分により形成される差分画像を生成し、さらに該差分画像を累積した累積差分画像を生成し、該累積差分画像を二値化する処理を行うことにより組織性状を判別するための二値化累積差分画像を生成する。
【選択図】図3

従来技術、競合技術の概要


超音波を血管等の管状器官の内面に照射し、受信した反射波の信号を処理して得られたデータに基づいて管状器官内の状態を検査するものとして、超音波診断装置が用いられている。例えば、動脈血を大動脈から心臓へ運ぶ冠動脈の疾患の検査を行う場合についてみると、冠動脈の疾患は、血管内膜に脂肪物質がプラークとして堆積し、血管内が狭くなって、心臓への血液供給が減少することによる疾患であり、プラークには、脂質コアが線維性組織にしっかりと囲まれた安定プラークと、脂質コアが薄い線維性皮膜に覆われている不安定プラークとがある。不安定プラークの場合に線維性皮膜が破裂すると、血栓が生じ、冠動脈疾患を引き起こす事態になる。冠動脈疾患の診断としては、冠動脈内面に堆積するプラークがどのような組織性状のものかを判別することが要せられる。



血管内の組織性状の検査のために、超音波探触子を有する直径1mm程度の管状部材(カテーテル)を血管内に挿入し、超音波の送受信により反射波信号の強度分布をある断面内において取得する。異なる断面については、カテーテルを血管に沿って移動させることにより得られる。



超音波探触子での超音波送受信により得られたデータを用いて組織性状の判別を行うことについて、以下のような文献に記載されている。



特許文献1には、複数のトランスデューサから被検体に向けて超音波を送信し、反射した超音波を受信して得られた複数の受信信号のうちで、被検体内の領域に関する一群の受信信号間の相互的な関係に基づいて、その領域における組織性状に関する情報を生成するようにした超音波撮像装置について記載されている。受信信号間の相互的な関係としては、分散等の正反射度を表す統計量が用いられ、分散の程度により組織の輪郭の性状(明確な反射面か否か、硬さ、軟らかさ等)が求められる。



特許文献2には、被検体の内部組織に探触子から超音波ビームを照射し、内部組織からの超音波エコーを探触子で受信する超音波診断装置について記載され、傾斜角算出部において内部組織または内部組織内の血流の傾斜角を検出し、この傾斜角に基づいて超音波ビームを内部組織または内部組織内の血流に垂直に入射させる偏向角を算出しその偏向角で超音波ビームの送受信を行い、受信信号に基づいてトラッキング、組織性状の検査を行う。組織性状としては、内部組織の歪み量、弾性率、運動速度、粘性率等がある。



非特許文献1には、超音波探触子を備えるカテーテルを動脈内に挿入し、反射超音波の受信信号により得られた血管断面内における輝度分布(IVUS)画像において、線維性の組織と脂質性の組織とでは超音波の入射角依存性に差違があることから、IVUS画像において、この角度依存性の差違に基づく輝度分布の変化が生じることにより、血管内面の組織性状を判別し得ることが可能なことについて記載されている。



超音波の反射の性質として、反射媒質の密度が高いときには反射強度が高く、媒質の密度が低ければ、反射強度が低くなり、このような性質から、特許文献1、2に示される超音波診断装置において、超音波反射波信号による超音波画像のデータをもとに血管内面の媒質の密度、硬さ、というような性状を判別することはできているが、媒質の質的な特徴を含む組織性状については判別できない。



また、非特許文献1に示されるように、線維性の組織と脂質性の組織とで受信される反射超音波の強度が入射角度についての角度依存性を有することが知られており、このことにより組織性状を判別し得る可能性があることが推察されるものの、例えば前述したような冠動脈疾患の検査を行う場合に実際に組織性状を判別するための具体的な手法について示すものではなかった。

【特許文献1】特開2006-122666号公報

【特許文献2】特開2006-115937号公報

【非特許文献1】廣高史他「Detection of Fibrous Cap in Atherosclerotic Plaque by Intravascular Ultrasound by Use of Color Mapping of Angle-dependent Echo-Intensity Variation」(Circulation,vol.103,pp.1206-1211,2001)

産業上の利用分野


本発明は、超音波診断装置及び組織性状判別のプログラムに関し、より詳細には、動脈血管等の管状器官内の組織性状を判別する超音波診断装置及び組織性状判別のプログラムに関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
超音波の送信・受信を行う超音波探触子を取り付けた細い管状部材と、該細い管状部材の軸を中心とした回転及び軸方向の移動の制御を行う駆動部と、前記管状部材に取り付けられた超音波探触子で超音波を管状の被検体の内面に照射して得られた反射超音波信号を処理して被検体の断面を表す画像を生成する信号処理部と、該信号処理部により生成された画像を表示する表示部と、前記細い管状部材、超音波探触子及び信号処理部の動作の制御を行う制御部とを備えてなり、前記制御部は前記細い管状部材の軸を中心とした回転及び軸方向への移動を行って前記超音波探触子により送信した超音波の反射超音波信号を受信する制御を行い、前記信号処理部においては前記超音波探触子により得られた信号から管状の被検体についての一連の断面を表す画像を生成し、該生成された一連の断面を表す画像の位置合わせを行い、位置合わせのなされた前記一連の断面を表す画像について隣接する画像の差分により形成される差分画像を生成し、さらに該差分画像を累積した累積差分画像を生成し、該累積差分画像を二値化する処理を行うことにより組織性状を判別するための二値化累積差分画像を生成することを特徴とする超音波診断装置。

【請求項2】
前記一連の断面を表す画像の位置合わせを行う際に、管状の被検体断面を円で近似し、管状の被検体の中心位置を同定した後に前記一連の断面を表す画像のデータを前記管状の被検体の中心位置からの極座標による画像のデータに変換し、隣接する画像の間での相関係数が最大になるように回転角度の同定を行うようにしたことを特徴とする請求項1に記載の超音波診断装置。

【請求項3】
細い管状部材に装着された超音波探触子により超音波を管状の被検体の内面に照射して反射超音波信号を取得する操作を前記細い管状部材の軸を中心とした回転に応じて行って管状の被検体の1つの断面画像を得ることを前記細い管状の部材の軸方向への移動に応じて行うことにより得られた複数の一連の断面を表す画像について、該複数の一連の断面を表す画像の位置合わせを行い、位置合わせのなされた前記一連の断面を表す画像について隣接する画像の差分により形成される差分画像を生成し、さらに該差分画像を累積した累積差分画像を生成し、該累積差分画像を二値化する処理を行うことにより組織性状を判別するための二値化累積差分画像を生成することをコンピュータ上で実行するための組織性状判別のプログラム。

【請求項4】
前記一連の断面を表す画像の位置合わせに関し、管状の被検体断面を円で近似し、管状の被検体の中心位置を同定した後に前記一連の断面を表す画像のデータを前記管状の被検体の中心位置からの極座標による画像のデータに変換し、隣接する画像の間での相関係数が最大になるように回転角度の同定を行うようにしたことを特徴とする請求項3に記載の組織性状判別のプログラム。
産業区分
  • 治療衛生
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2007047005thum.jpg
出願権利状態 権利存続中
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