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ダイヤモンド紫外線センサー

国内特許コード P08A013746
掲載日 2008年9月26日
出願番号 特願2005-247774
公開番号 特開2007-066976
登録番号 特許第5019305号
出願日 平成17年8月29日(2005.8.29)
公開日 平成19年3月15日(2007.3.15)
登録日 平成24年6月22日(2012.6.22)
発明者
  • 小出 康夫
  • メイヨン リョウ
  • ホセ アントニオ アルバレッツ
出願人
  • 国立研究開発法人物質・材料研究機構
発明の名称 ダイヤモンド紫外線センサー
発明の概要
【課題】従来のダイヤモンド半導体を受光部に用いた紫外線センサー素子は、紫外線を検
出するために必ず印加電圧が必要であり、印加電圧が無くても、即ちゼロ電圧であっても
紫外線を検出することはできなかった。
【解決手段】受光部材料の電気抵抗の変化又は光電流の変化によって、受光部に照射され
る光を検出する、2端子電極を持つショットキー型光センサー素子であって、表面伝導層
を除去したダイヤモンド表面を電極との接合界面に用い、ショットキー性電極に高融点金
属元素のカーバイド化合物又は窒化物を単一層として用い、オーム性電極にダイヤモンド
と反応することによってカーバイド又は炭素との固溶体を形成することができる単一金属
を用いた構造を持ち、電圧ゼロで駆動するダイヤモンド紫外線センサー。
【選択図】図1
従来技術、競合技術の概要


ダイヤモンド半導体は、バンドギャップが室温で約5.5eV(光波長で約225nmに
対応)とかなり大きく、ドーパント(不純物)が添加されていない真性状態において絶縁
体として振舞うことが知られている。単結晶薄膜を成長させる方法は、実質的に炭素及び
水素を含む雰囲気、例えば、CH4(メタン)とH2(水素)ガスを用いたマイクロ波励起プ
ラズマ気相成長法が開発(特許文献1)されており、工業的に広く普及している。また、
マイクロ波励起プラズマ気相成長法においてドーパントとしてB(ボロン)を添加するこ
とによって、p型(主たるキャリアが正孔)の電気伝導性を制御することも広く行われて
いる。



マイクロ波励起プラズマ気相成長法は、水素を含む雰囲気を用いる気相成長法であるた
め、成長させたダイヤモンド単結晶膜表面には、実質的に水素で覆われた表面であること
が知られている。即ち、表面には炭素原子(C)の未結合手が水素原子(H)によって結
合終端されたC-H分子構造が存在し(以後「水素化」と呼ぶ)、この水素化に伴ってダ
イヤモンド表面近傍のダイヤモンド内には主たるキャリアの正孔が表面近傍(2nm以内
)に局在した表面伝導層が発生していることが知られている。この表面電気伝導層は、ア
ンドープ及びボロンドープの(100)および(111)面単結晶薄膜、及び多結晶薄膜
においても同様に存在することも知られている。



この表面伝導層の発生機構は世界的にも論争段階にあるが、少なくとも実験的には表面
伝導層は、(1)200℃程度までは安定に存在し、(2)水素化されたダイヤモンド表
面にのみ発生していることがわかっている。表面の結合水素を除去する溶液処理(酸化処
理と呼ぶ)、例えば、沸騰させた硫酸・硝酸混合液中に浸す処理を施すことによって、こ
の表面伝導層は消滅することも知られている。



受光部半導体の電気抵抗の変化又は光電流量の変化によって受光部に照射される紫外線
を検出する、いわゆるショットキー型光センサー素子としては、波長400nmから65
0nmの範囲の可視光等にも検出感度を持つSi半導体、また上記可視光等や赤外域の雑
音光には検出感度を全く持たないAlGa1-xN(0≦x≦1)半導体及びダイヤモ
ンド半導体を受光部の固体材料として用いたもの等が従来から考えられている。



これらのショットキー型光センサー素子の光検出原理は、受光部のショットキー性電極
を通して、ショットキー性電極直下の半導体表面近傍にバンドギャップ以上のエネルギー
を持つ光を照射することによって、半導体内に電子-正孔対を発生させ、電圧印加したシ
ョットキー性電極直下の半導体表面近傍に発生する外部電場によって、このキャリアを走
行させることによる光電流量の変化を検出するものである。



2端子素子からなる光センサー素子の中でも、2つのショットキー性電極から構成され
且つくし型電極構造を持つ金属-半導体-金属構造(MSM)型素子、およびショットキー
性電極とオーム性電極の2種類の異なった電極から構成されるショットキー型素子が広く
使われているが、本発明においても、少なくとも一つのショットキー性電極を利用して紫
外線を検出する方式を採用している。



ダイヤモンド半導体を紫外線センサー素子に応用した例として、例えば、非特許文献1
には、多結晶ダイヤモンド薄膜の表面伝導層を受光部に用い、第1層電極にTi、第2層電
極にAu用いたMSM型の光伝導型センサー素子において、200nmの紫外線照射に対して
0.03A/Wの検出感度を達成しているものが記載されている。また、非特許文献2に
は、酸化処理を施すことによって表面伝導層を除去した多結晶ダイヤモンド膜を受光部に
用い、更に第1層電極にTi、第2層電極にAu用いたMSM型の光伝導型センサー素子におい
て、200nmの紫外線照射に対して、0.02A/Wの検出感度を得ているものが記載
されている。また、非特許文献3には、整流性電極としてAu、およびオーム性電極として
Ti/Ag/Au(ここで、“/”記号は堆積順序を示す)を多結晶ダイヤモンド薄膜上に形成し
たショットキー型のセンサー素子において、検出感度は不明であるが200nmと600
nm光照射時の可視光ブラインド比が5桁であるものが記載されている。



また、先行技術例として、特許文献2は、厚さ40μmのダイヤモンド多結晶薄膜又は
(100)及び(111)配向薄膜と表面の結合水素を除去した表面を受光部に利用した
ダイヤモンド紫外線センサー素子に関する技術であり、検出感度が実用化には不十分であ
る。特許文献3は、ダイヤモンドの表面伝導層を受光部に利用したダイヤモンド紫外線セ
ンサー素子であり、その検出感度波長は可視光域全体にわたる特性を持っており、ダイヤ
モンドのバンドギャップ内の欠陥準位を利用した光伝導型センサー素子であり、250n
m以下の紫外線を選択的に検出することはできない。



以上のすべての従来のダイヤモンド紫外線センサーは、紫外線を検出するためには、少
なくも1V以上の印加電圧が必要であり、印加電圧が無い(ゼロV)時には紫外線を検出す
ることができない欠点を持っている。



【非特許文献1】
H. J. Looi ,M. D. Whitfield, and R. B. Jackman, Appl. Phys. Letts. 74, 3332 (1999)
【非特許文献2】
R. D. McKeag and R. B. Jackman, Diamond Relat.Mater. 7, 513 (1998)
【非特許文献3】
M. D .Whitfield, S. SM. Chan, and R. B. Jackman, Appl. Phys. Lett.. 68, 290 (1996)
【特許文献1】
特公昭59-27754号公報
【特許文献2】
特開平11-248531号公報
【特許文献3】
特開平11-097721号公報

産業上の利用分野


本発明は、ダイヤモンド紫外線センサーに関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
受光部材料の電気抵抗の変化又は光電流の変化によって、受光部に照射される光を検出する、2端子電極を持つショットキー型光センサー素子であって、
表面伝導層を除去したダイヤモンド表面を電極との接合界面に用い、ショットキー性電極に高融点金属元素のカーバイド化合物又は窒化物を単一層として用い、オーム性電極にダイヤモンドと反応することによってカーバイド又は炭素との固溶体を形成することができる単一金属を用いた構造を持ち、ショットキー性電極の単一層の厚さが10nm以下であることを特徴とする電圧ゼロで駆動するダイヤモンド紫外線センサー。

【請求項2】
受光部材料の電気抵抗の変化又は光電流の変化によって、受光部に照射される光を検出する、2端子電極を持つショットキー型光センサー素子であって、
表面伝導層を除去したダイヤモンド表面を電極との接合界面に用い、少なくとも1つの電極において、ダイヤモンド表面に接触する電極層が、高融点金属元素のカーバイド化合物又は窒化物から構成され、ショットキー性電極の単一層の厚さが10nm以下であることを特徴とする電圧ゼロで駆動するダイヤモンド紫外線センサー。

【請求項3】
受光部材料の電気抵抗の変化又は光電流の変化によって、受光部に照射される光を検出する、2端子電極を持つショットキー型光センサー素子であって、
表面伝導層を除去したダイヤモンド表面を電極との接合界面に用い、少なくとも1つの電極において、ダイヤモンドと反応することによってカーバイド又は炭素との固溶体を形成することができる単一金属を用いた構造を持ち、ショットキー性電極の単一層の厚さが10nm以下であることを特徴とする電圧ゼロで駆動するダイヤモンド紫外線センサー。

【請求項4】
表面伝導層を除去したダイヤモンド表面がダイヤモンドの水素終端表面を酸化処理して形成された表面であることを特徴とする請求項1、2、および3のいずれかに記載の電圧ゼロで駆動するダイヤモンド紫外線センサー。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2005247774thum.jpg
出願権利状態 登録
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