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光学活性ヒドラジノケトエステル化合物の製造方法 コモンズ

国内特許コード P08P005691
整理番号 E076P91
掲載日 2008年9月26日
出願番号 特願2007-061124
公開番号 特開2008-222620
登録番号 特許第4860509号
出願日 平成19年3月10日(2007.3.10)
公開日 平成20年9月25日(2008.9.25)
登録日 平成23年11月11日(2011.11.11)
発明者
  • 小林 修
  • 白川 誠司
出願人
  • 国立研究開発法人科学技術振興機構
発明の名称 光学活性ヒドラジノケトエステル化合物の製造方法 コモンズ
発明の概要 【課題】
本発明は、β-ケトエステルを用いたC-N結合の不斉生成反応を水性溶媒系で行う方法を提供する。
【解決手段】
本発明は、キラルなホスフィノフェロセン誘導体、及び銀化合物とを混合させて得られる触媒の存在下で、アゾジカルボキシレートとβ-ケトエステル化合物とを、水性溶媒中で反応させることからなる、光学活性α-ヒドラジノ-β-ケトエステル化合物を製造する方法に関する。
【選択図】 なし
従来技術、競合技術の概要


有機合成反応における新たなC-N結合の生成反応は、アミノ基などの窒素含有の官能基の導入反応として重要な反応である。なかでも、飽和炭素原子(sp混成)、特に環状系における飽和炭素原子における立体選択的な窒素原子の導入は、光学活性なアミンを生成する反応として有用な方法である。



β-ケトエステル類に対する不斉アミノ化反応は光学活性のアミノ酸エステル類を合成するための有力な手法の一つである。なかでも、アゾジカルボキシレートを用いる不斉ヒドラジノ化反応は、生成するヒドラジノ化合物の窒素-窒素結合が還元的に切断できることから、不斉アミノ化反応の等価反応として位置づけることができる。これまでにこの反応について有機金属触媒(非特許文献1)や有機触媒(非特許文献2、6)を用いた高エナンチオ選択的な例が報告されているものの、そのほとんどが無水溶媒中で行われており、水溶液中や含水有機溶媒のような水共存下の穏和な条件での高エナンチオ選択的な反応の報告はこれまで存在していなかった。
また、リチウムエノラートとニトロソ化合物とをキラルなルイス酸触媒の存在下に反応させてC-N結合を生成させる方法も提案されている(特許文献1参照)が、この方法も有機溶媒中で行うものであった。



有機溶媒を用いる反応は、厳密な無水条件を必要とする場合があることだけでなく、有機溶媒による毒性や環境汚染などの問題から、工業的な製造方法として採用が難しくなってきている。特に、医薬品工業や食品工業においては、製品に残留する有機溶媒の毒性が問題となるだけでなく、廃液となる有機溶媒の処理が問題化されてきており、溶媒として水又は水性溶媒をいる方法の開発が望まれている。
本発明者らは、β-ケトエステル類とα,β-不飽和ケトンとのミカエル反応をキラルな銀触媒の存在下に水性溶媒中で行う方法を報告してきた(特許文献2参照)。この方法は水性溶媒系によるものであるが、C-C結合を生成させる反応であり、この反応では新たなC-N結合を生成させることはできない。



また、遷移金属錯体のキラルな配位子としてのホスフィノフェロセンについては多数の報告がなされている。例えば、電子供与基として第三級アミノ基を有するホスフィノフェロセン(特許文献3参照)、2個のホスフィノフェロセンをリンカー基で結合させたもの(特許文献4参照)、オキサゾリン基を導入したホスフィノフェロセン(特許文献5参照)、ホスフィノフェロセンを固体担体に固定化したもの(特許文献6参照)、フェロセンの一方の5員環にホスフィノ基とホスフィノアルキルを結合させたもの(特許文献7-9、特許文献10の例34、及び特許文献11参照)などが報告されている。これらのキラルなホスフィノフェロセンは、不斉水素化、不斉ヒドロシリル化、不斉異性化、不斉アルドール反応、不斉環化反応などに使用されてきたが、いずれも有機溶媒系でのものであった。



【特許文献1】
特開2004-115446号公報
【特許文献2】
特開2002-275127号公報
【特許文献3】
特開平10-45787号公報
【特許文献4】
特表2003-522162号公報
【特許文献5】
特開平9-59290号公報
【特許文献6】
特開2000-72723号公報
【特許文献7】
EP,A1,564406号公報
【特許文献8】
EP,A1,612758号公報
【特許文献9】
EP,A1,646590号公報
【特許文献10】
特開平5-202084号公報
【特許文献11】
特開2003-261557号公報
【非特許文献1】
Jorgensen, K. A. et. al. Angew. Chem. Int. Ed. 2003, 42, 1367.
【非特許文献2】
Ma, S. et al. Org. Lett. 2004, 6, 2193.
【非特許文献3】
Jorgensen, K. A. et al. J. Am. Chem. Soc. 2004, 126, 8120.
【非特許文献4】
Pihko, P. M. et al. Synlett 2004, 2115.
【非特許文献5】
Takemoto, Y. et al. Synlett 2006, 137.
【非特許文献6】
Kim, D. Y. et al. Tetrahedron Lett. 2006, 47, 4565.

産業上の利用分野


本発明は、キラルなホスフィノフェロセン誘導体、及び銀塩とを混合させて得られる触媒の存在下で、アゾジカルボキシレートとβ-ケトエステル化合物とを、水性溶媒中で反応させることからなる、光学活性α-ヒドラジノ-β-ケトエステル化合物を製造する方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
次の一般式(1)
【化1】


(式中、R、及びRは、それぞれ独立して置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基、又は置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基を示し、Rは置換基を有していてもよい炭化水素基を示し、Rはそれぞれ独立して水素原子又は置換基を有していてもよい炭化水素基を示す。)
で表わされるキラルなホスフィノフェロセン誘導体、及びAgClOとを混合させて得られる触媒の存在下で、
次の一般式(2)
【化2】


(式中、Rは、それぞれ独立して置換基を有していてもよい炭化水素基を表す。)
で表わされるアゾジカルボキシレートと
次の一般式(3)
【化3】


(式中、R、及びRは、それぞれ独立して、置換基を有していてもよい炭化水素基又は複素環基を示すか、RとRが一緒になって隣接する炭素原子と共に単環式、多環式、又は縮合環式の5~10員の環を形成してもよく、Rは、置換基を有していてもよい炭化水素基又は複素環基を示す。)
で表されるβ-ケトエステル化合物とを、水性溶媒中で反応させることからなる、光学活性α-ヒドラジノ-β-ケトエステル化合物を製造する方法。

【請求項2】
一般式(1)におけるRが置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基であり、Rが置換基を有していてもよいアルキル基であり、Rが置換基を有していてもよいアルキル基であり、Rが水素原子である請求項に記載の方法。

【請求項3】
一般式(2)におけるRが、置換基を有していてもよいアルキル基である請求項1又は2に記載の方法。

【請求項4】
一般式(3)におけるR、及びRが、それぞれ独立して、置換基を有していてもよいアルキル基を示すか、RとRが一緒になって隣接する炭素原子と共に5~10員の環を形成するものであり、Rが置換基を有していてもよいアルキル基である請求項1~3のいずれかに記載の方法。

【請求項5】
水性溶媒が、水と有機溶媒の混合溶媒である請求項1~のいずれかに記載の方法。

【請求項6】
水性溶媒が、水と有機溶媒の混合溶媒からなる均一系の溶媒である請求項1~5のいずれかに記載の方法。

【請求項7】
請求項1~のいずれかに記載された方法により製造された光学活性α-ヒドラジノ-β-ケトエステル化合物を還元して、対応する光学活性α-アミノ-β-ケトエステル化合物を製造する方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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出願権利状態 登録
参考情報 (研究プロジェクト等) ERATO 小林高機能性反応場プロジェクト 領域
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