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透過電子顕微鏡

国内特許コード P08A013771
掲載日 2008年10月7日
出願番号 特願2005-327684
公開番号 特開2007-134229
登録番号 特許第4788887号
出願日 平成17年11月11日(2005.11.11)
公開日 平成19年5月31日(2007.5.31)
登録日 平成23年7月29日(2011.7.29)
発明者
  • 石塚 和夫
  • 三留 正則
  • 木本 浩司
  • 板東 義雄
出願人
  • 独立行政法人物質・材料研究機構
発明の名称 透過電子顕微鏡
発明の概要

【目的】電子波は、物体を透過したとき、電場や磁場中を通過したとき、ならびに、電磁レンズによって曲げられたときなどに、その位相を変化させる。この位相変化を計測することで、吸収コントラストの小さな位相物体や、電場・磁場の強度、さらには、電磁レンズの収差などを知ることができる。これら各種の情報を得るために、電子波の位相分布を高速に計測する装置を提供する。
【解決手段】計測対象の計測面を高速かつ自動的に選択する機構及び、電子波強度分布を高速に読み書きのできる画像計測機構を備え、当該画像計測機構に記録された複数の画像から、自由空間を伝搬する波の位相変化と強度変化の関係を表した一般式である強度輸送方程式に基づいて、電子波の位相分布を高速に計測表示する演算機構を備えることで実現する。
【選択図】図5

従来技術、競合技術の概要


光学顕微鏡の分野においては吸収コントラストの小さい生物試料などの観察にはZernikeによる位相板を用いる位相差顕微鏡が用いられている。しかし、電子波などに対する位相板はそのサイズが数十ミクロンと小さく、ミクロンのオーダでの位相板の位置合わせ精度が必要とされる。また位相板への電子線照射による帯電、損傷などの解決困難な問題が存在する(特許文献1)。



電子線ホログラフィでは波面が再生できるので、波の位相を計測することが可能であり、時間的な変化の観察(‘その場’観察)の提案もなされている(特許文献2)。しかし、電子線ホログラフィは真空中を通過した参照波を必要とするので、観察できる領域は真空に接する試料端のみであり、その利用には限界がある。



位相物体では試料直下では振幅変化が無いが、波が伝播することにより振幅に強度差が生じる。このため、試料より焦点を外して計測すれば、物体の存在は認識できる場合が有る。しかし、この場合には焦点を外すことにより観察像にぼけが生じる。



最近、焦点を外すことにより得られる位相物体の光学顕微鏡像あるいは電子顕微鏡像から、強度輸送方程式(非特許文献1)に基づく画像処理により、位相分布が求まることが示されている(例えば、非特許文献2)。また、最近、求まった位相分布から波面を再生し、球面収差の補正が可能であることも示された(非特許文献3)。しかし、これはオフラインの処理であり、光学における位相差顕微鏡のように位相分布をその場観察することはできない。



電子顕微鏡では、軸対称磁界型対物レンズは常に凸レンズであり、光学顕微鏡のように凹レンズを組み合わせることにより球面収差を補正することはできない。最近、電子顕微鏡における球面収差補正は多極子レンズの開発により可能になってきている。しかし、球面収差補正を多極子レンズにより実現しても吸収コントラストの小さい生物試料などの位相物体の観察は依然として困難である。




【特許文献1】特開2001-273866号公報

【特許文献2】特開平5-323859号公報

【非特許文献1】M.R. Teague, J. Opt. Soc. Am. 73 (1983) 1434-1441

【非特許文献2】E.D. Barone-Negent, A. Barty and K.A. Nugent, J. Microsc. 206 (2002) 194-203

【非特許文献3】K. Ishizuka and B. Allman, J. Electron Micros, (2005) in press

産業上の利用分野


本発明は、電子波面の位相分布を計測する機能を有する透過電子顕微鏡に関する。本発明の装置は、透過電子顕微鏡における吸収コントラストの小さい生物試料、電場磁場の強度、さらには、電磁レンズの収差などの観察に好適である。

特許請求の範囲 【請求項1】
計測対象となる物体からの光学的伝播距離の異なる計測面を順方向および逆方向に選択する計測面選択機構と、
電子波強度を計測する画像計測機構と、
順方向および逆方向に計測された電子波強度から強度輸送方程式に基づき、電子波の位相を求める位相演算機構
を備えることを特徴とする透過電子顕微鏡。


【請求項2】
請求項1記載の計測面選択機構において、
前記画像計測機構の記録面の位置を電子波の伝播方向に平行に移動させることにより、前記光学的伝播距離を変化させることを特徴とする透過電子顕微鏡。

【請求項3】
請求項1 記載の計測面選択機構において、
前記計測対象となる物体の位置を電子波の伝播方向に平行に移動させることにより、前記光学的伝播距離を変化させることを特徴とする透過電子顕微鏡。


【請求項4】
請求項1記載の計測面選択機構において、
結像レンズ電流の強さを制御することにより、前記光学的伝播距離を変化させることを特徴とする透過電子顕微鏡。

【請求項5】
請求項1記載の計測面選択機構において、
電子線の加速電圧を制御することにより、前記光学的伝播距離を変化させることを特徴とする透過電子顕微鏡。
産業区分
  • 電子管
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2005327684thum.jpg
出願権利状態 権利存続中
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