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層状ケイ酸塩複合体とその製造方法

国内特許コード P08A013797
掲載日 2008年10月7日
出願番号 特願2006-044575
公開番号 特開2007-223827
登録番号 特許第5110497号
出願日 平成18年2月21日(2006.2.21)
公開日 平成19年9月6日(2007.9.6)
登録日 平成24年10月19日(2012.10.19)
発明者
  • 藤井 和子
  • 井伊 伸夫
  • 藤田 武敏
出願人
  • 独立行政法人物質・材料研究機構
発明の名称 層状ケイ酸塩複合体とその製造方法
発明の概要

【課題】 Segregationを生じさせることなく、層状ケイ酸塩の同一の層間のナノレベル
二次元空間に異なる物質を導入した新しい層状ケイ酸塩複合体とその製造方法を提供する。
【解決手段】 ケイ酸塩層状部が次式
n(M3-nLiq)Si410(OH)2
(式中のLはアルカリ金属元素の少くとも1種を、MはMg、AlおよびFeのうちの少くとも1種を示し、0<n<0.6、0<q<0.6を示す。)の組成で表わされる層状ケイ酸塩の同一のケイ酸塩層状部層間に、複数の色素構成の有機基もしくは有機分子が共存している層状ケイ酸塩複合体とする。
【選択図】 図1

従来技術、競合技術の概要


従来より、色素の中でも蛍光特性を有する色素を能動媒質として用いた色素レーザーが、波長可変レーザー等として実用化されている。色素レーザーは、一般には、色素を水や有機溶媒に溶かし、液体レーザーとして使用するため、利便性に欠ける、劣化しやすいなどといった欠点があった。色素を蒸気にする気体レーザーも使用されているが、使用上の制限がさらに多く、利便性に欠けていた。そのため、実用に際し利便性や劣化に対する耐性の向上が期待できる。固体色素レーザーの開発が試みられている。



色素を利用した固体レーザーに関しては、たとえば、透明樹脂やSiO2キセロゲル等
に色素を分散させて固体化するという技術が既に公知とされている。具体的には、たとえば、色素をサポナイトヘインターカレートして固体の複合体を合成すること等が報告されている。



しかしながら、上記のような方法で得られた色素複合体は、実用の際の各種の操作によって、色素がデインターカレート等してサポナイト等の固体から遊離してしまい、材料としての安定性にかけるという問題があった。



そこで、本発明者らは、このような問題点を解消し、色素をその蛍光特性を損なうことなく層状ケイ酸塩に複合化し、安定で、蛍光特性がより多様化された新規な層状ケイ酸塩/色素複合体とその製造方法を開発し、これを発明として提案している(特許文献1)。



その後も、層状ケイ酸塩への色素の複合化についての検討が様々に進められてきている。



一方、固相での光誘起電子移動反応による太陽光の利用等を目指して、上記のような層状ケイ酸塩の層間等の、ナノレベルの二次元空間に、異なる複数種の色素や機能性有機化合物を共存させることが試みられてきている。たとえば、色素レーザーにおいても、蛍光発光波長幅の異なる複数種の色素を複合化できれば固体レーザーとしての蛍光発光波長幅も大きく拡大できることが期待されているからである。



しかしながら、層状ケイ酸塩の層間等のナノレベルの二次元空間への異なる複数種の物質を導入しようとすると、各々の化学種が別々の層間に挿入されてしまうという、「Segregation」と呼ばれる現象がおこる(たとえば非特許文献1)という問題があった。この
ような別々の層間に各々の化学種が挿入されたのでは、上記のような蛍光発光波長幅の拡大等の機能複合化は実現されないことになる。

【特許文献1】特開2002-275385号公報

【非特許文献1】J.Cood.Chem.,16,131(1987)

産業上の利用分野


本発明は、固体色素レーザーや光電変換素子等として有用な新規層状ケイ酸塩複合体とその製造方法に関するものである。

特許請求の範囲 【請求項1】
ケイ酸塩層状部が次式
(M3-nq)Si410(OH)2
(式中のLはアルカリ金属元素の少くとも1種を、MはMg、AlおよびFeのうちの少くとも1種を示し、O<n<0.6,O<q<0.6を示す。)の組成で表わされる層状ケイ酸塩の同一のケイ酸塩層状部層間に、複数の色素構成の有機基もしくは有機分子が共存していることを特徴とする層状ケイ酸塩複合体。

【請求項2】
色素構成の有機基もしくは有機分子の少なくとも1種はケイ酸塩層状部に共有結合されていることを特徴とする請求項1の層状ケイ酸塩複合体。

【請求項3】
組成式が次式
(RA)k(RB)mn(M3-nq)Si410(OH)2
(式中のL、M、n、qは前記のものを示し、RAおよびRBは、各々、色素構成の有機基もしくは有機分子を示し、0<k<1.0、0<m<4.0であって、かつ、0.06<k+m<5.0を示す。)で表わされることを特徴とする請求項1または2の層状ケイ酸塩複合体。

【請求項4】
RBは、ケイ酸塩層状部に共有結合されている色素構成の有機基もしくは有機分子であって、0.01<k<1.0、0.05<m<4.0であることを特徴とする請求項3の層状ケイ酸塩複合体。

【請求項5】
RAがローダミン(C283123)であり、RBはクマリン(C1414NO4)であ
ることを特徴とする請求項4の層状ケイ酸塩複合体。

【請求項6】
蛍光特性を示すことを特徴とする請求項1から5のいずれかの層状ケイ酸塩複合体。

【請求項7】
複数の蛍光極大を併せ持つことを特徴とする請求項1から6のいずれかの層状ケイ酸塩複合体。

【請求項8】
複数の蛍光極大を併せ持ち、複数の色素構成の有機基もしくは有機分子は各々蛍光発光を示すものであることを特徴とする請求項1から7のいずれかの層状ケイ酸塩複合体。

【請求項9】
塊状、粉末、もしくは膜状の固体であることを特徴とする請求項1から8のいずれかの層状ケイ酸塩複合体。

【請求項10】
ケイ酸塩層状部層間に複数の色素構成の有機基もしくは有機分子が共存している層状ケイ酸塩複合体の製造方法であって、前記層間に複数の色素構成の有機基もしくは有機分子を各々順次に液相で導入して複合化することを特徴とする層状ケイ酸塩複合体の製造方法。

【請求項11】
ケイ酸塩層状部に色素構成の有機基もしくは有機分子を結合した複合前駆体の懸濁液に他種の色素構成の有機基を有する物質もしくは有機化合物の溶液を混合して複合懸濁液とし、次いで固化処理することを特徴とする請求項10の層状ケイ酸塩複合体の製造方法。

【請求項12】
複合懸濁液を濾別、成形、乾燥することを特徴とする請求項11の層状ケイ酸塩複合体の製造方法。

【請求項13】
複合懸濁液を基板にキャストもしくはスピンコートすることでフィルムまたは膜状とす
ることを特徴とする請求項11の層状ケイ酸塩複合体の製造方法。

【請求項14】
複合体前駆体は、ケイ酸塩層状部に色素構成の有機基もしくは有機分子を共有結合させたものであることを特徴とする請求項11から13のいずれかの層状ケイ酸塩複合体の製造方法。
産業区分
  • 無機化合物
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2006044575thum.jpg
出願権利状態 権利存続中
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