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垂直・水平プロセッサ

国内特許コード P08A013813
掲載日 2008年10月7日
出願番号 特願2006-228846
公開番号 特開2007-226762
登録番号 特許第5187804号
出願日 平成18年8月25日(2006.8.25)
公開日 平成19年9月6日(2007.9.6)
登録日 平成25年2月1日(2013.2.1)
優先権データ
  • 特願2006-019552 (2006.1.27) JP
発明者
  • アニルバン・バンディオパダヤイ
  • 三木 一司
出願人
  • 独立行政法人物質・材料研究機構
発明の名称 垂直・水平プロセッサ
発明の概要

【課題】 現実的なニューラル・モデル(一組の要領またはルール)と、この提案されたニューラル・モデルを考慮に入れて、脳の動作原理に基づいて動作できるデバイス(プロセッサ)とを原則として作り上げる。
【解決手段】 本発明は、周囲電極の中央にあり、かつ多値準位システムまたはニューロンが収められている面上で、あらゆる方向から水平に複数の入力信号が与えられ、また、その面上の様々な地点にて出力信号が垂直に取り出される一対のテンプレートを含む垂直水平プロセッサ(「標準垂直水平プロセッサ」とも呼ぶ)を提供する。本発明はまた、上記の垂直水平プロセッサを含むクラスタ、上記の垂直水平プロセッサを含む修正仮想ソース・ニューラル・ネットワーク・モデル、および、上記垂直水平プロセッサを学習させるプロセッサ学習法も提供する。
【選択図】 図1

従来技術、競合技術の概要


任意のシーケンシャル(逐次型)プロセッサにおいては、そのプロセッサがテラフロップ型のものであっても、それぞれのビットは、1つずつ情報処理される。しかし、脳のプロセスにおいては、たとえ、それがゆっくりであっても、何千ものビットが、一度に情報処理される。ソフトウェアによって神経系統をまねるために、いくつかのモデルが作られており、また、神経活動の性質をまねる多くの実験構成が提案されている。一例では、イオン・チャネルを作り出すこと(例えば、特許文献1参照)と、応答に、しきい電位を取り入れて、ニューラル・モデリング・デバイスを作ることである。ニューロンは、コンデンサと浮遊ゲート形トランジスタを用いて設計され(例えば、特許文献2参照)、同等なニューラル・ネットワーク・モデルを用いて解析されてきた。結合性を強めるか、あるいは弱めるための複数の信号入出力を持つ物理的ニューラル・ネットワークも実現されている(例えば、特許文献3参照)。ニューロンを設計することとは別に、ランダム・ネットワークを解析するために、多くのモデルが作られている。しかしながら、このようなモデルはどれも、固体デバイスで神経系統の基本機能を現実にまねられるような構成が提案できていない。



これらのモデルに従う神経系統は、情報処理の間にかなりの熱を発生させる電子部品を使用しており、したがって、ナノスケールの大きさに最小化することはできない。分子エレクトロニクスの導入は、DNAオリゴマーを用いて多層パーセプトロンの概念(例えば、特許文献4参照)を生み出すか、あるいは、スイッチング分子(例えば、特許文献5参照)を通じて情報処理面上にランダム経路を生成することにより、ナノスケールの計算の基本的問題を扱う。これらのランダム・ニューラル・ネットワークの大部分は、主としてわれわれの脳の動作原理(例えば、特許文献7参照)を応用する決定関数(例えば、特許文献6参照)を構築することにより、動作できるようになる。機械のインテリジェント制御(例えば、特許文献8参照)に対して、いくつかの提案があるが、ニューロンからニューロンへの信号伝達の基本的問題は、最終的に、任意のシステム・ユニットの障害で破壊されている逐次結合(逐次接続部)を発達させることである。どうにかしてファジー論理により逐次性を克服しようとするが、ただし、最終出力信号への個別制御を妥協しようとするプロジェクトがいくつかある。そのような例の1つは、プロジェクト・ナノセルである(例えば、非特許文献5参照)。



分子を物理探針へ集積する問題は、ナノセル(例えば、非特許文献2~4参照)を作り出す際に、ランダムな向きのスイッチの全体的な応答を、論理ゲート、例えばNANDゲートの振舞いとして、学習させることで、解決されている。他のモデルとのナノセルの主要な変更は、配座変化に左右される単一分子のワイヤリングを避けることであった。それゆえ、このような変更は、集積回路中では信頼できないこともある。そこで、クリティカルな寸法の課題が、ファジーシステムのインテリジェント論理化により解き明かされた。ナノセルと同様に、いくつかのニューラル・モデリング・デバイスを通じてファジーシステムを論理化する日まで多くのモデルが作られており、また、ANN論理を情報処理する機器も設計されている。ナノセルは、プロセッサで分子エレクトロニクスを取り扱う代替方法を提案したという点でのみ、異なっている。



ナノセルが実現されているとはいえ、これは、寸法要件とは別に、いくつかの制限がある。特定の領域が、全体の論理パターンの変化をもたらすのをやめると、同一面上で、2つの異なる端部に信号入出力が取られる。この信号入出力は、ノイズの影響を受けやすい。入力信号配列の変化が、最終信号出力を有意に変化させる場合にのみ、このような(入力配列の)変化を考慮する。また、異なる配列では、同一の信号出力で終えることが可能であるかもしれない。信号出力の数と信号入力の数は、一定の演算エリア内で互いに補完している。信号入力の数が増えれば、信号出力の数が減ることになる。スイッチは、絶対的な予測不能なやり方で、ランダムに働き、また、個々のスマート・システムあるいはスイッチまたはニューロンの役割は、考慮されないし、また、必要でもない。ナノセルにおいては、我々は、信号出力電流の最終変化にのみ関心がある。異なる信号入力が、電流を異なる経路に流してもかまわなく、それにより、最終的に同一の信号出力が得られる。そこで、物理的に、この互いに作用し合う面は、異なる組の入力電圧に対して、異なる組の電流出力を供給するブラックボックスである。この面は、非線形電子部品がランダムに接続されている電極アレイとしてモデル化されることもある。スイッチおよび経路は、非線形性の発生装置である。
今日では、ナノセルの応用例が、異なるモードおよびシステム(例えば、非特許文献6参照)で実現されるか、あるいは提案されているので、我々は、同様なシステムをすべて、ナノセル・システムと呼んでいる。




【特許文献1】U.S.5,378,342

【特許文献2】U.S.5,343,555

【特許文献3】U.S.6,889,216 B2

【特許文献4】U.S.6,741,956 B1

【特許文献5】U.S.6,820,244 B2

【特許文献6】U.S.6,886,008 B2

【特許文献7】U.S.4,954,963

【特許文献8】U.S.6.882,992 B1




【非特許文献1】J.Hopfield, Neural networks and physical systems with emergent collective computational abilities(創発的集団的計算能力を持つニューラル・ネットワークと物理システム), 79Proc, Nati. Acad. Of Sci. USA 2554(1982)。

【非特許文献2】http://www.caam.rice.edu/caam/trs/2002/TR02-04.pdfにて入手できるSummer M. Husband, Programming in Nanocell a random array of molecules(ナノセルでのプログラミング、ランダムな分子配列), Rice University PhD thesis April 2002。

【非特許文献3】Christopher P. Husband, Summer M.Husband, Jonathan S.Daniels, and James M. Tour, Logic and Memory With Nanocell Circuits(ナノセル回路を持つ論理とメモリ), IEEE TRANSACTIONS ON ELECTRON DEVICES, VOL.50, No.9, SEPTEMBER 2003 pp-1865。

【非特許文献4】James M. Tour, William L. Van Zandt, Christopher P. Husband, Summer M. Husband, Lauren S, Wilson, Paul D. Franzon, and David P. Nackashi, Nanocell Logic Gates for Molecular Computing(分子コンピューティング用のナノセル論理ゲート), IEEE TRANSACTIONS ON NANOTECHNOLOGY, VOL.1, NO.2, JUNE 2002 pp-100。

【非特許文献5】http://www.eng.yale.edu/reedlab/protected/proposals/nanocell-full-proposal.pdfにて入手できるナノセル・プロジェクト提案。

【非特許文献6】N. J. Wu, H. Lee, Y. Amemiya, H. Yasunaga, Methods for determining weight co-efficients for Quantum Boltzman Machine neuron devices(量子ボルツマン・マシン型ニューロン・デバイス用の重み係数を決定する方法), Jpn JAP, 38, 439(1999)。

【非特許文献7】http://www.nanohub.org/com.docman/task,down/bid,84/にて入手できるSupriyo Datta, Magnus Paulsson, Ferdows Zahid, Electrical Conduction through Molecules(分子を介する導電)。

産業上の利用分野


本発明は、ニューラル・ネットワークの動作原理に従う新規な垂直・水平プロセッサ(あるいは、単に「垂直プロセッサ」とも呼ぶ)、この垂直・水平プロセッサを含む修正仮想ソース・ニューラル・ネットワーク・モデル、およびこの垂直・水平プロセッサの単一垂直・水平プロセッサを学習させるプロセッサ学習法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
周囲電極の中央にありかつ多値準位システムまたはニューロンが収められている表面上にて、あらゆる方向から水平に複数の入力信号が与えられ、そして、前記表面上の様々な地点にて出力信号が垂直に取り出される一対のテンプレートを含む垂直・水平プロセッサ。

【請求項2】
前記複数の入力信号は、周囲のp+q+p+q個の電極の中央にありかつ多値準位システムまたはニューロンが収められている正方形または長方形の表面上にて、あらゆる方向から水平に、p×q個だけ与えられ、そして、前記表面上の様々な地点にて、m×n個の出力信号が垂直に取り出され、
前記m、n、p、qの値は、非負整数であるが、mとnの双方、あるいはpとqの双方は、同時にはゼロになり得ない、
請求項1に記載の垂直・水平プロセッサ。

【請求項3】
前記複数の入力信号は、周囲電極の中央にありかつ多値準位システムまたはニューロンが収められている三角形、円形、または多角形の表面上にて、あらゆる方向から水平に与えられ、そして、前記表面上の様々な地点にて、出力信号が垂直に取り出される
請求項1に記載の垂直・水平プロセッサ。

【請求項4】
前記テンプレートの表面は導電性があり、そして、垂直電極は、多値準位システムまたはニューロンへ流れるSTMベースのトンネル電流を測定するものである
請求項1から3の何れかに記載の垂直・水平プロセッサ。

【請求項5】
前記テンプレートの表面は導電性があり、そして、垂直電極は、多値準位システムまたはニューロンと接触してAFMベースの原子間力を測定するものである
請求項1から3の何れかに記載の垂直・水平プロセッサ。

【請求項6】
酸化還元作用分子または配座変化分子を有する材料で、次の性質A,B,Cのうちの少なくとも2つの性質をもつ材料を含む、情報処理表面としての薄膜を持っている、請求項1から5の何れかに記載の垂直・水平プロセッサ。
A.一対の電極間に取り入れられた材料が、或る一定範囲または用途において、どの特定のバイアスでも、安定した多値準位導電率を示す性質、
B.異なるバイアス状態を加えることにより、前記多値順位のそれぞれに対応する状態がもたらされることもある性質、
C.矩形電圧パルスへの過渡電流応答が、ガウス応答、ステップ応答またはランプ応答、あるいは、階段状応答の発展させた形式である性質。

【請求項7】
前記多値準位システムまたはニューロンは、次のA,B,CまたはDを備えている、請求項1から6の何れかに記載の垂直・水平プロセッサ。
A.特定の信号を検出するためのセンサ、および、現実の音、熱、光、その他の任意の形式のエネルギーのような信号を検出するためのセンサで、情報処理表面上に当たると、その信号を電子信号の一次元配列に変換できるように特定的に設計されたセンサ;
B.情報処理表面の小型情報処理ユニットであって、情報処理表面の異なる領域が異なる関数を持つように変換するもの;
C.前記表面の導電状態を可能な導電状態の間で可逆に切り換えて、前記状態を、平衡状態が表面全体に及ぶ時間よりも長く、覚えておくことができる多値準位システムまたはニューロンであって、何回でも更新できるもの(RAM);
D.前記可能な多値準位状態の1つに一度切り換えると、恒久的に同一状態にとどまる多値準位システムまたはニューロン(ROM)。

【請求項8】
前記垂直電極は、原子一個の先端を持つ探針の様にナノスケール幅の高さとマイクロスケール長さを持つ構造物であり、そこでは、或る電極システム中のいくつかの探針は、次のAまたはBを備えている、請求項1から7の何れかに記載の垂直・水平プロセッサ。
A.或るソリューション・ポイントが単一の原子先端であると考えられるような原子一個の先端を持つ探針、
B.ソリューション・ポイントが単一電極ユニット中の全ての原子先端における出力の総和の平均応答であると考えられるような、単一電極ユニット中の複数の原子先端。

【請求項9】
前記信号入力部が、ニューラル・ノード・コントローラに接続され、そこでは、すべての入力信号が、垂直・水平プロセッサに先行する異なるユニットにパラレルに分けられて、かつ、次のA,B,C,DまたはEを含むそれぞれのユニット間で切り換える、請求項1から8の何れかに記載の垂直・水平プロセッサ。
A.アース接続を取る端子を変更することができるユニット、
B.配列された同一入力信号を異なる順序の配列に変えるユニット、
C.配列された入力信号を、異なる形態のプロセッサにパラレルに通して、結合出力信号を生成するユニット、
D.前記入力信号の一部を、パルス式アレイ・ソースに代えるユニット、
E.入力信号をチャネルに通し、そこで、前記入力信号を変換することにより、情報処理表面全体の入力インピーダンスと整合させるユニット。

【請求項10】
前記p×q個の入力用のアース接続の数は、同一の組の配列された入力を情報処理するために、1個からpq-1個まで様々であり、また、前記アース接続を定めることによって動作ノードが定まり、また、前記ノードによりニューラル・ネットワークが定まり、学習させて、情報処理ルールが見出された後に、特殊な情報処理を必要とする様々な状況において、これらのノードが利用できるようにしている、請求項1から9の何れかに記載の垂直・水平プロセッサ。

【請求項11】
周囲電極の中央にありかつ多値準位システムまたはニューロンが収められている水平表面上にて、上から垂直に複数の入力信号が与えられ、そして、それらの電極を通じて出力信号が水平に取り出される一対のテンプレートを含む垂直・水平プロセッサ。

【請求項12】
前記垂直の複数入力電極は、前記情報処理表面上の広い領域にわたって局所バイアスを発生させる平形または球形の前端縁を持ち、また、垂直電極の前端縁領域は、次のA,BおよびCを含む、請求項11に記載の垂直・水平プロセッサ。
A.情報処理表面の或る一定割合以上をカバーする、個々のすべての垂直電極から成る合計領域であって、そこから、動作の種別ごとに、信号入力動作ノードが作り出される合計領域、
B.最終的なソリューションが与えられた表面上の個々の信号入力の制御を様々に調整するための、束状電極または個々の垂直電極の関係領域、
C.情報処理表面上の等高線の電位分布を調整するために矯正した前端縁の形態。

【請求項13】
請求項1から8の何れかに記載の複数の垂直・水平プロセッサ、
ニューラル・ノード・コントローラ、および、
次のA,BおよびCのやり方で接続された接続部切替器センサ
を設けたクラスタ。
A.前記垂直・水平プロセッサの信号入力部の一部または全部を、前記垂直・水平プロセッサのアレイに接続し、また、残りの信号入力部を、システム全体の空いている信号入力部であるセンサの出力部に接続するやり方、
B.その出力部の一部を、出力切替器のいくつかに接続し、また、残りの出力部を、他の垂直・水平プロセッサに接続するやり方、
C.すべての空いている出力部を、切替器に接続し、システム全体のどの信号入力部にも接続せず、最終クラスタ出力として垂直に取るやり方。
産業区分
  • 演算制御装置
国際特許分類(IPC)
画像

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