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押し込み曲線の作成方法および硬さ試験方法

国内特許コード P08A013815
掲載日 2008年10月7日
出願番号 特願2006-292210
公開番号 特開2007-147601
登録番号 特許第4863473号
出願日 平成18年10月27日(2006.10.27)
公開日 平成19年6月14日(2007.6.14)
登録日 平成23年11月18日(2011.11.18)
優先権データ
  • 特願2005-316059 (2005.10.31) JP
発明者
  • 宮原 健介
出願人
  • 独立行政法人物質・材料研究機構
発明の名称 押し込み曲線の作成方法および硬さ試験方法
発明の概要

【課題】 より短時間で精密かつ効率的に押し込み曲線を作成することができる押し込み曲線の作成方法と、それを利用した硬さ試験方法を提供する。
【解決手段】 試料の表面に圧子を押し込む過程における押し込み力と押し込み深さとの関係を示す押し込み曲線の作成に際し、(i-n)番目(ここでiおよびnは自然数)の測定値を基準とする判定範囲を設け、押し込み力あるいは押し込み深さを少しずつ変化させた際の押し込み深さあるいは押し込み力をそれぞれ仮測定し、仮測定により得られた仮測定値が判定範囲外となったときに、その押し込み力あるいは押し込み深さにおける押し込み深さあるいは押し込み力を測定してi番目の測定値とするか、あるいはその仮測定値をi番目の測定値として採用するようにした押し込み曲線の作成方法とする。
【選択図】 図7

従来技術、競合技術の概要


微小硬さ試験あるいは超微小硬さ試験等は、材料の微小な組織の力学的特性を調べることが可能であり、近年、半導体やマイクロマシンなどの広い分野における材料の測定手法として利用が拡大している。



この微小硬さ試験あるいは超微小硬さ試験(以下、単に、微小硬さ試験等という)では、圧子を試料の表面に押し込む過程における押し込み力(F)と押し込み深さ(h)との関係、いわゆる押し込み曲線を取得して、材料の硬さ等の性質を測定する方式が広く採用されている。これは、ビッカース硬さ試験のようなマクロ硬さ試験に比べて、試料表面にできる圧痕の大きさが1ミクロンあるいはそれ以下と極めて小さくなるため、圧痕の大きさを光学顕微鏡等で測定するのが困難なためである。



また、微小硬さ試験等においては、単に圧子を試料に押し込んだ時の最大荷重における押し込み深さを求めるだけでは十分でなく、図1に模式的に示したような、荷重の負荷(load)から除荷(unload)に至る連続的な押し込み力と押し込み深さの関係、すなわち押し込み曲線を得ることが求められる。



さらに、このようにして得られた押し込み曲線から材料の特性を評価するには、最大押込み力における押し込み深さ等を単純に大小比較することで十分な場合もあるが、一方で、たとえば、圧子の形状補正や硬さなどのパラメータを算出するために、押し込み曲線を特定の関数形に合わせてフィッティングするのに用いられたり(たとえば、特許文献1、2参照)、図2に模式的に示したように、特徴点の位置を定めるために使われる場合がある(たとえば、特許文献3参照)。このような場合には、ブランクがなく、データ点密度の高い、より精密な押し込み曲線が必要とされる。



このような押し込み曲線を得る方法としては、一般に、(ア)荷重(押し込み力)制御方式、あるいは(イ)変位(押し込み深さ)制御方式のいずれかによる荷重負荷試験が行われている。(ア)荷重制御方式は、試料に負荷する荷重幅(df)が、(イ)変位制御方式は、変位幅(dh)が、それぞれ設定したある値となるように試験機を制御しながら、その際の変位あるいは荷重を測定することで、離散的に荷重と変位の関係を得るものである。図3および図4は、それぞれ(ア)荷重制御方式および(イ)変位制御方式で得られる押し込み曲線を模式的に示したものであり、実際測定される点(データ点)を黒丸で示している。図3および図4から解るとおり、(ア)荷重制御方式は、高荷重側や荷重除去過程、あるいは試料が硬い場合など、押し込み曲線の傾きの大きい領域で、一般に変位制御方式よりデータ点の密度が高くなり、また、変位制御方式に比べて、安定した制御が可能という特徴がある。一般の硬さ試験では、慣例として、同じ荷重での結果を比較する場合が多いので、指定した荷重までの結果を得ることができる。一方の(イ)変位制御方式は、低荷重側や試料が軟らかい場合など、押し込み曲線の傾きの小さい領域で、一般に荷重制御方式よりデータ点の密度が高くなるという特徴がある。
(例えば、特許文献3、非特許文献2、非特許文献3参照)。

【特許文献1】特開平11-271202号公報

【特許文献2】特開平09-318516号公報

【特許文献3】特願2004-81546号明細書

産業上の利用分野


この出願の発明は、押し込み曲線の作成方法および硬さ試験方法に関するものである。さらに詳しくは、より精密かつ効率的に押し込み曲線を作成することができる押し込み曲線の作成方法と、それを利用した硬さ試験方法に関するものである。

特許請求の範囲 【請求項1】
試料の表面に圧子を押し込む過程における押し込み力と押し込み深さとの関係を示す押し込み曲線の作成に際し、(i-n)番目(ここでiおよびnは自然数で、i≧n)の測定値を基準とする判定範囲を設け、押し込み力あるいは押し込み深さを少しずつ変化させた際の押し込み深さあるいは押し込み力をそれぞれ仮測定し、仮測定により得られた仮測定値が判定範囲外となったときに、その押し込み力における押し込み深さあるいはその押し込み深さにおける押し込み力を測定してi番目の測定値とすることを特徴とする押し込み曲線の作成方法。


【請求項2】
判定範囲は、(i―1)番目(ここでiは自然数)の測定値を基準として設けることを特徴とする請求項1の押し込み曲線の作成方法。

【請求項3】
仮測定により得られた仮測定値が判定範囲外となったときに、その仮測定値をi番目の測定値として採用することを特徴とする請求項1または2記載の押し込み曲線の作成方法。

【請求項4】
仮測定では、1つの仮測定点における測定回数を減らすことで測定速度を高めることを特徴とする請求項1ないし3いずれかに記載の押し込み曲線の作成方法。

【請求項5】
仮測定では、仮測定値のアナログ信号からデジタル信号へのA/D変換の精度を落とすことで、変換速度を向上させることを特徴とする請求項1ないし4いずれかに記載の押し込み曲線の作成方法。

【請求項6】
押し込み力の変化量が多いと予想される範囲では押し込み力を少しずつ変化させた際の押し込み深さを仮測定し、押し込み深さの変化量が多いと予想される範囲では押し込み深さを少しずつ変化させた際の押し込み力を仮測定することを特徴とする請求項1ないし5いずれかに記載の押し込み曲線の作成方法。

【請求項7】
判定範囲を、(i-n)番目の測定点を中心とする円形ないしは楕円形または矩形とすることを特徴とする請求項1ないし6いずれかに記載の押し込み曲線の作成方法。

【請求項8】
請求項1ないし7いずれかの押し込み曲線から試料の圧子が押し込まれる微小領域の硬さを求めることを特徴とする硬さ試験方法。
産業区分
  • 試験、検査
国際特許分類(IPC)
画像

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出願権利状態 権利存続中
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