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磁気共鳴測定装置、集積回路および磁気共鳴測定方法 新技術説明会

国内特許コード P08A013830
整理番号 KUTLO-2006-025
掲載日 2008年10月7日
出願番号 特願2007-039951
公開番号 特開2008-203104
登録番号 特許第5135578号
出願日 平成19年2月20日(2007.2.20)
公開日 平成20年9月4日(2008.9.4)
登録日 平成24年11月22日(2012.11.22)
発明者
  • 北川 章夫
出願人
  • 国立大学法人金沢大学
発明の名称 磁気共鳴測定装置、集積回路および磁気共鳴測定方法 新技術説明会
発明の概要

【課題】小型化および軽量化を図った磁気共鳴測定装置を提供する。
【解決手段】磁気共鳴測定装置100は、サンプル11に磁場を印加する磁石102と、サンプル11と一定関係の位置に配置されたインダクタ101と、インダクタ101に交流電流を供給する交流電圧源103およびオペアンプ113と、その交流電流の周波数を変化させる周波数調整部104と、変化された周波数ごとに、インダクタ101のインダクタンスを計測するインダクタンス計測部105と、計測されたインダクタンスの虚部が特徴的な変化傾向を示す周波数に基づいて、サンプル11の物性値を特定する特性値検出部106および物性評価部107とを備える。
【選択図】図1

従来技術、競合技術の概要


従来、測定対象物の磁気共鳴に関する物性値を測定する装置として、測定対象物に含まれる、不対電子を持つ原子、分子またはイオンであるフリーラジカルを測定する電子スピン共鳴(ESR:Electron Spin Resonance)装置が利用されている(例えば、非特許文献1参照)。



このような電子スピン共鳴装置(以下、単にESRという)は、電子材料や機能性素材の性能評価、年代測定などに用いられている。また、最近では、ESRは、生体内の薬の動態の観測や、食物の抗酸化作用の定量化、環境測定などにも広く利用されている。



図7は、上記非特許文献1のESRの原理を説明するための説明図である。



ESR900は、マイクロ波発振器901と、サーキュレータ902と、空洞共振器903と、電磁石904と、検波器905と、評価部906とを備えている。マイクロ波発振器901、空洞共振器903および検波器905は、導波管907を介してサーキュレータ902に接続されている。



マイクロ波発振器901は、例えば10GHzの周波数のマイクロ波(電磁波)を発生する。



サーキュレータ902は、マイクロ波発振器901から出力され、導波管907を介して伝播するマイクロ波の伝播方向を空洞共振器903側に向ける。また、サーキュレータ902は、空洞共振器903から出力され、導波管907を介して伝播するマイクロ波の伝播方向を検波器905側に向ける。



空洞共振器903は、マイクロ波発振器901から導波管907を介して入力されるマイクロ波を空間内に閉じ込めて共振させる。このような空洞共振器903は、そのマイクロ波が共振条件を満たすような寸法に設定されている。また、この空洞共振器903の内部には、測定対象物であるサンプル10がキャピラリ管に封入された状態で挿入される。



電磁石904は、サンプル10に直流の磁場(磁場の強さHDC)を印加する。この磁場の磁束密度は、例えば数百mTである。



検波器905は、空洞共振器903から導波管907を介して入力されるマイクロ波のエネルギーを検出する。



評価部906は、検波器905によって検出されたエネルギーに基づいて、測定対象物の磁気共鳴に関する、つまり測定対象物のフリーラジカルに関する物性値を特定し、測定対象物の定量的および定性的な評価を行う。



このようなESR900を用いてサンプル10の測定を行うときには、空洞共振器903にマイクロ波を入力し、サンプル10に磁場を印加する。サンプル10に磁場が印加されると、サンプル10に含まれるフリーラジカルの不対電子にはゼーマン分裂が生じる。つまり、2種類の不対電子に、磁場の強さHDCに比例した大きさのエネルギー差が生じる。



そして、磁場の強さHDCを変化させる。その結果、特定の磁場の強さHDCにおいて、マイクロ波のエネルギーと、ゼーマン分裂によるエネルギー差とが一致する。このとき、不対電子の状態に遷移が生じ、つまり共鳴(磁気共鳴)が生じる。これにより、マイクロ波のエネルギーはその磁気共鳴によって吸収される。



すなわち、磁場の強さHDCを変化させると、検波器905では、特定の磁場の強さHDCにおいて、マイクロ波のエネルギーが急激に減少することが観測される。



評価部906は、このようにマイクロ波のエネルギーが急激に減少する磁場の強さHDCなどに基づいて、つまり、電力損失の変化に基づいて、フリーラジカルに関する物性値を特定する。

【非特許文献1】“ESRとEPR”、[online]、日本電子株式会社、[平成19年2月2日検索]、インターネット<URL:http://www.jeol.co.jp/technical/ai/esr/esr-information/esrinfo-01.htm>

産業上の利用分野


本発明は、測定対象物の磁気共鳴に関する物性値を測定する装置に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
測定対象物の磁気共鳴に関する物性値を測定する磁気共鳴測定装置であって、
前記測定対象物に磁場を印加する磁場印加手段と、
前記測定対象物と一定関係の位置に配置されたインダクタと、
前記インダクタに交流電流を供給する電流供給手段と、
前記電流供給手段によって供給される交流電流の周波数、または、前記磁場印加手段によって印加される磁場の強さを調整値とし、前記調整値を変化させる調整手段と、
前記調整手段によって変化された調整値ごとに、前記インダクタのインダクタンスを計測するインダクタンス計測手段と、
前記インダクタンス計測手段によって計測されたインダクタンスが特徴的な変化傾向を示す前記調整値に基づいて、前記測定対象物の物性値を特定する物性値特定手段と
を備え
前記物性値特定手段は、
前記インダクタンスが特徴的な変化傾向を示す前記調整値と、前記調整値におけるインダクタンスの実部および虚部とをそれぞれ特性値として検出し、
前記特性値に応じた前記測定対象物の物性値を特定し、
前記インダクタンス計測手段は、
自己インダクタンスまたは相互インダクタンスを前記インダクタンスとして計測し、
前記自己インダクタンスを計測する際には、
前記インダクタにかかる交流電圧の複素数の値を、前記インダクタに流れる交流電流の複素数の値で除算することによって、前記インダクタの自己インダクタンスの実部および虚部を導出し、
前記相互インダクタンスを計測する際には、
前記インダクタにかかる交流電圧の複素数の値を、前記インダクタに磁気的に結合された他のインダクタに誘導される交流電圧の複素数の値で除算した結果を用いて、前記インダクタと前記他のインダクタとの間の相互インダクタンスの実部および虚部を導出する
ことを特徴とする磁気共鳴測定装置。

【請求項2】
前記物性値特定手段は、
前記測定対象物の電子スピン共鳴に関する物性値を特定する
ことを特徴とする請求項1記載の磁気共鳴測定装置。

【請求項3】
測定対象物の磁気共鳴に関する物性値を測定する集積回路であって
記測定対象物と一定関係の位置に配置されたインダクタと、
前記インダクタに交流電流を供給する電流供給手段と、
前記電流供給手段によって供給される交流電流の周波数、または、磁場印加手段によって前記測定対象物に印加される磁場の強さを調整値とし、前記調整値を変化させる調整手段と、
前記調整手段によって変化された調整値ごとに、前記インダクタのインダクタンスを計測するインダクタンス計測手段と、
前記インダクタンス計測手段によって計測されたインダクタンスが特徴的な変化傾向を示す前記調整値に基づいて、前記測定対象物の物性値を特定する物性値特定手段と
を備え
前記物性値特定手段は、
前記インダクタンスが特徴的な変化傾向を示す前記調整値と、前記調整値におけるインダクタンスの実部および虚部とをそれぞれ特性値として検出し、
前記特性値に応じた前記測定対象物の物性値を特定し、
前記インダクタンス計測手段は、
自己インダクタンスまたは相互インダクタンスを前記インダクタンスとして計測し、
前記自己インダクタンスを計測する際には、
前記インダクタにかかる交流電圧の複素数の値を、前記インダクタに流れる交流電流の複素数の値で除算することによって、前記インダクタの自己インダクタンスの実部および虚部を導出し、
前記相互インダクタンスを計測する際には、
前記インダクタにかかる交流電圧の複素数の値を、前記インダクタに磁気的に結合された他のインダクタに誘導される交流電圧の複素数の値で除算した結果を用いて、前記インダクタと前記他のインダクタとの間の相互インダクタンスの実部および虚部を導出する
ことを特徴とする集積回路。

【請求項4】
測定対象物の磁気共鳴に関する物性値を測定する磁気共鳴測定方法であって、
前記測定対象物に磁場を印加する磁場印加ステップと、
前記測定対象物と一定関係の位置に配置されたインダクタに、交流電流を供給する電流供給ステップと、
前記電流供給ステップで供給される交流電流の周波数、または、前記磁場印加ステップで印加される磁場の強さを調整値とし、前記調整値を変化させる調整ステップと、
前記調整ステップで変化された調整値ごとに、前記インダクタのインダクタンスを計測するインダクタンス計測ステップと、
前記インダクタンス計測ステップで計測されたインダクタンスが特徴的な変化傾向を示す前記調整値に基づいて、前記測定対象物の物性値を特定する物性値特定ステップと
を含み、
前記物性値特定ステップでは、
前記インダクタンスが特徴的な変化傾向を示す前記調整値と、前記調整値におけるインダクタンスの実部および虚部とをそれぞれ特性値として検出し、
前記特性値に応じた前記測定対象物の物性値を特定し、
前記インダクタンス計測ステップでは、
自己インダクタンスまたは相互インダクタンスを前記インダクタンスとして計測し、
前記自己インダクタンスを計測する際には、
前記インダクタにかかる交流電圧の複素数の値を、前記インダクタに流れる交流電流の複素数の値で除算することによって、前記インダクタの自己インダクタンスの実部および虚部を導出し、
前記相互インダクタンスを計測する際には、
前記インダクタにかかる交流電圧の複素数の値を、前記インダクタに磁気的に結合された他のインダクタに誘導される交流電圧の複素数の値で除算した結果を用いて、前記インダクタと前記他のインダクタとの間の相互インダクタンスの実部および虚部を導出する
ことを特徴とする磁気共鳴測定方法。
産業区分
  • 測定
  • 試験、検査
国際特許分類(IPC)
画像

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JP2007039951thum.jpg
出願権利状態 権利存続中
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