TOP > 国内特許検索 > 化学センサ

化学センサ コモンズ 新技術説明会

国内特許コード P08P006024
整理番号 0611-17
掲載日 2008年10月10日
出願番号 特願2007-079288
公開番号 特開2008-241335
登録番号 特許第4560633号
出願日 平成19年3月26日(2007.3.26)
公開日 平成20年10月9日(2008.10.9)
登録日 平成22年8月6日(2010.8.6)
発明者
  • 内田 秀和
出願人
  • 国立大学法人埼玉大学
発明の名称 化学センサ コモンズ 新技術説明会
発明の概要

【課題】本発明は、検出対象が電荷密度の変化を伴わない系についても観測可能な大面積の化学センサを提供することを目的とする。
【解決手段】SPV法を応用した化学センサにおける光活性層として光導電性有機膜を採用する。光導電性有機膜を採用することによって、デバイスの大面積化、薄膜化を簡便に実現することができる。さらに、有機膜は、シリコン半導体膜に比べて陽極酸化に耐性があることから、本発明の化学センサは、検出対象が電荷密度の変化を伴わない系であっても酸化還元反応を伴う系であれば観測することができるアンペロメトリック・センサとして構成される。
【選択図】図1

従来技術、競合技術の概要


近年、集光した光スポットによる励起電流から半導体の表面電位を読み取る技術である表面光電圧法(SPV法)の化学センサへの応用が種々検討されている。特開2002-131276号公報(特許文献1)及び特開2002-181773号公報(特許文献2)は、SPV法を応用した化学イメージセンサを開示する。



図13に、従来のSPV法を応用した化学センサであるLight Addressable Potentiometoric Sensor(LAPS)の原理図を示す。図13に示されるように、LAPS40のセンサ部42は、半導体シリコン層44の表面上にSiOからなる絶縁膜46と、検出対象が特異的に結合することができるように設計された感応膜48が積層された構造を有し、感応膜48が検出対象を含んだゲルあるいは溶液である試料50に接触するように構成されている。半導体シリコン層44の裏側には、レーザなどの集光ビーム掃引装置52が配設されており、集光ビーム掃引装置52は、X-Yステージ54によってその励起光Lを半導体シリコン層44に対して2次元方向に掃引可能とされている。この状態でポテンショスタット56から半導体シリコン層44に対してバイアス電圧を印加すると、半導体シリコン層44の表面に空乏層57が生じ、半導体シリコン層44に強度変調をかけた励起光を収束して照射すると、局所的に光励起されたキャリアは、空乏層57の電界に捕捉されて光励起電流となり、ポテンショスタット56の作用極を通して流れる交流光電流として、図示しない外部回路で観測される。このとき空乏層57の幅は、対応する直上の感応膜48表面の電荷量、すなわち、感応膜48表面に結合した検出対象であって固有の電荷量を有するイオンや分子の量によって変化する。よって、半導体シリコン層44に対して励起光スポットを2次元方向に掃引し、それに同期して発生する励起電流を観測してマッピングすることによって、感応膜48表面の電荷密度の変化を介して、試料50における検出対象の密度の変化を2次元的に捉えて画像化することができる。



しかしながら、図13に示した従来のLAPS40においては、励起光プローブを極めて微小にしても、発生した光励起キャリアが半導体シリコン層44の面方向に拡散するため、半導体シリコン層44の膜厚が厚いほど観測対象となる励起電流の範囲が広がり画像分解能が低下するという問題があった。この点につき、高い解像度をもって画像観測するためには、半導体シリコン基板44をできるだけ薄膜化することが求められるが、シリコンの薄膜化のプロセスは制御が容易ではなく高コストであることに加え、半導体シリコン基板44自体に、多数キャリアの電流経路として中性のバルク領域の厚さを充分に確保しなければならないという制約があり、その薄膜化、ひいてはLAPSの高解像度化に限界を生じていた。



また、化学センサが観測可能な対象の面積は、化学センサの光活性層の表面積によって必然的に規定されることになるが、従来のLAPSの光活性層である半導体シリコン層44の大面積化には限界があり、ひいてはLAPSの観測対象が限定されることになっていた。



加えて、従来のLAPSには、そのセンサ機構の原理上、検出対象が制限されるという問題があった。以下、この点について説明する。従来のLAPSは、上述したように、センサ表面の電荷量の増減を光励起電流に置き換えて読み取ることをその基本原理とするものであり、検出対象をセンサ表面に結合させること、および、検出対象が固有の電荷を有していることが前提となる。したがって、従来のLAPSにおいては、検出対象を特異的に結合させるための感応膜が必須となるが、カテコールアミン類などの比較的低分子の生理活性物質について特異性の高い最適な抗体分子を設計するのは困難であった。また、その原理上、検出対象が電荷密度の変化を伴わない系については観測することができないという問題があった。例えば、アプタマー分子が酵素に結合して活性を阻害する反応の場合、酵素分子およびアプタマー分子は、いずれも電荷量がpHに依存して一定ではなく、場合によっては反応を通して電気的に中性の場合もある。あるいは、タンパク質分解酵素反応の場合、タンパク質分解酵素がアミド結合を切ることで生じるカルボキシル基とアミノ基末端は同数で、解離定数の差に応じてpHが僅かに変化するものの、その変化は極めて小さく電荷密度の変化として定量的に検出するのが困難である。このような反応系について、従来のLAPSは対応することができなかった。

【特許文献1】特開2002-131276号公報

【特許文献2】特開2002-181773号公報

産業上の利用分野


本発明は、化学センサに関し、より詳細には、酸化還元電流を観測する新機構に基づいた化学センサに関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
透明基板上に積層された透明電極と、
前記透明電極上に積層された光導電性有機膜と、
前記透明基板の前記透明電極が積層された表面に対向する裏面に励起光をスポット照射する手段と、
前記透明電極に電圧を印加して応答電流を測定する手段とを含み、
前記光導電性有機膜は、導電性有機分子に対して増感剤としての色素を分散担持してなる、
化学センサ。

【請求項2】
透明基板上に積層された透明電極と、
前記透明電極上に積層された光導電性有機膜と、
前記透明基板の前記透明電極が積層された表面に対向する裏面に励起光をスポット照射する手段と、
前記透明電極に電圧を印加して応答電流を測定する手段とを含み、
前記光導電性有機膜は、色素から形成されるキャリア発生層と導電性有機分子から形成されるキャリア輸送層が積層してなる、
化学センサ。

【請求項3】
請求項1または2のいずれか1項に記載の化学センサを用いて酸化反応を起す化学種を検出する方法であって、
前記透明電極に対し検出対象である化学種の酸化電位に電圧を印加した状態で前記透明基板の前記裏面に対して励起光をスポット照射するステップと、
前記スポット照射によって前記透明電極と前記光導電性有機膜の表面とを電気的に接続するステップと、
前記電気的に接続された前記光導電性有機膜の表面における前記化学種の酸化反応によって生じる酸化電流を観測するステップと、
を含む方法。

【請求項4】
請求項1または2のいずれか1項に記載の化学センサを用いて還元反応を起す化学種を検出する方法であって、
前記透明電極に対し検出対象である化学種の還元電位に電圧を印加した状態で前記透明基板の前記裏面に対して励起光をスポット照射するステップと、
前記スポット照射によって前記透明電極と前記光導電性有機膜の表面とを電気的に接続するステップと、
前記電気的に接続された前記光導電性有機膜の表面における前記化学種の還元反応によって生じる還元電流を観測するステップと、
を含む方法。
産業区分
  • 試験、検査
国際特許分類(IPC)
画像

※ 画像をクリックすると拡大します。

JP2007079288thum.jpg
出願権利状態 権利存続中
ライセンスをご希望の方、特許の内容に興味を持たれた方は、「問合せ先」まで直接お問合せ下さい。


PAGE TOP

close
close
close
close
close
close
close