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スプリットティ継手 コモンズ

国内特許コード P08P006115
整理番号 P06-027
掲載日 2008年10月10日
出願番号 特願2007-078029
公開番号 特開2008-240248
登録番号 特許第4956747号
出願日 平成19年3月25日(2007.3.25)
公開日 平成20年10月9日(2008.10.9)
登録日 平成24年3月30日(2012.3.30)
発明者
  • 鈴木 康夫
  • 中島 章典
  • 山口 隆司
出願人
  • 国立大学法人宇都宮大学
発明の名称 スプリットティ継手 コモンズ
発明の概要

【課題】補強リブ等の補助部材や特殊形状の高力ボルト部材などを用いることなく、継手接合部における梃反力を抑制・低減して、接合部の引張強度を高めたスプリットティ継手を提供する。
【解決手段】被接合部材である母材11の各々の突端部にT字型に設けられたティーフランジ部12と、ティーフランジ部12の各々を貫通して母材11同士を互いに接合する少なくとも2本以上の高力ボルト部材13とからなるスプリットティ継手において、ティーフランジ部12の各々によって挟持された可撓性部材14と、可撓性部材14に貫設・把持された少なくとも2つ以上のリング状部材15とを設け、高力ボルト部材13は、リング状部材15に設けられた孔部を挿通して締結する。
【選択図】図1

従来技術、競合技術の概要


一般に、鋼材を用いた橋梁やビルディング等の鋼構造物は、工場で製造された多数の鋼材を施工現場において接合することによって建設される場合が多い。施工現場における鋼材同士の接合方法には、主に、高力ボルトによる接合方法と溶接による接合方法があり、施工現場における品質管理の容易さや信頼性等の問題から、高力ボルトによる接合方法が一般的に採用されている。



高力ボルトによる接合方法の場合、鋼材同士の接合を担う接合継手の形式には、例えば、図7(a)に示す高力ボルト摩擦接合継手、或いは、図7(b)に示す高力ボルト引張接合継手(以下、単に『スプリットティ継手』と称する)などの形式である。



図7(a)の高力ボルト摩擦接合継手は、接合される鋼材1(以下、単に『母材1』と称する)同士をその両側から添接板2で挟み込み、高力ボルトと同ボルト用ナット(以下、単に『高力ボルト部材3』と称する)によって締結し、かかる締め付けによって生ずる摩擦力を介して鋼材間における作用荷重を伝達する方式である。一方、図7(b)のスプリットティ継手は、母材1の突端部にティーフランジ板4を溶接して、当該ティーフランジ板4同士を高力ボルト部材3によって締結し、部材間に発生する圧縮応力を介して鋼材間における作用荷重を伝達する方式である。



高力ボルト摩擦接合継手は、その構造が単純であるため鋼構造物の建設現場で広く利用されているが、上記の両方式の継手を比較した場合、高力ボルト1本あたりの伝達荷重は、部材表面のすべり係数の影響を受けないスプリットティ継手の方が大きい。したがって、スプリットティ継手を用いた場合は、高力ボルト摩擦接合継手よりも少ない本数の高力ボルトで鋼材間の接合を行うことができ、低コストで経済的な鋼構造物の施工が可能となる。



スプリットティ継手において、図8の説明図に示すような引張力Pが母材1に加わった場合、引張力Pの作用軸と高力ボルト部材3に加わるボルト軸力Bの作用軸とが一致しないため、ティーフランジ板4に曲げ変形が生じて、ティーフランジ板4の接合面の先端部には梃反力Rが発生する。因みに、この場合のスプリットティ継手への作用荷重は、ボルト軸力Bと梃反力Rとの差になるため、スプリットティ継手による接合部の引張強度を高めるためには、梃反力Rの発生を抑制してその値を低減させる必要がある。



従来、このような梃反力の抑制・低減を目的としたスプリットティ継手としては、例えば、図9(a)に示すような技術が開示されている(特許文献1)。かかる従来技術においては、母材1とティーフランジ板4との間に補強リブ5を溶接してティーフランジ板4の変形を抑え梃反力の抑制を図っている。或いは、図9(b)に示すように、ティーフランジ板4を厚板化して梃反力の抑制を図る技術も、当業者間においては従来から公知となっている(非特許文献1)。



この他にも、梃反力の低減・低減を目的としたスプリットティ継手の形式としては、例えば、図10(a)に示すような、いわゆる長締め形式によるスプリットティ継手がある。これは、ダブルフランジ形式とも呼ばれるスプリットティ継手であり、母材1にティーフランジ板4に加えて更にアンカープレート6を溶接し、ティーフランジ板4とアンカープレート6の間に補強用のリブプレート7を溶接して、梃反力の抑制・低減を図ったものである。



また、梃反力の抑制・低減を目的とするスプリットティ継手としては、この他にも図10(b)に示すような、いわゆるティーウェブ突合せ型の継手形式が知られている(非特許文献2、3)。因みに、かかるティーウェブ突合せ型の継手は、母材1(ティーウェブプレート)の直下部のみを突き合せて、ティーフランジ板4の接合面の先端部を隔離することにより梃反力の発生を防止する構造となっている。




【特許文献1】特開2006-16814号公報

【非特許文献1】渡邊英一、杉浦邦征、山口隆司、葛西俊一郎:高力ボルト鋼管フランジ継手の設計手法に関する基礎的研究・構造工学論文集、Vol.38A、土木学会pp.1-12、1992年3月

【非特許文献2】L.P.Bouwman:Fatigue of bolted connections and bolts loaded in tention,Report 6-79-9,TU Delft.,1979.7.

【非特許文献3】G.Lacher:Dauerschwingversuche an axialbeanspuchten Schrauben 10.9 in T-Verbindungen,STAHLBAU,pp.257-266,1987.9.

産業上の利用分野


本発明は、被接合部材である母材同士の突端部にT字型に設けられたティーフランジ部を有するスプリットティ継手に関するものである。

特許請求の範囲 【請求項1】
被接合部材である母材11の各々の突端部にT字型に設けられたティーフランジ部12と、前記ティーフランジ部12の各々を貫通して前記母材11同士を互いに接合する少なくとも2本以上の高力ボルト部材13と、からなるスプリットティ継手において、
前記ティーフランジ部12の各々によって挟持された可撓性部材14と、
前記可撓性部材14に貫設・把持された少なくとも2つ以上のリング状部材15と、を含み、
前記高力ボルト部材13は、前記リング状部材15に設けられた孔部を挿通して締結されることを特徴とするスプリットティ継手。

【請求項2】
前記可撓性部材14は、前記母材11の各々を挟叉する位置に貫設された1組のリング状部材15を把持する単位可撓性部材を複数組み合わせて構成されることを特徴とする請求項1に記載のスプリットティ継手。

【請求項3】
前記可撓性部材14の弾性係数は前記ティーフランジ部12の弾性係数よりも小であり、かつ前記リング状部材15の弾性係数は前記ティーフランジ部12の弾性係数と同等であることを特徴とする請求項1又は2に記載のスプリットティ継手。

産業区分
  • 建造物
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2007078029thum.jpg
出願権利状態 権利存続中
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