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電気泳動用バッファ及び電気泳動法

国内特許コード P08A013840
整理番号 18-23
掲載日 2008年10月16日
出願番号 特願2007-077325
公開番号 特開2008-233051
登録番号 特許第4839449号
出願日 平成19年3月23日(2007.3.23)
公開日 平成20年10月2日(2008.10.2)
登録日 平成23年10月14日(2011.10.14)
発明者
  • 藤田 恭久
  • 田渕 眞理
出願人
  • 国立大学法人島根大学
発明の名称 電気泳動用バッファ及び電気泳動法
発明の概要

【課題】従来よりも高感度であるにもかかわらず、コストの増加が最小限に止められた電気泳動用バッファを用いて、従来よりも非常に高感度な電気泳動法を提供すること。
【解決手段】酸化亜鉛微粒子を含む電気泳動用バッファを用いる電気泳動法であって、以下の工程を有することを特徴とする電気泳動法。(1)マイクロチップ10の導入チャネル12と、これに交差する分離チャネル14のそれぞれに電気泳動用バッファを充填する充填工程。(2)導入チャネルに導入用電圧を印加して、導入チャネルに試料を導入する導入工程。(3)分離チャネルに分離用電圧を断続的に印加して、試料を分離チャネルに導入する遅延期導入工程。(4)分離チャネルに分離用電圧を印加して、試料を泳動させる本泳動工程。
【選択図】図1

従来技術、競合技術の概要


近年、ガンや各種疾病の早期発見の重要性が改めて指摘されており、被験者から採取した微量の血液からDNAや発現タンパク質などを調べる手法に注目が集まっている。



この手法の一つとして、マイクロチップ電気泳動法が挙げられる。マイクロチップ電気泳動法では、マイクロメートルオーダの流路(チャネル)が形成された、手のひらサイズの樹脂板(マイクロチップ)を用いる。マイクロチップ電気泳動法では、ゲルなどを含んだ電気泳動用バッファをチャネルに充填し、チャネルの両端に電圧を印加することにより、試料を電気泳動させる。



しかしながら、疾病の初期段階で発現するタンパク質などは、極微量であるために、従来型のマイクロチップ電気泳動では十分な検出感度を確保できないという問題点が存在した。



この問題点を解決するために、幾つかの新しい方法が提案されている。



第1は、チャネルに導入する試料の量を増加させる方法である(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に開示された方法では、以下に列記する手法を用いることにより、迅速かつ高い分解能でタンパク質などの高分子化合物の検出を行うことができる。
(a)β-グルカン又はメチルセルロースを含む電気泳動用バッファを用いる。
(b)チャネルに試料を導入する際に加圧を行う。



第2は、マイクロチップ自体を改良する方法である(例えば、特許文献2参照)。特許文献2に開示された方法では、マイクロチップのチャネルを、光散乱機能を有する回折格子などで覆うことにより、試料から発する蛍光を増幅させる。これにより、従来法に比べて試料の検出感度を増加させることができる。



また、検出感度の増加には直接関係しないが、電気泳動用バッファに高分子化合物、金属、酸化物、半導体、セラミックス、クレイ又はシリカからなる微粒子を添加することにより、高速かつ高分離に試料の電気泳動分析を行う技術が知られている(例えば、特許文献3参照)。

【特許文献1】国際公開第2002/97421号パンフレット

【特許文献2】特開2005-172773号公報

【特許文献3】特開2005-195562号公報

産業上の利用分野


この発明は、電気泳動に用いる電気泳動用バッファ、及びこの電気泳動用バッファを用いた電気泳動法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
ゲルを含んだ水溶液であって、
該水溶液中に酸化亜鉛微粒子を含むことを特徴とする電気泳動用バッファ。

【請求項2】
前記酸化亜鉛微粒子が、酸素ガスと窒素ガスとを含む混合ガスを雰囲気ガスとして、該雰囲気ガス中で亜鉛を加熱して蒸発させることで製造されたものであること特徴とする請求項1に記載の電気泳動用バッファ。

【請求項3】
前記酸化亜鉛微粒子が、円柱形の形態をしていて、その長さが50~250nmの範囲内にあって、その直径が50~120nmの範囲内にあることを特徴とする請求項1又は2に記載の電気泳動用バッファ。

【請求項4】
前記酸化亜鉛微粒子が、棒状、粒状又は板状の形態をしていて、一辺が50~1000nmの仮想的な立方体の内部に納まる大きさであることを特徴とする請求項1又は2に記載の電気泳動用バッファ。

【請求項5】
前記酸化亜鉛微粒子が、中心の核から4本以上の棒状結晶が放射状に延在する形態をしていて、前記棒状結晶の長さが50~1000nmの範囲内にあることを特徴とする請求項1に記載の電気泳動用バッファ。

【請求項6】
前記酸化亜鉛微粒子として、(1)円柱形の形態をしていて、その長さが50~250nmの範囲内にあって、その直径が50~120nmの範囲内にある酸化亜鉛微粒子、(2)棒状、粒状又は板状の形態をしていて、一辺が50~1000nmの仮想的な立方体の内部に納まる大きさの酸化亜鉛微粒子、及び(3)中心の核から4本以上の棒状結晶が放射状に延在する形態をしていて、前記棒状結晶の長さが50~1000nmの範囲内にある酸化亜鉛微粒子からなる群より選択された2種類以上の当該酸化亜鉛微粒子を混合したものを用いることを特徴とする請求項1に記載の電気泳動用バッファ。

【請求項7】
前記酸化亜鉛微粒子の濃度が、0.02~100mg/mLの範囲内にあることを特徴とする請求項1~6のいずれか一項に記載の電気泳動用バッファ。

【請求項8】
前記酸化亜鉛微粒子が凝集して形成されたコロイド粒子を含むことを特徴とする請求項1~6のいずれか一項に記載の電気泳動用バッファ。

【請求項9】
前記酸化亜鉛微粒子の濃度が、50~100mg/mLの範囲内にあることを特徴とする請求項8に記載の電気泳動用バッファ。

【請求項10】
前記酸化亜鉛微粒子とともに、気泡を含むことを特徴とする請求項1~9のいずれか一項に記載の電気泳動用バッファ。

【請求項11】
前記気泡の粒径が30μm未満であることを特徴とする請求項10に記載の電気泳動用バッファ。

【請求項12】
前記ゲルが、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、カルボキシルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース及びヒドロキシプロピルメチルセルロースからなるセルロース誘導体群より選択された一種類のセルロース誘導体又は二種類以上を混合したセルロース誘導体からなり、
前記ゲルの濃度が0.01~3wt%の範囲内にあることを特徴とする請求項1~11のいずれか一項に記載の電気泳動用バッファ。

【請求項13】
前記ゲルの濃度が、0.7~1wt%の範囲内にあることを特徴とする請求項12に記載の電気泳動用バッファ。

【請求項14】
前記ゲルに加えて、バクテリアセルロース、又はバクテリアセルロース誘導体を材料とする微小網目構造体が添加されていることを特徴とする請求項12又は13に記載の電気泳動用バッファ。

【請求項15】
マイクロチップ上で請求項1~14のいずれか一項に記載の電気泳動用バッファを用いて試料を分離する方法であって、以下の工程を有することを特徴とする電気泳動法。
(1)前記マイクロチップの導入チャネルと、該導入チャネルに交差する分離チャネルのそれぞれに前記電気泳動用バッファを充填する充填工程。
(2)前記導入チャネルに導入用電圧を印加して、該導入チャネルに試料を導入する導入工程。
(3)前記分離チャネルに分離用電圧を断続的に印加して、前記試料を該分離チャネルに導入する遅延期導入工程。
(4)前記分離チャネルに前記分離用電圧を印加して、前記試料を泳動させる本泳動工程。

【請求項16】
前記導入工程で、前記導入チャネルに、30~100V/cmの範囲内の値の前記導入用電圧を、該導入チャネルの単位長さ(1mm)当たり6.5~10.5秒間内の期間だけ印加することを特徴とする請求項15に記載の電気泳動法。

【請求項17】
前記遅延期導入工程は、前記分離チャネルに175~300V/cmの範囲内の値の前記分離用電圧を、該分離チャネルの単位長さ(1cm)当たり2~2.5秒間内の期間だけ印加する第1サブ工程と、
該第1サブ工程終了後、0.5~1秒間内の期間の電圧未印加状態を経て、前記分離チャネルに前記分離用電圧を、該分離チャネルの単位長さ(1cm)当たり4~5秒間内の期間だけ印加する第2サブ工程とを含むことを特徴とする請求項15又は16に記載の電気泳動法。

【請求項18】
前記本泳動工程で、前記分離チャネルに前記分離用電圧を、該分離チャネルの単位長さ(1cm)当たり40~50秒間内の期間だけ印加することを特徴とする請求項15~17のいずれか一項に記載の電気泳動法。
産業区分
  • 試験、検査
  • 高分子化合物
国際特許分類(IPC)
画像

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出願権利状態 権利存続中
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