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基盤に固着した貴金属膜からなる写真画像 コモンズ

国内特許コード P08A013940
整理番号 P04-017
掲載日 2008年10月31日
出願番号 特願2004-162557
公開番号 特開2005-317885
登録番号 特許第4512818号
出願日 平成16年4月28日(2004.4.28)
公開日 平成17年11月10日(2005.11.10)
登録日 平成22年5月21日(2010.5.21)
発明者
  • 久下 謙一
  • 後藤 好正
出願人
  • 学校法人千葉大学
発明の名称 基盤に固着した貴金属膜からなる写真画像 コモンズ
発明の概要

【課題】写真画像を構成する銀微粒子とゼラチン膜それぞれの変質による画像の劣化を受けない、化学的に安定で機械的強度を有する写真画像の製造を目的とする。
【解決手段】安定な貴金属からなり、ゼラチンを除去した画像を形成する。そのために露光画像部にのみ貴金属微粒子をゼラチン膜中に析出させて、貴金属微粒子からなる画像を作製した後焼成することにより、ゼラチンを燃焼除去し、同時に貴金属微粒子の凝集により基盤に固着した貴金属膜からなる写真画像を形成する。
【選択図】 図1

従来技術、競合技術の概要

白黒写真画像は基盤上のゼラチン膜中に銀微粒子が分散した構造を持っている。ゼラチンを支持材として用いることは、写真の歴史の上で画期的な発明であり、ゼラチンはその優れた特性のため写真画像の支持材として必須のものと考えられてきた。しかしながら、この写真画像を構成するゼラチン膜、銀微粒子とも充分安定なものではなく、時間とともに変質するため、保存中の画像の劣化は避けられず、写真画像の保存における重要な問題であった。銀微粒子は空気中の酸素と水分、また定着液残留成分などにより、酸化・硫化反応を受けて、酸化銀・硫化銀などに変化し、退色、階調や色調の変化、汚染や変色の発生などの画像の劣化を生じる。一方ゼラチン膜は湿潤状態では、カビの発生、べたつき、他への付着などを、乾燥状態では膜の乾燥による亀裂、剥離などを生じる。これらはすべて写真画像を損傷する。またゼラチン膜は機械的強度が充分ではなく、かき取りや摩擦によりはがれたり、傷が付いたりするなどの問題も有する。


写真画像の保存性を向上するために、画像を構成する銀粒子を他の貴金属などに置き換えることにより銀の変質を防止する、調色という技術が古くから用いられてきた。しかしこの処理は通常の現像処理後に調色という新たな工程を付け加えなければならない。また調色処理の不均一によるムラ、調色処理液の残存による画像の汚染などにより、逆に写真画像が劣化するなどの欠点もある。さらにこの処理はゼラチン膜の持つ欠点に対してはなんら効果がない。

【非特許文献1】 改訂写真工学の基礎-銀塩写真編-、415頁~417頁、日本写真学会編、(1998)
【非特許文献2】 R.W.Henn,B.D.Mack,Photographic Sci.Eng.,9,378-384(1965).


ゼラチンの変質に対しては、防黴剤の添加、硬膜処理による膜強度の増強などがなされている。しかしゼラチン膜がある限り根本的な解決方法とはなりえない。さらにこれらは銀の変質に対しては効力がない。

【特許文献1】 特開平11-184039号公報
【特許文献2】 特開平09-329862号公報
【特許文献3】 特開平09-265147号公報
【特許文献4】 特開平05-011395号公報


ゼラチンは写真画像には不可欠のものであるが、あえてゼラチンのない写真画像として、陶磁器上に焼き付けた画像を形成する陶磁器写真などがある。しかしこれらは写真といいながら基本的に一旦画像を別に作ってから陶磁器上に転写して焼き付けるものであって、一種の印刷技術であり、陶磁器上に直接露光して画像を作る、いわゆる像を写し撮る写真ではない。もとの写真画像を作製した後さらに転写像を作製する工程を要し、また転写の際に階調、色調が変化する、解像度が低下する、ムラを生じるといった問題も有している。

【特許文献5】 特開2002-293671号公報
【特許文献6】 特開2002-293670号公報
【特許文献7】 特開2001-30693号公報
【特許文献8】 特公平6-99196

産業上の利用分野

本発明は,ゼラチンを含まない貴金属膜のみからなる写真画像およびその製造方法に関するものである。

特許請求の範囲 【請求項1】
感光物質であるハロゲン化銀粒子と支持材となるゼラチンを含む写真乳剤を耐熱性基盤上に塗布した写真感光材料を用いて写真撮影を行う工程、
露光画像部に金、白金族元素又はこれらの混合物の微粒子を析出させて、前記ゼラチン中に分散した金、白金族元素又はこれらの混合物の微粒子からなる画像を得る工程、
前記ゼラチンを燃焼除去するとともに前記耐熱性基盤上に金、白金族元素又はこれらの混合物の膜を固着させる工程、を有する写真画像の作製方法。

【請求項2】
前記画像を得る工程は、前記写真感光材料を金、白金族元素又はこれらの混合物のイオンを含む処理液に浸漬する工程を含む、請求項1記載の写真画像の作製方法。

【請求項3】
前記作製される写真画像は、像が耐熱性基板上に固着した金、白金族元素又はこれらの混合物からなる膜で構成されており、ゼラチンが除去されている請求項1記載の写真画像の作製方法。

【請求項4】
1回の露光でポジ画像を得る請求項1記載の写真画像の作製方法。

【請求項5】
前記白金族元素は、白金、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウムの少なくともいずれかである請求項1記載の写真画像の作製方法。

【請求項6】
感光物質であるハロゲン化銀粒子と支持材となるゼラチンを含む写真乳剤を耐熱性基盤上に塗布した写真感光材料を用いて写真撮影を行う工程、
露光画像部に金、白金族元素又はこれらの混合物からなる微粒子を析出させて、前記ゼラチン中に分散した白金族元素又はこれらの混合物からなる微粒子からなる画像を得る工程、
前記ゼラチンを燃焼除去するとともに前記耐熱性基盤上に金、白金族元素又はこれらの混合物からなる膜を固着させる工程、を有するプリント基板の作製方法。

【請求項7】
感光物質であるハロゲン化銀粒子と支持材となるゼラチンを含む写真乳剤を耐熱性基盤上に塗布した写真感光材料を用いて写真撮影を行う工程、
露光画像部に金、白金族元素又はこれらの混合物からなる微粒子を析出させて、前記ゼラチン中に分散した白金族元素又はこれらの混合物からなる微粒子からなる画像を得る工程、
前記ゼラチンを燃焼除去するとともに前記耐熱性基盤上に金、白金族元素又はこれらの混合物からなる膜を固着させる工程、を有するガラスマスクの作製方法。
産業区分
  • 電子部品
  • 写真映画
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2004162557thum.jpg
出願権利状態 権利存続中
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