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基盤に固着した貴金属膜からなるホログラフィック光学素子 コモンズ

国内特許コード P08A013942
整理番号 P04-019
掲載日 2008年10月31日
出願番号 特願2004-163827
公開番号 特開2005-316348
登録番号 特許第4500996号
出願日 平成16年4月30日(2004.4.30)
公開日 平成17年11月10日(2005.11.10)
登録日 平成22年4月30日(2010.4.30)
発明者
  • 久下 謙一
  • 中尾 友昭
出願人
  • 学校法人千葉大学
発明の名称 基盤に固着した貴金属膜からなるホログラフィック光学素子 コモンズ
発明の概要

【課題】化学的、機械的強度を有する、保存性、耐久性のあるホログラフィック光学素子の製造を目的とする。
【解決手段】写真感光材料に干渉縞の露光を与え、露光部に貴金属微粒子を析出させて、貴金属微粒子からなる干渉縞の像を形成した後焼成することにより、ゼラチンを燃焼除去し、貴金属微粒子を凝集させることにより基盤に固着した貴金属膜からなるホログラフィック光学素子を形成する。
【選択図】 図1

従来技術、競合技術の概要

ホログラフィは画像情報を画像光と参照光の位相差による干渉縞として記録する技術であり、3次元像を再現できる3次元画像ディスプレイ及び光学素子の作製技術、干渉を利用した光学計測技術などとして利用されている。そしてこの技術を応用した製品はホログラムと呼ばれている。ホログラムの記録材料としては古くから銀塩感光材料が用いられている。これは単分散できわめて平均粒径の小さいハロゲン化銀粒子を使用して、干渉縞の強度変化を現像銀の有無による透過率の差として記録する振幅型ホログラム、あるいはそれを漂白してハロゲン化銀粒子の有無による屈折率差やハロゲン化銀粒子も除去した後のゼラチン膜の屈折率差で記録する位相型ホログラムとして使用されている。その他にゼラチン膜の屈折率差で記録する重クロム酸ゼラチンや、ポリマー膜表面の凸凹の形で記録するフォトレジスト、露光・未露光部の屈折率差で記録するフォトポリマーなど幾つかの材料が開発され、広く用いられている。

【非特許文献1】 久保田敏弘、日本写真学会誌、65、15-20(2002).


これらに記録されたホログラムはほとんどがゼラチンを含むなんらかのポリマーの膜を構成要素として含んでいる。ポリマーの膜は変質、損傷を生じやすく、それにより微細な干渉縞の像が損傷するとホログラム画像は劣化する。そのためホログラム画像は一般的に保存性が良好ではない。アートメディアあるいは光学素子として利用した場合、長期間変質しないということが重要であるが、現在のホログラム記録材料はその点から見て満足のいくものではない。アートメディアとしてのホログラムは、屋外に展示できない、室内でも照明を暗くしなければならない、カバーを掛けなければならないなど、その展示条件に制約が多く、ホログラムを広く展示することができないので、普及の妨げになっている。また、光学素子として使用する場合、強い光に長時間さらされるので光により劣化すると耐久性に問題が生じる。そのため安定で、保存性、耐久性に優れたホログラム記録材料と記録方法が望まれていた。


変質の主な原因には、1.光(紫外線)、2.湿度、3.空気中の酸素や微量の酸化性、腐食性ガスなどがある。


その改善方法の一つとして、銀塩感光材料では写真乳剤の改良、フォトポリマーなどではポリマーの改質による耐久性の向上が図られている。

【特許文献1】 特開平09-251199号公報
【特許文献2】 特開2000-310936号公報


また、吸収層を設けて紫外線を吸収することで耐光性を増すことが図られている。

【特許文献3】 特開2000-310934号公報


また、透明な板で挟んで密封することにより湿気、ガスの浸透を遮断することで湿度、各種ガスの効果を排除することが図られている。

【特許文献4】 特開2000-162948
【特許文献5】 特開2001-175154


銀塩感光材料は高感度、高解像力という特徴からホログラム記録材料の一つとしてこれまで広く用いられてきている。銀塩感光材料で露光、現像の処理により作製されたホログラムは振幅型であるが、現像後の漂白処理によって現像で生じた銀粒子を透明なハロゲン化銀粒子に変換する、あるいはハロゲン化銀を除去することにより、位相型に変換している。干渉縞はゼラチンとハロゲン化銀粒子、あるいはゼラチン間の屈折率の差で記録されている。湿気や乾燥によりゼラチン膜が不均一に拡大縮小することで干渉縞の像が乱れたり、ハロゲン化銀を含むホログラムは光により光分解銀が析出したりするなど、保存性、耐久性が良好でない。そのためアクリル板等の透明なもので覆って密封する、表面を紫外線吸収膜などでコートするなどの方策がとられている。しかしいずれも完璧な方法ではない。

産業上の利用分野

本発明は、基盤に固着した貴金属膜で記録された干渉縞からなるホログラム及びホログラフィック光学素子並びにその製造方法に関するものである。

特許請求の範囲 【請求項1】
耐熱性基盤上に感光物質であるハロゲン化銀超微粒子及び支持材であるゼラチンを含む写真乳剤を塗布し、干渉縞を発生させて露光する工程、露光部に金及び白金族元素の少なくともいずれかを含む微粒子を析出させて干渉縞の像を形成する工程、焼成して前記ゼラチンを燃焼除去するとともに前記耐熱基盤上に金及び白金族元素の少なくともいずれかを含む膜を固着する工程、を有するホログラフィック光学素子の作製方法。

【請求項2】
耐熱性基盤上に感光物質であるハロゲン化銀超微粒子及び支持材であるゼラチンを含む写真乳剤を塗布し、干渉縞を発生させて露光する工程、露光部に金及び白金族元素の少なくともいずれかを含む微粒子を析出させて干渉縞の像を形成する工程、焼成して前記ゼラチンを燃焼除去するとともに前記耐熱基盤上に金及び白金族元素の少なくともいずれかを含む膜を固着する工程、を有するホログラムの作製方法。

【請求項3】
耐熱性基盤上に感光物質であるハロゲン化銀超微粒子及び支持材であるゼラチンを含む写真乳剤を塗布し、干渉縞を発生させて露光する工程、露光部に金及び白金族元素の少なくともいずれかを含む微粒子を析出させて干渉縞の像を形成する工程、焼成して前記ゼラチンを燃焼除去するとともに前記耐熱基盤上に金及び白金族元素の少なくともいずれかを含む膜を固着する工程、を有する回折格子の作製方法。

【請求項4】
前記白金族元素は、白金、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウムの少なくともいずれかを含む請求項1記載のホログラフィック光学素子の作製方法。

【請求項5】
前記白金族元素は、白金、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウムの少なくともいずれかを含む請求項2記載のホログラムの作製方法。

【請求項6】
前記白金族元素は、白金、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウムの少なくともいずれかを含む請求項3記載の回折格子の作製方法。
産業区分
  • 光学装置
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2004163827thum.jpg
出願権利状態 権利存続中
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