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強誘電性を示す柱状液晶化合物 コモンズ

国内特許コード P08A013945
整理番号 P04-027
掲載日 2008年10月31日
出願番号 特願2004-197064
公開番号 特開2006-016352
登録番号 特許第4599552号
出願日 平成16年7月2日(2004.7.2)
公開日 平成18年1月19日(2006.1.19)
登録日 平成22年10月8日(2010.10.8)
発明者
  • 岸川 圭希
出願人
  • 学校法人千葉大学
発明の名称 強誘電性を示す柱状液晶化合物 コモンズ
発明の概要

【課題】
従来の光学活性な強誘電性化合物よりも合成が容易で安価であり、分子の配向性が高く、高密度な情報記録も可能な化合物を供給すること。
【解決手段】
強誘電性を示す液晶化合物において、分子中央付近に分極部を有し、かつ柱状液晶相を示す液晶化合物とする。この柱状構造体は、光学活性基がなくても強誘電性を有するとともに配向性が高く、さらに、柱状構造体間の電気的反発が小さいので、柱状構造体ごとの分極の制御が可能となる。
【選択図】 図1

従来技術、競合技術の概要


強誘電性を示す液晶化合物は、外部から印加される電界に沿って分極の向きを揃えることができ、この電界を取り去っても分極の向きを維持することができる。しかもこの強誘電性を示す液晶化合物の電界に対する応答は非常に高速である。よって、強誘電性を示す液晶化合物は主に高速応答かつメモリ性のある表示素子・記録素子への応用を中心に研究されている。なお他の応用例としては、電界をかけた状態で高分子化して各分子の配置を固定した材料が知られており、表裏の電圧が圧力により変化する圧電性材料や温度により変化する焦電性材料などがある。



まず強誘電性液晶化合物の一例として、光学活性なスメクチックC相を示す液晶化合物が知られている。この相は複数の層が積層されたような層状構造を有しており、その各層では光学活性な棒状分子が層の垂線方向に対しある一定の角度で傾いて存在している。光学活性なスメクチックC相では分子が光学活性であるため、棒状分子の傾き方向と垂直な方向に分極が生じており、これが強誘電性を発現させるもととなる。そしてこの液晶化合物を数ミクロンの間隔で配置される面状の電極間に充填することで強誘電性を発現させることができる(図3参照)。この電極の間に電界を印加することで液晶分子の傾きを逆方向に向かせることができ、かつ、その電界を取り去っても、その状態を保つことができるのである。



しかしながら、この“電界を取り去っても、分極が残る性質”(強誘電性)は、分極を維持する分子の数が減少すると生じなくなってしまう。たとえば、一層の半分の分子を逆方向に傾けて維持したり(図4参照)、縦方向に全ての層において数分子の幅でのみ、傾きを逆向きにして維持する(図5参照)ことはできない。これは他の層の分子やその層の他の分子における立体的または電子的影響を受けるためであり、仮に、局部的な電圧で、このような一部の分子のみを逆方向に傾けられたとしても、電圧を取り去れば他の分子の影響を大きく受け、他の分子と同一の方向に傾きは戻ってしまう。特に現状では小さくても数μm四方程度の領域で強誘電性を制御できる程度である。



また、反強誘電性を示す液晶化合物も知られており、光学活性なスメクチックCA相を示す液晶化合物が知られている。この相では、棒状分子が長軸方向に層状構造を形成し、一層ごとに分子は所定の角度で逆方向に傾いている(図6参照)。この相では、強誘電性液晶に見られる二つの安定状態に加えて、交互に分子が傾いた安定状態が存在する。このスメクチックCA相のうち隣接層間の電子反発の少ないものは、各層毎に層内の分子の傾きを制御する可能性を有している。しかし、各層の部分的な分子の傾きの制御についてまでは立体的な影響により困難である。



一方、楕円形の分子が柱状に積み重なった構造体(「分子が柱状に積み重なった構造体」を以下単に「柱状構造体」という。)を有する液晶化合物を利用した強誘電性を示す液晶化合物の開発も行われている(以下、柱状構造体から構成される液晶相を相系列に有する液晶化合物を単に「柱状液晶化合物」という。)。楕円形の分子が柱状構造体を形成し、しかも傾きを有している場合、この分子に光学活性を導入することでスメクチックC相と同様な原理で、強誘電性を柱状構造体の軸と垂直な方向に生じさせることができるのである。ただし、この場合においても柱状構造体の一つ一つを独立に制御することはできない。



これに対し、柱状構造体の長軸と平行な方向に分極を有する柱状液晶化合物を合成する試みも行われている。ボウル状、円錐状の化合物は互いに同じ方向で重なる性質があるため、一つの柱状構造体において長軸と平行な方向に分極した構造を形成することができる。しかし、この場合であっても、結局、自発的に隣合う柱状構造体の分極が逆を向いて並び、分極を打ち消してしまう。そのため電圧を印加して柱状構造体を同一方向に並べても、自発的に分極を打ち消す方向に配列してしまい、強誘電性は示さない(図7参照)。なおこの柱状液晶化合物については下記非特許文献1に記載がある。

【非特許文献1】バシェーら、「新しい芳香族化合物の集合体からなる一次元ナノ構造体の合成、自己集合、および、スイッチング」、ジャーナル オブ ジ アメリカン ケミストリー、125巻、2003年、p8264-p8269(Mark L.Bushey et al., 「Synthesis, Self-Assembly, and Switching of One-Dimensional Nanostructures from New Crowded Aromatics」Journal of the American Chemistry,2003,124,p8264-p8269)

産業上の利用分野


本発明は、強誘電性の液晶相を示す液晶化合物に関し、特に柱状構造体からなる強誘電性液晶相を示す液晶化合物に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
N,N’-ビス(3,4,5-トリアルコキシフェニル)尿素からなる強誘電性を示す柱状液晶化合物(ここでアルコキシフェニルのアルコキシ基は、炭素数8以上16以下である。)。

【請求項2】
N,N’-ビス(3,4,5-トリオクチロキシフェニル)尿素、N,N’-ビス(3,4,5-トリドデシロキシフェニル)尿素、及びN,N’-ビス(3,4,5-トリヘキサデシロキシフェニル)尿素の少なくともいずれかからなる、強誘電性を示す柱状液晶化合物。

【請求項3】
請求項1又は2記載の柱状液晶化合物を利用した記録素子。

【請求項4】
請求項1又は2記載の柱状液晶化合物を利用した表示素子。

【請求項5】
請求項1又は2記載の柱状液晶化合物を利用した焦電素子。

【請求項6】
請求項1又は2記載の柱状液晶化合物を利用した圧電素子。
産業区分
  • 有機化合物
  • その他無機化学
  • その他無機化学
  • 高分子化合物
  • 光学装置
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2004197064thum.jpg
出願権利状態 権利存続中
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