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光学活性ホモアリルヒドラジノエステル類の製造方法 コモンズ

国内特許コード P08P006355
整理番号 E076P99
掲載日 2008年10月31日
出願番号 特願2008-021964
公開番号 特開2008-255094
登録番号 特許第4913077号
出願日 平成20年1月31日(2008.1.31)
公開日 平成20年10月23日(2008.10.23)
登録日 平成24年1月27日(2012.1.27)
優先権データ
  • 特願2007-061130 (2007.3.10) JP
発明者
  • 小林 修
  • 小川 知香子
  • 永野 高志
  • ウーヴェ シュナイダー
  • 藤田 麻里
出願人
  • 国立研究開発法人科学技術振興機構
発明の名称 光学活性ホモアリルヒドラジノエステル類の製造方法 コモンズ
発明の概要 【課題】
本発明は、水と有機溶媒との混合溶媒中でのアリルボラン誘導体を用いるα-ヒドラゾノエステルに対する触媒的不斉アリル化反応において、より高収率で、かつ高立体選択的に光学活性ホモアリルヒドラジノエステルを製造する方法を提供する。
【解決手段】
本発明は、水と有機溶媒との混合溶媒中で、亜鉛化合物及びキラルなジアミン配位子とを混合させて得られる触媒の存在下で、α-ヒドラゾノエステルとアリルボラン誘導体とを反応させて、対応する光学活性ホモアリルヒドラジノエステル類を製造する方法に関する。
【選択図】 なし
従来技術、競合技術の概要


光学活性なホモアリルアミン誘導体は、その二重結合を種々変換することが可能なことから、天然物や生理活性物質などの合成中間体として重要な化合物である。光学活性ホモアリルアミン誘導体は、通常はイミン類に対する不斉アリル化反応によって合成されており、中でもα-イミノエステルへの触媒的不斉アリル化反応は光学活性α-アミノ酸誘導体を直接合成できることから、非常に期待されている手法の一つである。
しかしながら、これまでにα-イミノエステルを含むイミン類に対する触媒的不斉アリル化反応は幾つか報告がなされているが、そのほとんどが厳密な無水条件下での反応であり(非特許文献1~10参照)、水中または水と有機溶媒の混合溶媒中などの穏和な条件下での高選択的不斉アリル化反応の例は限られている。
山本らのグループはパラジウム触媒を用いる水共存下でのイミンの高選択的なアリル化反応を報告しているが、α-イミノエステル類を基質とする検討例がないことや用いているアリルスズ誘導体に強い有害性があることなどにおいて改善の余地がある(非特許文献11参照)。



また、本発明者らは光学活性亜鉛触媒存在下アリルシラン誘導体を用いる水と有機溶媒の混合溶媒中でのα-ヒドラゾノエステルの不斉アリル化反応を報告している(特許文献1、及び非特許文献12参照)。この手法では得られるヒドラジノエステルはその窒素-窒素結合を切断することによりアミノエステルに導けることから(非特許文献12)、光学活性α-アミノ酸誘導体合成法として有効である。しかしながら、その反応自体の選択性に改善の余地を残している。一方、クック(Cook)らはアシルヒドラゾンの不斉アリル化を報告しているが、有機溶媒中での反応であり、またインジウムを過剰量必要とする(非特許文献13)。



【特許文献1】
特開2004-262873号公報
【非特許文献1】
H. Nakamura, K. Nakamura, Y. Yamamoto, J. Am. Chem. Soc. 1998, 120, 4242-4243.
【非特許文献2】
D. Ferraris, T. Dudding, B. Young, W. J. Drury III, T. Lectka, J. Org. Chem. 1999, 64, 2168-2169.
【非特許文献3】
K. Nakamura, H. Nakamura, Y. Yamamoto, J. Org. Chem. 1999, 64, 2614-2615.
【非特許文献4】
X. Fang, M. Johannsen, S. Yao, N. Gathergood, R. G. Hazell, K. A. Jφrgensen, J. Org. Chem. 1999, 64, 4844-4849.
【非特許文献5】
T. Gastner, H. Ishitani, R. Akiyama, S. Kobayashi, Angew. Chem. Int. Ed. 2001, 40, 1896-1898.
【非特許文献6】
D. Ferraris, B. Young, C. Cox, T. Dudding, W. J. Drury III, L. Ryzhkov, A. E. Taggi, T. Lectka, J. Am. Chem. Soc. 2002, 124, 67-77.
【非特許文献7】
R. A. Fernandes, Y. Yamamoto, J. Org. Chem. 2004, 69, 735-738.
【非特許文献8】
G. R. Cook, R. Kargbo, B. Maity, Org. Lett. 2005, 7, 2767-2770.
【非特許文献9】
R. Wada, T. Shibuguchi, S. Makino, K. Oisaki, M. Kanai, M. Shibasaki, J. Am. Chem. Soc. 2006, 128, 7687-7691.
【非特許文献10】
K. L. Tan, E. N. Jacobsen, Angew. Chem. Int. Ed. 2007, 46, 1315-1317
【非特許文献11】
R. A. Fernandes, A. Stimac, Y. Yamamoto, J. Am. Chem. Soc. 2003, 125, 14133-14139.
【非特許文献12】
T. Hamada, K. Manabe, S. Kobayashi, Angew. Chem. Int. Ed. 2003, 42, 3927-3930.
【非特許文献13】
R. Kargbo, Y. Takahashi, S. Bhor, G. R. Cook, G. C. Lloyd-Jones, I. R. Shepperson, J. Am.Chem. Soc. 2007, 129, 3846-3847

産業上の利用分野


本発明は、水と有機溶媒との混合溶媒中で、亜鉛化合物及びキラルなジアミン配位子とを混合させて得られる触媒の存在下で、α-ヒドラゾノエステルとアリルボラン誘導体とを反応させて、対応する光学活性ホモアリルヒドラジノエステル類を製造する方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
水と有機溶媒との混合溶媒中で、亜鉛化合物及び次の一般式(1)、
【化1】


(式中、Rは、それぞれ独立して置換基を有していてもよい炭化水素基を表すか、2個のR同士が一緒になって隣接する炭素原子と共に5~10員の環を形成してもよく、Rは、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基を示す。)
で表されるキラルなジアミン配位子とを混合させて得られる触媒の存在下で、次の一般式(2)、
【化2】


(式中、R及びRは、それぞれ独立して置換基を有していてもよい炭化水素基を示す。)
で表されるα-ヒドラゾノエステルと次の一般式(3)、
【化3】


(式中、R及びRは、それぞれ独立して水素原子又は置換基を有していてもよい炭化水素基を示し、R、R、及びRは、それぞれ独立して水素原子又は置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基を示し、R10は水素原子、置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基、ハロゲン基、保護されていてもよい水酸基、保護されていてもよいアミノ基、又は保護されていてもよいメルカプト基を示す。)
で表されるアリルボラン誘導体とを反応させて、次の一般式(4)、
【化4】


(式中、R、R、R、R、R、及びR10は、前記したものと同じものを示し、*印が不斉炭素原子であることを示す。)
で表される光学活性ホモアリルヒドラジノエステル類又はこの異性体を製造する方法。

【請求項2】
前記一般式(1)におけるRが、置換基を有していてもよいアリール基である請求項に記載の方法。

【請求項3】
一般式(2)におけるRが、炭素数1~30のアルキル基であり、Rが置換基を有していてもよいアリール基である請求項1又は2に記載の方法。

【請求項4】
前記一般式(3)におけるR及びRが、炭素数1~30のアルキル基であり、R、R、及びRが水素原子であり、R10が水素原子、炭素数1~30のアルキル基、ハロゲン基、保護されていてもよい水酸基、又は保護されていてもよいアミノ基である請求項1~3のいずれかに記載の方法。

【請求項5】
亜鉛化合物が、亜鉛塩又は酸化亜鉛である請求項1~4のいずれかに記載の方法。

【請求項6】
亜鉛塩が、ZnX(式中、Xはハロゲン原子からなる陰イオン、アルキルスルホン酸イオン、アリールスルホン酸イオン、パーフルオロアルキルスルホン酸イオン、アルキル硫酸イオン、アリール硫酸イオン、パーフルオロアルキル硫酸イオン、硝酸イオン、過塩素酸イオン、酢酸イオン、又は水酸化物イオンを示す。)である請求項に記載の方法。

【請求項7】
請求項1~のいずれかの方法で製造された光学活性ホモアリルヒドラジノエステル類の窒素-窒素結合を切断して対応するアミノエステル類を製造する方法。

【請求項8】
窒素-窒素結合の切断が、還元的切断である請求項に記載の方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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出願権利状態 登録
参考情報 (研究プロジェクト等) ERATO 小林高機能性反応場プロジェクト 領域
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