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手術ロボットの動作補償システム コモンズ 新技術説明会

国内特許コード P08A014023
整理番号 WASEDA-711
掲載日 2008年11月7日
出願番号 特願2007-086111
公開番号 特開2008-237783
登録番号 特許第4869124号
出願日 平成19年3月29日(2007.3.29)
公開日 平成20年10月9日(2008.10.9)
登録日 平成23年11月25日(2011.11.25)
発明者
  • 藤江 正克
  • 梅田 剛史
  • 岡本 淳
  • 小林 洋
出願人
  • 学校法人早稲田大学
発明の名称 手術ロボットの動作補償システム コモンズ 新技術説明会
発明の概要

【課題】手術ロボットを構成する所定の装置に対して、臓器の動きを補償した状態とそうでない状態とに自動的に切り替えることができる動作補償システムを提供すること。
【解決手段】 術具52を移動可能に動作するロボット本体20を制御する制御装置61と、静止状態で心臓Hを撮像可能な第1の内視鏡17と、心臓Hの動きに追従して動作しながら心臓Hを撮像可能な第2の内視鏡38と、これら各内視鏡17,38からの画像の何れかを選択する画像処理装置62と、制御装置61及び画像処理装置62に対して拍動補償のON、OFFを切り替えるように指令する拍動補償装置60とを備えて手術ロボットシステム10が構成されている。拍動補償装置60は、基準部位と術具52との離間距離が所定値以下の場合に、制御装置61及び画像処理装置62を動作補償モードにし、前記離間距離が所定値を超える場合に、各装置61,62を通常モードにする。
【選択図】 図1

従来技術、競合技術の概要


人体の心臓の周囲には、冠動脈と呼ばれる動脈が張り巡らされており、この冠動脈が動脈硬化等によって狭窄、閉塞すると、心筋梗塞と呼ばれる心筋壊死が発生する。このような冠動脈の狭窄、閉塞に対する治療としては、狭窄、閉塞した血管部位を迂回するように冠動脈の別経路を新たに確保する冠動脈バイパス手術が行われている。この手術の際には、血管の切断や吻合を行い易くするために患者の心臓を一旦停止させ、患者の血液の循環状態を維持する人工心肺装置が使われることが多い。ところが、この人工心肺装置を使用すると、術後の心機能低下や血流の変化に伴う脳障害等が発生する場合があるため、人工心肺装置を使わずに前記手術を行うことが望ましい。しかしながら、このときは心臓が拍動状態にあり、心筋に張り巡らされた冠動脈に対する切断や吻合等の作業が行い難い。そのため、心臓スタビライザと呼ばれる器具を心臓表面に当てることにより、術部付近の心臓表面の動きを規制しながら、切断や吻合等が行われている(例えば、特許文献1参照)。



しかしながら、前記スタビライザを心臓表面に当てて手術を行う場合、心臓の動きを強制的に抑制するものであるから、患者の心臓に対する負担が大きくなり、あまり好ましい方法とは言えない。



そこで、人間の手では、前記スタビライザを使用せずに心臓を拍動させたまま前述の冠動脈バイパス手術等の心疾患手術を行うことが難しいことから、メスや鉗子等の術具をロボットアームに保持させ、当該ロボットアームが心臓表面の拍動に合わせて動作可能となる拍動補償型の手術ロボットが研究されている。この手術ロボットは、医師の遠隔操作に応じてロボットアームが動作するマスタースレーブ方式を基本として、前記拍動補償を行えるようにロボットアームを動作制御することが考えられる。この際、前記拍動補償を行うためには、術部付近の心臓表面の動きを正確に把握しなければならず、本出願人らは、心臓等の臓器の動きを簡単な構成で正確に把握できる動作検出システムを既に提案している(特許文献2参照)。

【特許文献1】特開2003-61966号公報

【特許文献2】特開2006-271545号公報

産業上の利用分野


本発明は、手術ロボットの動作補償システムに係り、更に詳しくは、手術ロボットを使って、動いた状態の臓器の手術を行う際に、前記手術ロボットを構成する所定の装置について、臓器の動きを補償した状態とそうでない状態とに自動的に切り替えることのできる手術ロボットの動作補償システムに関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
複数の装置からなる手術ロボットの動作補償システムであって、
前記手術ロボットの動作により移動可能な術具の先端位置を特定する術具位置特定手段と、動きのある臓器の基準部位の位置を特定する臓器位置特定手段と、前記各特定手段で特定された各位置に基づいて、前記基準部位と前記術具の先端との相対位置関係に応じ、前記臓器の動きを補償しない通常モードと前記臓器の動きを補償する動作補償モードとの間で前記装置の状態を切り替える装置切替手段と、静止した状態で前記臓器を撮像可能な第1の撮像装置と、前記臓器の動きに追従して動作しながら前記臓器を撮像可能な第2の撮像装置と、これら各撮像装置からの画像の何れかを選択して術者側に呈示する画像処理装置とを備え、
前記装置切替手段は、前記基準部位と前記術具の先端との離間距離が所定値以下の場合に、前記画像処理装置を前記動作補償モードとし、前記第2の撮像装置からの画像を前記画像処理装置に選択させる一方、前記離間距離が所定値を超える場合に、前記画像処理装置を前記通常モードにし、前記第1の撮像装置からの画像を前記画像処理装置に選択させることを特徴とする手術ロボットの動作補償システム。

【請求項2】
前記術具を移動可能に動作するロボット本体と、当該ロボット本体の動作を制御する制御装置とを備え、
前記装置切替手段は、前記基準部位と前記術具の先端との離間距離が所定値以下の場合に、前記制御装置を前記動作補償モードにし、前記臓器の動きに追従して前記術具を動作させる一方、前記離間距離が所定値を超える場合に、前記制御装置を通常モードにし、前記臓器の動きに関係なく前記術具を動作させることを特徴とする請求項1記載の手術ロボットの動作補償システム。

【請求項3】
複数の装置からなる手術ロボットの動作補償システムであって、
前記手術ロボットの動作により移動可能な術具の先端位置を特定する術具位置特定手段と、動きのある臓器の動きに追従して変動する臓器周囲の空間である補償空間の位置を特定する臓器位置特定手段と、前記各特定手段で特定された各位置に基づいて、前記補償空間と前記術具の先端との相対位置関係に応じ、前記臓器の動きを補償しない通常モードと前記臓器の動きを補償する動作補償モードとの間で前記装置の状態を切り替える装置切替手段と、静止した状態で前記臓器を撮像可能な第1の撮像装置と、前記臓器の動きに追従して動作しながら前記臓器を撮像可能な第2の撮像装置と、これら各撮像装置からの画像の何れかを選択して術者側に呈示する画像処理装置とを備え、
前記装置切替手段は、前記術具の先端が前記補償空間内に存在する場合に、前記画像処理装置を前記動作補償モードにし、前記第2の撮像装置からの画像を前記画像処理装置に選択させる一方、前記術具の先端が前記補償空間外に存在する場合に、前記画像処理装置を前記通常モードにし、前記第1の撮像装置からの画像を前記画像処理装置に選択させることを特徴とする手術ロボットの動作補償システム。

【請求項4】
前記術具を移動可能に動作するロボット本体と、当該ロボット本体の動作を制御する制御装置とを備え、
前記装置切替手段は、前記術具の先端が前記補償空間内に存在する場合に、前記制御装置を前記動作補償モードにし、前記臓器の動きに追従して前記術具を動作させる一方、前記術具の先端が前記補償空間外に存在する場合に、前記制御装置を前記通常モードにし、前記臓器の動きに関係なく前記術具を動作させることを特徴とする請求項3記載の手術ロボットの動作補償システム。

【請求項5】
前記臓器位置特定手段は、前記臓器に取り付けられて、体外側で赤外線を照射するマーカを保持するマーカ保持具を含み、
前記第2の撮像装置は、前記マーカ保持具に固定されていることを特徴とする請求項1~4の何れかに記載の手術ロボットの動作補償システム。

産業区分
  • 治療衛生
  • 工業用ロボット
国際特許分類(IPC)
画像

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JP2007086111thum.jpg
出願権利状態 権利存続中
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