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汎用的高感度ELISA法およびその試薬キット

国内特許コード P08A014038
整理番号 18-24
掲載日 2008年11月7日
出願番号 特願2007-084314
公開番号 特開2008-241551
登録番号 特許第4830114号
出願日 平成19年3月28日(2007.3.28)
公開日 平成20年10月9日(2008.10.9)
登録日 平成23年9月30日(2011.9.30)
発明者
  • 大谷 浩
  • 八田 稔久
  • 小野 篤輝
出願人
  • 国立大学法人島根大学
発明の名称 汎用的高感度ELISA法およびその試薬キット
発明の概要

【課題】汎用的で低コストでありながらも、少量の試料で高感度な検出が可能なELISA法を提供する。詳細には、アミノプレートELISA法において、アミノプレート表面における抗原(標的物)の固相化率を向上させ、および/または、上記アミノプレートと標識抗体との非特異的反応に起因して生じるノイズを有意に抑制することによって、少量の試料でより高い感度を有するELISA法、およびその試薬キットを提供する。
【解決手段】本発明のELISA試薬キットは下記の少なくとも1つの試薬を含むことを特徴とする:抗原固相化用緩衝液としてTris-buffered saline(TBS)、ブロッキング剤としてポリエチレンイミン。また、本発明のアミノプレートELISA法は、抗原固相化工程において、抗原固相化用緩衝剤としてTBSを用いるか、及び/又は、ブロッキング処理工程においてブロッキング剤としてポリエチレンイミンを用いることを特徴とする。
【選択図】なし

従来技術、競合技術の概要


Enzyme-linked immunosorbent assay (ELISA) は、抗原の量を抗原抗体反応を利用して測定する方法であり、従来から生化学的検査などで広く用いられている(例えば、非特許文献1など参照)。



現在市販されているELISAキットでは、高感度であるという点から、コンペティション法、あるいはサンドイッチ法が主に用いられている。また、計測者自身により構築する汎用的なELISA法としては、ダイレクト法およびインダイレクト法がある。アミノプレート法はこのうちのダイレクト法に属する方法である。



コンペティション法においては、大量の精製抗原が必要であり、コストがかかる。また、コンペティション法の測定原理は競合反応であり、それがアッセイ系の不安定性につながる。特に、計測者が競合ELISAを構築するとき、再現性の高い結果が得られる至適条件の設定が難しいという特徴がある。そのため低コストかつ簡便・汎用的でありながら高感度で安定した結果が得られるアッセイ系を構築するという目的には、コンペティション法はそぐわない。



ダイレクト法は、プレートの表面に直接、タンパク質などの測定対象物である抗原(標的物)を固定化し、次いで標識抗体と反応させて、標識抗体と結合した抗原(標的物)の量を測定する方法である。この方法は、簡易で汎用的で低コストといった長所はあるものの、感度が低いため標的物の量が少ない試料の計測には向いていないという短所がある。この理由の一つとして、ダイレクト法は、標的物がプレート表面に直接付着しているため、エピトープがプレートの凹凸や他の夾雑物に囲まれてしまい、抗体と十分に反応できないことが挙げられる。またダイレクト法は、標的物がプレート表面に物理的に付着しているだけなので、プレートへの標的物の添加と洗浄を繰り返すことによる濃縮化、すなわち高感度化することが難しい。



サンドイッチ法は、あらかじめプレート上に、標的物と特異的に反応する抗体を固定化しておき、この固相化抗体に抗原(標的物)を捕捉させ、次いでこれを標識抗体(二次抗体)と反応させて、当該標識抗体と結合した抗原(標的物)の量を測定する方法である。この方法は、抗原(標的物)に対する反応特異性を利用した方法であるため、一般的に高感度である。しかし、この長所が十分に享受できるのは、抗原(標的物)を含む試料が十分量ある場合である。すなわち、プレートへの試料の添加と洗浄を繰り返すことによって標的物をプレート上に濃縮できるほど、標的物を含む試料が十分量があることが必要となる。また、サンドイッチ法は、特異的な抗原抗体反応を利用するため汎用性に欠き、また高コストであるという短所がある(例えば、サンドイッチELISAキットは、プレート単位(1プレート96well)で3~10万円と高価である)。



一方、アミノプレート法は、アミノ基と共有結合するように表面処理がなされたプレート(アミノプレート)を用いることによって、アミノ基を有する抗原(標的物)を、当該プレートに特異的に捕捉させ、次いでこれを標識抗体と反応させて、当該標識抗体と結合した抗原(標的物)の量を測定する方法である。このため、ペプチドやタンパク質(酵素および抗体を含む)などのアミノ基を有する標的物が高感度に検出できるという長所を有する。また、アミノ基を有する標的物を対象として汎用的に使用でき、しかも低コストであるという長所もある。すなわち、アミノプレート法は、前述するダイレクト法の長所である汎用性および低コスト性と、サンドイッチ法の長所である高感度とを兼ね備えた方法である。



しかし、抗原(標的物)を標識するために使用する標識抗体もまた、タンパク質であるため、標的物だけでなくプレート表面にも結合してしまい、これから生じるシグナル(非特異的反応シグナル)は、ノイズとなって標的物のシグナル(特異的反応シグナル)の検出感度を低下させてしまうという問題がある。



この問題を解消する方法として、抗原(標的物)をアミノプレートに固定化した後、標識抗体との反応前に、上記のプレート表面をカゼインやBSA等のブロッキング剤で処理して、標識抗体との非特異的結合を抑制(ブロック)する方法が用いられている。しかしながら、確かに、かかるブロッキング処理によって、アミノプレートと標識抗体との非特異的結合は抑制できるものの(ノイズの低下)、同時に抗原(標的物)と標識抗体との特異的結合までもが抑制され、検出シグナル(特異的反応シグナル)が低下することも知られている(これを「オーバーブロッキング現象」という)(非特許文献1参照)。

【非特許文献1】Tijssen P、石川栄治 訳:『エンザイムイムノアッセイ』、東京化学同人、8―345 (1992)

産業上の利用分野


本発明は、汎用的に使用できしかも高感度な検出が可能なELISA法、ならびにその方法に使用される試薬キットに関する。特に本発明は、感度が高く汎用性に富むELISA法であるアミノプレートELISA法について、従来のノイズやオーバーブロッキング現象といった問題を解消し、より一層の高感度化を図ることによって少量試料での検出を可能にした、汎用的高感度ELISA法、ならびにその方法に使用される試薬キットに関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
下記(a)および(b)の試薬をそれぞれ個別に包装された形態で含む、アミノプレートELISA法のためのELISA試薬キット:
(a)抗原固相化用緩衝液としてTris-buffered saline、
(b)ブロッキング剤としてポリエチレンイミン

【請求項2】
さらにアミノプレートを含有する、請求項1に記載するELISA試薬キット。

【請求項3】
-下記の工程(1)~(4) を有するアミノプレートELISA法であって、
(1)(a)抗原固相化用緩衝剤の存在下で、アミノプレートに抗原を固定化する工程、
(2)(b)ブロッキング剤で、上記抗原固相化プレートを処理する工程、
(3)上記プレート上に固相化された抗原と標識抗体とを反応させる工程、および
(4)形成された抗原-標識抗体を識別して、当該抗原-標識抗体を測定する工程、
-上記の(a)抗原固相化用緩衝剤としてTris-buffered salineを用い、かつ上記の(b)ブロッキング剤としてポリエチレンイミンを用いることを特徴とする、アミノプレートELISA法。

【請求項4】
(a)抗原固相化用緩衝剤として、0.005~0.5MのTris-buffered salineを用いることを特徴とする、請求項に記載するアミノプレートELISA法。

【請求項5】
(b)ブロッキング剤として、0.1~3重量%ポリエチレンイミンを用いることを特徴とする、請求項3または4に記載するアミノプレートELISA法。
産業区分
  • 治療衛生
  • 高分子化合物
  • 試験、検査
国際特許分類(IPC)
出願権利状態 権利存続中
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