TOP > 国内特許検索 > リング共振器とブラッググレーティングを用いた光波長検波型物理量計測センサを有する計測システム

リング共振器とブラッググレーティングを用いた光波長検波型物理量計測センサを有する計測システム 新技術説明会

国内特許コード P08A014041
掲載日 2008年11月14日
出願番号 特願2006-288631
公開番号 特開2008-107141
登録番号 特許第4742271号
出願日 平成18年10月24日(2006.10.24)
公開日 平成20年5月8日(2008.5.8)
登録日 平成23年5月20日(2011.5.20)
発明者
  • 佐野 安一
出願人
  • 独立行政法人国立高等専門学校機構
発明の名称 リング共振器とブラッググレーティングを用いた光波長検波型物理量計測センサを有する計測システム 新技術説明会
発明の概要

【課題】光ファイバ分布計測システムにおいて従来の分布計測システムの使用する波長帯域幅以下の波長帯域幅で接続可能なセンサ数を増加させ、かつセンサとしての応答速度を向上させる。
【解決手段】リング共振器と光ファイバブラッググレーティングあるいは導波路にブラッググレーティングを描画した導波路ブラッググレーティングを組み合わせてセンサとする。これにより従来、センサとして使用されていた光ファイバブラッググレーティングの反射帯域幅より遥かに狭いピコメータオーダの単一のスペクトルを得ることができ僅かな波長シフトでも帯域通過型の例えばファブリペロー干渉計を用いた波長検波器でSN良く波長を検出できる。
【選択図】 図1

従来技術、競合技術の概要


本発明の背景技術としては第一の背景技術、第二の背景技術、第三の背景技術、第四の背景技術および第五の背景技術がある。まず、第一の背景技術につき説明する。図10を用いて従来技術を用いた分布型温度センサについて説明する。広帯域光源3からの光は光方向性結合器4を経てシングルモードファイバ(以下SMF)に入力され該SMFには1個または複数のFBGが描画されている。検出すべき温度はセンサのFBGの反射中心波長とリンクするため、これらの反射中心波長を測定することにより各センサの温度を測定することができる。各々のFBGの反射中心波長はそれらの帯域幅も含め互いにすべての測定範囲に亘ってオーバラップしないようにシステム設計されている。FBGからの反射光は前記SMFを逆にたどって光源側に戻っていき光源直前に設置されている前記光方向性結合器4により例えばファブリペロー干渉計から構成される波長検波器1に入力される(非特許文献1参照)。各々のFBGの反射中心波長は該ファブリペロー干渉計により測定される。ファブリペロー干渉計は狭帯域な櫛型帯域通過フィルタである。この通過帯域は例えば圧電素子などを使用し該干渉計の半透鏡の間隔を繰り返し該圧電素子に印加する電圧により変化させることができるため例えば該印加電圧を鋸波状に変化させれば前記ファブリペロー干渉計の狭帯域な櫛型帯域通過フィルタスペクトルも周期的に変化する。図11はこの従来技術を用いた分布型温度計測システムのスペクトラムの相互の関係を示す図である。使用される複数のFBGの占有する全波長帯域より広いフリースペクトルレンジ(以下FSR)になるようにファブリペロー干渉計を設計しておく。更にファブリペロー干渉計の複数存在する通過中心波長の内の1つ通過中心波長が前記圧電素子に印加する電圧の変化でFSRだけ掃引される。これにより各々のFBGの反射光の反射中心波長は該ファブリペロー干渉計からの出射光量を前記圧電素子への印加電圧とリンクして観測することにより印加電圧がいくらのとき最大になるかを計測することができる。一方あらかじめ該印加電圧と前記複数のFBGの占有する全波長帯域内に存在する単一のファブリペロー干渉計の透過スペクトル中心波長との関係は測定されており、このためファブリペロー干渉計からの出射光量を極大にする前記印加電圧を測定することにより前記複数のFBGの反射中心波長を測定することができる。そしてあらかじめ各センサの反射中心波長と温度との関係を測定しておきデータとして例えばProgramable Read Only Memory(以下PROM)に記憶しておけばこれが図10の波長温度変換部を構成するメモリとなる。波長温度変換部は波長検波器1に接続され入力されてきた各センサの波長に対応した各センサの温度を出力する。



次に第二の背景技術である分布型の歪センサシステムに関する技術について説明する。 このうちの1つの技術は基本的には前記温度センサと同じ構成のものであってそのシステム構成を図12に示す。これは温度ではなくFBGに印加される歪の検出を行うものであり「非特許文献2」により公知の技術である。また光導波路にブラッググレーティングを描画した素子(以下WBG:Waveguide Bragg Grating)の歪による信号と温度による信号を分離するための技術が「非特許文献6」により知られている。この技術はセンサを2つのWBGから構成するものであって、空間的に互いに近傍に配置し両者がほぼ同一の温度になるようにし、かつ一方には外部から歪が印加でき他方には歪は印加できないような構造になっている。歪が印加されない構造になっているWBGからは補正用温度信号を得、歪が印加される構造になっているWBGからは歪と温度の両方の影響を受けた信号が得られ前記補正用温度信号を用いて歪信号のみを検出する歪検出技術である。



次に第三の背景技術につき説明する。この技術は光通信の分野で波長多重通信のために研究されているリング共振器に関する技術である。リング共振器は波長多重通信のための狭帯域アド/ドロップ光フィルタであり、2入力2出力の光方向性結合器を2つ用いて光導波路ループが出来るように該2つの光方向性結合器を接続した構成になっている。接続されず残った光方向性結合器の4つの入出射端子のうち1つは光入射ポート、1つはスルーポート、1つはドロップポート、他の1つはアドポートとして使用される。光入射ポートからスルーポートへの透過率は繰り返しの櫛形バンドリジェクトフィルタ特性を示す。また光入射ポートからドロップポートへの透過率は繰り返しの櫛形バンドパスフィルタ特性を示す。更にアドポートからスルーポートへの透過特性も櫛形バンドパスフィルタ特性を示す(非特許文献3、非特許文献4、非特許文献5参照)。



次に第四及び第五の背景技術につき説明する。第三の背景技術は光導波路にブラッググレーティングを描画する技術である。コアにゲルマニウムをドープしたSiO2を用いた場合が報告されている(非特許文献6参照)。また第五の背景技術はブラッググレーティングではないがTa2O5-SiOからなるコアの屈折率を紫外線でトリミングできることが報告されている(非特許文献3参照)。

産業上の利用分野


本発明は、光ファイバブラッググレーティング(以下FBG)を用いた光ファイバセンサとして構成する場合に好適なセンサの技術分野に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
広帯域光源からの光を光方向性結合器あるいはサーキュレータに入射させ該光方向性結合器あるいはサーキュレータからの出射光を、光ファイバあるいは光導波路から成る光信号伝送ライン経由で1個のセンサに導き、あるいは複数のセンサを前記光信号伝送ラインを用いて直列に接続した直列回路に導き、前記1個あるいは複数のセンサからの反射光は逆の経路をたどって前記光方向性結合器あるいはサーキュレータ経由で波長検波器に導かれ該波長検波器において測定された前記センサからの反射スペクトルに基づいて温度若しくは歪が計測される計測システムであって、
前記センサは、前記光信号伝送ラインに接続されたリング共振器を含むとともに、1個のFBG(Fiber Bragg Grating)あるいは光導波路にブラッググレーティングを描画した素子(以下WBG(Waveguide Bragg Grating)という。)が前記リング共振器のドロップポートに接続されており、前記光信号伝送ラインとは入射ポート及びスルーポートを介して接続された、リング共振器とブラッググレーティングを用いた光波長検波型物理量計測センサであり、
前記センサにおいて、前記リング共振器の櫛形透過スペクトルは前記FBGあるいはWBGの反射波長帯域より帯域の線スペクトルを有し、一つの前記線スペクトルだけが前記反射波長帯域内に含まれる測定範囲で前記反射スペクトルに基づいて計測が行われることを特徴とする計測システム。

【請求項2】
前記センサにおいて、前記FBGあるいはWBGの前記反射波長帯域の半値全幅を前記リング共振器の前記櫛形透過スペクトルのフリースペクトルレンジよりも狭くしたことを特徴とする請求項1に記載の計測システム。

【請求項3】
前記センサにおいて、前記FBGあるいはWBGの前記反射波長帯域の反射中心波長の温度依存性は前記リング共振器の前記線スペクトルの温度依存性に等しいことを特徴とする請求項1に記載の計測システム。

【請求項4】
前記センサにおいて、前記リング共振器の前記櫛型透過スペクトルのうちの特定の前記一つの線スペクトルの変動の範囲が前記FBGあるいはWBGの前記反射波長帯域より狭い測定範囲で計測が行われることを特徴とする請求項1に記載の計測システム。

【請求項5】
前記光信号伝送ラインには複数の前記センサが直列に接続され、前記複数のセンサにおいて、それぞれの前記リング共振器の前記櫛型透過スペクトルのうち特定の前記一つの線スペクトルの変動の範囲が前記FBGあるいはWBGの反射波長帯域より狭いそれぞれの測定範囲で計測が行われ、しかも前記測定範囲では同時に前記反射波長帯域が前記複数のセンサ間で互いに重なり合わないように構成されることを特徴とする請求項1に記載の計測システム。

【請求項6】
歪の変化あるいは歪を測定する歪計測システムであって、
外力により発生する歪を検知するための第一のセンサ要素としての前記センサと、該第一のセンサ要素に隣接して直列に接続配置され、温度を検知し前記第一のセンサ要素の温度特性を補正するための第二のセンサ要素としての前記センサと、を有することを特徴とする請求項1に記載の計測システム。

【請求項7】
前記第一のセンサ要素の前記リング共振器に、前記FBGあるいはWBGの光軸に平行な方向に歪が印加されるように構成されることを特徴とする請求項6に記載の計測システム。

【請求項8】
前記第一のセンサ要素の前記リング共振器はレーストラック型の形状をしており該レーストラックの直線部は前記FBGあるいはWBGの光軸と平行であることを特徴とする請求項7に記載の計測システム。
産業区分
  • 測定
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

※ 画像をクリックすると拡大します。

JP2006288631thum.jpg
出願権利状態 権利存続中
ライセンスをご希望の方、特許の内容に興味を持たれた方は、下記「問合せ先」まで直接お問い合わせ下さい。


PAGE TOP

close
close
close
close
close
close
close