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光波長検波法を用いた分布型計測システムにおけるセンサの超狭帯域化とシステムに接続可能なセンサ数の増加方法 新技術説明会

国内特許コード P08A014043
掲載日 2008年11月14日
出願番号 特願2007-074317
公開番号 特開2008-232893
登録番号 特許第4586167号
出願日 平成19年3月22日(2007.3.22)
公開日 平成20年10月2日(2008.10.2)
登録日 平成22年9月17日(2010.9.17)
発明者
  • 佐野 安一
  • 窪田 純
出願人
  • 独立行政法人国立高等専門学校機構
発明の名称 光波長検波法を用いた分布型計測システムにおけるセンサの超狭帯域化とシステムに接続可能なセンサ数の増加方法 新技術説明会
発明の概要

【課題】光ファイバ分布計測システムに使用される光ファイバブラッググレーティング(以下FBG)は中心波長が変化しても反射光量の変化はほんのわずかであるため波長検波器内の受光素子への外来電磁ノイズにより前記中心波長の測定値は大きく変動し、充分な信号対雑音比を得ようとするとシステムに接続可能なセンサ数を減らさなければならなかった。
【解決手段】狭帯域なFWHMの第一のリング共振器と、リング共振器の中に前記FWHMよりも広いFWHMのFBGを内蔵する第二のリング共振器を光方向性結合器で接続し、第一のリング共振器と信号伝送ラインの光ファイバとは別の光方向性結合器で接続することにより1本の狭帯域反射スペクトルを反射し、前記FBGの反射帯域以外の波長域では平坦なスペクトルを出射するセンサを用いることによりセンサ数を減らすことなく充分な信号対雑音比の光ファイバ分布計測システムを実現できる。
【選択図】 図1

従来技術、競合技術の概要


本発明の背景技術としては第一の背景技術及び第二の背景技術を説明する。まず、第一の背景技術につき説明する。図4を用いて従来技術を用いた分布型温度センサについて説明する。広帯域光源1からの光は光方向性結合器2を経てシングルモード光ファイバSMFに入力され該SMFには1個または複数のFBGが描画されている。検出すべき温度はセンサのFBGの反射中心波長と相関があるため、これらの反射中心波長を測定することにより各センサの温度を測定することができる。各々のFBGの反射中心波長はそれらの帯域幅も含め互いにすべての測定範囲に亘ってオーバラップしないようにシステム設計されている。FBGからの反射光は前記SMFを逆にたどって広帯域光源1側に戻っていき該光源直前に設置されている前記光方向性結合器2によりファブリペロー干渉計などの光学干渉計から構成される波長検波器3に入力される(非特許文献1参照)。各々のFBGの反射中心波長は該波長検波器3により検波、すなわち測定される。ファブリペロー干渉計は狭帯域な櫛型帯域通過フィルタである。一方、圧電素子を使用し時間に対して鋸波状の電圧を該圧電素子に印加させると圧電素子はその電圧により変位を生ずるため該干渉計の半透鏡を圧電素子に接続しておけば2つの半透鏡の間隔を変化させることができる。従って圧電素子に印加する電圧を周期的に変化させればファブリペロー干渉計の狭帯域な櫛型帯域通過フィルタスペクトルを周期的に変化させることができる。図5はこの従来技術を用いた分布型温度計測システムのスペクトラムの相互の関係を示す図である。使用される複数のFBGの占有する全波長帯域より広いフリースペクトルレンジ(以下FSR)になるように波長検波器3を構成するファブリペロー干渉計を設計しておく。更に該ファブリペロー干渉計の複数存在する通過中心波長の内の1つ通過中心波長が前記圧電素子に印加する電圧の変化でFSRだけ掃引されるようにシステム設計を行う。これにより各々のFBGの反射光の反射中心波長は該ファブリペロー干渉計からの出射光量を前記圧電素子への印加電圧とリンクして観測することにより印加電圧がいくらのとき最大になるかをそれぞれ別々に計測することにより測定することが可能となる。これはあらかじめ該印加電圧と前記複数のFBGの占有する全波長帯域内に存在する単一のファブリペロー干渉計の透過スペクトル中心波長との関係は測定されており、このためファブリペロー干渉計からの出射光量を極大にする前記印加電圧を測定することにより前記複数のFBGの反射中心波長を測定することができるからである。図4に示す波長温度変換部4はProgramable Read Only Memory(以下PROM)などのメモリから構成されている。あらかじめ各センサの反射中心波長と温度との関係を測定しておきこれをデータとして上記メモリに記憶させておく。これにより波長温度変換部4は波長検波器3に接続され入力されてきた各センサの波長に対応した各センサの温度を出力する。



次に第二の背景技術を説明する。これは非特許文献2により公知の技術である。図6はこの第二の背景技術を用いた分布型温度センサのシステム構成図である。第一の背景技術と異なる点は波長検波器3である。他の個所は皆同一である。その特徴は第一の背景技術の波長検波器3はファブリペロー型干渉計の干渉中心波長を圧電素子などを使って機械的に掃引する方式であるが、この第二の背景技術はファブリペロー型干渉計ではなくアレイ導波路格子AWGを用いることにより機械的な可動部をなくし第一の背景技術よりも波長検波器3の信頼性をあげると同時に、並列信号処理により高速に波長検波できる点が大きな特徴である。次に図7を用いてこのAWGから成る波長検波器の動作を説明する。FBGの反射中心波長をλbi、AWGの隣接するチャンネルmとチャンネルm+1の透過中心波長をそれぞれλam、λa,m+1 とする。λbiがλam及びλa,m+1の中心波長と一致している場合、AWGのチャンネルmとチャンネルm+1から出射する光量は同一であるのでそれらを受光素子で光電変換した後の電流値の比は1である。仮にλbiが短波長側にシフトすればその比は1より小さくなり長波長側にシフトすれば比は1より大きくなる。λbiはλam<λbi<λa,m+1の範囲で変動するようシステム設計される。FBGの反射中心波長λbiはFBGの温度と一対一で対応している。従ってFBGの温度と前記の比の関係も一対一の関係となる。この関係をシステム製作段階であらかじめ求めておきPROMなどの記憶装置に記憶させておく。図6の波長温度変換部4はこの記憶装置である。このようにして構成されたシステムを用い同図に示すように受光素子5、プリアンプ6により光電変換された後の電流値を使ってマイクロコンピュータ7により比演算を行い、演算結果を前記の記憶装置に入力させれば記憶装置の出力はそのときのFBGの温度となる。一般にAWGは2つ以上の多数のチャンネルを備えているので複数のFBGの反射中心波長を並列に同時に計測できる。これが第二の背景技術である。

【非特許文献1】A. D. Kersey, T. A. Berkoff, and W. W. Morey, Multipleded fiber Bragg grating strain-sensor system with a fiber Fabry-Perot wavelength filter, Optics Lett., Vol.18, No.16, PP.1370-1372, 1993

【非特許文献2】Y. Sano and T. Yoshino, Fast Optical Wavelength Interrogator Employing Arrayed Waveguide Grating for Distributed Fiber Bragg Grating Sensors, J. Lightwave Technol., vol.21, pp.132-139, 2003

【非特許文献3】S. Suzuki, K. Oda, and Y. Hibino, Integrated-optic Double-Ring Resonators with a Wide Spectral Range of 100 GHz, J. Lightwave Tecnolo., vol.13, no.8, pp.1766-1771, 1995

【非特許文献4】Y. Sano, T. Hirayama, J. K. Kurihara, T. Goto, K. Taniguchi, J. Nishii, K. Kintaka, and T. Yoshino, Planar Waveguide Bragg Grating Pressure Sensor on a Micro-Machined Silicon Diaphragm, in Proc. of OFS-16, pp.694-696, 2003

【特許文献1】特願2006-288631、発明の名称:リング共振器とブラッググレーティングを用いた光波長検波型物理量計測センサ、発明者:佐野安一、特許出願人:独立行政法人国立高等専門学校機構、代表者:河野伊一郎

産業上の利用分野


光ファイバブラッググレーティング(以下FBG)を用いた分布型光ファイバセンサの技術分野に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
広帯域光源からの光を光方向性結合器あるいは光サーキュレータに入射させ該光方向性結合器あるいは該光サーキュレータからの出射光をシングルモード光ファイバから成る光信号伝送ライン経由1個のセンサに導き、あるいは複数のセンサをシングルモード光ファイバを用いて直列に接続した直列回路に導きこれら1個あるいは複数のセンサからの反射光は逆の経路をたどって前記光方向性結合器あるいは前記光サーキュレータ経由波長検波器に導かれ該検波器においてこれらセンサからの反射スペクトルを計測することによりセンサが検出すべき温度を測定する計測システムであって、前記各センサは第一のリング導波路とブラッググレーティングを内蔵した第二のリング導波路を第一の光方向性結合器で結合すると同時に第一のリング導波路を第二の光方向性結合器を介して前記シングルモード光ファイバからなる前記光信号伝送ラインに結合させることにより第一のリング共振器を構成し該リング共振器の入射ポートからドロップポートへの透過帯域フィルタ特性が狭帯域特性を持った櫛型フィルタ特性となるように第一のリング導波路のリング長を決定し、第二のリング導波路内のブラッググレーティングの反射帯域幅を第一のリング共振器のフリースペクトルレンジよりも狭くすることにより該導波路内のブラッググレーティングの反射帯域においてはセンサのスペクトル特性を単一の狭帯域反射スペクトル特性とし、同時に該導波路内のブラッググレーティングの透過帯域における第一のリング共振器の入射ポートから出射ポートへの透過スペクトルを両リングのコアの光路長を同一にすることにより平坦なスペクトルとし、換言すれば隣接して接続されるセンサを構成するリング共振器への入射スペクトルを平坦なスペクトルとし、同時に波長検波器もセンサと同等の狭帯域フィルタ特性を備えさせ、前記導波路内のブラッググレーティングの反射帯域をセンサごとに異なるようにし、更に各センサの測定範囲をそれぞれのセンサの該導波路内のブラッググレーティングの帯域幅とすることによりシステムに接続可能なセンサ数を増加させることを可能とした分布型温度計測システム。

【請求項2】
請求項1において第一のリング導波路の長さをミリメータ程度とすることにより第一のリング共振器をピコメータオーダの狭帯域特性としたことを特徴とする分布型温度計測システム。

【請求項3】
請求項1において波長検波器にファブリペロー干渉計などの干渉計を用いたことを特徴とする分布型温度計測システム。
産業区分
  • 測定
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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出願権利状態 権利存続中
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