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1軸または多軸配向ナノファイバー集積体の製造方法及び製造装置 新技術説明会

国内特許コード P08P006481
整理番号 2007-0002
掲載日 2008年11月14日
出願番号 特願2007-120086
公開番号 特開2008-274487
登録番号 特許第5027554号
出願日 平成19年4月27日(2007.4.27)
公開日 平成20年11月13日(2008.11.13)
登録日 平成24年6月29日(2012.6.29)
発明者
  • 川上 浩良
  • 軽部 勇希
出願人
  • 公立大学法人首都大学東京
  • 日本バイリーン株式会社
発明の名称 1軸または多軸配向ナノファイバー集積体の製造方法及び製造装置 新技術説明会
発明の概要 【課題】エレクトロスピニング法により、均一に配向したナノファイバー集積体を製造すると共に、エレクトロスピニング法により、直接多軸配向ナノファイバー集積体を製造する方法を提供する。
【解決手段】ニードル型電極が先端に取り付けられたシリンジ1、ガラスプレート3の両端にコレクター電極であるアルミテープ4を接着させたコレクター2、ニードル型電極とアルミテープ間に電圧を印加するための高圧直流電源5、コレクター電極の一方に電圧を印加する直流電源7を有するナノファイバー集積体製造装置を用い、ニードル型電極とコレクター電極間に高圧直流電源5により高圧電源をかけ、かつコレクター電極間に電位差を持たせた状態でシリンジ内に充填された紡糸溶液を一定量ずつ放出する。2軸配向させるには、前記方法で1軸配向ナノファイバー集積体を被集積体上に堆積させ、被集積体を90°回転させて、引き続きナノファイバーの堆積を行なう。
【選択図】図1
従来技術、競合技術の概要 単繊維直径がナノオーダーのナノファイバーを製造する方法として、エレクトロスピニング法は広く知られた方法である(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。エレクトロスピニング法によるナノファイバーの製造を、図19を参照しつつ簡単に説明する。先ず溶剤で溶解したまたは溶融した各種生体高分子やポリマー(以下、単に「高分子」ということもある。)溶液をシリンジ11に充填する。そして、シリンジ11に装着されているニードル型電極(図示せず)と、ナノ繊維を堆積させるコレクター電極12との間に、高圧直流電源13から数kV~数十kVの直流高電圧を印加して、ニードル型電極とコレクター電極との間に強い電界場を発生させる。この環境下で、ニードル型電極から紡糸溶液14をコレクター電極12に向けて放出すると、高分子を溶解していた溶剤等は電界場中で瞬間的に蒸発し、高分子は凝固しながらクーロン力で延伸され、ナノオーダーのファイバーが、室温、大気圧下というおだやかな条件で形成される。このとき、高分子溶液の場合、スプレーがノズルから直進するストレートジェットと呼ばれる部分とスプレーが広がるブレイクポイントと呼ばれる部分が存在する。ストレートジェットが長いほど繊維構造が形成されやすい。繊維構造が形成されるときはブレイクポイントから液滴が広がるのではなく、繊維が螺旋を描くように基板上にデポジットされる報告もなされている。こうして形成されたナノファイバーは、コレクター電極上にランダムに繊維が交錯した状態で堆積され、不織布状のウエブが得られる。エレクトロスプレーの際のスプレー条件を変えることにより、ナノ~ミクロンスケールのファイバーが形成され、またファイバー以外にも、ナノパーティクルや薄膜の形成も可能である。さらに、紡糸溶液も高分子担体溶液に限られず、高分子/高分子や高分子/無機などのブレンド溶液も用いることができるため、マテリアルのハイブリッド化はもちろんのこと、ナノパーティクル/ナノファイバーコンポジットのように薄膜の積層構造制御も可能となる。

ナノファイバーにおいては、ナノ構造による特異な機能発現が期待できる。例えば、ナノファイバーは、同一体積での表面積が通常の繊維に比べ非常に大きいことから、従来の繊維が持つポリマー固有の性質の他に、吸着特性や接着特性などの新機能が発現し、従来にない新素材の開発が期待できる。そのほか、可視光に対して透明であること、ナノオーダーで空孔サイズを制御できること、高度な分子組織化が可能なこと、生体がナノファイバーを異物として感じず生体適合性が良いこと等が挙げられる。

エレクトロスピニング法でナノファイバーを製造する場合、上記従来の方法によれば堆積されるナノファイバーの向きを制御することはできない。このため、得られたウエブは、繊維がランダムに交錯して網目が形成されたウエブしか製造できない。このため、エレクトロスピニング法において、形成される繊維の配向を制御しようとする試みもなされている。例えば、1軸配向したナノファイバーを得るため、コレクター電極として、同電位とされた複数の導電体と複数の非導電体とを交互に格子状に配置したものを用いる方法(特許文献3参照)、接地により同電位とされた2枚の板状の導電性シリコンまたは金を離間して設ける方法(非特許文献1参照)、リング状の2枚のディスクを用いる方法(非特許文献2参照)などが報告されている。また、ナノファイバーを複数軸に配向させる方法として、コレクター電極として、絶縁性基板上に放射状に伸びる複数の電極を設ける方法(非特許文献3参照)が報告されている。また、非特許文献1には、既に形成された1軸配向したファイバーを3D格子のように層と層を重ねることができたとの記載はあるが、エレクトロスピニングにより直接2軸配向を含む多軸配向ナノファイバー集積体を形成したことについての記載はない。

【特許文献1】特開2002-249966
【特許文献2】特開2004-68161
【特許文献3】特開2006-283241
【非特許文献1】Nano Letteres 3,1167-1171(2003)
【非特許文献2】Polymer 46,611-614(2005)
【非特許文献3】Adv.Mater,16,No.4,361-366(2004)

産業上の利用分野 本発明は、エレクトロスピニング法により、1軸または多軸に配向されたナノファイバー集積体を製造する方法およびその装置、前記方法により製造された1軸または多軸に配向されたナノファイバーからなる集積体、およびこの集積体を用いたフィルタに関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
エレクトロスピニング法によってコレクター表面上またはコレクター上に配置された被集積体上に、配向制御されたナノファイバーを集積する方法において、コレクターとして、絶縁体を挟んで離間して平行に2枚のコレクター電極が設けられ、かつ該2枚のコレクター電極に100V~10kVの電位差が形成されたものを用いることを特徴とする配向制御されたナノファイバーを集積する方法。

【請求項2】
エレクトロスピニング法によって多軸に配向されたナノファイバーを集積する方法において、絶縁体を挟んで離間して平行に2枚のコレクター電極が設けられ、該コレクター電極間に100V~10kVの電位差が付与されたコレクター上に、被集積体を載置してエレクトロスピニングを行った後、該被集積体を一定角度回転させて、再度エレクトロスピニングを行うことを特徴とする多軸に配向されたナノファイバーを集積する方法。

【請求項3】
請求項1または2に記載の配向制御されたナノファイバーを集積する方法において、コレクター電極がアルミニウムからなることを特徴とする配向制御されたナノファイバーを集積する方法。

【請求項4】
請求項1~のいずれかに記載された配向制御されたナノファイバーを集積する方法において、紡糸用高分子がポリイミドであることを特徴とする配向制御されたナノファイバーを集積する方法。

【請求項5】
請求項に記載の配向制御されたナノファイバーを集積する方法において、前記ポリイミドが、フッ素基を含んだ含フッ素ポリイミドあるいはスルホン酸基を含んだスルホン化ポリイミドであることを特徴とする配向制御されたナノファイバーを集積する方法。

【請求項6】
シリンジ、シリンジに装着されているニードル型電極、ニードル型電極に離間、対向して設けられたコレクター電極、およびニードル型電極とコレクター電極間に直流高圧電圧を印加する高圧直流電源からなるエレクトロスピニング装置において、コレクター電極が絶縁体を挟んで離間して平行に設けられており、該電極の一方の電極と他方の電極とに00V~10kVの電位差を与えるための電位差付与手段が設けられていることを特徴とするエレクトロスピニング装置。

【請求項7】
請求項記載のエレクトロスピニング装置において、電位差付与手段が直流電源であることを特徴とするエレクトロスピニング装置。

【請求項8】
請求項1~のいずれかの方法により堆積された1軸または多軸に配向したナノファイバー集積体。

【請求項9】
請求項2に記載の方法により被集積体上に形成された多軸配向ナノファイバー集積体からなるフィルタ。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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