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18F標識フルオロベンゼン環を有する放射性リガンドの合成法

国内特許コード P08A014123
整理番号 NIRS-259
掲載日 2008年12月12日
出願番号 特願2006-021967
公開番号 特開2007-204383
登録番号 特許第4931181号
出願日 平成18年1月31日(2006.1.31)
公開日 平成19年8月16日(2007.8.16)
登録日 平成24年2月24日(2012.2.24)
発明者
  • 鈴木 和年
  • 張 明栄
  • 熊田 勝志
出願人
  • 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構
発明の名称 18F標識フルオロベンゼン環を有する放射性リガンドの合成法
発明の概要 【課題】様々な複雑の構造を有する放射性リガンドを合成する。
【解決手段】様々な官能基を持ちながら、ブロムあるいはヨードベンゼン環を有する誘導体を放射性リガンドの標識原料とし、フェニルスズ化合物を合成する。一方、一個以上の電子供与性基を有するヨードベンゼンを酸化し、トシル酸と反応させることにより、新規な電子供与性基を有するヒドロキシトシルヨードベンゼン化合物を得る。次に、この化合物を様々なフェニルスズ化合物と反応させることにより、標識前駆体であるジフェニルヨードニウム塩を合成する。最後に本ジフェニルヨードニウム塩を[18F]F-との反応により、様々な官能基を持ちながら[18F]フルオロベンゼン環を有する18F標識リガンドを合成する。
【選択図】なし
従来技術、競合技術の概要


現在まで18F標識フルオロベンゼン環を有する放射性リガンドを製造するにあたり、求電子性置換反応と求核性置換反応とが利用されている。
求電子性置換反応については、フェニルスズ誘導体が標識原料として使われている。また、フッ素試薬として、18Fフッ素ガスが利用されている。しかしながら、求電子性置換反応では標識効率及び反応収率が低いという欠点がある。また、放射性医薬品において重要なファクターとされる比放射能について、この反応によって得られる化合物の比放射能は低く、わずか数mCi/μmolである。
そのため、これらの欠点を補うため、18Fによるベンゼン環に対する求核性置換反応がしばしば利用されている。また、求電子置換反応に比べ、求核性の反応では、反応収率が高く得られた化合物の比放射能も高いレベルが期待できる。
しかし、本反応の最も大きい特徴として、ベンゼン環に置換基の有無あるいは位置と種類によって、反応の収率のみならず、進行の有無まで影響される。すなわち、ベンゼン環のパラ、あるいはオルトの位置に電子吸引性置換基(NO2、CN、CHO、COOMe、COOH)の存在が必要となる。また、脱離基として、NO2、Cl、Br、I、+NMe3などが必要となる。そのため、本反応を利用し、フルオロベンゼン環を有する放射性リガンドを製造すること、基質に対する要求が大きく、一般性が欠けるといえよう。
我々は18F標識フルオロベンゼン環を有する放射性リガンドを合成するため、ジフェニルヨードニウム塩と[18F]F-との反応を利用することを考えた。
従来、標識前駆体であるジフェニルヨードニウム塩の合成に種々な方法が報告されている。しかしながら、どの方法も酸化剤を使用するなどの過酷な条件で合成を行わなければならない。そのため、様々な複雑の構造を有する放射性リガンドを想定したジフェニルヨードニウム塩の合成は、従来法では困難である。実際、現在までジフェニルヨードニウム塩と[18F]F-との反応を利用した放射性リガンドの報告例はなく、簡単な(置換基:H、Me、Cl、OMe等)[18F]フルオロベンゼン誘導体の合成に止まっている。



非特許文献1には、ヒドロキシ(トシルオキシ)ヨードベンゼンの製造法が記載されている。非特許文献2には、ジアリールヨードニウムトリフレート類の製造法が記載されている。非特許文献3には、ジアリールヨードニウムトリフレートと[18F]Fとの反応が記載されている。



【非特許文献1】
G. F. Koser et al., J. Org. Chem., 42, 1476 (1977)
【非特許文献2】
T. Kitamura et al., Synthesis, 147 (1994)
【非特許文献3】
V. W. Pike et al., J. Chem. Soc. Chem. Commun., 2215 (1995)

産業上の利用分野


本発明は、18F標識フルオロベンゼン環を有する放射性リガンドの実用的な合成法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
(A)一般式(1)
【化1】



(式中、Xは、Br又はIであり;R、R、R、R及びRは、それぞれ同一でも異なってもよく、水素、アルキル基又はヘテロ原子を含有する官能基を表すが、但し、R、R、R、R及びRがすべて水素又はアルキル基である場合を除く)
のフェニルハライド化合物を、パラジウム触媒存在下、ヘキサブチル二スズと反応させて、
一般式(3)
【化2】



(式中、X、R、R、R、R及びRは上記と同じ意味を表し、R10はn-ブチル基を表す)
のフェニルスズ化合物を得る工程、
(B)一般式(4)
【化3】



(式中、Eはπ-電子系に対して電子を供与する官能基を表し、nは1、2、3、4又は5である)
のヨードベンゼン化合物を酸化し、次いでトルエンスルホン酸の一水和物と反応させることにより、一般式(5)
【化4】



(式中、Tsはトルエンスルホニル基を表し;E及びnは上記と同じ意味を表す)
のヒドロキシトシルヨードベンゼン化合物を得る工程、
(C)一般式(5)のヒドロキシトシルヨードベンゼン化合物を一般式(3)のフェニルスズ化合物と反応させることにより、一般式(6)
【化5】



(式中、R、R、R、R、R、E、n、Tsは上記と同じ意味を表す)
のジフェニルヨードニウム塩を得る工程、及び
(D)一般式(6)のジフェニルヨードニウム塩を[18F]Fと反応させることにより、一般式(7)
【化6】



(式中、R、R、R、R、Rは上記と同じ意味を表す)
18F標識フルオロベンゼン環を有する放射性リガンドを得る工程
を含む、一般式(7)の18F標識フルオロベンゼン環を有する放射性リガンドの合成法。

【請求項2】
が-NR(C=O)Rであり、Rが2,5-ジメトキシベンジル基であり、Rがメチル基であり、Rがフェノキシ基であり、R、R及びRが水素である、請求項1に記載の放射性リガンドの合成法。

【請求項3】
が-CHCH(NHR)COORであり、R及びRが-OR又は-OCORであり、RがC1-6アルキル基であり、R及びRが水素である、請求項1に記載の放射性リガンドの合成法。

【請求項4】
Rがメチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、tert-ブチル、ペンチル又はヘキシル基である、請求項3に記載の放射性リガンドの合成法。

【請求項5】
Eが-NR、-OR、-NHCOR、-NHSOR、-OCOR、-SR又は-R(ここでRは水素又は炭素数1-6のアルキル基である)である、請求項1に記載の放射性リガンドの合成法。

【請求項6】
nが1、2、3、4又は5である、請求項1に記載の放射性リガンドの合成法。

【請求項7】
n=1であり、1個のEがメトキシ基であり、Iに対してベンゼン環のパラ位に置換している、請求項1に記載の放射性リガンドの合成法。

【請求項8】
n=2であり、2個のEがいずれもメトキシ基であり、Iに対してベンゼン環のメタ位とパラ位に置換している、請求項1に記載の放射性リガンドの合成法。

【請求項9】
工程(B)において、一般式(4)のヨードベンゼン化合物を過酢酸あるいはホウ酸ナトリウム(酢酸中)にて過ヨウ素化合物とする、請求項1に記載の放射性リガンドの合成法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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出願権利状態 登録
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