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放射性薬剤取り扱い用のクリーンベンチ

国内特許コード P08A014124
整理番号 NIRS-255
掲載日 2008年12月12日
出願番号 特願2006-088690
公開番号 特開2007-263449
登録番号 特許第4701458号
出願日 平成18年3月28日(2006.3.28)
公開日 平成19年10月11日(2007.10.11)
登録日 平成23年3月18日(2011.3.18)
発明者
  • 鈴木 和年
  • 中尾 隆士
出願人
  • 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構
発明の名称 放射性薬剤取り扱い用のクリーンベンチ
発明の概要 【課題】無菌的な放射性薬剤の取り扱いにおいて、作業者の被ばくを低減させつつ、効率的に作業を行うことができるクリーンベンチを提供する。
【解決手段】内部に形成された放射性薬剤を取り扱う作業空間3を有する筐体2と、作業空間3の底面であり作業が行われる作業台4と、作業空間3の前面に、鉛直方向に開閉自在なシャッタが設けられた開口部3aと、作業空間3に前面視方向に沿って設けられ、作業空間3を区画する区画手段17と、作業空間3に送られる空気を濾過して清浄化するフィルタ5と、作業空間3にフィルタ5を介して清浄な空気を供給する送風機6とを備えたことを特徴とする放射性薬剤取り扱い用のクリーンベンチ1である。
【選択図】図1
従来技術、競合技術の概要


PET(Positron Emission Tomography)検査は、ポジトロン核種(以下、核種という)で標識されたポジトロン標識薬を被検者の体内に静脈注射や吸入により投与し、ポジトロン標識薬が体内を移動して心臓・脳等の臓器やがん組織に集まる様子を断層像として画像化する検査方法である。
PET検査に利用される核種は主に18F、15O、13N、11Cであって、それぞれの核種は、例えば、ブドウ糖の類似体である18F-フルオロデオキシグルコース(FDG)、15O-CO、13N-NH11Cで標識された神経伝達物質等のポジトロン標識薬として被検者に投与される。特に最近は、FDGをポジトロン標識薬に用いたPET検査による悪性腫瘍の診断等に健康保険の適用が認められるようになり、PET検査が普及しつつある。さらに、PET検査の応用範囲を拡大すべく新たなポジトロン標識薬の研究開発も盛んに行われている。



一般に、ポジトロン標識薬の製造工程は、サイクロトロンにより核種を生成する工程と、核種で標識されたポジトロン標識薬を合成する工程(製剤処理等も含む)と、ポジトロン標識薬の品質を検査する工程と、品質検査されたポジトロン標識薬をPET装置を保有する診断室や施設外の検査機関(以下「PET診断室等」という)に移送する工程とを含んでいる。ポジトロン標識薬に用いられるいずれの核種も半減期が2分~2時間程度と極めて短いため、いずれの工程においてもクリーンな環境下での迅速な作業が要求される。また、核種やポジトロン標識薬は、非常に強いγ線やβ線等の放射線を放出するため、作業者が被ばくしないように放射線を遮蔽した環境での作業が要求される。



前記した製造工程のうち、ポジトロン標識薬の品質を検査する工程は、バイアル瓶等に充填されているポジトロン標識薬から品質検査に必要な分量を検査試料として分注する作業と、ポジトロン標識薬(例えば、分注した検査試料)に対して品質検査を行う作業とに大別される。
ポジトロン標識薬から検査試料を分注する作業は、ポジトロン標識薬に微生物や塵埃が混入しないように、無菌的な環境で行われる。一般に、外部環境から試料への微生物や塵埃の混入、または、試料から外部環境への微生物の漏洩を防ぐために、クリーンベンチが使用される。
一般的なクリーンベンチは、作業台と、該作業台上に清浄な空気を送気するための送気部とを備えて概略構成されている。このうち送気部は、例えば、送気ファンと、この送気ファンより送気された空気を濾過するエアフィルタと、このエアフィルタによって濾過されることによって清浄化された空気を作業台上に向けて吹き出す吹出部とを備えている(例えば、特許文献1参照)。このようなクリーンベンチは、通常、非放射性物質の取り扱いを想定して構成されていることが多い。



このようなクリーンベンチを用いて、ポジトロン標識薬等の放射性薬剤を取り扱う場合には、作業空間とその前面に着座する作業者との間に放射線の遮蔽部材を設置する。遮蔽部材は、例えば、鉛ガラスや鉛衝立等の鉛部材である。



そして、分注した検査試料に対して、重量試験・放射線量試験・純度試験・pH試験・エンドトキシン試験等の品質検査が適宜行われる。なお、従来では、分注した検査試料を品質検査する作業は、検査試料をクリーンベンチから取り出した後にクリーンベンチ外部に備えられた品質検査機器を用いて行われていた。
すなわち、分注された検査試料は品質検査のためのものであって、将来的に被検者に投与されるものではないため、従来では、特に無菌的環境下で扱われていなかった。
【特許文献1】
特開平2004-245458号公報(段落0002)

産業上の利用分野


本発明は作業空間を清浄な環境に保つクリーンベンチに関し、特に、放射性薬剤の取り扱いに好適なクリーンベンチに関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
内部に形成された放射性薬剤を取り扱う作業空間を有する筐体と、
前記作業空間の底面であり作業が行われる作業台と、
前記作業空間の前面に、鉛直方向に開閉自在なシャッタが設けられた開口部と、
前記作業空間に前面視方向に沿って設けられ、前記作業空間を区画する区画手段と、
前記作業空間に送られる空気を濾過して清浄化するフィルタと、
前記作業空間にフィルタを介して清浄な空気を供給する送風機とを備え
前記作業空間は、前記放射性薬剤から検査試料の分注が行われる分注領域と、前記放射性薬剤を取り扱う作業のうち分注以外の作業が行われる追加作業領域とが、前記区画手段によって区画することが可能なことを特徴とする放射性薬剤取り扱い用のクリーンベンチ。

【請求項2】
前記区画手段は、前記作業台の上部に垂設された仕切板、または、前記作業空間の上面である内上壁から垂下された仕切板を含んでなることを特徴とする請求項1に記載の放射性薬剤取り扱い用のクリーンベンチ。

【請求項3】
前記区画手段は、前記作業台上に示された区画線を含んでなることを特徴とする請求項1に記載の放射性薬剤取り扱い用のクリーンベンチ。

【請求項4】
前記仕切板に、前記放射性薬剤、該放射性薬剤より分注された検査試料および作業器具のうち、少なくとも一つを通過させる窓部を形成したことを特徴とする請求項2に記載の放射性薬剤取り扱い用のクリーンベンチ。

【請求項5】
前記仕切板は、前記作業台の前部を除いて設けられることを特徴とする請求項2に記載の放射性薬剤取り扱い用のクリーンベンチ。

【請求項6】
前記区画手段が一つ以上設けられることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか一項に記載の放射性薬剤取り扱い用のクリーンベンチ。

【請求項7】
前記追加作業領域は、前記放射性薬剤の品質検査作業および前記放射性薬剤を外部へ移送する作業のうち少なくとも一つの作業が行われることを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか一項に記載の放射性薬剤取り扱い用のクリーンベンチ。

【請求項8】
前記追加作業領域に、前記放射性薬剤を品質検査する品質検査機器および前記放射性薬剤を外部へ移送する移送手段のうち少なくとも一つが設置されることを特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれか一項に記載の放射性薬剤取り扱い用のクリーンベンチ。

【請求項9】
前記品質検査機器は、電子天秤、液体クロマトグラフィー、pHメータ、エンドトキシン試験装置およびキュリーメータのうち、少なくとも一つを含んでなることを特徴とする請求項に記載の放射性薬剤取り扱い用のクリーンベンチ。

【請求項10】
前記品質検査機器が複数の構成ユニットから構成される場合に、
前記追加作業領域には少なくとも前記放射性薬剤が直接供される構成ユニットが配され、
前記複数の構成ユニットのうち、前記追加作業領域に配される構成ユニット以外の構成ユニットが、前記筐体の外部に配されることが可能なことを特徴とする請求項または請求項に記載の放射性薬剤取り扱い用のクリーンベンチ。

【請求項11】
前記追加作業領域に配される構成ユニットと、前記筐体の外部に配される構成ユニットとが、前記追加作業領域の壁面、作業台および内上壁のうち、少なくとも一つに設けられた貫通孔を介して連絡されることを特徴とする請求項10に記載の放射性薬剤取り扱い用のクリーンベンチ。

【請求項12】
前記キュリーメータは、前記作業台に形成された収容孔に鉛で遮蔽された構造で埋設されることを特徴とする請求項に記載の放射性薬剤取り扱い用のクリーンベンチ。

【請求項13】
前記移送手段は、気送管、コンベアおよびトロッコのうち、いずれか一つを含んでなることを特徴とする請求項に記載の放射性薬剤取り扱い用のクリーンベンチ。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2006088690thum.jpg
出願権利状態 登録
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