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粒子加速器およびその運転方法、ならびに粒子線照射装置

国内特許コード P08A014131
整理番号 NIRS-282
掲載日 2008年12月12日
出願番号 特願2007-065941
公開番号 特開2008-226740
登録番号 特許第4873563号
出願日 平成19年3月15日(2007.3.15)
公開日 平成20年9月25日(2008.9.25)
登録日 平成23年12月2日(2011.12.2)
発明者
  • 岩田 佳之
  • 野田 耕司
  • 古川 卓司
  • 佐藤 眞二
出願人
  • 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構
発明の名称 粒子加速器およびその運転方法、ならびに粒子線照射装置
発明の概要 【課題】必要な照射量を得るための運転時間が短縮され、利用効率の向上、荷電粒子ビームの照射コストの低減に有効な粒子加速器およびその運転方法、ならびにこの粒子加速器を備える粒子線照射治療装置の提供。
【解決手段】荷電粒子をシンクロトロンに入射させる入射工程入射工程の後、荷電粒子をシンクロトロン内の周回軌道を周回させながら高周波加速空胴で所定のエネルギーまで加速または減速する加速または減速工程と、加速された荷電粒子をシンクロトロンから出射する出射工程とを行う取出しサイクルを複数回行い、各加速工程で荷電粒子を異なるエネルギーに加速し、加速または減速工程の取出しサイクルにおける出射工程で異なるエネルギーに加速された荷電粒子を出射する。
【選択図】図2
従来技術、競合技術の概要


近年、粒子加速器は、高エネルギー物理学の研究分野だけでなく、医療、工業、農業等の広範囲の分野で利用されている。例えば、医療分野では、癌細胞組織の粒子線照射による治療、放射性同位元素の生成等に用いられている。また、工業分野では、材料への照射による特性の向上、さらに、農業分野では種子照射による品種改良などに利用されている。特に、医療分野での癌治療において、陽子および重イオン等の荷電粒子を所望のエネルギー状態に加速し照射する粒子線癌治療は、従来のX線等を用いた放射線療法では治療が困難であった癌に対する治療効果が高く、かつ粒子線の線量分布をがん患部に合わせて調整することにより患部周辺の正常細胞の障害を最小限に抑えられるなどの優れた性質を有している。そのため、荷電粒子を所望のエネルギーに加速する粒子加速器の研究・開発および運転が行われている。



この粒子加速器の一種であるシンクロトロンは、円状に並べられた電磁石、高周波加速空胴等に荷電粒子を入射し、軌道半径を一定に保ちながら荷電粒子を所定のエネルギーにまで加速し、ビームとして出射するものである。



この粒子加速器において、イオン源で生成された荷電粒子は、粒子加速器の前段に配設された線形加速器により初段の加速が行われ、その後、シンクロトロンに入射される。入射された荷電粒子の運動は、シンクロトロン周回軌道上に設けられた偏向電磁石および四極電磁石等が発生する磁界により制御され、周回を繰り返す。周回軌道上を運動する荷電粒子は、シンクロトロン内に設けられた高周波加速空胴を通過する際に加速を受ける。加速に伴い電磁石の励磁量を増加させることで、粒子の軌道半径を一定に保つことができる。以上の手順を繰り返すことで荷電粒子を所望のエネルギーになるまで加速する。その後、加速された荷電粒子は、磁場一定の領域で粒子加速器から出射して粒子線ビームとして取り出される。取り出された粒子線ビームは、照射領域に導かれ、粒子線の照射による癌治療等の各種用途に利用される。



従来、このような粒子加速器電磁石の運転パターンは、図5に示すように制御されている。すなわち、シンクロトロン内への荷電粒子の入射が完了すると加速が開始される。このとき、荷電粒子の軌道半径を一定に保つため、シンクロトロンを構成する電磁石等の磁場強度を図5に示すパターンで制御する。つまり、高周波加速空胴による加速と共に荷電粒子のエネルギー状態に合わせてシンクロトロンを構成する電磁石等の励磁量を上昇させて、荷電粒子の周回軌道を一定に保ち、目的のエネルギーに達した時点で荷電粒子に作用する磁場を一定にする(蓄積過程)。その後、加速された荷電粒子は、磁場一定の段階で粒子加速器から取り出される。このように、従来の粒子加速器の運転方法では、入射→加速→出射を1サイクルとする運転パターンが繰り返される(特許文献1等参照)。
【特許文献1】
特開平8-298200号公報(請求項1、図1)

産業上の利用分野


本発明は、粒子加速器およびその運転方法、ならびに粒子線照射装置に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
荷電粒子をシンクロトロンに入射させる入射工程と、入射された荷電粒子を前記シンクロトロン内の周回軌道を周回させながら高周波加速空胴で所定のエネルギーまで加速または減速する加速または減速工程と、加速された荷電粒子を前記シンクロトロンから出射する出射工程とを行う粒子加速器の運転方法であって、
前記入射された荷電粒子を所定のエネルギーまで加速する前記加速工程後、異なる一定のエネルギーまで減速する前記減速工程と前記出射工程を行う取出しサイクルを複数回行い、各減速工程で荷電粒子を前記異なる一定のエネルギーに減速し、当該減速工程の取出しサイクルにおける出射工程で前記異なる一定のエネルギーに減速された荷電粒子を出射する
ことを特徴とする粒子加速器の運転方法。

【請求項2】
前記取出しサイクルを、前段の取出しサイクルにおける減速工程によって速された荷電粒子のエネルギーE1と、前記前段に続く次段の取出しサイクルにおける減速工程によって減速された荷電粒子のエネルギーE2とが、E1>E2の関係となるように減速工程の制御を行うことを特徴とする請求項1に記載の粒子加速器の運転方法。

【請求項3】
荷電粒子をシンクロトロン内に入射させる粒子入射部と、入射された荷電粒子を前記シンクロトロン内の周回軌道を周回させながら高周波加速空胴で所定のエネルギーまで加速する加速部と、加速された荷電粒子を前記シンクロトロンから出射させる粒子出射部と、前記粒子入射部、前記加速部および前記粒子出射部の動作を制御するコントローラとを備える粒子加速器であって、
前記コントローラは、前記粒子入射部による荷電粒子の入射を制御する入射制御手段と、前記加速部によって、前記シンクロトロン内での荷電粒子の加速を制御する加速制御手段と、前記粒子出射部によって、加速された荷電粒子の出射を制御する出射制御手段とを備え、
前記加速制御手段と前記出射制御手段とは、所定のエネルギーまで加速された荷電粒子の異なる一定のエネルギーまでの減速と該減速された荷電粒子の出射を行う取出しサイクルを複数回行い、各取出しサイクルにおいて、荷電粒子を前記異なる一定のエネルギーに減速し、当該異なる一定のエネルギーに減速された荷電粒子を出射可能とすることを特徴とする粒子加速器。

【請求項4】
請求項3に記載の粒子加速器と、当該粒子加速器から出射される荷電粒子を、粒子線ビームとして利用する照射部とを備えることを特徴とする粒子線照射装置。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2007065941thum.jpg
出願権利状態 登録
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