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光学活性アルコール類の製造方法 実績あり

国内特許コード P000000577
整理番号 E027P19
掲載日 2003年10月21日
出願番号 特願平09-038241
公開番号 特開平10-236986
登録番号 特許第3159661号
出願日 平成9年2月21日(1997.2.21)
公開日 平成10年9月8日(1998.9.8)
登録日 平成13年2月16日(2001.2.16)
発明者
  • 碇屋 隆雄
  • 松村 和彦
  • 橋口 昌平
  • 野依 良治
出願人
  • 国立研究開発法人科学技術振興機構
  • 高砂香料工業株式会社
  • 武田薬品工業株式会社
発明の名称 光学活性アルコール類の製造方法 実績あり
発明の概要 【課題】 高い合成収率で、しかも光学純度の高いアセチレン結合を持つ光学活性アルコール類を製造可能とする。
【解決手段】 アセチレン結合を持つカルボニル化合物を、遷移金属錯体と塩基と光学活性含窒素化合物の三成分系触媒、あるいはこれら光学活性含窒素化合物を配位子とする不斉金属錯体と塩基とからなる二成分系触媒、または遷移金属錯体とこれら光学活性含窒素化合物および塩基とから合成した不斉金属錯体のみからなる触媒を用い、水素供与性の有機、または無機化合物の存在下に水素移動型不斉還元する。
従来技術、競合技術の概要


従来より、多くの遷移金属錯体が有機金属反応の触媒として使用されており、特に、貴金属錯体は、高価であるが、活性が高く安定で取扱いが容易であるため、これを触媒として使用する多くの合成反応が開発され、とりわけ不斉錯体触媒を用いる不斉合成反応の進展は目覚ましく、これまでの手段では効率の悪い有機合成反応の高効率化を実現した報告が数多くなされている。
その中でも、とりわけ、光学活性なホスフィン配位子をもつ不斉金属錯体を触媒とする不斉反応は非常に多く開発され、工業化されているものもある(Asymmetric Catalysis in Organic Synthesis,Ed., R.Noyori (1994))。ルテニウム、ロジウム、イリジウム等の遷移金属に光学活性な窒素化合物を配位させた錯体には、カルボニル化合物の不斉還元による光学活性アルコールへの不斉合成反応の触媒として優れた性能を有するものが多く、この触媒の性能を高めるために、これまでに特殊な構造の光学活性な窒素化合物が数多く開発されてきた(Chem.Rev.,Vol.92,1051-1069頁(1992))。
例えば、(1)Tetrahedron Asymmetry ,Vol . 6,705-718頁(1995)に記載されている光学活性な1,2-ジフェニル-エチレンジアミン類又はシクロヘキシルジアミン類を配位子とするロジウム-ジアミン錯体、(2)Tetrahedron ,Vol.50,4347-4354頁(1994)に記載されている光学活性なビスアリールイミノシクロヘキサン類を配位子とするルテニウム-イミド錯体、(3)特開昭62-281861及び特開昭63-119465に記載されているピリジン類を配位子とするイリジウム-ピリジン錯体、(4)特開昭62-273990に記載されている光学活性な1,2-ジフェニルエチレンジアミン類又はシクロヘキシルジアミン類を配位子とするイリジウム-ジアミン錯体などが報告されている。
しかし、これらの錯体を用いる従来の方法においては、対象とする反応またはその反応基質によって触媒活性、持続性、不斉収率が不十分である等の実際の工業化に当たっては問題のある場合があった。一方、光学活性2級アルコール類、とりわけ分子中にアセチレン結合を持つ光学活性プロパルギルアルコール類等は医薬、液晶化合物、天然物合成の不斉合成等において有用な中間体である。従来より、これら化合物を製造する方法としては、1)リパーゼなど酵素を用いてラセミ体のアルコールを光学分割する方法や、2)光学活性な還元試薬や金属水素化物、あるいは光学活性な配位子の存在下にボランを用いてカルボニル化合物を不斉還元する方法などが知られている。例えば1)の方法においては(1)Tetrahedron Asymmetry ,Vol.7,1485-1488頁(1996)、(2)J.Am.Chem.Soc., 6129-6139頁(1991)、(3)特開平3-259094に記載されているリパーゼによるラセミ体のアルコールの光学分割による方法などが知られている。また2)の方法においては(1)J.Am.Chem.Soc., 8339-8341頁(1977)、(2)J.Am.Chem.Soc., 6717-6725頁(1984)に記載されている光学活性な金属水素化物を用いる方法、(3)Tetrahedron ,Vol.40,1371-1380頁(1984)、(4)J.Org.Chem. ,2379-2386頁(1992)に記載されている光学活性な還元試薬を用いる方法、(5)J.Org.Chem. ,3214-3217頁(1996)に記載されている光学活性な配位子の存在下にボランを用いてカルボニル化合物を化学量論的に不斉還元する方法などが一般的な方法として知られている。また、触媒的に不斉還元する方法としては(6)J.Am.Chem.Soc.,10938-10939頁(1996)に記載されている光学活性なオキサザボロリジン触媒の存在下にカテコールボランを用いて還元する方法が知られている。

産業上の利用分野


この出願の発明は、光学活性アルコール類の製造方法に関するものである。さらに詳しくはこの出願の発明は、医薬品および生理活性物質の合成中間体や、液晶材料等の各種用途において有用な分子中にアセチレン結合を持つ光学活性アルコール類の実用性に優れた新しい製造法に関するものである。

特許請求の範囲 【請求項1】
アセチレン結合を持つカルボニル化合物を、遷移金属錯体と塩基と光学活性含窒素化合物の三成分系触媒の存在下、あるいはこれら光学活性含窒素化合物を配位子とする不斉金属錯体と塩基とからなる二成分系触媒の存在下、または遷移金属錯体とこれら光学活性含窒素化合物および塩基とから形成される不斉金属錯体のみからなる触媒の存在下に、水素供与性の有機または無機化合物の存在下に水素移動型不斉還元してアセチレン結合を持つ光学活性アルコール類を製造することを特徴とする光学活性アルコール類の製造方法。

【請求項2】
次の一般式(I)
【化1】
(式中R1 ,R2 は、同じかもしくは異なる基であり、置換基を有してもよい芳香族単環または芳香族多環式炭化水素基、置換基を有していてもよい飽和あるいは不飽和の鎖状または環状炭化水素基、もしくは置換基を有していてもよい飽和あるいは不飽和の鎖状または環状炭化水素基および芳香族単環または芳香族多環式炭化水素基から選択される1種以上の置換基を有するシリル基、または異種原子を含む複素単環または複素多環式基を示す。)で表されるカルボニル化合物を不斉還元し、一般式(II)
【化2】
(R1 およびR2 は上記と同じ有機基を示す)で表される光学活性アルコール類を製造することを特徴とする請求項1記載の方法。

【請求項3】
遷移金属錯体が第VIII族金属の金属錯体である請求項1または2記載の方法。

【請求項4】
塩基がアルカリ金属またはアルカリ土類金属の水酸化物、あるいはそれらの塩もしくは4級アンモニウム塩である請求項1または2記載の方法。

【請求項5】
光学活性含窒素化合物が光学活性アミン誘導体である請求項1または2記載の方法。

【請求項6】
水素供与性の有機、または無機化合物がアルコール化合物、炭化水素化合物、複素環化合物、ギ酸、ギ酸塩、ヒドロキノンあるいは亜リン酸である請求項1または2記載の方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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出願権利状態 登録
ライセンス状況 通常実施権[S00-02]
参考情報 (研究プロジェクト等) ERATO 野依分子触媒プロジェクト 領域
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