TOP > 国内特許検索 > 回転翼航空機のツイン・ダクテッド・ファン型尾部回転翼

回転翼航空機のツイン・ダクテッド・ファン型尾部回転翼

国内特許コード P08A014137
掲載日 2008年12月19日
出願番号 特願2001-378867
公開番号 特開2003-175897
登録番号 特許第3968634号
出願日 平成13年12月12日(2001.12.12)
公開日 平成15年6月24日(2003.6.24)
登録日 平成19年6月15日(2007.6.15)
発明者
  • 丹羽 良之
  • 飛永 佳成
  • 渡辺 隆司
  • 村重 敦
  • 西村 宏貴
出願人
  • 防衛装備庁長官
発明の名称 回転翼航空機のツイン・ダクテッド・ファン型尾部回転翼
発明の概要 【課題】 全備重量7トン以上の大型回転翼航空機に、ダクテッド・ファン型尾部回転翼を適用できるように改善して、性能や安全性に優れた回転翼航空機を提供する。
【解決手段】 回転翼航空機のテールブームの後端部及び垂直尾翼内に、2個のダクテッド・ファン型回転翼を埋め込んで、ツイン・ダクテッド・ファン型尾部回転翼とする。
従来技術、競合技術の概要


図16に示すように、従来の全備重量7トン以上の大型回転翼航空機31は、主回転翼32と尾部回転翼33を備えており、尾部回転翼33は、主回転翼32と同様形式の、むき出し複数枚の羽根34a,34b,34c,34dから成るプロペラ型のものを採用している例が殆んどである。



このプロペラ型の尾部回転翼33は、細いテールブーム35上に搭載されているため、空力弾性上の問題が多く、横風時にはボルテックス・リング状態と呼ばれる推力低下現象も発生し、しばしば事故が発生した。さらに、構造疲労による破壊も、数多く報告されている。しかし、大型回転翼航空機31には、上記従来のプロペラ型の尾部回転翼33以外のものは採用されたことがなく、前記の事故や破壊は、回転翼航空機にとって解決しなければならない大きな課題の一つであった。



一方、全備重量5トン以下の小型回転翼航空機には、前記のプロペラ型尾部回転翼の他に、図17に示すダクテッド・ファンと呼ばれる型式の尾部回転翼36が使用されることが多い。この尾部回転翼36は、回転翼組み立て37とその周囲を筒状に覆うダクト38とよりなる。このダクテッド・ファン型の尾部回転翼36は、通常のプロペラ型の尾部回転翼33に比べて、回転翼組み立て37の外周がダクト38で覆われているため、地上では整備員や乗務員が誤って羽根39に接触する事故を防止できるので、きわめて安全である。空中においても電線や木に接触する事故を防止でき、安全である。また、性能面では、吹き出し速度が高く、ダクト38に囲まれていることにより、横風時にボルテックス・リング状態に入らないという優れた利点がある。このダクテッド・ファンの騒音低減に関連する従来技術として、特許公報特許第2662838号(登録日平成9年6月20日)に開示される回転翼航空機の尾部回転翼がある。



ところで、従来、ダクテッド・ファン型の尾部回転翼36が全備重量7トン以上の大型回転翼航空機に採用されなかった理由は、以下に述べるような問題があったからである。



(1)大直径なので、尻擦り角が小さく、地上高を高くとれない。
従来のダクテッド・ファン型回転翼を尾部用に設計すると、機体の大きさに比較して大直径となり、図18に示すように車輪接地点Tからテールブーム35の後端部下端を結ぶ線Lと通常の着陸時の地面Gの成す角度、即ち尻擦り角αが小さくなり、着陸時に速度を下げるためのフレアと呼ばれる引き起こし操作ができなくなる。これはキャビンの大きさが、ほぼ人間の背の高さによって決められており、大型機でも小型機でも大差ないのに対し、尾部回転翼36の大きさは機体の全備重量に比例して大きくなるからである。
また、図16に示す従来のプロペラ型尾部回転翼33では、テールブーム35を途中で上方に折り曲げて、尾部回転翼33の取り付け位置を高くして地面Gとの距離を大きくするので、尻擦り角αも大きく取れ、地上高を高くとれるが、ダクテッド・ファン型尾部回転翼36では、図18に示されるように尾部回転翼駆動回転軸40の延長上に設置することが多いため、尻擦り角αが小さくなり、地上高が低くなる。
(2)垂直尾翼厚さが厚く、抵抗が大きい。
ダクテッド・ファン型尾部回転翼36では、回転翼組み立て37の外周のダクト38の厚さは、回転翼直径の40%程度必要である。このため、回転翼直径が大きくなると、ダクト38の厚さ、即ち垂直尾翼41の厚さが非常に厚くなり、空気抵抗が増大して性能が悪くなる。
(3)機体構造の重量が大きくなる。
大直径のため、垂直尾翼41が大型となり、構造重量が大きくなる。即ち、ダクテッド・ファン型尾部回転翼は、回転翼外周部を囲むダクトが必要であるが、大型であれば、ダクト部分の重量が増大し重くなる。

産業上の利用分野


本発明は、回転翼航空機の尾部回転翼に係り、特にツイン・ダクテッド・ファン型尾部回転翼に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
回転翼航空機のテールブームの後端部及び垂直尾翼内に、2個のダクテッド・ファン型回転翼が上下に埋め込まれ、その2個のダクテッド・ファン型回転翼における複数の羽根が、回転中心部のハブにピッチ角のみ変更できるように取り付けられ、
ダクテッド・ファン型回転翼には、テールブームの上部に設けられる駆動回転軸の回転駆動力が下方の回転翼のギヤボックスに伝えられ、前記下方の回転翼のギヤボックスからの回転駆動力が上方の回転翼のギヤボックスに駆動軸を介して伝えられ、
各ギヤボックスは、前記回転中心部に設けられることを特徴とする回転翼航空機のツイン・ダクテッド・ファン型尾部回転翼。

【請求項2】
2個のダクテッド・ファン型回転翼の回転数が異なることを特徴とする請求項1記載の回転翼航空機のツイン・ダクテッド・ファン型尾部回転翼。

【請求項3】
2個のダクテッド・ファン型回転翼の羽根の枚数が異なることを特徴とする請求項1(又は2)記載の回転翼航空機のツイン・ダクテッド・ファン型尾部回転翼。

【請求項4】
2個のダクテッド・ファン型回転翼の回転数が異なり、且つ羽根の枚数が異なることを特徴とする請求項1記載の回転翼航空機のツイン・ダクテッド・ファン型尾部回転翼。

【請求項5】
2個のダクテッド・ファン型回転翼のコントロールが1個のアクチュエータで制御されるようになされていることを特徴とする請求項1~4のいずれかに記載の回転翼航空機のツイン・ダクテッド・ファン型尾部回転翼。

【請求項6】
2個のダクテッド・ファン型回転翼のコントロールが、それぞれ独立して制御されるようになされていることを特徴とする請求項1~4のいずれかに記載の回転翼航空機のツイン・ダクテッド・ファン型尾部回転翼。

【請求項7】
2個のダクテッド・ファン型回転翼の一方の回転翼が、前進飛行時には推力を出さず、ホバリング時にのみ推力を発生するようになされていることを特徴とする請求項6記載の回転翼航空機のツイン・ダクテッド・ファン型尾部回転翼。
国際特許分類(IPC)
画像

※ 画像をクリックすると拡大します。

22448_01SUM.gif
出願権利状態 登録
ライセンスをご希望の方、特許の内容に興味を持たれた方は、問合せボタンを押してください。


PAGE TOP

close
close
close
close
close
close
close