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多重ゴールド符号を用いた多重通信系及び疑似乱数系列

国内特許コード P08A014148
掲載日 2008年12月19日
出願番号 特願2004-318708
公開番号 特開2006-135369
登録番号 特許第3932366号
出願日 平成16年11月2日(2004.11.2)
公開日 平成18年5月25日(2006.5.25)
登録日 平成19年3月30日(2007.3.30)
発明者
  • 綿野 史人
  • 岡部 幸喜
  • 坂内 秀夫
  • 黒沢 正樹
出願人
  • 防衛装備庁長官
発明の名称 多重ゴールド符号を用いた多重通信系及び疑似乱数系列
発明の概要 【課題】 スペクトラム拡散通信方式のうち直接拡散方式において、複数のゴールド符号を用いて送信情報を多重化して送信する場合、受信時における逆拡散の際、ゴールド符号間の相互相関を低減し、所望の情報を低雑音で取り出せるような送受信系を実現する。
【解決手段】 ディジタル情報1~Uをゴールド符号1~Uで多重化して送信する送信系と、前記送信系で送信された信号を受信して、前記ゴールド符号1~Uのいずれかを用いてディジタル情報1~Uの中から意図するディジタル情報を取り出す受信系とを備える直接拡散方式による多重通信系において、前記送信系では、前記ゴールド符号1~Uとして相互の相関値の絶対値が最小及び一定値であるものを用いて拡散して送信する構成としている。
【選択図】 図1
従来技術、競合技術の概要


各種無線通信において、雑音や干渉の影響下でも安定した通信を実現できたり、複数の通信をPN(疑似乱数)符号の組み合わせのみで多重化できるようにするため直接拡散方式を用いたスペクトラム拡散通信方式が採用されている。図6に直接拡散方式を用いた多重化されたスペクトラム拡散通信系の概要を示す。



図6における送信系では、各々のディジタル情報1~Uに対して、発振器10~10からの1次変調信号が乗算器11~11で乗算され、さらに乗算器11~11の乗算結果に対して2次変調信号としてのPN符号1~Uがそれぞれ乗算器12~12で乗算され、各乗算器12~12の乗算結果は加算器13で加算される。そして、加算器13による加算結果はバンドパスフィルタBPFを通過し、ここで所要の周波数帯の送信信号が選択され、送信アンテナ14より送信電波として放射される。



ここで、変調は2段階に分けて行い、最初の変調を1次変調、後段の周波数帯を広げる変調を2次変調又は拡散変調といい(実際は、1次変調と2次変調が入れ替わっている場合がある)、この1次変調部及び2次変調部を複数個並列に組み合わせることにより、送信信号の多重化を可能としている。なお、図6では、直接拡散方式で最も多く利用されているBPSK(Binary Phase Shift Keying)を1次変調の例として用いている。



図6における受信系は各ディジタル情報1~Uに対応してU個設置されており、ディジタル情報1を受信するための1番目の受信系では、受信アンテナ20で受信された受信信号はバンドパスフィルタBPFを通り、所要の周波数帯の高周波信号が選択され、乗算器21で送信側と同じPN符号1が乗算され、復調器22でディジタル情報1として復調される。以下同様に、ディジタル情報Uを受信するためのU番目の受信系では、受信アンテナ20で受信された受信信号はバンドパスフィルタBPFを通り、所要の周波数帯の高周波信号が選択され、乗算器21で送信側と同じPN符号Uが乗算され、復調器22でディジタル情報Uとして復調される。



図7は、ディジタル情報とディジタル送信信号との関係であって、このディジタル送信信号はディジタル情報とPN符号とが同じ値の場合を+1、そうでない場合を-1として表している。ここで、ディジタル情報及びPN符号においては、+1又は-1としているが、双方ともに、論理値「+1」を-1、論理値「0」を+1と表現している。ディジタル情報とPN符号を時間的に算術乗算したものがディジタル送信信号となる。各ディジタル送信信号に対する送信信号(アンテナから放射され送信信号)は、+1に対してsin(2πft)、-1に対して-sin(2πft)となっているが、以降、多重化されたものも含めて送信信号については、ディジタル送信信号を用いて説明することとする。



前記2次変調にて使用するPN符号を拡散符号といい、この拡散符号は、送信信号の多重化を踏まえると、自己相関が強く、相互相関が弱い符号が望まれている。符号の長さの選択肢が広いPN符号とすると、一般に、ゴールド符号となり、多くの直接拡散方式を用いた多重通信にて当該ゴールド符号が用いられている。



ゴールド符号は、図8のようにある条件を満たす2つのプリファードペアのM系列生成回路(図8では、符号長31のM系列a(t)、b(t)を発生する)を用意し、その出力を加算する(ビット毎の排他的論理和をとる)ことで得られる。図8中、a~aはM系列a(t)発生用の5段シフトレジスタの各段を示し、b~bはM系列b(t)発生用の5段シフトレジスタの各段を示す。そして、2つのM系列発生器の出力の片方を時間的にずらせていくとそれぞれが全く違う系列になり多数のゴールド符号が生成できる。つまり、巡回的な符号の重複はあるにせよ、各々のM系列の初期値AとBが双方共に(0,0,…,0)になることはなく発生された系列が「従来のゴールド符号」である。特に、2つのプリファードペアのM系列から生成された従来のゴールド符号の性質としては、時間的なずれ(巡回的な時間ずれ)に応じて、相互相関値が-1,-K,L(K及びLについては図8を参照)と3通りの値のいずれかをとる。



図9は図6のPN符号として従来のゴールド符号を用いた多重化されたスペクトラム拡散通信系の概要を示し、PN符号1~Uの代わりにゴールド符号1~Uを用いていること以外は図6と同様であり、同一又は相当部分に同一符号を付してある。この図9の受信側では、この多重化されたU個の送信信号の中から、所望のゴールド符号Vにより拡散されたディジタル情報を抽出するために、当該ゴールド符号Vにより逆拡散することになる。ゴールド符号Vを用いたディジタル送信信号Vと、受信側のゴールド符号Vの同期合わせが確立すると、双方の間の相関値がN(=2-1、但し、n:M系列生成回路のシフトレジスタの段数)となり、送信されたディジタル情報を復元でき、当該情報を受信できる一方、他のディジタル送信信号との間は、相互相関値-1,-K,Lの3値のいずれかになるため、相関値合計は、±N±Q±Q±…±QU-1となる。ここで、Q,Q,…,QU-1は相互相関値の前記3値の絶対値のいずれかの値(例えばM系列生成回路のシフトレジスタの段数nが5のときは1,7,9のいずれかの値)をとるものとし、相関値合計における±符号の組み合わせは任意とする。それぞれの相関値を±としているのは、拡散されるディジタル情報の値が+1又は-1の何れかをとるためである。この受信時における逆拡散の際、他のゴールド符号により拡散された信号が雑音となり、受信性能を劣化させる最大要因となっている。

産業上の利用分野


本発明は、スペクトラム拡散通信方式のうち直接拡散方式の多重通信系に係り、とくに多重ゴールド符号を用いた多重通信系に関するものであり、例えば、直接拡散方式を用いた中心局と複数のローカル局といった1対多通信において、中心局から各ローカル局間への通信に利用でき、各ローカル局が低雑音で中心局からの所望の信号を受信できるというものである。さらに、本発明は、相互相関値が0となる疑似乱数系列に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
複数のディジタル情報を複数のゴールド符号で多重化して送信する送信系と、前記送信系で送信された信号を受信して、前記複数のゴールド符号のいずれかを用いて前記複数のディジタル情報の中から意図するディジタル情報を取り出す受信系とを備える直接拡散方式による多重通信系において、
2つのM系列出力a(t)及びb(t)から一つのゴールド符号を生成し、2つのM系列出力a(t)及びb(t-τ)(但し、t:時間、τ:時間シフトでτ≠0である)から他のゴールド符号を生成し、前記一つのゴールド符号と他のゴールド符号の相互間で相関値の絶対値が最小かつ一定値となるように設定して、前記複数のゴールド符号として用い、
前記送信系では、前記複数のディジタル情報のビット間の同期を合わせ、同時間帯の複数個のビットを前記複数のゴールド符号を用いて同期を合わせてそれぞれ拡散し、これらの拡散した送信信号を加算して送信することを特徴とする多重通信系。

【請求項2】
2つのM系列出力a(t)及びb(t)から一つのゴールド符号を生成し、2つのM系列出力a(t)及びb(t-τ)(但し、t:時間、τ:時間シフトでτ≠0である)から他のゴールド符号を生成し、前記一つのゴールド符号と他のゴールド符号の相互間で相関値の絶対値が最小かつ一定値となるように設定してなる複数のゴールド符号に、相互相関値が0となるように1ビット付加して疑似乱数系列とし、さらに、それらの疑似乱数系列うちの一部の系列の符号を反転して生成されたことを特徴とする疑似乱数系列。

【請求項3】
請求項1記載の多重通信系において、前記ゴールド符号の代わりに請求項2記載の疑似乱数系列を用いたことを特徴とする多重通信系。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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出願権利状態 登録
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