TOP > 国内特許検索 > 人工血管

人工血管

国内特許コード P08A014165
整理番号 P2005-077-JP01
掲載日 2008年12月25日
出願番号 特願2005-281268
公開番号 特開2007-089737
登録番号 特許第4437227号
出願日 平成17年9月28日(2005.9.28)
公開日 平成19年4月12日(2007.4.12)
登録日 平成22年1月15日(2010.1.15)
発明者
  • 田中 賢
  • 高山 あい子
  • 下村 政嗣
出願人
  • 学校法人北海道大学
発明の名称 人工血管
発明の概要

【課題】移植前に予め内皮化を行う型の人工血管で指摘されている血管内皮細胞の増殖あるいは接着不良、密度不足を解消し、さらに増殖細胞の維持に優れた人工血管とその製造法を提供する。
【解決手段】筒状に成形された非水溶性ポリマーからなるハニカム状多孔質体を含む人工血管、特に筒状に成形された非水溶性ポリマーからなるハニカム状多孔質体の筒内面が血管内皮細胞によって被覆されている人工血管。本発明の人工血管は、人工血管に求められる十分な強度を有する、さらにハニカム状多孔質体の表面において血管内皮細胞を密に増殖させ、これを保持することによって血液の漏れや血栓の発生を防ぐという効果を有する。
【選択図】なし

従来技術、競合技術の概要


人工血管に求められる特性としては、心臓の拍動によって圧送される血液を通すことのできる機械的強度と柔軟性だけでなく、人工血管内で血液が詰まらない性質すなわち抗血栓性も重要な特性である。



血栓は、ポリエステル性の線維や伸展性の四塩化フッ素化合物などの代表的な原料から人工血管、特に小口径(内径が約0.5mm~約5mm)の人工血管を成形した場合によく認められる現象である。小口径人工血管では、口径が小さいために血流速度を十分に確保することが難しく、人工血管表面に形成される血栓による閉塞、或いは極端な組織の過形成による狭窄等による閉塞などの発生が報告されている。閉塞、特に移植後の長時間経過後に発生する閉塞は多くの要因が複雑に影響を及ぼしていると言われているが、人工血管の内壁を血管内皮細胞等によって被覆させることによって、この問題は事実上解消されることが知られている。



移植後の人工血管内壁の内皮化を促進する試みとして、合成ポリマーと生体適合性材料とを複合化させて人工血管を製造する方法が報告されている。例えば、ポリエステルとゼラチン又は低温不溶性グロブリンとからなる人工血管(非特許文献1)、ポリエステルとフィブロネクチンあるいはECGF(内皮細胞成長因子)とを複合化した人工血管(非特許文献2)、多孔質PTFEにプラスミン処理フィブリンを複合化した人工血管(非特許文献3)等が提案されている。



また、内皮化を促進する因子を人工血管自身から供給させる技術も報告されている。例えば、多孔質高分子化合物の管壁の孔内、内面および外面の全体もしくは一部分に、血管内皮細胞を刺激誘引する物質を、生体分解性ポリマーに分散して複合化した人工血管(特許文献1)などがある。



しかしながらこの試みでは、移植後の人工血管と生体血管との吻合部から伸展してくる内皮を対象としているため、人工血管が長くなるに従い内皮化が遅れる、吻合部からの内皮伸展には限界があり途中で内皮化が止まってしまうという、等の問題も指摘されている。また、内皮化を促進させる因子の供給は初期血栓を重篤にし、結果として内皮化以前に人工血管が閉塞するという問題も指摘されている。



これらの移植後の内皮化を促進させるという試みとは別の血栓防止技術として、移植に先立っての人工血管内壁の内皮化(endothelialization)がある。これは、移植前の人工血管内壁に血管内皮細胞を予め増殖させ、同細胞の単層からなる内皮を形成させることで人工血管に抗血栓性を持たせようとする試みである。



例えば、平滑筋を含有し、内皮細胞の層を内腔面上に形成できるような平滑な内腔面を有する人工的な筒状物質を形成したハイブリッド型人工血管モデル(非特許文献4、非特許文献5)などが提唱されている。しかしこの人工血管は機械的強度が非常に低く、移植時の取り扱い操作で容易に壊れたり、移植後も血圧によって破裂したりするなどの問題を有している。




【特許文献1】特開平5-76588

【特許文献2】特開2001-78750号公報

【特許文献3】特開平1-170467号

【非特許文献1】ゴブレビッチ(Govrebitich)ら、バイオマテリアル(Biomaterials)、1988年、第9巻、第9号、第97頁

【非特許文献2】グライスラー(Greisler)ら、1987年、ジャーナル・オブ・バスキュラー・サージュリー(J.Vasc.Surg)、第52巻、第393頁

【非特許文献3】日本人工臓器学会予稿集、1990年、第161頁

【非特許文献4】ワインバーグら(Weinberg et al.)、サイエンス( Science)、1986年、第231巻、第397-400頁

【非特許文献5】ヒライら(Hirai et al.)、ASAIO journal、1994年、383-388頁

【非特許文献6】ニクラソンら(Niklason et al.)、1999年、サイエンス( Science)、 第284巻、 第489-493頁

【非特許文献7】ジェファーソン大学(Jefferson T.Univ.)、WPIアクセッションNo.86-340436/52

産業上の利用分野


本発明は、筒状に成形されたハニカム状多孔質体を含む人工血管、特に血管上皮細胞及び/又は血管平滑筋細胞によって被覆された人工血管に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
筒状に成形された非水溶性ポリマーからなるハニカム状多孔質体を含み、
前記ハニカム状多孔質体の各孔の孔径は1~20μmである、
人工血管。

【請求項2】
前記ハニカム状多孔質体は、その表面に対して垂直方向に貫通する孔、および前記垂直方向に貫通した孔同士を連通する平面方向の孔を有し、
前記ハニカム状多孔質体の膜厚は1~20μmである、
請求項1に記載の人工血管。

【請求項3】
前記ハニカム状多孔質体が網目構造を有する筒状構造体によって支持されている、請求項1または2に記載の人工血管。

【請求項4】
前記筒状に成形された非水溶性ポリマーからなるハニカム状多孔質体の筒内面が血管内皮細胞によって被覆されている、請求項1~3のいずれかに記載の人工血管。

【請求項5】
前記筒状に成形された非水溶性ポリマーからなるハニカム状多孔質体の筒外面が血管平滑筋細胞によって被覆されている、請求項に記載の人工血管。

【請求項6】
前記血管内皮細胞及び/又は前記血管平滑筋細胞がコンフルエントの状態である、請求項またはに記載の人工血管。
産業区分
  • 治療衛生
  • 高分子化合物
  • 治療衛生
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 権利存続中
ライセンスをご希望の方、特許の内容に興味を持たれた方は、下記までご連絡ください


PAGE TOP

close
close
close
close
close
close
close