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非スフェロイド化幹細胞の調製方法

国内特許コード P08A014167
整理番号 P2006-086-JP01
掲載日 2008年12月25日
出願番号 特願2006-237680
公開番号 特開2008-054621
登録番号 特許第5098007号
出願日 平成18年9月1日(2006.9.1)
公開日 平成20年3月13日(2008.3.13)
登録日 平成24年10月5日(2012.10.5)
発明者
  • 田中 賢
  • 鶴間 章典
  • 山本 貞明
  • 下村 政嗣
出願人
  • 国立大学法人北海道大学
発明の名称 非スフェロイド化幹細胞の調製方法
発明の概要

【課題】 スフェロイド化していない未分化の幹細胞を調製し及び/又は保存することのできる新たな方法を提供する。
【解決手段】 ハニカム状多孔質体に幹細胞を定着させる工程(a)、及び定着した幹細胞を無血清培地中でインキュベーションする工程(b)を含む、非スフェロイド化幹細胞を調製及び/又は保存する方法。
本発明の方法はスフェロイド化していない未分化の幹細胞を提供、保存することができる。この様な未分化の幹細胞は、遺伝子治療、臓器移植、骨髄移植、ガン治療、または再生医学といった多岐にわたる医療分野において非常に有用である。
【選択図】 なし

従来技術、競合技術の概要


近年、血液細胞、免疫細胞、神経細胞、皮膚組織などの機能的な分化細胞へと分化する能力を有する幹細胞を用いて、所望の細胞および/または組織を必要に応じて生体外で作製して生体内へ移植する、あるいは幹細胞を直接患部等に接種して生体内で所望の細胞および/または組織にまで再生させる、いわゆる幹細胞を利用した再生医療技術が多大な注目を集めている。



幹細胞の代表例は、自己複製能(自己増幅能)および多分化能(個体を形成する全ての細胞種へ分化する能力)を有する胚性幹細胞(embryonic stem cell:ES細胞)や造血幹細胞であるが、その他にも例えば肝臓、筋肉、皮膚、神経などの各組織からも幹細胞が同定されている。



幹細胞の再生医療技術への利用の一態様は、採取した幹細胞をインビトロ等で培養し、さらに所望の分化細胞への分化誘導を行い、当該分化細胞を生体に戻す方法である。この方法においては、幹細胞を所望の分化細胞にのみ誘導することが重要な要素となる。幹細胞の再生医療技術への利用のもう一つの態様は、採取した未分化の幹細胞を、好ましくは未分化のまま生体外で増殖させてその細胞数を増やした幹細胞を、生体の所定の組織に戻し、生体内で分化させて組織の再生を行う方法である。この方法においては、幹細胞を未分化のままで増殖させることが重要な要素となる。



しかし、幹細胞の増殖及び/又は分化は、増殖因子またはサイトカインなどの液性因子や種々の高分子からなる細胞外基質や足場(scaffold)の化学的性質のみならず、細胞外基質や足場との物理的接触によっても誘導されること、また細胞外基質や足場の微細な物理的形状が幹細胞の増殖や分化の誘導に影響を与えることなどが知られている。この様に幹細胞は、一般に幹細胞に対して分化を誘導すると言われるBMP2, TGF等の化学的因子が存在しなくても、細胞外基質や足場と物理的に接触するだけで容易に分化してしまう性質を有しているのである。例えば、神経幹細胞は、ガラス製又は樹脂製のペトリシャーレに置かれるだけで、神経細胞へと分化してしまう。この幹細胞の分化を抑制するには、LIF等の分化抑制因子を培地中に加える必要があるが、その様な因子が混入した幹細胞を移植に用いるのは好ましくない。そのため、幹細胞を未分化の状態で増殖させることのできる足場の開発は、細胞工学、組織工学の分野において急務である。



一方、培養細胞用の有用な基材としてのハニカム状多孔質体とその利用法が報告されている(例えば特許文献1、特許文献2)。このハニカム状多孔質体(ハニカム構造体あるいはハニカムシートとも呼ばれる)は、水滴を鋳型とした簡便な方法によって製造される微細な周期構造を有する構造体(特許文献3)である。この構造体は、膜の垂直方向に向けられた微少な孔(くぼみを含む)が膜の平面方向に蜂の巣状に(ハニカム状に)設けられている薄膜構造体と表すことができる。孔は膜を垂直方向に貫通していてもよく、また平面方向に存在する周囲の孔と連通していてもよい。この様なハニカム状という規則的な配置で孔が設けられている多孔質の薄膜は、孔の径、形状あるいは深さなどがまちまちである不規則な孔を有する通常の多孔質体とは全く異なる構造体として理解されている。



ハニカム状多孔質体が培養細胞に対して良好な足場となり得ることは、前記の特許文献2、3に記載の通り、幾つかの細胞種について報告されているが、これまでの報告にかかる培養細胞はいずれも特定の分化細胞である。これに対して本発明者らは、ハニカム状多孔質体が、未分化の状態で神経幹細胞を増殖させる足場となることを見いだし、特願2005-058236として特許出願を行った。

【特許文献1】特開2001-157574号公報

【特許文献2】特開2002-335949号公報

【特許文献3】特開平8-311231号公報

産業上の利用分野


本発明は、スフェロイド化していない未分化の幹細胞を調製し、又は保存する方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
ハニカム状多孔質体に幹細胞を定着させる工程(a)、定着した幹細胞を無血清培地中でインキュベーションする工程(b)、及びハニカム状多孔質体上に形成された幹細胞のスフェロイドをピペッティングにより除去する工程(c)を含
前記ハニカム状多孔質体の孔径が1μm~3μm、膜厚が0.01μm~100μmである、
非スフェロイド化幹細胞を調製及び/又は保存する方法。

【請求項2】
幹細胞が体性幹細胞又は胚性幹細胞である、請求項1に記載の方法。

【請求項3】
無血清培地が幹細胞に対して分化を誘導する化学的因子が添加されていない培地である、請求項1に記載の方法。

【請求項4】
幹細胞に対して分化を誘導する化学的因子が、bFGF、TGFβ、EGF、PDGF、リン脂質、フッ素付加ステロイド、アリール酢酸系非ステロイド化合物及びレチノインからなる群より選ばれる一種以上である、請求項に記載の方法。
産業区分
  • 微生物工業
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 権利存続中
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