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焼却灰を利用する光合成生物の培養培地およびその製造方法、並びに光合成生物の培養方法

国内特許コード P08P006649
整理番号 E-038
掲載日 2009年1月23日
出願番号 特願2007-174297
公開番号 特開2009-011197
登録番号 特許第5164057号
出願日 平成19年7月2日(2007.7.2)
公開日 平成21年1月22日(2009.1.22)
登録日 平成24年12月28日(2012.12.28)
発明者
  • 横井 春比古
  • 廣瀬 遵
出願人
  • 国立大学法人 宮崎大学
発明の名称 焼却灰を利用する光合成生物の培養培地およびその製造方法、並びに光合成生物の培養方法
発明の概要

【課題】廃棄物である焼却灰の有効利用を図ると共に、藻類等の光合成生物の培養に使用できる、調製が簡便で安価な培地を提供する。
【解決手段】光合成生物を光照射下で独立栄養的に培養するに際し、焼却灰を酸で溶解した溶液を培地として用いる。
【選択図】なし

従来技術、競合技術の概要


近年、焼却灰(燃焼灰)の排出量の増加に伴い、焼却灰の処理と有効活用の技術が求められている。焼却灰は、鶏糞、豚糞および牛糞等を含む畜産系廃棄物の焼却処分、食品廃棄物、生ゴミおよび都市ゴミの焼却処分、廃材や間伐材等の林産廃棄物の焼却処分、下水処理場から排出される余剰汚泥の焼却処分、各種工場から排出される各種廃棄物の焼却処分、並びに火力発電所や燃焼炉等での石炭等の化石燃料の燃焼等によって多量に発生する。



焼却灰の処分法として先ず埋立て処理が挙げられるが、最近では埋立て処分場の確保が困難となってきており、焼却灰の減容化を図ると共に、埋立て以外の再資源化法や有効活用法の開発が強く望まれている。



これまでに、焼却灰の様々な有効利用法が検討されており、例えばセメント分野では、セメント原材料、セメント混和材およびコンクリート混和材への利用法が開発されている(特許文献1)。土木分野では、地盤改良材、道路路盤材およびアスファルト等への利用法が開発されている(特許文献2)。建築分野では、建材ボードや人工軽量骨材等への利用法が開発されている(特許文献3)。農林水産分野では、肥料や土壌改良剤等への利用法が開発されている(特許文献4)。また、焼却灰を他の無機材料やセメント等の硬化剤と混合して成型体に成型し、水に浮遊可能な藻類の培養媒体として利用する方法も開示されている(特許文献5、特許文献6)。



しかしながら、多量に発生する焼却灰の活用を図るために、これ以外の新たな分野での有効利用や有用物質の生産への利用が強く望まれていた。



ところで、光合成生物である藻類は、食品分野、飼料分野および環境分野等の広い分野で現在利用されている。例えば、緑藻類のクロレラ(Chlorella)は、食品分野では、乾燥藻体が錠剤や顆粒の形態で、熱水抽出物(エキス)はドリンクの形態で健康食品として市販されている。農業分野では、クロレラエキスの植物成長剤としての利用や、乾燥藻体の肥料としての利用も行われている。水産分野では、ワムシの生産や養殖用餌料の添加剤として利用されている。



また、藍藻類のスピルリナ(Spirulina)は、食品分野では、栄養補助食品等の食品素材として、あるいは藻体に含まれる青色色素が食用色素として利用されている。水産分野では鑑賞魚や養殖魚の飼料添加物として、畜産分野では産卵鶏等の飼料添加物として使用されている。



さらに最近では、地球温暖化の原因となる二酸化炭素の対策技術として、クロレラ等の藻類を光照射下で培養して、火力発電所や各種工場から排出される燃焼排ガス中の二酸化炭素を固定化させて低減し、同時に、培養した藻体の飼料への利用や、あるいは藻体からの有用物質の抽出・生産、あるいは有害化学物質の除去等、環境分野での利用も検討されている(特許文献7、特願2006-250005号を参照)。



しかしながら、これらの光合成生物を光の照射下で人工的に培養して細胞並びに有用物質を生産する場合、培養に適した専用の培地が必要となる。培地中には、窒素、リン、カリウム、ナトリウム、マグネシウム、カルシウム、硫黄および鉄等を含む塩類、マンガン、コバルト、亜鉛およびモリブデン等の微量金属の塩類等、種々の無機栄養塩を含むことが求められるため、培地の製造には多種類の薬品が必要で調製に手間がかかり、また薬品の費用もかかってコスト高になる。



石炭灰等を水と接触させて得られる溶液に二酸化炭素を接触させたものを光合成生物の培養に用いる方法が検討されているが(特許文献7)、この方法では、石炭灰等に含まれるアルカリ金属やアルカリ土類金属等の元素は酸化物の状態で存在するため単に水と接触させるだけでは溶解量が極めて少なく、栄養成分的に不足するため、光合成生物の効率的な培養は困難であった。



そこで、簡便でかつ安価に調製でき、効率よく大量に光合成生物を培養できる経済的な培地の開発と、その培地の光合成生物の生産および有用物質の生産への利用が強く望まれていた。




【特許文献1】特開2003-146726号公報

【特許文献2】特開2003-251398号公報

【特許文献3】特開平6-166579号公報

【特許文献4】特開2006-297187号公報

【特許文献5】特開2000-245278号公報

【特許文献6】特開平11-243943号公報

【特許文献7】特開平10-248553号公報

産業上の利用分野


本発明は、廃棄物である焼却灰を培地の成分として有効利用した、光合成生物を培養するための培地およびその製造方法に関するものである。さらに、光合成生物の培養方法に関するものである。

特許請求の範囲 【請求項1】
焼却灰を、硝酸、硫酸および塩酸を組み合わせた混合酸で溶解して調製される溶液を含む光合成生物の培養培地。

【請求項2】
前記焼却灰が、鶏糞の焼却灰である請求項1記載の光合成生物の培養培地。

【請求項3】
前記溶液に、鉄塩もしくは銅塩またはその両方をさらに添加してなる請求項1又は2に記載の光合成生物の培養培地。

【請求項4】
焼却灰を、硝酸、硫酸および塩酸を組み合わせた混合酸で溶解させ、得られた溶液を用いて光合成生物を培養する、光合成生物の培養方法。

【請求項5】
焼却灰を、硝酸、硫酸および塩酸を組み合わせた混合酸で溶解して溶液を調製し、該溶液を含む培養培地を製造する光合成生物の培養培地の製造方法。
産業区分
  • 微生物工業
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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出願権利状態 権利存続中


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