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曲面形状と基準面との距離算出方法 コモンズ 新技術説明会

国内特許コード P08P006028
整理番号 0705-10
掲載日 2009年1月30日
出願番号 特願2007-182243
公開番号 特開2009-020671
登録番号 特許第4949953号
出願日 平成19年7月11日(2007.7.11)
公開日 平成21年1月29日(2009.1.29)
登録日 平成24年3月16日(2012.3.16)
発明者
  • 金子 順一
  • 堀尾 健一郎
出願人
  • 国立大学法人埼玉大学
発明の名称 曲面形状と基準面との距離算出方法 コモンズ 新技術説明会
発明の概要

【課題】曲面と近似多面体との形状の隔たりを補正する曲面形状と視線との交差座標導出方法を提供する。
【解決手段】モデル座標系上で曲面形状を近似した多面体の各ポリゴンの頂点座標を求め、ポリゴンの各頂点の属性値として、頂点座標と、曲面形状を表すパラメータとを設定する。次いで、視界座標系上でポリゴンの各頂点の頂点座標を導出するステップと、視界座標系の各視線とポリゴンとの交点座標を導出し、交点座標までの深度値dを算出すると共に、交点座標をポリゴンの各頂点の頂点座標で表すための内挿変数を導出するステップと、内挿変数を用いてモデル座標系上でポリゴンと各視線の交点を導出し、パラメータを用いて交点と曲面形状との視線方向の隔たりeを算出するステップと、距離eに基づいて深度値dを補正するステップとの処理をグラフィックスハードウェア内で行う。視界座標系上での曲面と視線との交差座標を正確かつ迅速に求められる。
【選択図】図1

従来技術、競合技術の概要


近年、大規模かつ複雑な金型等の製造には、膨大な工具経路情報を伴うNC加工が多用されている。これらの加工の実施に際しては、計算機による被削物形状及びオフセット形状の推定が工具経路の生成・検証に非常に大きな役割を占める。
この場合、図6に示すように、Z-map法では、基準面(Z-map基準面)上の格子点ごとに設定された垂線を視線と見立てた視界座標系の上で、被削物形状等の曲面形状と視線との交点と、基準面との間の距離(深度)を求める処理が行われる。
例えば、被削物の形状を推定して被削物の削り残しや削り過ぎを評価する切削シミュレーションでは、運動ステップごとに工具が通過した領域を工具掃引形状として設定し、それらのうち最も基準面に近い包絡面を求めることによって被削物に与えられる2.5次元形状の推定を実現している。



また、逆オフセット法による工具経路の生成においても、図7(a)に示すように、目標形状上に、工具軸の方向を反転させた工具形状を多数配置し、図7(b)に示すように、これらの包絡面をZ-map上の点群として離散的に求め、これらの点群を補間することによって工具中心の移動経路を生成している。
これらの処理では、工具掃引形状や工具反転形状を工具運動ステップごとに定義し、それらの中から最も格子点に近い位置を表面形状として求めている。しかし、これは工具運動ステップ数の増加や格子点間隔の縮小に応じて大規模な幾何計算を必要とするため、処理の高速化が強く求められてきた。



そこで、近年、この幾何演算を並行投影されたコンピュータグラフィックスの描画過程に置き換え、描画専用の機器であるグラフィックスハードウェアの能力を利用することで処理を高速化する手法が提案されている(下記特許文献1参照)。



図10に示すように、グラフィックスハードウェア44は、3DCGの描画時に行われる幾何演算のうちCPU43ではリアルタイムな処理が難しいとされる頂点座標変換を実施するVertexShader、及び深度計算・陰面処理等を実施するPixelShaderを備えており、各Shaderの大規模な並列化により大幅な描画速度の向上が実現されている。
また、近年では特に、グラフィックスハードウェア内の描画機能をユーザーが自作のプログラムから自由に変更し、実行することが可能なプログラマブルシェーダが実用化されつつある。このような最新のグラフィックスハードウェアは描画に関する汎用的な幾何処理が可能であることから特にGPU(Graphics Processing Unit)あるいはVPU(Visual Processing Unit)と呼ばれている。



グラフィックスハードウェアを用いた最近点座標の導出では、格子点を出力画面の画素、基準面から交点までの距離を各画素のもつ深度とみなす。評価を行う範囲の変更や描画対象物の変形をポリゴン頂点の座標変換機能を用いて行い、各視線と面との最近交点導出を陰面処理・深度計算の機能を用いて実現している。これらの機能はグラフィックスハードウェア内で多数の実行ユニットによって並列に処理されることから、CPUを用いた従来の計算手法に比べて非常に短時間での処理が可能となっている。

【特許文献1】特開2000-235407号公報

産業上の利用分野


本発明は、視界座標系の上で、例えば、工作機械の工具で削られた被削物の曲面形状と基準面との距離を求める距離算出方法に関し、特に、曲面形状を多面体で近似したときの誤差が補正できるようにしたものである。

特許請求の範囲 【請求項1】
基準面上に設定された垂線を視線と見立てた視界座標系の上で、工作機械の工具により形成される被削物の曲面形状と前記視線との交点を求めて、前記基準面と前記曲面形状との間の距離を算出する曲面形状と基準面との距離算出方法であって、
曲面形状のトポロジを定義するモデル座標系上で、前記曲面形状を近似した多面体の各ポリゴンの頂点座標を求め、前記ポリゴンの各頂点の属性値として、前記頂点座標と、当該ポリゴンの各頂点に接する曲面形状を表すパラメータとを設定する第1のステップと、
前記視界座標系上に前記多面体を移して前記ポリゴンの各頂点の頂点座標を導出する第2のステップと、
前記視界座標系の各視線と前記ポリゴンとの交点座標を導出し、前記基準面から前記交点座標までの各視線の距離を示す深度値dを算出するとともに、前記交点座標を当該ポリゴンの各頂点の頂点座標で表すための内挿変数を導出する第3のステップと、
前記内挿変数を用いて前記モデル座標系上の前記ポリゴンにおける各視線の交点を導出する第4のステップと、
前記モデル座標系上で、前記パラメータを用いて、前記交点から前記視線の向きにある前記曲面形状までの距離eを算出する第5のステップと、
前記距離eに基づいて、前記視界座標系上で求めた各視線の前記深度値dを補正する第6のステップと、
を備え、前記第2のステップから第6のステップまでの処理を、グラフィックスハードウェアを用いて行うことを特徴とする曲面形状と基準面との距離算出方法。

【請求項2】
請求項1に記載の距離算出方法であって、前記曲面形状が、数式で定義可能な形状であることを特徴とする曲面形状と基準面との距離算出方法。

【請求項3】
請求項1に記載の距離算出方法であって、前記曲面形状が、円筒形状または球形状であることを特徴とする曲面形状と基準面との距離算出方法。

【請求項4】
請求項1に記載の距離算出方法であって、前記多面体を前記モデル座標系の単位座標系上で定義し、前記単位座標系上で求めた前記距離eを基に前記視界座標系上の前記深度値dの誤差を算出して、前記深度値dを補正することを特徴とする曲面形状と基準面との距離算出方法。

【請求項5】
請求項1に記載の距離算出方法であって、前記第2のステップで、拡大・縮小、並行移動、回転または透視変換による変換を与えた前記ポリゴンの各頂点の頂点座標を導出することを特徴とする曲面形状と基準面との距離算出方法。

【請求項6】
請求項1に記載の距離算出方法であって、前記第1のステップから第6のステップまでの処理を、前記曲面形状を近似する前記多面体の全てのポリゴンと交差する全ての視線に対して行い、各視線の補正後の前記深度値dで表される面の包絡面形状を導出することを特徴とする曲面形状と基準面との距離算出方法。

【請求項7】
請求項6に記載の距離算出方法であって、前記包絡面形状として、ボールエンドミル工具の掃引形状を導出することを特徴とする曲面形状と基準面との距離算出方法。

【請求項8】
請求項6に記載の距離算出方法であって、前記包絡面形状として、製品形状の上で工具の向きを反転させた逆オフセット形状を導出することを特徴とする曲面形状と基準面との距離算出方法。
産業区分
  • 制御調整
  • 切削
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2007182243thum.jpg
出願権利状態 権利存続中
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