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分離測度を用いた重み付け最小二乗法による境界抽出

国内特許コード P08P006494
整理番号 IP470
掲載日 2009年2月20日
出願番号 特願2007-192435
公開番号 特開2009-028096
登録番号 特許第4963278号
出願日 平成19年7月24日(2007.7.24)
公開日 平成21年2月12日(2009.2.12)
登録日 平成24年4月6日(2012.4.6)
発明者
  • 内野 英治
  • 末竹 規哲
  • 久保田 良輔
  • 松崎 益徳
  • 廣 高史
出願人
  • 国立大学法人山口大学
発明の名称 分離測度を用いた重み付け最小二乗法による境界抽出
発明の概要

【課題】 画像データ(特に、血管内超音波画像データ)上での境界(特に、血管内腔輪郭および血管内膜輪郭)を、従来よりも少ないシード点(ユーザによる設定点)でより滑らかに、より高速に抽出する境界抽出方法、プログラム及び装置を提供する。
【解決手段】 画像データ上の境界を抽出する境界抽出方法(プログラム・装置)であって、前記画像データ上にユーザにより設定された複数のシード点間を補間することにより仮境界を求める仮境界設定ステップと、前記画像データの、少なくとも前記仮境界近傍の各画素における分離測度を計算する分離測度分布計算ステップと、前記仮境界近傍の各画素における前記分離測度を重み付け係数とした最小二乗法による多項式近似により前記境界を求める境界抽出ステップと、を有することを特徴とする。
【選択図】 図6

従来技術、競合技術の概要


先端部に超音波探触子が付いたカテーテルを血管内に挿入し、該超音波探触子を回転させることにより血管の断層像(Bモード画像)を得る技術が知られている(特許文献1)。図1は血管内超音波(IVUS)の概略図であり、図2は血管内超音波(IVUS)の画像表示例である。血管内超音波(IVUS)により冠動脈疾患の診断が可能であるが、血管内のプラークには、「安定プラーク」(安定なプラーク)と「不安定プラーク」(破綻により血栓を生じる)とがあり、これらを正確に診断する必要がある。図3は、安定プラークと不安定プラークの説明図である。



血管内超音波画像において、プラークの正確な診断を行うためには、内腔-プラーク間の境界及びプラーク-内膜間の境界線を正確に求める必要がある。図4は、血管内超音波画像における境界線を示す図である。正確な面積・体積を算出するためには境界線を精度良く抽出する必要があるが、現在は医師による手作業により境界線が抽出されている。図5に、従来の境界線抽出の例を示す。図5に示すように、従来は、ユーザが血管内超音波画像を見ながら境界線上にシード点を設定し、これらのシード点を補間(例えば、パラメトリックスプライン補間など)することにより、境界線を求めていた。補間により境界線を求めているので、シード点を多く設定しないと正確な境界線が抽出できず、多くの時間と手間が掛かる上、熟練した知識と経験が必要であるという問題があった。また、シード点の補間に画像データを利用する方法として、動的輪郭モデル(SNAKE法)を用いた抽出法や、遺伝的アルゴリズムを用いた抽出法などがあるが、これらのアルゴリズムは膨大な繰り返し処理が必要であり、実応用には向かない。なお、スネークス法(SNAKE法)はエネルギー最小化原理を用いて対象となる領域の輪郭を抽出する方法の1つであり、エネルギー関数を輪郭線(SNAKE)上で定義し、このエネルギー関数が最小となるように輪郭線を変形し、境界、線、主観的な輪郭線などを求めるというものである(特許文献2、非特許文献1)。



このほかに、本発明に関連する従来技術として、特許文献3~5、非特許文献2がある。非特許文献2には、輪郭を「領域と領域を最も分離する領域境界」として捉え、輪郭モデルの内側と外側間において領域特徴量(輝度、色相など)の分離度合を表す量(分離度)を導入することで、「分離度最大=境界」として、対象物の輪郭として抽出する方法が提案されている。

【特許文献1】特表2003-503141号公報「有効な輪郭線作成法及びシステムを使用する血管内の超音波分析」

【特許文献2】特開平7-128200号公報「監視方法及び装置」

【特許文献3】特開2003-334194号公報「画像処理装置及び超音波診断装置」

【特許文献4】特開平7-184892号公報「超音波画像処理装置及び方法」

【特許文献5】特開平7-093561号公報「エッジ及び輪郭抽出装置」

【非特許文献1】M.Kass, A.Witik, and D.Terzopoulos: “Snakes:Active Contour Model", International of Computer Vision, Vol.1, No.4,pp.321-331(1988)

【非特許文献2】情報処理学会 研究報告「コンピュータビジョンとイメージメディア」Vol.1994 No.27(文献番号:IPSJ-CVIM93088002,文献名:領域間の分離度に基づく物体輪郭抽出)

産業上の利用分野


本発明は、画像データの境界抽出方法、プログラム及び装置に関する。特に、血管内超音波(Intravascular Ultrasound: IVUS)のBモード画像における、内腔-プラーク間の境界(内腔面)及びプラーク-内膜間の境界(外弾性板)を抽出する方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
画像データ上の境界を抽出する境界抽出方法であって、
前記画像データ上にユーザにより設定された複数のシード点間を補間することにより仮境界を求める仮境界設定ステップと、
前記画像データの、少なくとも前記仮境界近傍の各画素における分離測度を計算する分離測度分布計算ステップと、
前記仮境界近傍の各画素における前記分離測度を重み付け係数とした最小二乗法による多項式近似により前記境界を求める境界抽出ステップと、を有することを特徴とする境界抽出方法。

【請求項2】
前記分離測度分布計算ステップにおいて、
画素点(i,j)における前記分離測度は、前記画素点(i,j)を挟んでi方向またはj方向に領域A及び領域Bを設定し、
【数式1】


(ただし、nAは領域A内の画素数、nBは領域B内の画素数、μAは領域A内の画素値平均、μBは領域B内の画素値平均、μA+Bは領域A及び領域B内の画素値平均、IAは領域A内の画素の集合、IBは領域B内の画素の集合、Iは画素集合内の各画素の画素値)
により求めることを特徴とする請求項1記載の境界抽出方法。

【請求項3】
前記画像データはBモード画像であり、
前記領域A及び領域Bを、画素点(i,j)を挟んで深度方向に設定することを特徴とする請求項2記載の境界抽出方法。

【請求項4】
前記画像データは、極座標系画像データを、一方軸が角度、他方軸が中心点からの距離である直交座標系に展開したものであることを特徴とする請求項3記載の境界抽出方法。

【請求項5】
前記極座標系画像データは血管内超音波によるBモード画像であり、
血管内の、内腔面と外弾性板の少なくとも一方を抽出することを特徴とする請求項4記載の境界抽出方法。

【請求項6】
画像データ上の境界を抽出する境界抽出プログラムであって、
前記画像データ上にユーザにより設定された複数のシード点間を補間することにより仮境界を求める仮境界設定ステップと、
前記画像データの、少なくとも前記仮境界近傍の各画素における分離測度を算出する分離測度分布計算ステップと、
前記仮境界近傍の各画素における前記分離測度を重み付け係数とした最小二乗法による多項式近似により前記境界を求める境界抽出ステップと、を有することを特徴とする境界抽出プログラム。

【請求項7】
画像データ上の境界を抽出する境界抽出装置であって、
前記画像データ上にユーザにより設定された複数のシード点間を補間することにより仮境界を求める仮境界設定手段と、
前記画像データの、少なくとも前記仮境界近傍の各画素における分離測度を算出する分離測度分布計算手段と、
前記仮境界近傍の各画素における前記分離測度を重み付け係数とした最小二乗法による多項式近似により前記境界を求める境界抽出手段と、を有することを特徴とする境界抽出装置。
産業区分
  • 治療衛生
  • 計算機応用
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2007192435thum.jpg
出願権利状態 権利存続中
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