TOP > 国内特許検索 > 細胞特異的発現複製ベクター

細胞特異的発現複製ベクター

国内特許コード P08A014234
整理番号 B08P02
掲載日 2009年2月27日
出願番号 特願2002-255395
公開番号 特開2003-250579
登録番号 特許第4107919号
出願日 平成14年8月30日(2002.8.30)
公開日 平成15年9月9日(2003.9.9)
登録日 平成20年4月11日(2008.4.11)
優先権データ
  • 特願2001-402102 (2001.12.28) JP
発明者
  • 高橋 克仁
  • 山村 倫子
出願人
  • 独立行政法人科学技術振興機構
発明の名称 細胞特異的発現複製ベクター
従来技術、競合技術の概要
正常細胞には影響を与えず、癌細胞のみを選択的に傷害することができる、副作用の少ない理想的な癌の治療法が近年求められている。その一つとして遺伝子治療法が挙げられるが、かかる治療法は癌細胞に導入する遺伝子の細胞選択性や発現プロモーターの活性、ウイルスベクターの感染導入法など、いろいろなレベルで癌細胞選択性を高めることが可能であり、将来の有望な治療法として注目されている。しかし、すべての癌細胞において治療遺伝子を導入できないという共通の問題がある。一方、癌の免疫細胞療法も、正常組織にもわずかながら組織特異的分化抗原の発現が認められることから、正常細胞に対する副作用が問題となっている。また、突然変異に基づく癌抗原は、個々の癌にその変異が限られるという欠点をもっていることから、それを分子標的とした癌の免疫細胞療法として一般化するには適しているとはいえない。
【0003】
最近、感染と複製によって次々と増殖細胞のみを選択的に傷害する複製可能型単純ヘルペスウイルス(HSV)ベクターを用いた悪性脳腫瘍の遺伝子治療臨床研究が米国と英国で行われている(Gene Ther. 7, 859-866, 2000、Gene Ther. 7, 867-874, 2000)。複製可能型HSVベクターは、ウイルス複製に必須なRibonucleotide reductase(RR)又はThymidine kinase(TK)を欠失したベクターであり、これらの酵素は正常細胞では増殖時にのみ発現するが、腫瘍細胞では構成的に発現している。そのため、このHSVベクターは、正常細胞であれ腫瘍細胞であれ増殖の盛んな細胞に感染すると、細胞由来のRRやTKを利用して複製され細胞溶解活性を示す。一方、国内では動物実験で、前立腺癌や膵臓癌に対する複製可能型HSVベクターの抗腫瘍効果が報告されている(J. Surg. Oncol. 72, 136-141, 1999)が、これらも細胞選択性がなく、安全性が低い。従って、血液脳関門があり、循環血液中にベクターが拡散しない脳ではヒトの治療に用いることができたが、脳以外の臓器での治療には適さないという問題点があった。
【0004】
上記のことから、HSVベクターの傷害活性を標的細胞特異的にコントロールできれば、さらに有効で安全な治療法になると考えられている。これまでに、米国のMartuzaらによって、アルブミンプロモーターを用いた肝腫瘍選択的な複製可能型HSVベクターが報告されている(J. Virol. 71, 5124-5132, 1997)。しかし、かかるベクターを用いると肝細胞癌ではアルブミン遺伝子の発現が低下し、また正常な再生肝細胞をも傷害することなどからヒトでの臨床応用には適さないと考えられている。その他、米国特許第5728379号明細書(「腫瘍あるいは細胞特異的単純ヘルペスウイルスの複製」)では、中皮腫に対する応用の可能性を述べているが、平滑筋肉腫や骨肉腫、消化管ストローマ腫瘍 (GIST) などのヒトの肉腫全般、腫瘍血管、増殖性血管病変、増殖性糸球体腎炎、肺、肝臓等の線維症あるいは悪性腫瘍の間質で増殖する筋線維芽細胞に対する治療への応用可能性の記述はなされていない。
【0005】
肉腫の病因と病態に関する遺伝子解析により、一部の腫瘍でp53とRbの変異や融合遺伝子の存在が報告されているが、まだ広く治療に応用できる段階に至ってはいない。ヌードマウスを用いた動物実験で、Milasらは複製能を持たないアデノウイルスベクターを用いて平滑筋肉腫細胞にp53遺伝子を導入し、腫瘍の増殖遅延効果があることを報告している(Cancer Gene Ther. 7, 422-429, 2000)。その他、オステオカルシン遺伝子のプロモーターを用いて、自殺遺伝子であるチミジンキナーゼを骨肉種に導入発現させる方法が報告されている(Cancer Gene Ther. 5, 274-280, 1998)が、これは複製能を欠失したウイルスベクターを用いたものであり、遺伝子導入の効率が悪く、骨肉腫以外の肉腫には適用できない。特に、Milasらの報告では、本発明者らによる報告(Cancer Res. 61, 3969-3977, 2001)に記載されているのと同じ、ヒト平滑筋細胞株SK-LMS-1を用いた実験例を示しているが、上記報告において使用したウイルスベクターの粒子量の100~1000倍多くのウイルス粒子を使用し、効果は上記報告におけるものよりも劣っている。従って、Milasらの結果は、体内に注入するウイルス粒子の数をできるだけ少なくして副作用を押さえるという観点から、好ましいとは言えない。
【0006】
また、癌の血管新生抑制療法としては、米国のFolkmanのグループによるマウスの実験系で、アンジオスタチンやエンドスタチンなどのペプチド性抑制因子の劇的な抗腫瘍効果が報告されている(Cell 79, 315-328, 1994、Cell 88, 277-285, 1997)。我国においても中村らによって、肝細胞増殖因子の分子内断片であるNK4の血管新生抑制作用が報告されている(Biochem. Biophys. Res. Commun. 279, 846-852, 2000)。しかしこれらの方法は、大量のペプチドを必要とすること、エンドスタチンに関しては再現性が低いという報告があること、作用メカニズムが不明であること、さらにヒトでの有効性がまだ確認されていないこと、などの問題点がある。現在臨床試験中の血管新生阻害剤は、細胞選択性がなく、阻害効率も低い。米国のChereshらが報告した、内皮細胞の表面のインテグリンの作用を阻害するペプチドも同様に細胞選択性がなく、阻害効率が低い(J. Clin. Invest. 103, 1227-1230, 1999)。これらの研究は、すべて血管内皮細胞を標的にした治療であるが、腫瘍血管を構成する増殖血管平滑筋細胞を標的にした細胞選択的治療剤は未だ知られていない。実際、平滑筋細胞の増殖と遊走を促進する血小板由来増殖因子受容体の拮抗剤が強力な腫瘍新生血管抑制作用をもつことが報告され(Cancer Res. 60, 4152-4160, 2000)、腫瘍血管新生を抑制するために血管平滑筋を攻撃することの重要性が推測されるが、この方法は細胞非選択的であり、副作用も予想される。
【0007】
また、増殖性血管病変特に、ステント留置後や心臓移植後の血管狭窄に対しては、新生内膜の平滑筋増殖を抑制する種々の薬剤が試みられているが、いずれも狭窄の予防には成功していない。最近の遺伝子治療の試みとしては、複製能を欠くアデノウイルスベクターを用いて、カルポニンの相同遺伝子であるSM22αのプロモーターの制御下にLacZ遺伝子をバルーン傷害後のラット頚動脈の平滑筋細胞に選択的に導入したLeidenらの報告がある(J. Clin. Investi. 100, 1006-1014, 1997)。しかし、この実験ではLacZ遺伝子が導入されたのは、標的細胞である内膜の増殖平滑筋ではなく中膜の平滑筋で、導入効率も極めて低いものであった。また、Nabelらも複製能のないアデノウイルスベクターを用いてSM22αのプロモーターの制御下にLacZ遺伝子をCAT(chloramphenicol acetyltransferase)遺伝子をブタの動脈に導入する実験を行ったが、内膜の平滑筋細胞の2.2%、中膜平滑筋細胞の0.56%に遺伝子発現が認められたにすぎなかった(Mol. Med. 6, 983-991, 2000)。一方、複製可能型HSVベクターを用いてバルーン傷害後のラット頚動脈に感染させた宮武らの報告(Stroke 30, 2431-2439, 1999)では、ウイルスの複製は主に内膜の増殖平滑筋で観察され、複製可能型ウイルスベクターを用いることの有用性が推測されるが、このベクターは細胞非選択的であり、内皮細胞や外膜線維芽細胞の破壊などの副作用も予想される。その他にもデコイやアンチセンスDNAなどのオリゴヌクレオチドを血管に直接導入する方法も発表されているが、導入効率が低く、血管平滑筋増殖の十分な抑制効果は期待できない。
【0008】
また、増殖性糸球体腎炎に対する最近の遺伝子治療の試みとしては、TGFβ1の阻害作用をもつデコリン(decorin)やTGFβ受容体とIgG Fc領域のキメラ遺伝子、またNFkappaBのデコイをリポソームベクターを用いて腎糸球体に導入する方法が報告されている(Nature Med. 2, 418-423, 1996; Kidney Int. 55, 465-475, 1999; Gene Ther. 7, 1326-1332, 2000)が、この方法は細胞非選択的であり、副作用も予想される。また、腎糸球体に選択的に遺伝子を導入するために、複製能を欠くアデノウイルスベクターをポリスチレンの微小球(microsphere)に結合させてラットの大動脈に投与する方法が発表されている(Kidney Int. 58, 1500-1510, 2000)が、増殖性糸球体腎炎の原因となるメサンギウム細胞以外に血管内皮細胞にも導入遺伝子の発現が認められ、治療の標的化は未だ不完全である。さらに、アデノウイルスは免疫原性が強く、それ自体が糸球体腎炎の原因となる免疫反応を惹起する危険性も指摘されている(Kidney Int. 61, S85-S88, 1997)。
【0009】
他方、本発明者らは、ヒト由来の肉腫の腫瘍細胞に平滑筋の分化マーカーとされるカルポニン遺伝子が発現していることを見い出し、はじめて報告した(Int. J. Cancer 79, 245-250, 1998、Sarcoma 3, 107-113, 1999、Intern. J. Cancer 82, 678-686, 1999)。その後、骨・軟部肉腫に加えて消化管ストローマ腫瘍(GIST)や唾液腺肉腫、繊維肉腫、悪性神経鞘腫など20種類近い間葉系細胞由来のヒト悪性腫瘍で、カルポニン遺伝子が異常発現していることが国内外で相次いで報告されている。上記カルポニン(h1又はbasic)は、X線結晶構造と、インビトロ及びインビボの機能解析により、アクチン分子のC末端に結合して、アクチン・ミオシンの滑り運動を抑制することが明らかにされている(Biochem. Biophys. Res. Commun. 279, 150-157, 2000、J. Physiol. 529, 811-824, 2000)。カルポニン遺伝子は、成体では、平滑筋細胞に選択的に発現し、血管の分化のマーカーと考えられている(Physiol. Rev. 75, 487-517, 1995)。
【0010】
また、上記米国特許第5728379号明細書や本発明者らによる報告(Cancer Res. 61, 3969-3977, 2001)においては、HSVのチミジンキナーゼ(Thymidine kinase)をコードするDNAを欠失している複製可能型ベクターについて記述されているが、チミジンキナーゼを欠失しているHSVは、抗ヘルペスウイルス薬であるアシクロビル(aciclovir)やガンシクロビル(ganciclovir)に対する感受性がなく、これらベクターをヒトの治療に応用する場合には、予期せぬウイルス感染の拡大を防ぐという安全対策の面において問題がないとはいえなかった。
【0011】
その他、神経細胞での複製に関与するgamma34.5遺伝子を2コピーとも欠失し、LacZ遺伝子がRibonucleotide reductase(ICP6)-locusに挿入されている複製可能型HSV-1ベクターG207(Nature Med. 1, 938-943, 1995)や、CMVプロモーター/エンハンサーによって発現するautofluorescent proteinとcytosine deaminaseをICP6-locusに相同組換え法で挿入した複製可能型HSV-1ベクターHSV1yCD(Cancer Res. 61, 5447-5452, 2001)は知られていたが、ともにRibonucleotide reductaseが欠失する結果、増殖細胞でのみ複製可能であるが、細胞選択性をもたない。また、肺や肝臓などの線維症における増殖筋線維芽細胞を標的にして、選択的に破壊する治療法の報告はない。また、悪性腫瘍の間質で増殖する筋線維芽細胞を標的にした治療法もこれまで報告がない。
産業上の利用分野
本発明は、特定の細胞に特異的に遺伝子を発現させ自己複製する成体正常細胞に作用しない細胞特異的発現複製ベクター、特にその発現複製後の所望の時期に発現複製を抑制することができる細胞特異的発現複製ベクター、更には前記ベクターを用いて、特定の生体細胞で遺伝子を発現する方法、あるいは特定の細胞を破壊する方法等に関し、詳しくは、(1)癌の遺伝子治療分野において、特定の癌細胞そのものあるいは腫瘍内新生血管の増殖平滑筋細胞を特異的に破壊するために、遺伝子の発現を細胞特異的に行い得る発現複製ベクターを作製し、正常細胞には傷害を与えることなく治療を可能とし、治療終了後、ベクター感染細胞を完全に除去することができる安全性の高い細胞特異的発現複製ベクターの構築や、(2)肺や肝臓などの線維症に対する遺伝子治療の分野において、増殖筋線維芽細胞を特異的に破壊するために、遺伝子の発現を細胞特異的に行い得る発現複製ベクターを作製し、正常細胞には傷害を与えることなく治療を可能とし、治療終了後、ベクター感染細胞を完全に除去することができる安全性の高い細胞特異的発現複製ベクターの構築や、(3)ステント留置後や臓器移植後の血管狭窄や動脈硬化症、糖尿病性網膜症などの遺伝子治療分野において、増殖血管平滑筋細胞を特異的に破壊するために、遺伝子の発現を細胞特異的に行い得る発現複製ベクターを作製し、正常細胞には傷害を与えることなく治療を可能とし、治療終了後、ベクター感染細胞を完全に除去することができる安全性の高い細胞特異的発現複製ベクターの構築や、(4)糸球体腎炎の遺伝子治療の分野において、増殖メサンギウム細胞を特異的に破壊するために、遺伝子の発現を細胞特異的に行い得る発現複製ベクターを作製し、正常細胞には傷害を与えることなく治療を可能とし、治療終了後、ベクター感染細胞を完全に除去することができる安全性の高い細胞特異的発現複製ベクターの構築等に関する。
特許請求の範囲 【請求項1】 細胞特異的に発現するヒトカルポニン遺伝子又はヒトSM22α遺伝子プロモーターを含む領域と、前記プロモーターを含む領域の下流に組み込まれたヘルペスウイルスの複製開始に必要な転写因子をコードするICP4遺伝子及びマーカー遺伝子、並びに前記プロモーターを含む領域の上流に組み込まれた前記マーカー遺伝子とは異なるマーカー遺伝子と、チミジンキナーゼ遺伝子を含む成体正常細胞に作用しない細胞特異的単純ヘルペスウイルスベクター(HSVベクター)であって、前記プロモーターを含む領域とICP4遺伝子と2種類のマーカー遺伝子とを含むDNA断片がリボヌクレオチドリダクターゼ遺伝子座に組み換えにより挿入されており、前記2種類のマーカー遺伝子の発現を指標にして得られる、チミジンキナーゼ遺伝子を利用して所望の時期にその複製を抑制しうることを特徴とする成体正常細胞に作用しない細胞特異的発現複製ベクター。
【請求項2】 ヒトカルポニン遺伝子のプロモーターを含む領域が、配列番号2に示される塩基配列からなるヒトカルポニン遺伝子プロモーターを含む領域であることを特徴とする請求項1記載の成体正常細胞に作用しない細胞特異的発現複製ベクター。
【請求項3】 配列番号2に示される塩基配列を含む領域が、配列番号3に示される塩基配列を含む領域であることを特徴とする請求項2記載の成体正常細胞に作用しない細胞特異的発現複製ベクター。
【請求項4】 細胞特異的に発現するヒトカルポニン遺伝子のプロモーターを含む領域が、配列番号2又は配列番号3に示される塩基配列において、1若しくは数個の塩基が欠失、置換若しくは付加された塩基配列からなり、かつプロモーター活性を有する塩基配列を含む領域であることを特徴とする請求項1記載の成体正常細胞に作用しない細胞特異的発現複製ベクター。
【請求項5】 プロモーターを含む領域の上流にエンハンサーが組み込まれていることを特徴とする請求項1~4のいずれか記載の成体正常細胞に作用しない細胞特異的発現複製ベクター。
【請求項6】 エンハンサーが4F2エンハンサーであることを特徴とする請求項5記載の成体正常細胞に作用しない細胞特異的発現複製ベクター。
【請求項7】 ICP4遺伝子のさらに下流に、目的タンパク質をコードするDNAが連結され、前記プロモーターを含む領域の制御下に目的タンパク質を発現することを特徴とする請求項1~6のいずれか記載の成体正常細胞に作用しない細胞特異的発現複製ベクター。
【請求項8】 目的タンパク質をコードするDNAが、IRES(internalribosomal entry site)を介してICP4遺伝子に連結されていることを特徴とする請求項7記載の成体正常細胞に作用しない細胞特異的発現複製ベクター。
【請求項9】 目的タンパク質をコードするDNAが、アポトーシス関連遺伝子であることを特徴とする請求項1~8のいずれか記載の成体正常細胞に作用しない細胞特異的発現複製ベクター。
【請求項10】 目的タンパク質をコードするDNAが、血管新生抑制作用をもつタンパク質をコードするDNAであることを特徴とする請求項1~8のいずれか記載の成体正常細胞に作用しない細胞特異的発現複製ベクター。
【請求項11】 目的タンパク質をコードするDNAが、癌転移抑制作用をもつタンパク質をコードするDNAであることを特徴とする請求項1~8のいずれか記載の成体正常細胞に作用しない細胞特異的発現複製ベクター。
【請求項12】 目的タンパク質をコードするDNAが、癌抑制作用をもつタンパク質をコードするDNAであることを特徴とする請求項1~8のいずれか記載の成体正常細胞に作用しない細胞特異的発現複製ベクター。
【請求項13】 細胞特異的に発現するヒトカルポニン遺伝子のプロモーターを含む領域と、前記プロモーターを含む領域の下流に組み込まれたヘルペスウイルスの複製開始に必要な転写因子をコードするICP4遺伝子及びマーカー遺伝子、並びに前記プロモーターを含む領域の上流に組み込まれた前記マーカー遺伝子とは異なるマーカー遺伝子と、チミジンキナーゼ遺伝子を含む成体正常細胞に作用しない細胞特異的単純ヘルペスウイルスベクター(HSVベクター)であって、前記プロモーターを含む領域とICP4遺伝子と2種類のマーカー遺伝子とを含むDNA断片がリボヌクレオチドリダクターゼ遺伝子座に組み換えにより挿入されており、前記2種類のマーカー遺伝子の発現を指標にして得られる、チミジンキナーゼ遺伝子を利用して所望の時期にその複製を抑制しうる成体正常細胞に作用しない細胞特異的発現複製ベクターを含むことを特徴とする治療薬。
【請求項14】 ヒトカルポニン遺伝子のプロモーターを含む領域が、配列番号2に示される塩基配列からなるヒトカルポニン遺伝子プロモーターを含む領域であることを特徴とする請求項13記載の治療薬。
【請求項15】 配列番号2に示される塩基配列を含む領域が、配列番号3に示される塩基配列を含む領域であることを特徴とする請求項14記載の治療薬。
【請求項16】 細胞特異的に発現するヒトカルポニン遺伝子のプロモーターを含む領域が、配列番号2又は配列番号3に示される塩基配列において、1若しくは数個の塩基が欠失、置換若しくは付加された塩基配列からなり、かつプロモーター活性を有する塩基配列を含む領域であることを特徴とする請求項13記載の治療薬。
【請求項17】 プロモーターを含む領域の上流にエンハンサーが組み込まれていることを特徴とする請求項13~16のいずれか記載の治療薬
【請求項18】 エンハンサーが4F2エンハンサーであることを特徴とする請求項17記載の治療薬。
【請求項19】 ICP4遺伝子のさらに下流に、目的タンパク質をコードするDNAが連結され、前記プロモーターを含む領域の制御下に目的タンパク質を発現することを特徴とする請求項13~18のいずれか記載の治療薬。
【請求項20】 目的タンパク質をコードするDNAが、IRES(internalribosomal entry site)を介してICP4遺伝子に連結されていることを特徴とする請求項19記載の治療薬。
【請求項21】 目的タンパク質をコードするDNAが、アポトーシス関連遺伝子であることを特徴とする請求項13~20のいずれか記載の治療薬。
【請求項22】 目的タンパク質をコードするDNAが、血管新生抑制作用をもつタンパク質をコードするDNAであることを特徴とする請求項13~20のいずれか記載の治療薬。
【請求項23】 目的タンパク質をコードするDNAが、癌転移抑制作用をもつタンパク質をコードするDNAであることを特徴とする請求項13~20のいずれか記載の治療薬。
【請求項24】 目的タンパク質をコードするDNAが、癌抑制作用をもつタンパク質をコードするDNAであることを特徴とする請求項13~20のいずれか記載の治療薬。
【請求項25】 細胞特異的に発現する遺伝子のプロモーターを含む領域が活性化され得る細胞又は該遺伝子を発現する細胞に、細胞特異的に発現するヒトカルポニン遺伝子又はヒトSM22α遺伝子プロモーターを含む領域と、前記プロモーターを含む領域の下流に組み込まれたヘルペスウイルスの複製開始に必要な転写因子をコードするICP4遺伝子と、チミジンキナーゼ遺伝子を含む細胞特異的単純ヘルペスウイルスベクター(HSVベクター)であって、前記プロモーターを含む領域とICP4遺伝子を含むDNA断片がリボヌクレオチドリダクターゼ遺伝子座に組み換えにより挿入されている組み換え後のウイルス混合液を感染させ、ベクター内に組み込んだ前記プロモーターをもつマーカー遺伝子と、前記プロモーターとは異なるプロモーターをもつ前記マーカー遺伝子とは異なるマーカー遺伝子の2種類のマーカー遺伝子の発現を指標にして、アガロースゲルオーバーレイ法を用いず、単一クローンにまで精製することを特徴とする細胞特異的発現複製ベクターの製造方法。
【請求項26】 細胞が、ICP4(-)細胞であることを特徴とする請求項25記載の細胞特異的発現複製ベクターの製造方法。
産業区分
  • 微生物工業
  • 薬品
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

※ 画像をクリックすると拡大します。

22661_01SUM.gif
出願権利状態 権利存続中
参考情報 (研究プロジェクト等) SORST 平成12年度採択課題
ライセンスをご希望の方、特許の内容に興味を持たれた方は、問合せボタンを押してください。


PAGE TOP

close
close
close
close
close
close
close