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局所的遺伝子発現調節法 実績あり

国内特許コード P08A014266
整理番号 K008P03
掲載日 2009年2月27日
出願番号 特願平11-322481
公開番号 特開2001-136962
登録番号 特許第4380857号
出願日 平成11年11月12日(1999.11.12)
公開日 平成13年5月22日(2001.5.22)
登録日 平成21年10月2日(2009.10.2)
発明者
  • 弓場 俊輔
  • 船津 高志
出願人
  • 国立研究開発法人科学技術振興機構
発明の名称 局所的遺伝子発現調節法 実績あり
発明の概要 【課題】 任意の局所領域に遺伝子発現を起こさせる方法を提供する。
【解決手段】 赤外線レーザーを、生物個体の単一細胞、組織などの局所領域に選択的に照射し、生物個体の局所領域の温度を上昇させることにより、熱ショックによる部位特異的遺伝子組換えを引き起こさせる
従来技術、競合技術の概要


固体の発生において、最も簡便に標的細胞の変化を引き起こす方法としては、従来よりレーザー光を用いたレーザーアブレーション法が知られている。この方法は、色素レーザーを照射することにより、ラジカルを発生させ、標的細胞を死滅させる方法で、特定の細胞を死滅させることによって個体の発生、分化に変化を起こす。しかし、この方法では、細胞を生かしたままの状態で遺伝子発現を調節することができないという点が大きな問題となっている。



同様の手法として、紫外光のパルスレーザーを細胞に照射して遺伝子発現に変調を加える方法も知られている。しかし、この方法では、強力な紫外光を照射するため、やはり細胞の損傷が避けられないことが問題となっている。



従来より、医学、農学を始めとする分野において、生物個体に部位特異的遺伝子組換えを引き起こさせることが行われており、そのための様々な遺伝子工学的手法が開発されている。



部位特異的遺伝子組換えを行う方法としては、部位特異的遺伝子組換え酵素Creと組換え標的配列を含むベクターを用いる遺伝子工学的手法が知られている。これらの方法では、目的とする遺伝子と構成的プロモーターを、組換え標的配列で挟まれた転写抑制カセットによって隔離しておき、部位特異的遺伝子組換え酵素遺伝子の作用によって、二つの組換え標的配列によって挟まれた転写抑制カセットが組換えられ、除かれる。そして、これによりプロモーターが目的遺伝子の転写を始める。部位特異的組換え酵素遺伝子は、何らかの発現誘導があった場合のみ活性化されるので、二つの組換え標的配列に挟まれた部位が除去されるためには、任意組織で部位特異的組換え酵素遺伝子のような特定遺伝子の発現を限定するプロモーターが必要である。しかし、あらゆる細胞や組織についてこのような特定部位で作用するプロモーターを得ることはほとんど不可能であり、任意の局所領域における特異的遺伝子組換えは、事実上不可能であった。



そこで、この出願の発明は、以上の通りの事情に鑑みてなされたものであり、従来技術の問題点を解消し、任意の局所領域において遺伝子発現を起こさせる方法を提供することをその課題としている。



この出願の発明は、上記の課題を解決するものとして、以下の局所的遺伝子発現調節法等を提供する。
<1>構成的プロモーターの下流に組換え標的配列、転写抑制カセット、熱ショックプロモーター、部位特異的組換え酵素遺伝子、組換え標的配列が順に存在しており、最下流に目的遺伝子が存在する構造を有する熱誘導ベクターが導入された形質転換細胞を保有する非ヒト生物個体の局所領域に赤外線レーザーを選択的に照射して、局所領域の温度を上昇させることにより、熱ショックによる部位特異的遺伝子組換えを引き起こし、目的遺伝子を発現させることを特徴とする局所的遺伝子発現調節法。
<2>熱誘導ベクターにおける部位特異的組換え酵素遺伝子がCreであり、組換え標的配列がloxPであることを特徴とする請求項1の局所的遺伝子発現調節法。
<3>赤外線レーザーの局所的照射が、少なくとも赤外線レーザー発信装置、顕微鏡、および対象非ヒト生物個体を装着する試料台からなる赤外線レーザー顕微鏡システムを用いて行われることを特徴とする請求項1または2の局所的遺伝子発現調節法。
<4>非ヒト生物個体に導入される熱誘導ベクターであって、構成的プロモーターの下流に組換え標的配列、転写抑制カセット、熱ショックプロモーター、部位特異的組換え酵素遺伝子、組換え標的配列が順に存在しており、最下流に目的遺伝子が存在する構造を有することを特徴とする熱誘導ベクター。
<5>部位特異的組換え酵素遺伝子がCreであり、組換え標的配列がloxPであることを特徴とする熱誘導ベクター。
<6>請求項4または5に記載の熱誘導ベクターが導入された形質転換細胞を保有する非ヒト生物個体。

産業上の利用分野


この出願の発明は、生物個体に部位特異的に遺伝子組換えを引き起こさせる遺伝子工学的手法に関するものである。さらに詳しくは、この出願の発明は、生物個体の局所領域に赤外線レーザーを照射することにより部位特異的遺伝子組換えを引き起こさせる遺伝子工学的手法に関するものである。

特許請求の範囲 【請求項1】
構成的プロモーターの下流に組換え標的配列、転写抑制カセット、熱ショックプロモーター、部位特異的組換え酵素遺伝子、組換え標的配列が順に存在しており、最下流に目的遺伝子が存在する構造を有する熱誘導ベクターが導入された形質転換細胞を保有する非ヒト生物個体の局所領域に赤外線レーザーを選択的に照射して、局所領域の温度を上昇させることにより、熱ショックによる部位特異的遺伝子組換えを引き起こし、目的遺伝子を発現させることを特徴とする局所的遺伝子発現調節法。

【請求項2】
熱誘導ベクターにおける部位特異的組換え酵素遺伝子がCreであり、組換え標的配列がloxPであることを特徴とする請求項1の局所的遺伝子発現調節法。

【請求項3】
赤外線レーザーの局所的照射が、少なくとも赤外線レーザー発信装置、顕微鏡、および対象非ヒト生物個体を装着する試料台からなる赤外線レーザー顕微鏡システムを用いて行われることを特徴とする請求項1または2の局所的遺伝子発現調節法。

【請求項4】
非ヒト生物個体に導入される熱誘導ベクターであって、構成的プロモーターの下流に組換え標的配列、転写抑制カセット、熱ショックプロモーター、部位特異的組換え酵素遺伝子、組換え標的配列が順に存在しており、最下流に目的遺伝子が存在する構造を有することを特徴とする熱誘導ベクター。

【請求項5】
部位特異的組換え酵素遺伝子がCreであり、組換え標的配列がloxPであることを特徴とする熱誘導ベクター。

【請求項6】
請求項4または5に記載の熱誘導ベクターが導入された形質転換細胞を保有する非ヒト生物個体。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP1999322481thum.jpg
出願権利状態 登録
参考情報 (研究プロジェクト等) さきがけ 形とはたらき 領域
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