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生体分子に関する形態及び情報をIS-FETを利用して検出する測定法およびシステム コモンズ

国内特許コード P08S000163
整理番号 N051P24
掲載日 2009年2月27日
出願番号 特願2006-511311
登録番号 特許第4734234号
出願日 平成17年3月23日(2005.3.23)
登録日 平成23年4月28日(2011.4.28)
国際出願番号 JP2005005289
国際公開番号 WO2005090961
国際出願日 平成17年3月23日(2005.3.23)
国際公開日 平成17年9月29日(2005.9.29)
優先権データ
  • 特願2004-088133 (2004.3.24) JP
発明者
  • 大竹 才人
  • 宇野 毅
  • 浜井 知歩
  • 田畑 仁
  • 川合 知仁
出願人
  • 独立行政法人科学技術振興機構
発明の名称 生体分子に関する形態及び情報をIS-FETを利用して検出する測定法およびシステム コモンズ
発明の概要

簡便に、効率よく生体分子との相互作用を検出するための技術を開発すること。DNAなどの核酸分子を簡便に、効率よく検出する技術を開発すること。
非ケイ素酸化物を用いたゲート電極に生体分子を固定することができる技術を見出したことによって上記課題は解決された。従って、本発明は以下を提供する。生体分子と、非ケイ素酸化物とを含む、ゲート電極;生体分子が固定された、非ケイ素酸化物を含むゲート電極を作製する方法であって、A)非ケイ素酸化物を含むゲート電極を提供する工程;B)該非ケイ素酸化物にアミノシラン含有物質を結合させる工程;C)該アミノシラン含有物質と、該アミノシラン含有物質のアミノ基と反応し得るクロスリンカーを結合させて中間体を形成工程;およびD)該中間体に生体分子を結合させる工程、を包含する、方法。

従来技術、競合技術の概要


生体分子を、半導体技術を用いて測定および検出するための技術開発が近年盛んである。特に、DNAデバイスなどの、バイオ技術とナノテク技術との融合技術の研究開発が盛んに行われている。



生体分子を測定するためには、例えば、ハイブリダイゼーションなどの生体特異的反応を利用することが多い。塩基の正確な対合によってDNAが2本鎖を形成するハイブリダイゼーションプロセスは、バイオテクノロジーの分野における重要な反応である。この反応を効率的に利用した生体情報デバイスは、ポストゲノムシークエンス時代のキーテクノロジーとして注目されている。デバイスの機能および不均一系のハイブリダイゼーション反応の効率的分子認識を行う遺伝子検出システムの開発に注目が集まっている。



従来開発されてきた遺伝子検出システムには、蛍光標識法、QCM法(=水晶発振子マイクロバランス測定法(Quarts Crystal Microbalance);水晶振動子の電極表面に物質が付着するとその質量に応じて共振周波数が変動する)、SPR法(表面プラズモン共鳴法)、電気化学的検出法等が挙げられる。中でも、電気化学的遺伝子検出法は、システムが簡単であること、シグナル応答が速い、さらに低価格化が可能であることなどから近年実用化に向けた開発が活発になっている。



電気化学的な手法には、酸化還元活性分子、酵素標識、金属粒子を利用した方法などマーカー分子の電気化学シグナルを検出する方法が中心に研究が行われている。DNAの構成分子そのものの酸化還元活性などを利用した方法、電極界面の表面ポテンシャルの変化をシグナルとして捉えたダイレクトな遺伝子検出法の開発も近年報告されている。



IS-FETは、ゲート絶縁体(インシュレーター)/電極近傍、界面の表面ポテンシャルの変化にセンシティブなデバイスとして知られており、種々のデバイスの開発が報告されている(非特許文献1~2および特許文献1~7)。生体分子への応用が報告されているが、その感度・取り扱いには、まだまだ問題が多い。



例えば、非特許文献1では、ケイ素表面をアルキル化してDNAを結合させた素子を使用しているが、この形態の素子では、サンプルを常に流しておく必要があり、複雑な構成を必要とする。



非特許文献2でもまた、ゲート電極に金属を使用した素子を使用する。この形態の素子では、サンプルを常に流動状態を維持しておく必要があり、複雑な構成、手順を必要とする。



特許文献1もまた、ケイ素酸化物を使用したFETに生体分子を結合させた半導体を利用したバイオセンサを開示する。しかし、ケイ素酸化物を用いたFETは、感度が低いことが指摘されている。



特許文献2には、DNAを利用したナノデバイスが開示されている。しかし、酸化物を素子には使用していない。



特許文献3には、DNAを表面に結合した金属粒子がゲート絶縁膜に結合した素子が開示されている。しかし、金属粒子がゲート絶縁膜に結合する方法では、結合が安定せず、その取り扱いも不安定である。



特許文献4には、FETに生体分子を用いた回路が記載されているが、生体分子はケイ素酸化物に結合されており、上記と同様の問題が生じる。



特許文献5には、電極にDNAプローブが結合した検査装置が開示されている。しかし、この装置は電気化学発光の検出に基づいており、電流電圧特性を検出するものではない。



特許文献6には、核酸配列決定のために電界効果トランジスタを利用する技術が記載されているが、ゲート電極に孔を空ける構造を記載するのみであり、ゲート電極自体には改良がなされていない。



特許文献7には、電気化学法を用いたバイオマイクロアレイが記載されているが、ゲート電極に関する改良は何ら記載されていない。



特許文献8には、分子化合物のハイブリダイゼーションを定量化するためのシステムが記載されているが、ここで使用されている担体はガラスなどのケイ素酸化物が例示されているのみである。



特許文献9は、半導体センシングデバイスを開示する。ここでは、シリコン基板に有機単分子修飾表面を載せて生体分子を含ませたチップが記載されている。しかし、二酸化ケイ素より誘電率の高い絶縁体が使用されているかどうか記載されておらず、しかも、酵素が使用されているだけである。



特許文献10は、ZnOという低誘電率の材料を用いたセンサを開示する。従って、二酸化ケイ素より誘電率の高い絶縁体を用いたゲート電極の使用は記載されていない。



特許文献11は、タンパク質の固定方法を記載する。しかし、生体分子と、二酸化ケイ素より誘電率の高い絶縁体である非ケイ素酸化物とを含む、ゲート電極は記載されていない。また、核酸については何ら記載していない。



特許文献12は、酸化タンタル水素イオン感知膜を有する感イオン電界効果トランジスタの製造法を記載する。しかし、生体分子と、二酸化ケイ素より誘電率の高い絶縁体である非ケイ素酸化物とを含む、ゲート電極は記載されていない。



特許文献13は、半導体バイオセンサを記載する。しかし、生体分子と、二酸化ケイ素より誘電率の高い絶縁体である非ケイ素酸化物とを含む、ゲート電極は記載されていない。



非特許文献3は、FETセンサを記載する。しかし、生体分子と、二酸化ケイ素より誘電率の高い絶縁体である非ケイ素酸化物とを含む、ゲート電極は記載されていない。

【非特許文献1】Wei F.et al.,Biosensors and Bioelectronics 18(2003)1157-1163

【非特許文献2】KIM D-S.et al.,Jpn.J.Appl.Phys.Vol.42(2003)4111-4115

【非特許文献3】電気化学および工業物理化学Vol.50、No.1、pp64-71.(1982)

【特許文献1】特開2003-329638

【特許文献2】特開2003-37313

【特許文献3】特開2003-322633

【特許文献4】特開2004-7572

【特許文献5】国際公開00/01848パンフレット

【特許文献6】特表2003-531592

【特許文献7】特開2003-90818

【特許文献8】特表2003-526096

【特許文献9】特開2004-4007

【特許文献10】国際公開03/104789パンフレット

【特許文献11】特開平6-9698

【特許文献12】特開平5-107224

【特許文献13】特開2003-329638

産業上の利用分野


本発明は、概して、半導体の分野にある。より詳細には、本発明は、半導体素子を用いて生体分子を測定するための方法およびシステムに関する。

特許請求の範囲 【請求項1】生体分子と、二酸化ケイ素より誘電率の高い絶縁体である非ケイ素酸化物とを含む、ゲート電極であって、該生体分子は、PNAを含み、
該非ケイ素酸化物は、酸化タンタル(Ta)であり、
該非ケイ素酸化物は、アミノシラン化合物による結合により該生体分子に固定される、ゲート電極。
【請求項2】前記非ケイ素酸化物は膜状形態をしている、請求項1に記載のゲート電極。
【請求項3】前記非ケイ素酸化物と、前記生体分子とは-O-(SiR)-(CH-NH(CH-NH-O-(CH-O-CH-NH-というリンカーで結合され、ここで、n、mおよびkはそれぞれ独立して任意の正の整数であり、RおよびRは、独立して、任意の置換基または該リンカーと同じ構造を有する別のリンカーのSi原子である、請求項1に記載のゲート電極。
【請求項4】前記生体分子は、他の生体分子と特異的相互作用をする能力を有する、請求項1に記載のゲート電極。
【請求項5】前記生体分子は、一本鎖または二本鎖の形態で存在する、請求項1に記載のゲート電極。
【請求項6】前記生体分子は、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で他の生体分子とハイブリダイゼーションする能力を有する、請求項1に記載のゲート電極。
【請求項7】前記生体分子は、無電荷またはほとんど電荷がないことを特徴とする、請求項1に記載のゲート電極。
【請求項8】前記生体分子は、疾患または障害の診断のためのプローブである、請求項1に記載のゲート電極。
【請求項9】前記生体分子は、1塩基多型(SNPs)を検出するためのプローブである、請求項1に記載のゲート電極。
【請求項10】生体分子と、二酸化ケイ素より誘電率の高い絶縁体である非ケイ素酸化物とを含むゲート電極が、半導体素子上に一体化された、電界効果トランジスタであって、
該生体分子は、PNAを含み、
該非ケイ素酸化物は、酸化タンタル(Ta)であり、
該非ケイ素酸化物は、アミノシラン化合物による結合により該生体分子に固定される
電界効果トランジスタ。
【請求項11】前記半導体素子は、基板と、ソース部と、ドレイン部とを含む、請求項10に記載の電界効果トランジスタ。
【請求項12】前記トランジスタは、pチャネル型またはnチャネル型であり、そして、エンハンスメント型またはディプリション型である、請求項10に記載の電界効果トランジスタ。
【請求項13】前記ソース部および前記ドレイン部は、絶縁体で覆われる、請求項1に記載の電界効果トランジスタ。
【請求項14】前記ソース部からの電流を引き出すソース引き出し電極、前記ドレイン部からの電流を引き出すドレイン引き出し電極、前記基板からの電流を引き出す基板引き出し電極、前記ゲート電極由来の電流を引き出すためのゲート引き出し電極をさらに備える、請求項1に記載の電界効果トランジスタ。
【請求項15】前記ゲート電極は、電解液に浸される、請求項10に記載の電界効果トランジスタ。
【請求項16】前記ゲート引き出し電極は、Ag/AgClを含む、請求項1に記載の電界効果トランジスタ。
【請求項17】前記基板は、Siを含む、請求項1に記載の電界効果トランジスタ。
【請求項18】前記非ケイ素酸化物は膜状形態をしている、請求項10に記載の電界効果トランジスタ。
【請求項19】前記非ケイ素酸化物と、前記生体分子とは-O-(SiR)-(CH-NH(CH-NH-O-(CH-O-CH-NH-というリンカーで結合され、ここで、n、mおよびkはそれぞれ独立して任意の正の整数であり、RおよびRは、独立して、任意の置換基または該リンカーと同じ構造を有する別のリンカーのSi原子である、請求項10に記載の電界効果トランジスタ。
【請求項20】前記生体分子は、他の生体分子と特異的相互作用をする能力を有する、請求項10に記載の電界効果トランジスタ。
【請求項21】前記生体分子は、一本鎖または二本鎖の形態で存在する、請求項10に記載の電界効果トランジスタ。
【請求項22】前記生体分子は、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で他の生体分子とハイブリダイゼーションする能力を有する、請求項10に記載の電界効果トランジスタ。
【請求項23】前記生体分子は、無電荷またはほとんど電荷がないことを特徴とする、請求項10に記載の電界効果トランジスタ。
【請求項24】前記生体分子は、疾患または障害の診断のためのプローブである、請求項10に記載の電界効果トランジスタ。
【請求項25】前記生体分子は、1塩基多型(SNPs)を検出するためのプローブである、請求項10に記載の電界効果トランジスタ。
【請求項26】以下:
A)請求項10~25のいずれか1項に記載の電界効果トランジスタと、
B)電気信号検出手段
とを備える、該生体分子との相互作用を検出するためのセンサ。
【請求項27】生体分子が固定された、非ケイ素酸化物を含むゲート電極を作製する方法であって、該生体分子は、PNAを含み、該非ケイ素酸化物は、酸化タンタル(Ta)であり、該方法は:
A)非ケイ素酸化物を含むゲート電極を提供する工程;
B)該非ケイ素酸化物にアミノシラン含有物質を結合させる工程;
C)該アミノシラン含有物質と、該アミノシラン含有物質のアミノ基と反応し得るクロスリンカーを結合させて中間体を形成工程;および
D)該中間体に生体分子を結合させる工程、
を包含する、方法。
【請求項28】前記アミノシラン含有物質は、ω’-アミノアルキルトリアルコキシシランを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項29】前記アミノシラン含有物質は、3’-アミノプロピルトリエトキシシランを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項30】前記アミノシラン含有物質を結合させる前に、前記酸化タンタル(Ta)を酸処理する工程をさらに包含する、請求項2に記載の方法。
【請求項31】前記クロスリンカーは、カルボジイミド類、アルデヒド類またはイミドエステル類を含む、請求項2に記載の方法。
【請求項32】前記クロスリンカーは、アルデヒド含有基を含む、請求項2に記載の方法。
【請求項33】前記クロスリンカーは、グルタルアルデヒドを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項34】前記クロスリンカーの結合は、紫外線照射による架橋によって形成される、請求項27に記載の方法。
【請求項35】前記クロスリンカーを結合させることにより得られた中間体を還元する工程をさらに包含する、請求項2に記載の方法。
【請求項36】前記還元は、NaCNBHを用いて行われる、請求項35に記載の方法。
【請求項37】生体分子との相互作用を検出するための方法であって、
A)該生体分子と、二酸化ケイ素より誘電率の高い絶縁体である非ケイ素酸化物とを含む、ゲート電極が半導体素子上に一体化された、電界効果トランジスタを提供し、電流-電圧(I-V)特性を測定する工程であって、該生体分子は、PNAを含み、該非ケイ素酸化物は、酸化タンタル(Ta)であり、該非ケイ素酸化物は、アミノシラン化合物による結合により該生体分子に固定される、工程;
B)該電界効果トランジスタと、相互作用が生じるに十分な条件下でサンプルとを接触させる工程;
C)該接触後に、該電界効果トランジスタのI-V特性を測定する工程;および
D)該接触前のI-V特性と、該接触後のI-V特性とを比較して、該I-V特性同士の相違から該生体分子との該相互作用を算出する工程、
を包含する、方法。
【請求項38】前記I-V特性は、静特性飽和電流値または伝達特性閾値電圧を含む、請求項3に記載の方法。
【請求項39】前記検出は、遺伝子状態の異常またはそれに起因する疾患もしくは障害を検出することを目的とする、請求項3に記載の方法。
【請求項40】A)生体分子と、二酸化ケイ素より誘電率の高い絶縁体である非ケイ素酸化物とを含むゲート電極が半導体素子上に一体化された、電界効果トランジスタであって、該生体分子は、PNAを含み、該非ケイ素酸化物は、酸化タンタル(Ta)であり、該非ケイ素酸化物は、アミノシラン化合物による結合により該生体分子に固定される、電界効果トランジスタと、
B)該電界効果トランジスタが露出するように配置された、サンプルを収容するための容器と、
C)該電界効果トランジスタと電気的に結合する電気信号検出手段と、
D)該電気信号検出手段と電気的に結合する電流-電圧(I-V)特性を算出する手段とを備える、生体分子との相互作用を検出するためのシステム。
【請求項41】さらに、I-V特性に基づいて、該生体分子との該相互作用を算出する手段を備える、請求項40に記載のシステム。
【請求項42】前記検出は、遺伝子状態の異常またはそれに起因する疾患もしくは障害を検出することを目的とし、前記相互作用と、該遺伝子状態とを相関付けるための手段を備える、請求項40に記載のシステム。
産業区分
  • 試験、検査
  • 治療衛生
国際特許分類(IPC)
画像

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出願権利状態 権利存続中
参考情報 (研究プロジェクト等) CREST 医療に向けた自己組織化等の分子配列制御による機能性材料・システムの創製 領域
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