TOP > 国内特許検索 > 酸性糖を利用する多糖類からの単糖もしくはオリゴ糖の製造方法

酸性糖を利用する多糖類からの単糖もしくはオリゴ糖の製造方法

国内特許コード P08A014281
整理番号 中央大114
掲載日 2009年3月6日
出願番号 特願2008-148268
公開番号 特開2009-011317
登録番号 特許第5318468号
出願日 平成20年6月5日(2008.6.5)
公開日 平成21年1月22日(2009.1.22)
登録日 平成25年7月19日(2013.7.19)
優先権データ
  • 特願2007-152153 (2007.6.7) JP
発明者
  • 船造 俊孝
  • 石井 達夫
出願人
  • 学校法人 中央大学
発明の名称 酸性糖を利用する多糖類からの単糖もしくはオリゴ糖の製造方法
発明の概要

【課題】デンプンのような中性多糖類を、超臨界水法に比べて低温かつ低圧で加水分解することができ、酵素や硫酸などを添加せず、加水分解処理の後に中和、脱塩操作などを行わない、効率的で高収率の単糖類、オリゴ糖の製造方法を提供する。
【解決手段】中性多糖類に酸性糖を併存させて水熱反応させ、前記中性多糖類を加水分解する単糖もしくはオリゴ糖の製造方法。
【選択図】なし

従来技術、競合技術の概要


天然多糖類は食品、医薬品、滋養品分野で広く利用されている。各目的のためには可溶化、あるいは重合度を調節する必要があり、加水分解反応による低重合度化、すなわち、糖化によって単糖ないしはオリゴ糖とすることが求められている。また、これら天然多糖類を含む廃棄物は外食産業や日常生活においても多量発生するが、そのままでは含水率が高く、腐敗性もあり、その資源化は難しい。しかしこれら廃棄物中の多糖類を効率よく糖化できれば、その糖化液はエタノール発酵や乳酸発酵などにより、エタノールや乳酸などの化学原料、あるいはその化学原料から燃料物質への変換を図ることが可能となる。
そのため、天然多糖類の効率の良い低分子化、糖化の技術が求められている。前記の発酵工程のためには、糖化後の後処理である酸の中和や、その際生成する塩の脱塩処理の負担が少ないほど有効な糖化法と考えられる。



従来、デンプン等の多糖類の分解法には、(1)酸加水分解、(2)酵素加水分解(例えば非特許文献1及び2を参照)、(3)亜臨界水または超臨界水による加水分解(例えば特許文献1参照)、(4)炭酸ガスを加圧含有させた熱水により加水分解する方法(例えば特許文献2及び3を参照)等の方法が知られている。
上記の(1)~(4)の方法は、それぞれ次のようにそれぞれ一長一短がある。
(1)の酸加水分解法は、塩酸、硫酸などの酸を用いて分解する方法である。この方法は、常温付近あるいは若干加温することにより常圧で操作することができるが、処理時間が比較的長く、処理後に酸の除去または中和、脱塩操作が必要である。(2)の酵素加水分解法は、酵素を用いるためコストがかかり、処理時間も長くなる。また、多糖類の種類に合わせて適切な酵素を選択する必要があり、不適切な酵素を用いると充分に分解することができない。(3)の亜臨界水または超臨界水による加水分解法は、セルロースの分解方法である。これは、水の臨界温度(374℃)より高い温度の超臨界水または臨界温度より低い亜臨界水中で高速加水分解を行う方法である。なお、セルロースとデンプンとは、共にグルコースが重合した天然多糖類であるが、化学構造が異なるため物理的、化学的性質が全く異なる。そのため超臨界水中などの高温条件を必要とする。しかし、この方法はまだ実験・研究段階で、実用化されていない。また、処理時間は非常に速いが、高温、高圧操作のため生成した単糖類(グルコース)の二次分解を抑制することが難しく、単糖類収率は低くその分解生成物の方が多くなるという難点がある。また、分解生成物の中でも、特に副生する5-HMF(5-ヒドロキシメチルフルフラール)は発酵を阻害する原因となる。(4)の熱水に二酸化炭素を加圧して含有させる方法は、後処理の中和、脱塩工程の必要がないが、高圧条件下のため、高圧環境を必要とする。また、特許文献3にはアガロースやアルギン酸などの多糖類を加水分解する方法が記載されているが、この方法は単に多糖類を分解することにのみ注目しているため、反応時間が数時間と長く、単糖類収率や単糖類の二次分解を抑えて5-HMFの副生を抑制することについては何ら考慮されていない。
したがって、後処理除去処理を必要とするような塩酸、硫酸などの無機酸やその塩を添加しない方法、反応条件を高温高圧にする必要がない糖化方法の開発が望まれている。また、加水分解した溶液をそのまま発酵原料として用いることを考慮すると、できるだけ副生物の生成を少なくして単糖やオリゴ糖の収率を高くする方法の開発が強く望まれている。

【非特許文献1】Shiro Saka and Tomonori Ueno,“Chemical conversion of various celluloses to glucose and its derivatives in supercritical water”,Cellulose,6,p.177-191(1999)

【非特許文献2】Ortwin Bobleter,“Hydrothermal degradation of polymers derived from plant”,Prog.Polym.Sci.,19,p.797-841(1994)

【特許文献1】特開2002-20401号公報

【特許文献2】国際公開WO2005/049869A1

【特許文献3】特開2005-110675号公報

産業上の利用分野


本発明は、中性多糖類を熱水にて加水分解するに当たり、水溶液中に無機酸や無機塩を添加しないで酸性糖を添加することにより、目的の単糖やオリゴ糖を低温、低圧で製造する方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
中性多糖類100質量部対し、酸性糖を10~1000質量部併存させて水熱反応させ、前記中性多糖類を加水分解する単糖もしくはオリゴ糖の製造方法であって、
前記酸性糖は前記中性多糖類の加水分解を促進し、且つ、前記中性多糖類とともに前記酸性糖が加水分解されることを特徴とする、製造方法

【請求項2】
前記中性多糖類が、デンプン、寒天、グアーガム、グルコマンナン及びキシランからなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1記載の単糖もしくはオリゴ糖の製造方法。

【請求項3】
前記酸性糖が、ウロン酸を含む多糖であることを特徴とする請求項1又は2に記載の単糖類もしくはオリゴ糖類の製造方法。

【請求項4】
前記ウロン酸を含む多糖が、ポリガラクツロン酸、アルギン酸、ヘパリン、ヒアルロン酸、コンドロイチン及びU-フコダインからなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項記載の単糖類もしくはオリゴ糖類の製造方法。

【請求項5】
原料の前記多糖類として、炭水化物を含む食品廃棄物、木材または紙を用いる請求項1記載の単糖もしくはオリゴ糖の製造方法。
産業区分
  • 食品
国際特許分類(IPC)
画像

※ 画像をクリックすると拡大します。

22788_01SUM.gif
出願権利状態 権利存続中
参考情報 (研究プロジェクト等) 中央大学 理工学部 応用化学科 環境資源工学研究室
ライセンスをご希望の方、特許の内容に興味を持たれた方は、下記までご連絡ください


PAGE TOP

close
close
close
close
close
close
close