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アクチン結合蛋白質l-アファディン 実績あり

国内特許コード P000000606
整理番号 E041P08
掲載日 2003年10月21日
出願番号 特願平09-257043
公開番号 特開平11-089572
登録番号 特許第3657751号
出願日 平成9年9月22日(1997.9.22)
公開日 平成11年4月6日(1999.4.6)
登録日 平成17年3月18日(2005.3.18)
発明者
  • 高井 義美
  • 中西 宏之
  • 萬代 研二
  • 和田 学
  • 尾葉石 浩
出願人
  • 国立研究開発法人科学技術振興機構
  • JCRファーマ株式会社
  • エーザイ・アール・アンド・ディー・マネジメント株式会社
発明の名称 アクチン結合蛋白質l-アファディン 実績あり
発明の概要 【課題】 カドヘリン性細胞-細胞密着結合に局在する新規なアクチン結合蛋白質と、この蛋白質を産業上利用するための遺伝子材料を提供する。
【解決手段】 列番号1のアミノ酸配列または配列番号1と実質的に同一のアミノ酸配列を有するアクチン結合蛋白質l-アファディンと、この蛋白質をコードするcDNA配列ならびにこのcDNA配列またはその一部配列がハイブリダイズするゲノムDNA配列、およびl-アファディンを特異的に認識する抗体。
従来技術、競合技術の概要


動物個体における様々な細胞現象、例えば、細胞接着、細胞運動および細胞の形状決定等においては、細胞接着分子、受容体およびチャンネル等の膜貫通蛋白質によって形成される接着装置が重要な役割を果たしており、これらの接着装置は、しばしばアクチン性細胞骨格と結合することが知られている(Biochem. Biophys. Acta 737:305-341, 1983; Curr. Opin. Cell Biol. 1:103-109, 1989; Cell Motil. Cytoskeleton. 20:1-6, 1991; Curr. Opin. Cell Biol. 3:849-853, 1991; Science. 258:955-964, 1992; Curr. Opin. Cell Biol. 4:834-839, 1992; Curr. Opin. Cell Biol. 5:653-660, 1993; Trends Biochem. Sci. 22:53-58, 1997 )。従って、アクチン性細胞骨格と細胞質膜とは上記細胞現象において重要な役割を果たしており、それ故アクチン性細胞骨格を膜貫通蛋白質に結合させる生体分子の特定に多大な努力が払われてきた。しかしながら、アクチン性細胞骨格と細胞質膜との結合に関する分子的基礎については、今だ充分に理解されてはいない。



このような細胞結合に係わる分子的基礎を理解するため、これまでに細胞接着部位が最も広範に研究された(Biochem. Biophys. Acta 737:305-341, 1983; Curr. Opin. Cell Biol. 1:103-109, 1989; Cell Motil. Cytoskeleton. 20:1-6, 1991; Curr. Opin. Cell Biol. 3:849-853, 1991; Science. 258:955-964, 1992; Curr. Opin. Cell Biol. 4:834-839, 1992; Curr. Opin. Cell Biol. 5:653-660, 1993; Trends Biochem. Sci. 22:53-58, 1997 )。その結果、アクチン線維(F-アクチン)に関連する細胞接着部位が2つのタイプ、すなわち、細胞-細胞接着帯(adherens junctions: AJ)と、細胞-マトリックスAJとに分類されている。細胞-細胞AJにおいては、その細胞外表面でカドヘリン(cadherin)が互いに相互作用しており、多くの結合蛋白質が同定されている(Development 102:639-655, 1988; Cell Motil. Cytoskeleton. 20:1-6, 1991; Science 251:1451-1455,1991; Curr. Opin. Cell Biol. 4:834-839, 1992; EMBO J. 8:1711-1717, 1989; Cell 65:849-857, 1991; Science 251:1451-1455, 1991; Curr. Opin. Cell Biol. 4:834-839, 1992)。これらの結合タンパク質のうち、α-カテニンは、F-アクチンと直接相互作用する(Pro.Natl. Acad. Sci. USA. 92:8813-8817, 1995)と共に、α-アクチニンおよび/またはZO-1を介してF-アクチンに間接的に相互作用している(J. Cell.Biol. 130:67-77, 1995;J. Cell Biol. 138:181-192, 1997 )。また、別のF-アクチン結合蛋白質であるビンキュリン(vinculin)は、細胞-細胞AJに集中していることが知られているが、細胞-細胞AJにおけるその相互作用分子は未だ特定されていない(Cell Motil. Cytoskeleton. 20:1-6, 1991; Curr. Opin. Cell Biol. 4:834-839, 1992)。さらに、細胞外表面においてインテグリン(integrin)がマトリックス蛋白質と相互作用する細胞-マトリックスAJでは、その細胞質ドメインは、α-アクチニン、ビンキュリン、タリン(talin )等のF-アクチン結合蛋白質と、直接または関節的に相互作用している(Ann. Rev. Cell Dev. Biol. 11:379-416, 1995)。



以上のとおり、多くのF-アクチン結合蛋白質が、アクチン性細胞骨格と細胞質膜のカドヘリンおよびインテグリンとの結合因子(linker)として作用していると考えられている。
一方、アクチン性細胞骨格と細胞質膜との結合は、神経細胞に特異的な現象(例えば、成長円錐の伸長やその後のシナプス結合の形成および維持等)にとっても重要である(Neuron 1:761-772, 1988; Science 242:708-715, 1988; Curr. Opin. Neurobiol. 4:43-48, 1994; Curr. Opin. Neurobiol. 4:640-647, 1994; Cell 83:171-176, 1995)。しかしながら、これらの神経細胞に特異的な現象において、どのような分子がアクチン性細胞骨格を細胞質膜に結合させているかは明らかではない。



この点を明らかにするため、この出願の発明者等は、ラットの脳から幾つかの新規なF-アクチン結合蛋白質を単離し、特に神経細胞に特異的で、シナプスに多く存在する蛋白質の構造を解析し、既に特許出願している(特願平9-92615号)。この先願発明の蛋白質(以下、発明者等の命名に従って「ニューラビン」(neurabin) と記載する)は、1つのF-アクチン結合ドメインと、1つのPDZドメインを有している。PDZドメインは様々な蛋白質に見出されており、そのうちの幾つかは細胞間結合に局在している。例えば、シナプス結合におけるPSD-95/SAP90(Neuron. 9:929-942, 1992; J. Biol. Chem. 268:4580-4583, 1993 )、隔膜結合におけるDlg(Cell. 66:451-464, 1991)、密着結合におけるZO-1およびZO-2(J. Cell Biol. 193:755-766, 1986; Proc. Natl. Acad. Sci. USA. 88:3460-3464, 1991; J. Cell Biol. 121:491-502, 1993; J. Cell Biol. 123:1049-1053, 1993; Proc. Natl. Acad. Sci. USA. 90:7834-7838, 1993; J. Cell Biol. 124:949-961, 1994)等である。また、最近の研究から、PDZドメインは標的蛋白質のユニークなC-末端モチーフに結合することが明らかにされたが(Trends Biochem. Sci. 21:455-458, 1996 )、このモチーフは、N-methyl-D-aspartate受容体やShaker-type K+ チャネル等の多くの膜貫通蛋白質に見出されている(Nature 378:85-88, 1995; Science 269:1737-1740, 1995; J. Neurosci. 16:2157-2163, 1996)。

産業上の利用分野


この発明は、新規なアクチン結合蛋白質l-アファディン(l-Afadin)に関するものである。さらに詳しくは、この発明は、動物の個体形成等に重要な役割を果たす細胞間密着結合に関与する新規動物性蛋白質l-アファディンに関するものである。

特許請求の範囲 【請求項1】
配列番号1のアミノ酸配列からなるアクチン結合蛋白質l-アファディン。

【請求項2】
配列番号1のアミノ酸配列をコードするcDNA。

【請求項3】
請求項1のアクチン結合蛋白質l-アファディンの部分ペプチドを抗原として作成された抗体であって、請求項1のアクチン結合蛋白質l-アファディンを特異的に認識する抗体。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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出願権利状態 登録
ライセンス状況 通常実施権[S03-02]
参考情報 (研究プロジェクト等) ERATO 高井生体時系プロジェクト 領域
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