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X線回折要素及びその製造方法

国内特許コード P08A014299
整理番号 D94-06P01
掲載日 2009年3月27日
出願番号 特願平09-293891
公開番号 特開平11-133190
登録番号 特許第3604265号
出願日 平成9年10月27日(1997.10.27)
公開日 平成11年5月21日(1999.5.21)
登録日 平成16年10月8日(2004.10.8)
発明者
  • 松原 英一郎
  • 川島 勉
  • 西木 直巳
  • 前田 幸男
  • 岡田 彌
  • 吉村 進
出願人
  • 国立研究開発法人科学技術振興機構
  • 松原 英一郎
  • 松下電器産業株式会社
発明の名称 X線回折要素及びその製造方法
発明の概要 【課題】 発散X線源から出たX線を効率よく集光することができる新たなX線回折要素を提供して、集光点におけるX線強度をより強くする。
【解決手段】 発散X線源からのX線を集光するX線集光装置に使用する、X線をブラッグ反射する結晶面により構成されたX線回折面を有して成るX線回折要素において、X線回折面は、X線源およびX線を集めるべき点を両焦点とする楕円の式を補正した式:
y=b(1-x2/a21/2+xn/k
(尚、a=(b2+L2/4)1/2、b=L・tanθ/2、Lは両焦点間の距離、θはブラッグ角、nは例えば5、kは例えば109である。)により表される曲線の一部分を両焦点を通過する直線を回転軸として回転させることにより得られる回転体の表面の一部分を構成する。
従来技術、競合技術の概要


従来、X線源から発散されるX線を集光するために、X線集光装置において湾曲結晶を用いたX線回折要素が用いられている。そのような湾曲結晶としては、一次元的に湾曲させたsingly-bent型結晶および二次元的に湾曲させたdoubly-bent型結晶がある。



singly-bent型結晶を用いてX線を集光する場合、点状光源から出たX線は、線状に集められるため、別のsingly-bent型結晶を用いて線状に集められたX線を点状に集める必要がある。これに対して、doubly-bent型結晶を用いてX線を集光する場合、一つの結晶で点状に集光させることができる。



singly-bent型結晶を2つ組み合わせた光学系では、singly-bent型系に入射するX線の立体角が小さく、X線源から出たX線の大部分を集光できない。また、2つの結晶を用いて2回ブラッグ反射させるため、集められたX線の強度低下が大きい。更に、この光学系は、X線源から集光点までの距離が長くなり、そのため間に存在する空気によって吸収されるX線の量が増えるので、集められたX線の強度は一層弱くなる。このように、singly-bent型結晶を組み合わせた光学系では、X線の集光は可能であるが、集められたX線の強度はそれほど強くない。



結晶を二次元的に湾曲させたdoubly-bent型結晶を用いる場合、singly-bent型結晶と比べると、結晶に入射するX線の立体角が大きくとれ、また、1回のブラッグ反射で集光できるため、singly-bent型結晶を用いる場合より強いX線強度を達成できる。このようなdoubly-bent型結晶を複数組み合わせてトロイダル形状にすることにより、X線源から出たX線の相当部分を集光できるため、集光したX線の強度を更に強くすることができる。尚、「トロイダル形状」とは、有限長さを有する曲線をそれを含まない軸の回りで360°回転させることにより得られる形状を意味するものとして使用している。



湾曲結晶の具体的な態様として、図3(a)に示すようなヨハン型形状1、あるいは図3(b)に示すようなヨハンソン型形状2がsingly-bent型結晶用として提案されている。また、ヨハン型またはヨハンソン型形状をX線源(S)と集光点(F)を結ぶ直線を回転軸として部分的に回転させることによりdoubly-bent型形状が得られ、360゜回転することによりトロイダル形状を有するdoubly-bent型のX線回折要素が得られる。



このような湾曲結晶を得るには結晶を曲げる必要があり、そのために、結晶の弾性変形、あるいは塑性変形が利用されている。例えば水晶またはシリコン結晶の場合は、薄い結晶を2枚の金属板の間に挟み、これらを長手方向に徐々に圧力を加えながら横断方向に曲げて弾性変形させることにより結晶を湾曲させることができる。また、フッ化リチウム結晶の場合は、加熱した油の中で結晶を曲げて均一に塑性変形させることができる。
別法として、特開平4-120500号公報ではトロイダル形状の内側面を粉末結晶により形成したX線集光装置用回折要素が提案されている。

産業上の利用分野


本発明は、微小領域X線分析、X線透過検査、X線顕微鏡、X線露光装置に用いられるX線集光装置、特にX線源から発散されるX線を実質的に点状に集めてX線の強度を増やすX線集光装置に用いるX線回折要素に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
発散X線源からのX線を集光するX線集光装置に使用する、X線をブラッグ反射する結晶面により構成されたX線回折面を有して成るX線回折要素であって、X線回折面は、X線源およびX線を集めるべき点を両焦点とする楕円の式:
y=b(1-x2/a21/2
(式中、a=(b2+L2/4)1/2、b=L・tanθ/2であり、Lは両焦点間の距離、θはブラッグ角である。)
に補正項としてxn/kを加えた式:
y=b(1-x2/a21/2+xn/k
(式中、nは正の整数であり、kは0より大きい任意の数である。)
により表される補正楕円曲線の少なくとも一部分を両焦点を通過する直線(即ち、x軸)を回転軸として回転させることにより得られる回転体の表面の少なくとも一部分を実質的に構成すること
を特徴とするX線回折要素。

【請求項2】
nは、1以上の奇数である請求項1記載の要素。

【請求項3】
結晶面は、グラファイトのモザイク結晶面である請求項1または2記載の要素。

【請求項4】
モザイク結晶面のモザイクスプレッドは0.1~8°の範囲である請求項3記載の要素。

【請求項5】
X線発散源および請求項1~4のいずれかに記載のX線回折要素を有して成るX線集光装置であって、X線発散源は一方の焦点に配置され、X線回折要素は、そのX線回折面がそれを導出した回転補正楕円体の表面の少なくとも一部分と一致するように配置され、発散されたX線は他方の焦点またはその近傍に集められることを特徴とする装置。

【請求項6】
X線回折要素の形成方法であって、トロイダル形状の表面の少なくとも一部分に対応する面を有する樹脂製の面状支持体を形成し、その支持体の外側の主表面にX線をブラッグ反射する少なくとも1つの結晶片を取り付けて、結晶片が支持体のトロイダル形状の表面の少なくとも一部分に実質的に対応するトロイダル形状の表面部分を形成するようにするX線回折要素の形成方法。

【請求項7】
トロイダル形状は、請求項1記載の補正楕円曲線の一部分をx軸の回りで回転させることにより得られる形状である請求項6記載の方法。

【請求項8】
請求項6または7記載の方法によって形成されるX線回折要素。
国際特許分類(IPC)
画像

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JP1997293891thum.jpg
出願権利状態 登録
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