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回折格子

国内特許コード P08P006256
整理番号 21039
掲載日 2009年3月27日
出願番号 特願2007-230492
公開番号 特開2009-063754
登録番号 特許第5468195号
出願日 平成19年9月5日(2007.9.5)
公開日 平成21年3月26日(2009.3.26)
登録日 平成26年2月7日(2014.2.7)
発明者
  • 海老塚 昇
  • 大谷 知行
出願人
  • 国立研究開発法人理化学研究所
発明の名称 回折格子
発明の概要 【課題】簡潔な構造で高い精度と高い効率とを達成することができるようにした透過型回折格子として用いることが可能な溝型導光格子構造およびその製造方法を提供する。また、作製に手間を必要とせず、小型で薄型のカップラあるいは透過型回折格子として用いることが可能な溝型導光格子構造およびその製造方法を提供する。
【解決手段】固体状の透明媒質よりなる板状体あるいはプリズム形状である溝型導光格子構造であって、上記溝型導光格子構造における上記溝型導光格子構造の外部領域との界面である表面に、複数の溝が隣接して等間隔で並行に、かつ、該溝全体が上記表面に対して垂直あるいは所定の角度傾斜して刻設されているものであり、上記溝は、ダイサーにより刻設するようにした。
【選択図】 図4
従来技術、競合技術の概要



近年、空港等における爆発物や化学物質の遠隔検出手段として、テラヘルツ波の透過観察法が注目されている。こうした観測装置においては、テラヘルツ波発生器の非線形光学結晶に接するように配置されたテラヘルツ波出射用カップラが用いられている。







従来より、テラヘルツ波を発生させる手段として、例えば、ニオブ酸リチウム等の非線形光学結晶に2波長のレーザー光(ポンプ光およびシード光)を同時に入射させて、パラメトリック発振によりテラヘルツ波を発生させるようにした光注入テラヘルツ波パラメトリック発生器(以下、適宜に「is-TPG方式」と称する。)や、非線形光学結晶にフェムト秒レーザー(1フェムト秒=10-15秒)を照射してテラヘルツ波を発生させる光伝導方式が知られており、既に実用化されている。





ここで、上記したis-TPG方式によれば、シード光の波長を選択することにより、当該シード光の波長に応じた任意の周波数のテラヘルツ波を得ることができるものである。





また、上記した光伝導方式の場合は、フェムト秒レーザーが持つ広い帯域中の波長成分間での差周波混合であるため、広い周波数帯域のテラヘルツ波を発生させることができるものである。







ところで、上記したような手法により非線形光学結晶を用いてテラヘルツ波を発生することができるが、テラヘルツ波は非線形光学結晶内での吸収が大きいために、結晶の表面近傍、即ち、非線形光学結晶と外部媒質との界面近傍でテラヘルツ波を発生させる必要がある。





ここで、図1には、上記した従来の手法により非線形光学結晶を用いてテラヘルツ波を発生させた場合の非線形光学結晶内におけるテラヘルツ波の動きを概念的に図示した説明図が示されている。





即ち、is-TPG方式を用いてテラヘルツ波を発生させる場合には、まず、非線形光学結晶100内に外部より所定の波長に調整したポンプ光およびシード光を導入することにより、非線形光学結晶100内でテラヘルツ波を発生させることができる。





そして、このようにして発生したテラヘルツ波は、非線形光学結晶100の表面へ向かって進むものであるが、非線形光学結晶100を形成するニオブ酸リチウムは屈折率が6程度と非常に大きく、また、非線形光学結晶100表面の法線方向から測った場合の臨界角がわずか10度程度と極めて小さいため、非線形光学結晶100と外部媒質(空気または真空)との界面において全反射し、非線形光学結晶100の表面100aにおける臨界角を超えてしまい、非線形光学結晶100内で吸収されて減衰していくため、非線形光学結晶100の外部にテラヘルツ波を取り出せないという問題点があった。





このため、こうしたテラヘルツ波を非線形光学結晶100の外部に取り出すために、界面である非線形光学結晶100の表面100aに中間的な屈折率を有する物質で構成されたプリズム等のカップラを配設するという手法が用いられている。





即ち、非線形光学結晶100の表面100aにカップラを配置することにより、テラヘルツ波を取り出すことが可能となり、こうしたカップラとしては、高抵抗(高純度)シリコンにより形成されたプリズムが多く使用されている。





図2には、高抵抗シリコンにより形成されたプリズムよりなるカップラ102を用いて、非線形光学結晶100内部で発生したテラヘルツ波を非線形光学結晶100の外部へ取り出す際のテラヘルツ波の動きを概念的に図示した説明図が示されている。







ところで、図2に示されるように、非線形光学結晶100に対して大きなシリコンプリズムのカップラ102を用いた場合には、光源サイズが大きくなってしまうため取り扱い難くなるとともに、発生したテラヘルツ波がシリコンに吸収されることにより損失が大きく効率が悪いという問題点があった。





さらに、非線形光学結晶100内において発生するテラヘルツ波は周波数により出射角がわずかに異なるため、すべての周波数を同一方向に導くためには、新たに回折格子等の混合器を設置する必要があるという新たな問題点を招来するものであった。





一方、非線形光学結晶に対してシリコンプリズムのカップラの大きさを小さくした場合には、非線形光学結晶の表面積に合わせて多数のカップラを精度良く整列させる必要があるため、こうした作業は極めて煩雑でありコスト高を招来するという問題点があった。







また、上記したシリコンプリズムのカップラとして、図3に示すように、異方性エッチングにより加工されたシリコンの格子104が用いられている場合にはこうしたシリコンの格子104は光の出射表面104aが階段形状をしており、それぞれのV溝の角度αが72度に固定されるために形状の自由度が少なく、非線形光学結晶100と格子104との界面および格子104と空気あるいは真空などの外部媒質との界面においてフレネル反射損失が生じる等、必ずしも最適な条件で使用することができないという問題点があった。



【非特許文献1】

ayashi、Shin’ichiro;Minamide、Hiroaki;Ikari、Tomofumi;Ogawa、Yuichi;Shikata、Jun-Ichi;Ito、Hiromasa;Otani、Chiko;Kawase、Kodo、“Output power enhancement of a palmtop terahertz-wave parametric generator”、Applied Optics IP、117-123、(2007)

【非特許文献2】

.Kawase、J.Shikata、H.Ito、“TOPICAL REVIEW:Terahertz wave parametric source”、Journal of Physics D:Appl.Phys.、R1-R14、(2001)

産業上の利用分野



本発明は、回折格子に関するものである。

特許請求の範囲 【請求項1】
屈折率n1の固体状の透明媒質よりなる板状体である溝型導光格子構造を持つ回折格子であって、
X軸をY軸に重ねるように回転したとき、右ねじが進む方向をZ軸の正方向とするXYZ直交座標系において、
XZ平面に平行な前記溝型導光格子構造と外部領域との界面である表面には、透過する電磁波の波長以下の幅w2を持つ溝が複数刻設され、
前記溝の長方形状の開口部は開口部の長辺がZ軸に平行に等間隔p2で隣接して設けられ、
前記溝の全体はXZ平面に対して角度θ2傾斜しており、
前記溝の内部には、屈折率n1よりも低い屈折率n2の材質が充填され、
回折格子に入射した電磁波は、前記溝の側面で反射する電磁波と前記溝を透過する電磁波とに分岐することを特徴とする回折格子。

【請求項2】
前記溝の幅w2は透過する電磁波の1/4程度であることを特徴とする請求項1に記載の回折格子。

【請求項3】
前記溝の開口部の間隔p2は透過する電磁波の波長の0.5~10倍であることを特徴とする請求項1または2に記載の回折格子。

【請求項4】
前記溝の深さd2は、前記溝の開口部の間隔p2の1.5~100倍であることを特徴とする請求項3に記載の回折格子。

【請求項5】
角度θ2は45~90度の範囲内であることを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の回折格子。

【請求項6】
前記溝の内部に充填された材質は透明媒質であることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の回折格子。

【請求項7】
前記電磁波はテラヘルツ波であることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の回折格子。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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出願権利状態 登録
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