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蛋白質の探索方法

国内特許コード P08P006257
整理番号 21598
掲載日 2009年3月27日
出願番号 特願2007-232792
公開番号 特開2009-063487
登録番号 特許第4891874号
出願日 平成19年9月7日(2007.9.7)
公開日 平成21年3月26日(2009.3.26)
登録日 平成23年12月22日(2011.12.22)
発明者
  • 菊地 淳
  • 雪 真弘
  • 守屋 繁春
  • 工藤 俊章
出願人
  • 独立行政法人理化学研究所
発明の名称 蛋白質の探索方法
発明の概要

【課題】機能性蛋白質の探索法を提供する。
【解決手段】生物に物質を供給した場合に特異的に発現する蛋白質を探索する方法であって、以下の工程:(1)一方の生物又は生物群に選択物質を、他方の同じ生物又は生物群に対照物質をそれぞれ供給する工程、(2)該生物又は生物群の両方において、該選択
(3)該生物又は生物群の両方において、該選択物質及び対照物質の供給後に発現する1種又は複数の蛋白質の量の変動を経時的に測定する工程、(4)各時点における該代謝産物の量の変動と該蛋白質の量の変動との間の経時的相関関係を調べて、選択物質を供給したときに代謝産物の量と同時に変動しかつ対照物質を供給したときに代謝産物の量と同時に変動しない経時変化をする蛋白質を候補蛋白質とする工程、(5)該候補蛋白質のアミノ酸配列を同定する工程、を含む方法。
【選択図】図3

従来技術、競合技術の概要


非モデル生物、特に生態系中の微生物群集の大部分を占める培養困難な微生物複合系およびそれを内包する動植物の生物系は、これまでほとんど遺伝子資源として用いられることはなかった。しかし、昨今の分子生物学的解析手段の発達により、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)法および各種オミックス解析によるこれらの資源へのアクセスは、徐々に始まりつつある。



これらの複合生物系からの遺伝子資源の取得法として現在広く用いられ始めている手法はメタゲノム解析であり、環境中の微生物群集よりその遺伝物質を回収し、その配列を明らかにすることによってそこに存在する全遺伝子を収集するという手法がとられている。しかし、この手法ではその集団が担っている生態系機能に対する重要さと関係なく非常に大量の遺伝子が取得されることから、その中から真に機能的に重要な遺伝子を見いだすことは非常に困難である。



本発明者らは、これまでこのような難培養性微生物複合系より、発現遺伝子のみを対象とした網羅的遺伝情報収集法を開発している。この手法では複合微生物系より個々の生物を分離することなくcDNAライブラリーを構築し、その中で発現している遺伝子のみを回収するという方法で、実際にその機能集団中で作用している遺伝子を網羅的に収集することが可能となる。例えば、シロアリ共生原生生物集団より作成したcDNAライブラリーより、当該微生物集団の主要な機能を担うと考えられる糖質加水分解酵素群を得ることに成功している(非特許文献1及び2)。しかしながら、この方法についても、得られた遺伝子と実際の微生物複合系のもつ機能、すなわち代謝過程に伴って引き起こされる有用な生化学的反応又は生態的に意味のある生物学的反応との間の相関関係を議論することはできず、実際に産業上重要な反応に関係する遺伝子情報を組織だって取得することは困難である。このため、複合微生物集団あるいは難培養性の未利用微生物等からの有用遺伝子資源開発に当たっては、現在代謝経路と遺伝情報を相関付けることが可能な技術の開発が待望されている。



これに関連して、Rantaleinenら(非特許文献3)は、最近、ヒト前立腺癌移植片を移植したマウスモデルと対照動物との血漿プロフィールの差を調べ、特定の代謝産物と蛋白質の間に相関があることを見出した。しかし、彼らは、個体差の相関を見たにすぎず、複合微生物集団などの複雑な系での機能性蛋白質の探索や遺伝子機能の探索について、その解決策を提供していない。




【非特許文献1】Todaka, N et al. FEMS Microbiol Ecol. 59(3):592-599 (2007)

【非特許文献2】Inoue, T et al. Gene. 11(349):67-75 (2005)

【非特許文献3】Rantaleinen, M et al. J. Proteome Res., 5:2642-2652 (2006)

産業上の利用分野


本発明は、生物または生物群に物質を供給した場合に特異的に発現する蛋白質を探索する方法に関する。この方法は、代謝に関わる蛋白質を探索可能とするだけでなく、該蛋白質の生物学的又は生理学的機能の同定も可能にする。

特許請求の範囲 【請求項1】
生物又は生物群に物質を供給した場合に特異的に発現する蛋白質を探索する方法であって、以下の工程:
(1)一方の生物又は生物群に選択物質を、他方の同じ生物又は生物群に対照物質をそれぞれ供給する工程、
(2)該生物又は生物群の両方において、該選択物質及び対照物質由来の1種又は複数の代謝産物の量の変動を経時的に測定する工程、
(3)該生物又は生物群の両方において、該選択物質及び対照物質の供給後に発現する1種又は複数の蛋白質の量の変動を経時的に測定する工程、
(4)各時点における該代謝産物の量の変動と該蛋白質の量の変動との間の経時的相関関係を調べて、選択物質を供給したときに代謝産物の量と同時に変動しかつ対照物質を供給したときに代謝産物の量と同時に変動しない経時変化をする蛋白質を候補蛋白質とする工程、
(5)該候補蛋白質のアミノ酸配列を同定する工程、
を含む前記方法。

【請求項2】
工程(5)における候補蛋白質のアミノ酸配列の同定を、該候補物質のアミノ酸配列の部分配列を決定した後にcDNAライブラリーからの配列、公知の配列又はそれらの組み合わせに基づいて行う、請求項1に記載の方法。

【請求項3】
生物又は生物組織からcDNAライブラリーを作製する工程をさらに含む、請求項1又は2に記載の方法。

【請求項4】
生物又は生物群が、複合微生物集団、あるいは、該複合微生物集団を内包する動物もしくは植物又は動物群もしくは植物群である、請求項1~3のいずれか1項に記載の方法。

【請求項5】
複合微生物集団が、腸内細菌叢、共生原生生物集団、又は植物根圏微生物集団である、請求項4に記載の方法。

【請求項6】
共生原生生物集団が、シロアリ共生原生生物集団である、請求項5に記載の方法。

【請求項7】
生物又は生物群が、セルロース分解能を有するものである、請求項1~6のいずれか1項に記載の方法。

【請求項8】
選択物質又は対照物質が、天然又は合成の高分子化合物又は低分子化合物、無機化合物、無機イオン、及び気体からなる群から選択される、請求項1~7のいずれか1項に記載の方法。

【請求項9】
工程(1)の前に、前記選択物質及び/又は前記選択物質の安定同位体を供給し、選択物質の代謝時間を測定する工程をさらに含む、請求項1~8のいずれか1項に記載の方法。

【請求項10】
工程(5)の後に、以下の工程:
(6)該候補蛋白質をコードする遺伝子を宿主に導入し発現させるか又は無細胞系で発現させて該蛋白質及びその遺伝子の機能を確認する工程、
をさらに含む、請求項1~9に記載の方法。

【請求項11】
代謝産物の量を、代謝産物の官能基の構造に基づいて解析する、請求項1~10のいずれか1項に記載の方法。

【請求項12】
解析をNMR法によって行う、請求項11に記載の方法。

【請求項13】
蛋白質の量を、二次元電気泳動法によって解析する、請求項1~12のいずれか1項に記載の方法。
産業区分
  • 治療衛生
  • 測定
  • 試験、検査
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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出願権利状態 権利存続中
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