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光学活性アルコール類の製造方法 実績あり

国内特許コード P000000617
整理番号 E027P24
掲載日 2003年10月21日
出願番号 特願平09-359655
公開番号 特開平11-189558
登録番号 特許第4052702号
出願日 平成9年12月26日(1997.12.26)
公開日 平成11年7月13日(1999.7.13)
登録日 平成19年12月14日(2007.12.14)
発明者
  • 池平 秀行
  • 村田 邦彦
  • 碇屋 隆雄
  • 大熊 毅
  • 野依 良治
出願人
  • 国立研究開発法人科学技術振興機構
  • 住友化学株式会社
  • 関東化学株式会社
  • JFEスチール株式会社
発明の名称 光学活性アルコール類の製造方法 実績あり
発明の概要 【課題】 高純度、高収率で光学活性アルコール類を製造する実用性に優れた方法を提供する。
【解決手段】 一般式(a)
【化1】
(式中、R1 、R2 は、各々、別異なものとして、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有していてもよい炭化水素基または複素環基、もしくはRO-またはRO-CO-で、Rは置換基を有していてもよい炭化水素基または複素環基を示し、また、R1 およびR2 は結合して環を形成してもよいが、非対称な化合物を構成する環が形成されている。)で表されるカルボニル化合物を遷移金属触媒と光学活性含窒素化合物と塩基の存在下に水素と反応させて不斉水素化し、一般式(b)
【化2】
で表される光学活性アルコール類を製造する。
従来技術、競合技術の概要


従来より、光学活性アルコール類を不斉合成する方法としては、1)パン酵母などの酵素を用いる方法や、2)金属錯体触媒を用いてカルボニル化合物を不斉水素化する方法などが知られている。とくに後者の方法においては、これまでにも多くの不斉触媒反応の例が報告されている。たとえば、(1)Asymmetric Catalysis In Organic Synthesis, 56-82頁(1994) Ed,R.Noyoriに詳細に記載されている光学活性ルテニウム触媒による官能基を有するカルボニル化合物の不斉水素化方法や、(2) Chem.Rev.,Vol.92, 1051-1069頁(1992)に記載されているルテニウム、ロジウム、イリジウムの不斉錯体触媒による水素移動型還元反応による方法、(3)油化学822-831頁(1980)および Advances inCatalysis, Vol.32, 215頁(1983)Ed.Y.Izumiに記載されている酒石酸を修飾したニッケル触媒を用いて不斉水素化する方法、(4)Asymmetric Synthesis, Vol.5, Chap.4(1985) Ed.J.D.MorrisonおよびJ.Organomet Chem. Vol.346, 413-424頁(1988)に記載されている。不斉ヒドロシリル化による方法、(5)J.Chem.Soc.,Perkin Trans, 1, 2039-2044頁(1985)および J.Am.Chem.Soc.,Vol.109, 5551-5553頁(1987)に記載される不斉配位子の存在下にボラン還元する方法、(6) J.Am.Chem.Soc.,Vol.117, 2675-2676頁(1995)に記載されるホスフィンおよびジアミン不斉配位子の存在下に不斉水素化する方法など知られている。



しかしながら、酵素を用いる方法は比較的高い光学純度のアルコール類を得ることができるものの反応基質の種類に制約があり、しかも得られるアルコール類の絶対配置も特定のものに限られるという欠点がある。また、遷移金属の不斉水素化触媒による方法の場合には、分子内に官能基を含む、たとえばケト酸のような基質に対しては高い選択性で光学活性アルコール類は製造できるものの、反応速度の点で難点があった。さらに、前記(6)文献記載の方法は、選択性および活性の点で優れているもののホスフィン-ルテニウム錯体を用いているので、毒性の観点から特に安全とは言えず、かつ、工業的に回収使用する場合にも難点があった。



このため、従来より、光学活性アルコール類を製造するための一般性の高い、しかも高活性な触媒を用いての新しい合成方法の実現が望まれていた。

産業上の利用分野


この出願の発明は、光学活性アルコール類の製造方法に関するものである。さらに詳しくは、この出願の発明は、医薬品の合成中間体や、液晶材料などの各種用途において有用な、光学活性アルコール類の実用性に優れた新しい製造法に関するものである。

特許請求の範囲 【請求項1】
一般式(a)
【化1】


(式中、R1 、R2 は、各々、別異なものとして、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有していてもよい炭化水素基または複素環基、もしくはRO-またはRO-CO-で、Rは(置換基を有していてもよい炭化水素基または複素環基を示し、またR1 およびR2 は結合して環を形成していてもよいが、非対称な化合物を構成する環が形成されていることとする。)で表されるカルボニル化合物を、下式
RuX
(式中、Xは水素、ハロゲン原子、カルボキシル基、ヒドロキシル基、またはアルコキシ基を示し、Lは、オレフィン類配位子または芳香族化合物配位子を示し、m、nは、各々、1~6の整数を示す。)で表される遷移金属触媒と、1,2-ジフェニルエチレンジアミン、1,2-シクロヘキサンジアミン、1,2-シクロヘプタンジアミン、2,3-ジメチルブタンジアミン、1-メチル-2,2-ジフェニルエチレンジアミン、1-イソブチル-2,2-ジフェニルエチレンジアミン、1-イソプロピル-2,2-ジフェニルエチレンジアミン、1-メチル-2,2-ジ(p-メトキシフェニル)エチレンジアミン、1-イソブチル-2,2-ジ(p-メトキシフェニル)エチレンジアミン、1-イソプロピル-2,2-ジ(p-メトキシフェニル)エチレンジアミン、1-ベンジル-2,2-ジ(p-メトキシフェニル)エチレンジアミン、1-メチル-2,2-ジナフチルエチレンジアミン、1-イソブチル-2,2-ジナフチルエチレンジアミン、および1-イソプロピル-2,2-ジナフチルエチレンジアミンから選ばれる少なくとも1種の光学活性含窒素化合物と塩基の存在下に気体水素と反応させて不斉水素化し、一般式(b)
【化2】


(R1 およびR2 は上記と同じものを示す。)で表される光学活性アルコール類を製造することを特徴とする光学活性アルコール類の製造方法。

【請求項2】
遷移金属触媒の配位子Lは、オレフィン系環状化合物である請求項1の光学活性アルコール類の製造方法。

【請求項3】
オレフィン系環状化合物は、シクロヘキセン、1,3-シクロヘキサジエン、1,5-シクロオクタジエン、シクロオクタトリエン、またはノルボナジエンである請求項2の光学活性アルコール類の製造方法。

【請求項4】
遷移金属触媒の配位子Lは、ベンゼン、p-シメン、メシチレン、ナフタレン、またはアントラセンである請求項1の光学活性アルコール類の製造方法。

【請求項5】
塩基がアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属の水酸化物または塩、あるいは四級アンモニウム塩である請求項1ないし4のいずれかの光学活性アルコール類の製造方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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出願権利状態 登録
ライセンス状況 通常実施権[S00-02]
参考情報 (研究プロジェクト等) ERATO 野依分子触媒プロジェクト 領域
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