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走査型プローブ顕微鏡と計測方法 新技術説明会

国内特許コード P09A014388
掲載日 2009年4月17日
出願番号 特願2007-265936
公開番号 特開2009-069133
登録番号 特許第4344812号
出願日 平成19年9月10日(2007.9.10)
公開日 平成21年4月2日(2009.4.2)
登録日 平成21年7月24日(2009.7.24)
発明者
  • 齊藤 準
出願人
  • 秋田大学
発明の名称 走査型プローブ顕微鏡と計測方法 新技術説明会
発明の概要 【課題】従来の磁場勾配を計測する走査型プローブ顕微鏡では、表面凹凸像と高い空間分解能の磁気像の同時取得が困難であり、また測定する磁場勾配の方向は1方向のみで変更が容易ではなかった。
【解決手段】探針を加振させながら試料上を走査して試料の表面状態を計測する方法において、前記探針が一つの測定点での定常状態から他の測定点での定常状態に移行する間の過渡時間内の振動周波数の変化を計測し、試料と探査との間の力の勾配を画像化することを特徴とする計測方法である。
【選択図】図1
従来技術、競合技術の概要 【背景技術】一般に、走査型プローブ顕微鏡としては、試料と探針の相互作用力を、カンチレバーを用いて検出する原子力顕微鏡(Atomic Force Microscope:以下、AFMと称する)や原子間力顕微鏡の探針に磁性体を用いた磁気力顕微鏡(Magnetic Force Microscope:以下、MFMと称する)などが知られている。(例えば特許文献1及び2参照)このような走査型プローブ顕微鏡において、探針が試料に近接したことにより働く、電場、磁場、ファンデルワールス引力等の力の勾配を受けて、あたかもカンチレバーのバネ定数が変化したようになることを利用し、カンチレバーを所定の振動周波数で励振するとともに,カンチレバーの共振特性の変動を検出して試料表面形状と同時に試料の表面近傍の電場あるいは磁場の分布を測定するのがACモードと呼ばれる方式である。すなわち、カンチレバーの実効的なバネ定数が変化すると、探針の共振周波数が変化し、カンチレバーを一定の振動周波数で励振した場合には、探針の振動振幅と位相が変化する。ACモードのAFMにおいて、探針はバネ定数が0.01から数10N/mで、共振周波数が数kHz~数百kHzのカンチレバーの上に形成される。このカンチレバーは、励振用のアクチュエータに固定され、微動素子上に支持された試料面すなわちxy平面に正対するように配置される。探針は試料の走査に応じて試料表面を走査される。この走査の間、励振用アクチュエータには、共振周波数近傍の周波数で試料表面に垂直な方向の所定の振幅の振動をするような駆動電圧が印加される。さらに試料を支持している圧電素子等で構成された微動素子は、カンチレバーの振動振幅を一定に保つように、0.1nm以下の精度で制御され、試料表面に垂直な方向、すなわちz方向に試料が相対移動される。この結果、探針の先端は試料、表面形状を反映した曲面上をトレ-スする。従って、探針先端のxy面上の位置と同時に、z方向の位置を圧電体に印加した電圧から求め記録することにより、試料表面の微細な凹凸を示すAFM像が得られる。このときカンチレバー先端に磁性体(例えば、CoCrやFePt、パーマロイ等)を用いて、試料として磁性のあるもの(例えば、磁気テープやハードディスクメディア、磁気ヘッド、光磁気ディスクメディア等)を用いると、AFM像に影響を与える力の勾配は、近距離力である試料表面近傍で働くファンデルワールス引力等の他に、遠距離力である磁気力も加わる。従って、探針試料間距離が短い場合には表面の凹凸が、探針試料間距離が長い場合には磁気力が主に画像化される。ここで走査中の探針試料間距離の調整は、カンチレバーの振動振幅の減衰率を一定に保つように行う。すなわち、探針を試料に近づけると、カンチレバーの共振周波数が減少することで、一定の加振周波数で励振しているカンチレバーの振動振幅は減少し、その減衰率が増加するほど、探針は試料に近づくことになる。ここで得られる像は力勾配一定像となる。すなわち、カンチレバーの振動振幅の減衰率が大きくなる探針試料間距離が短い条件で測定した力勾配一定像は表面凹凸像となる。一方、カンチレバーの振動振幅の減衰率が小さくなる探針試料間距離が長い条件で測定した力勾配一定像は磁気力勾配一定像となるが、この像は探針試料間距離が一定の条件を満たさないので、像には磁気情報の他に表面凹凸情報が含まれることになり、磁気記録媒体等の評価に際しては、表面凹凸と磁気特性を分離することができなかった。このため探針走査において、最初に表面凹凸をカンチレバーの振動振幅の減衰率が大きな探針が間欠接触する条件で1ライン測定した後に、次に同じ試料位置でさらに一定の高さだけ探針を離し磁気力が主となる探針試料間距離にして、探針を振動させその振動振幅あるいは位相を記録し、磁気力勾配を探針試料間距離が一定のもとで測定する方式が提案されている。この方式を用いると、表面凹凸像と同一の場所で磁気力像を得ることができる。このため、磁気記録媒体等においては、記録再生特性に影響を及ぼす表面凹凸が磁気特性に及ぼす効果を知ることもできる。近年、磁気記録媒体の高密度化に伴い、磁気力顕微鏡の空間分解能を向上させることが求められている。磁気力顕微鏡の高分解能化には、力勾配の検出感度の向上が必要となり、カンチレバーの共振特性を向上させることが有効である。カンチレバーの共振特性は測定雰囲気に依存し、空気粘性が小さくなる真空雰囲気では、大気雰囲気と比較して、共振特性が大幅に向上する。共振特性は共振の性能因子Qの値で評価することができる。共振により検出感度はQ倍程度に増加する。Q値は大気雰囲気では数百であるが、真空雰囲気では数千から数万に増加する。
【特許文献1】特開平8-122341号
【特許文献2】特開2003-65935号
産業上の利用分野 本発明は、探針を試料に近接させて走査することにより、試料の微視的な表面情報を得る走査型プローブ顕微鏡を用いた計測方法に係り、特に試料表面の形状と同時に磁気力分布および電気力分布等の表面情報を得ることのできる走査型プローブ顕微鏡を用いた計測方法に関するものである。
特許請求の範囲 【請求項1】 探針を加振させながら試料上を走査して試料の表面状態を計測する方法において、前記探針が一つの測定点での定常状態から他の測定点での定常状態に移行する間の過渡時間内の振動周波数の変化を計測し、試料と探針との間の力の勾配を画像化することを特徴とする計測方法。
【請求項2】 測定雰囲気が、真空中、大気中、溶液中のいずれかであることを特徴とする、請求項1に記載の計測方法。
【請求項3】 前記探針として磁性探針を用い、試料からの磁場の勾配を画像化することを特徴とする請求項1又は2に記載の計測方法。
【請求項4】 前記磁性探針をその機械的共振周波数の近傍の一定周波数で加振することを特徴とする請求項3に記載の計測方法。
【請求項5】 前記磁性探針を連続的ないしは断続的に加振することを特徴とする請求項4に記載の計測方法。
【請求項6】 前記磁性探針を断続的に加振する場合は、測定点毎に加振終了後から計測した探針の過渡振動の周波数を利用することを特徴とする請求項5に記載の計測方法。
【請求項7】 前記磁性探針を往復で走査させ、それら信号の差を求めることで試料からの磁場の勾配を計測することを特徴とする請求項3乃至6のいずれか1項に記載の計測方法。
【請求項8】 前記磁性探針の振動の位相を同時に計測することを特徴とする請求項3乃至7のいずれか1項に記載の計測方法。
【請求項9】 前記磁性探針の振動の振動周波数の変化と位相とを同時に計測することにより試料からの磁場をベクトル的に計測することを特徴とする請求項3乃至8のいずれか1項に記載の計測方法。
【請求項10】 前記磁性探針の磁化が、測定試料面に垂直な成分を有することを特徴とする請求項3乃至9のいずれか1項に記載の計測方法。
【請求項11】 磁気記録ディスクの記録磁化状態を調べるのに使用される、請求項3乃至10のいずれか1項に記載の計測方法。
【請求項12】 帯電させた探針を加振させながら試料上を走査して試料の表面状態を計測する方法において、探針が一つの測定点での定常状態から他の測定点での定常状態に移行する間の過渡時間内の振動周波数の変化を計測し、試料からの電場の勾配を画像化することを特徴とする計測方法。
【請求項13】 探針を加振させながら試料上を走査して、前記探針が一つの測定点での定常状態から他の測定点での定常状態に移行する間の過渡時間内における前記探針の振動周波数の変化を計測し、前記試料と前記探針との間の力の勾配を画像化することを特徴とする走査型プローブ顕微鏡。
産業区分
  • 試験、検査
国際特許分類(IPC)
出願権利状態 権利存続中
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