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マイクロフロー電気化学リアクター、及びそれを用いた有機化合物の合成方法 コモンズ

国内特許コード P09A014410
整理番号 439
掲載日 2009年5月8日
出願番号 特願2004-294227
公開番号 特開2006-104538
登録番号 特許第4779108号
出願日 平成16年10月6日(2004.10.6)
公開日 平成18年4月20日(2006.4.20)
登録日 平成23年7月15日(2011.7.15)
発明者
  • 吉田 潤一
  • 菅 誠治
出願人
  • 学校法人京都大学
発明の名称 マイクロフロー電気化学リアクター、及びそれを用いた有機化合物の合成方法 コモンズ
発明の概要

【課題】 反応溶液中に支持電解質を添加不要で、かつ、イオン交換膜を使用することなく、室温下で効率良く電気化学反応により有機化合物を合成可能なマイクロリアクター及びそれを用いた有機化合物の合成方法を提供する。
【解決手段】 陽極と陰極とを有し、該陽極における陰極対向面と、該陰極における陽極対向面との間隔が500μm以下であり、RH及び(RXHを含有する原料溶液が陽極に供給され、RX(R及びHを含有する反応生成物溶液が陰極から排出されることを特徴とするマイクロフロー電気化学リアクター、並びに、該電気化学リアクターに対し、原料溶液を陽極に供給し、反応生成物溶液を陰極から回収する有機化合物の合成方法である。
【選択図】 図2

従来技術、競合技術の概要


電解法による化学合成は、電気エネルギーを利用し、反応試薬を用いずに化合物を製造することができるため、環境面やコスト面で有利な方法である。特に、有機化合物の電解合成の分野では、安定かつ反応を促進する非水溶媒を利用した、多くの有機化合物の酸化還元プロセスが実用化されている。



前記電解法による化学合成としては、例えば、SPE技術(Solid polymer electrolyte)が知られ、実用化されている。前記SPE技術は、固体電解質としてイオン交換膜を使用するため、反応溶液中に支持電解質を添加する必要がなく、その結果、反応後に支持電解質を分離・回収する工程が不要となるため有利である。



しかしながら、長時間連続的に操作した場合等は、固体電解質として作用するイオン交換膜が劣化するため、電流密度を一定に維持するために電圧を増加する必要や、新たなイオン交換膜に交換する必要が生じるという問題がある。この問題に対し、導電性の塩を含まない有機溶媒の電解液を使用し、電解セルを前記電解液の沸点またはその沸点を5℃まで下回る温度で反応させる方法が提案されている(特許文献1参照)が、セルを高温に加熱維持する必要がある。



また、有機合成の効率化、省資源化、及び省エネルギー化を実現するため、ダウンサイジング化がすすみ、ミクロンオーダーの微小流路の中で化学反応を行うマイクロリアクターが注目されている。マイクロリアクターを用いた合成方法は、従来の方法よりも精密な制御が可能であるため、工業的生産においてもマイクロ化学プラントの重要性が認識され、研究開発がすすめられている。



したがって、反応溶液中に支持電解質を添加不要で、かつ、イオン交換膜を使用することなく、室温下で効率良く電気化学反応により有機化合物を合成可能なマイクロリアクター及びそれを用いた有機化合物の合成方法は未だ提供されておらず、更なる改良開発が望まれているのが現状である。




【特許文献1】特開2000-34589号公報

産業上の利用分野


本発明は、微小空間内で電気化学的に有機合成反応を行うマイクロフロー電気化学リアクター、及びそれを用いた有機化合物の合成方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
陽極と陰極とを有し、該陽極における陰極対向面と、該陰極における陽極対向面との間隔が500μm以下であり、
(i)RH及び(RXHを含有する原料溶液が陽極に供給され、RX(R及びHを含有する反応生成物溶液が陰極から排出される、
(ii)2RHを含有する原料溶液が陽極に供給され、R-R及びHを含有する反応生成物溶液が陰極から排出される、及び
(iii)2RXHを含有する原料溶液が陽極に供給され、RXXR及びHを含有する反応生成物溶液が陰極から排出される、のいずれかであることを特徴とするマイクロフロー電気化学リアクター。
ただし、Rはアルキル基、アリール基、アルケニル基、アルキニル基、置換ベンジル基、置換アリール基、アシル基、スルホニル基、及びスルフィニル基の
いずれかを表し、Rは水素原子、アルキル基、アリール基、アルケニル基、アルキニル基、置換ベンジル基、置換アリール基、アシル基、スルホニル基、及びスルフィニル基の
いずれかを表し、Xは酸素原子、硫黄原子、窒素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、及びヨウ素原子のいずれかを表し、nは0又は1以上の整数を表す。

【請求項2】
陽極における陰極対向面と、陰極における陽極対向面との間が、空間である請求項1に記載のマイクロフロー電気化学リアクター。

【請求項3】
陽極における陰極対向面と、陰極における陽極対向面との間隔が、0μmを超え、300μm以下である請求項1から2のいずれかに記載のマイクロフロー電気化学リアクター。

【請求項4】
陽極と陰極とが、スペーサーで離設された請求項1から3のいずれかに記載のマイクロフロー電気化学リアクター。

【請求項5】
スペーサーが、絶縁体である請求項1から4のいずれかに記載のマイクロフロー電気化学リアクター。

【請求項6】
スペーサーが、多孔質体であり、該多孔質体における多数の孔部が、陽極と当接する側から、陰極と当接する側にかけて流体流通可能に形成された請求項1から5のいずれかに記載のマイクロフロー電気化学リアクター。

【請求項7】
多孔質体の多孔度が70%以上、孔径が0.1μm以上である請求項6に記載のマイクロフロー電気化学リアクター。

【請求項8】
多孔質体が、フッ素系樹脂製のフィルターである請求項6から7のいずれかに記載のマイクロフロー電気化学リアクター。

【請求項9】
陽極が、陽極セル中の陽極基体からなり、陰極が、陰極セル中の陰極基体からなる請求項1から8に記載のマイクロフロー電気化学リアクター。

【請求項10】
陽極セル中の陽極基体が導電性を有する多孔質体であり、該多孔質体における多数の孔部が、陰極セル側と反対側の表面から陰極セル側の表面へ流体流通可能であり、
陰極セル中の陰極基体が導電性を有する多孔質体であり、該多孔質体における多数の孔部が、陽極セル側の表面から陽極セル側と反対側の表面へ流体流通可能である請求項9に記載のマイクロフロー電気化学リアクター。

【請求項11】
陽極基体及び陰極基体が、炭素繊維からなる多孔質体シートである請求項9から10のいずれかに記載のマイクロフロー電気化学リアクター。

【請求項12】
原料溶液を供給する原料溶液供給室と、反応生成物溶液を排出する反応生成物排出室とを備え、
前記原料供給室の壁面の一部が陽極セルの表面で画成され、端部に前記原料溶液を供給可能な供給口を有し、
前記反応生成物排出室の壁面の一部が陰極セルの表面で画成され、端部に前記反応生成物溶液を排出可能な排出口を有する請求項1から11のいずれかに記載のマイクロフロー電気化学リアクター。

【請求項13】
下記式(I)~(III)で表される電気化学的反応であって、
請求項1から12のいずれかに記載のマイクロフロー電気化学リアクターに対し、原料溶液を陽極に供給し、反応生成物溶液を陰極から回収することを特徴とする有機化合物の合成方法。
H+(RXH → RX(R+H 式(I)
2RH → R-R+H 式(II)
2RXH → RXXR+H 式(III)
ただし、式(I)~(III)中、Rはアルキル基、アリール基、アルケニル基、アルキニル基、置換ベンジル基、置換アリール基、アシル基、スルホニル基、及びスルフィニル基のいずれかを表し、Rは水素原子、アルキル基、アリール基、アルケニル基、アルキニル基、置換ベンジル基、置換アリール基、アシル基、スルホニル基、及びスルフィニル基のいずれかを表し、Xは酸素原子、硫黄原子、窒素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、及びヨウ素原子のいずれかを表し、nは0又は1以上の整数を表す。

【請求項14】
電気化学的反応が、アルコキシ化反応、アシルオキシ化反応、アミド化反応、及びハロゲン化反応のいずれかである請求項13に記載の有機化合物の合成方法。

【請求項15】
原料溶液の溶媒が、メタノール、エタノール、プロパノール、酢酸、アセトニトリル、N,N-ジメチルホルムアミド、水、及びこれらの混合物のいずれかである請求項13から14のいずれかに記載の有機化合物の合成方法。

【請求項16】
原料溶液に含まれる原料がp-メチルアニソール(p-メトキシトルエン)であり、反応生成物溶液に含まれる反応生成物がアニスアルデヒドアセタール(p-メトキシベンズアルデヒドアセタール)である請求項13から15のいずれかに記載の有機化合物の合成方法。

【請求項17】
0~60℃の温度下で行われる請求項13から16のいずれかに記載の有機化合物の合成方法。

【請求項18】
反応生成物が、医薬品中間体、及び工業材料として用いられる請求項13から17のいずれかに記載の有機化合物の合成方法。
産業区分
  • 有機化合物
  • 処理操作
  • 高分子化合物
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2004294227thum.jpg
出願権利状態 権利存続中
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