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酸素および酸化物イオンセンサとその利用

国内特許コード P09A014435
整理番号 965
掲載日 2009年5月8日
出願番号 特願2005-276789
公開番号 特開2007-085948
登録番号 特許第4742261号
出願日 平成17年9月22日(2005.9.22)
公開日 平成19年4月5日(2007.4.5)
登録日 平成23年5月20日(2011.5.20)
発明者
  • 萩原 理加
  • 後藤 琢也
  • 荒木 保博
出願人
  • 学校法人京都大学
発明の名称 酸素および酸化物イオンセンサとその利用
発明の概要

【課題】 電極や電解質が消耗することなく、幅広い温度範囲で使用でき、かつ幅広い酸素濃度領域で、安定に酸素濃度を精度よく検出することができる酸素センサおよびその利用を提供する。
【解決手段】 sp3結合を有する炭素系材料を含む第1電極11、参照電極として機能する第2電極12、第1,第2電極と接触し、酸化物イオンを含む溶融塩を有する電解質相13、第1,第2電極間における電位差を測定する電位差測定部14、電解質相13中の酸化物イオン濃度が既知である場合において、電位差測定部14によって得られる測定結果および電解質相13中の酸化物イオン濃度に基づき、酸素濃度を算出する算出手段と、を備える酸素センサによれば、電極や電解質が消耗することなく、幅広い温度範囲で使用でき、かつ幅広い酸素濃度領域で、安定に酸素濃度を精度よく検出することができる。また、同様の方法で酸素濃度が既知の場合は溶融塩中の酸化物イオン濃度を測定することもできる。
【選択図】 図2

従来技術、競合技術の概要


近年、バイオテクノロジー・半導体製造・医療・食品・環境技術などのさまざまな産業分野において、酸素濃度を測定する技術への需要が高まっている。これまで酸素濃度を測定する装置として、ガルバニ式酸素センサ、ポーラロ式酸素センサ、ジルコニア式酸素センサ、および室温溶融塩を利用した酸素センサなどが開発されている。



まず、ガルバニ式酸素センサおよびポーラロ式酸素センサについて、図8を参照しながら説明する。同図に示すように、これら2つのセンサはいずれも、電解液104を満たした容器105内に、カソード101とアノード102からなる一対の電極103、ガス透過性の隔膜106を配置した構成である。この電極103に外部より電圧を印加すると、隔膜106を透過して拡散してきた酸素がカソード101上で電気化学的に還元され、電流が発生する。この発生した電流は酸素濃度に比例するため、生じた電流を測定することにより酸素濃度を求めることができる。なお、ガルバニ式酸素センサではアノード102に鉛を用い、ポーラロ式酸素センサではアノード102に塩化銀を用いる。



次に、ジルコニア式酸素センサについて図9を参照しながら説明する。同図に示すように、ジルコニア式酸素センサは、ジルコニア固体電解質110の両側に一対の電極111,112を配置した構成である。ジルコニア固体電解質110は、良好な酸素イオン導電体として知られている。このため、ジルコニア固体電解質110の両側に酸素濃度が異なる気体が存在する場合、ジルコニア固体電解質110を加熱すると、酸素濃度の高い方から低い方へ酸素が移動しようとする。このとき、酸素がジルコニア固体電解質110を通り抜ける際には酸化物イオン(O2-)になるので、ジルコニア固体電解質110の両側の気体における酸素分圧の差に応じた起電力が発生する。そして、この起電力を測定することにより酸素濃度を求めることができる。



次いで、溶融塩を用いた酸素センサについて説明する。かかる酸素センサとして、例えば、特許文献1に、酸素を電気化学的に酸化還元する第1電極と、該第1電極との間に電流を流す第2電極と、該第1電極の基準となる電位参照用の第3電極とを備え、該第1、第2、および第3の電極と接触する常温溶融塩を電解質相として備え、該第1電極と第3電極との間に電位パルスを発生させ、該第1電極と第2電極との間に流れる電流値により酸素濃度を演算する手段を備える酸素センサ等が開発されている。この酸素センサによれば、常温作動かつ長期間の安定性に優れ、小型化可能な酸素センサを提供できると報告されている。

【特許文献1】特開2005-17173号公報(平成17(2005)年1月20日公開)

産業上の利用分野


本発明は、酸素センサおよびその利用に関し、特に、溶融塩を用いた電気化学反応に基づく酸素および酸化物イオンセンサとその利用に関するものである。

特許請求の範囲 【請求項1】
測定対象の雰囲気の酸素濃度を検出するための酸素センサであって、
sp3結合を有する炭素系材料を含む第1電極と、
参照電極として機能する第2電極と、
上記第1,第2電極と接触し、酸化物イオンを含む溶融塩を有する電解質相と、
上記第1,第2電極間における電位差を測定する電位差測定手段と、
上記電解質相中の酸化物イオン濃度が既知である場合において、上記電位差測定手段によって得られる測定結果および上記電解質相中の酸化物イオン濃度に基づき、上記測定対象の雰囲気の酸素濃度を算出する算出手段と、を備えることを特徴とする酸素センサ。

【請求項2】
上記測定対象の雰囲気は、上記第1電極および電解質相と接触することを特徴とする請求項1に記載の酸素センサ。

【請求項3】
上記電解質相が、支持体として多孔質媒体を備え、酸化物イオンを含む溶融塩を当該多孔質媒体に含浸させたものを有することを特徴とする請求項1または2に記載の酸素センサ。

【請求項4】
上記第2電極が、sp3結合を有する炭素材料を含むものであることを特徴とする請求項3に記載の酸素センサ。

【請求項5】
上記sp3結合を有する炭素系材料が、不純物をドープしたダイヤモンドであることを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の酸素センサ。

【請求項6】
測定対象の雰囲気の酸素濃度を検出するための酸素濃度検出方法であって、
酸化物イオンを含む溶融塩を有する電解質相に接触した、sp3結合を有する炭素系材料を含む第1電極と参照電極として機能する第2電極との間の電位差を測定する電位差測定工程と、
上記電解質相中の酸化物イオン濃度が既知である場合において、上記電位差測定工程によって得られる測定結果および上記電解質相中の酸化物イオン濃度に基づき、測定対象の雰囲気の酸素濃度を算出する算出工程と、を有することを特徴とする酸素濃度検出方法。

【請求項7】
sp3結合を有する炭素系材料を含む第1電極と、
参照電極として機能する第2電極と、
上記第1,第2電極と接触し、酸化物イオンを含む溶融塩を有する電解質相と、
上記第1,第2電極間における電位差を測定する電位差測定手段と、を備え、
さらに、上記第1電極および電解質相に対して酸素濃度が既知の基準雰囲気を接触させる場合において、上記電位差測定手段によって得られる測定結果および当該基準雰囲気中の酸素濃度に基づき、上記溶融塩中の酸化物イオン濃度を算出する算出手段と、を備えることを特徴とする酸化物イオンセンサ。

【請求項8】
溶融塩中の酸化物イオン濃度を検出するための酸化物イオン濃度検出方法であって、
酸素濃度が既知の基準雰囲気に接触した、sp3結合を有する炭素系材料を含む第1電極と参照電極として機能する第2電極との間の電位差を測定する電位差測定工程と、
上記基準雰囲気の酸素濃度が既知である場合において、上記電位差測定工程によって得られる測定結果および上記基準雰囲気の酸素濃度に基づき、上記溶融塩中の酸化物イオン濃度を算出する算出工程と、を有することを特徴とする酸化物イオン濃度検出方法。

産業区分
  • 試験、検査
  • 食品
国際特許分類(IPC)
画像

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JP2005276789thum.jpg
出願権利状態 権利存続中
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