TOP > 国内特許検索 > 有機薄膜光電変換素子及びその製造方法

有機薄膜光電変換素子及びその製造方法

国内特許コード P09A014454
整理番号 1079
掲載日 2009年5月8日
出願番号 特願2006-242008
公開番号 特開2007-273939
登録番号 特許第5298308号
出願日 平成18年9月6日(2006.9.6)
公開日 平成19年10月18日(2007.10.18)
登録日 平成25年6月28日(2013.6.28)
優先権データ
  • 特願2005-258527 (2005.9.6) JP
  • 特願2006-066674 (2006.3.10) JP
発明者
  • 吉川 暹
  • 上原 赫
  • 早川 明伸
出願人
  • 国立大学法人京都大学
発明の名称 有機薄膜光電変換素子及びその製造方法
発明の概要

【課題】大気下で有機薄膜光電変換素子を作製し、その光電変換素子の光電変換効率を上げ、また、耐久性を向上させる。
【解決手段】光電変換層と電極の間に、湿式法により作製されたTiO2ホールブロック層を設ける。TiO2ホールブロック層作製の際、大気中で乾燥させることにより、TiO2ホールブロック層をアモルファス化する。また、PCBM:P3HT層とTiO2ホールブロック層の間に、TiO2ホールブロック層の近くにおいてPCBMの濃度を高めたPCBM/P3HTの傾斜濃度層を設けるようにしてもよい。これにより、その部分の電気抵抗が減少し、光電変換素子としての電流損が最小限に抑えられる。また、TiO2ホールブロック層の近くにおいて導電性材料であるPCBMの濃度が高いため、電子がTiO2層に流入しやすくなる。これらにより、本実施例の傾斜構造有機薄膜光電変換素子は高い光電変換効率を有し、また、高い耐久性を有する。
【選択図】図1

従来技術、競合技術の概要


有機薄膜光電変換素子は、現在使用されている半導体(シリコン)光電変換素子と比較すると、フレキシブルであり、様々な形状、色のものを作ることができることから、多様な場所で用いることができるものとして、大きな期待がかけられている。また、活性層がスピンコート法やスクリーン印刷法等の湿式法により高効率で作製できることから、究極的にはロール・ツー・ロールの大量生産も可能となり、大幅なコストダウンが期待できるという点も大きな魅力となっている。



しかし、現時点では、使用している有機材料が高価である上、真空下若しくは窒素雰囲気下で作製する必要があるが、大気下では耐久性に乏しく、また、高コストがその実用化に大きな妨げとなっている。



有機光電変換素子には各種の方式が考案されているが、中でもバルクへテロジャンクションと呼ばれる構造を持ったものが、近年、その高い光電変換効率で注目されている。これは、導電性高分子とフラーレン誘導体の混合物からなるものであり、半導体光電変換素子と対比すると、前者がp型半導体、後者がn型半導体に対応する。両者が複雑に入り組んだヘテロジャンクション構造が、良好な電荷分離効率に結びついていると考えられている。なお、もう一つの構造として平面ヘテロ接合セルもある。ここでは前者を光電変換層の例として説明するが、後者についても同様の効果がある。



セルの構造は、透明導電膜(電極)をコートした基板上に両者の複合体をスピンコートし、その上に対電極を載せるという非常に簡単なものである。



バルクヘテロジャンクション構造では前記の通り電荷分離効率は良好であるものの、有機系であるため、電荷移動度が小さいという問題がある。従って、全体としての光電変換効率を上げるためには、その膜厚を薄くすることが効果的である。しかしあまりに薄くすると、今度は両電極間の短絡によるリークを招くこととなり、逆電荷輸送が起こることとなる。これを避けるために様々な工夫がなされている。



従来、有機薄膜光電変換素子において、金属電極と活性層の間にホールブロック層(電子だけを通し、ホールを通さない層)を介挿することによって光電変換効率が向上することが知られている。これまでに報告されているホールブロック層はTiO2を素材とするものであるが、従来のTiO2ホールブロック層付有機薄膜光電変換素子は次のような方法で作製されている。酸素と水分を排除した真空室内で、電極上にTiO2を450℃程度で焼成し、メソポーラス状のTiO2ホールブロック層を形成する。そのホールブロック層付電極に、活性層を構成する色素層を塗布することで、有機薄膜光電変換素子を作成する。

【特許文献1】特開2004-319705号公報

【非特許文献1】T. Erb et al., Adv. Funct. Mater. 2005, 15, 1193-1196

産業上の利用分野


本発明は、有機薄膜を発電層に用いる有機薄膜光電変換素子及びその製造方法に関する。本発明に係る光電変換素子はその光電変換効率が高いことから、太陽電池への応用に適している。

特許請求の範囲 【請求項1】
大気下において、電極を有する基板上にバッファー層及び光電変換層を形成した後、加熱することなく湿式法によりTiO2ホールブロック層を設け、その上に対向電極を設けることを特徴とする有機薄膜光電変換素子の製造方法。

【請求項2】
前記TiO2ホールブロック層が、Tiアルコキシド溶液を塗布し、常温乾燥することにより形成されることを特徴とする請求項1に記載の有機薄膜光電変換素子の製造方法。

【請求項3】
TiO2アルコキシドを0.02~0.05mol/lの割合でエタノールに溶解させたTiO2アルコキシド溶液を用い、前記TiO2ホールブロック層を形成させることを特徴とする請求項2に記載の有機薄膜光電変換素子の製造方法。

【請求項4】
n型有機半導体成分に対して溶解性を有し、光電変換層形成時に使用する良溶媒よりも高沸点であるが室温において留去可能な貧溶媒を、光電変換層形成後、その表面に付着させ、貧溶媒を留去することにより、光電変換層にn型有機半導体成分とp型有機半導体成分の厚さ方向の濃度傾斜を設けることを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の有機薄膜光電変換素子の製造方法。

【請求項5】
n型有機半導体成分がPCBM、p型有機半導体成分がP3HT、良溶媒がクロロベンゼン、貧溶媒がNMP、ベンゾニトリル及びアニソールのいずれか1種又はその混合物であることを特徴とする請求項4に記載の有機薄膜光電変換素子の製造方法。

【請求項6】
n型有機半導体成分であるPCBM及びp型有機半導体成分であるP3HTを良溶媒であるクロロベンゼンと貧溶媒であるNMP、ベンゾニトリル及びアニソールのいずれか1種又はその混合物で溶解した溶液を用いて光電変換層を形成することを特徴とする請求項4又は5に記載の有機薄膜光電変換素子の製造方法。

【請求項7】
光電変換層を形成後、TiO2ホールブロック層を形成する前、及びTiO2ホールブロック層を形成した後の少なくとも一方でアニーリング処理を施すことを特徴とする請求項1~6のいずれかに記載の有機薄膜光電変換素子の製造方法。
産業区分
  • 固体素子
  • 太陽熱利用
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

※ 画像をクリックすると拡大します。

JP2006242008thum.jpg
出願権利状態 権利存続中
ライセンスをご希望の方、特許の内容に興味を持たれた方は、下記までご連絡ください。


PAGE TOP

close
close
close
close
close
close
close