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温度変化により可逆的に結晶化するイオン性コロイド系およびそれを利用するコロイド結晶の製造方法 実績あり

国内特許コード P000000632
整理番号 E036P11
掲載日 2001年11月26日
出願番号 特願平10-145095
公開番号 特開平11-319539
登録番号 特許第3025233号
出願日 平成10年5月11日(1998.5.11)
公開日 平成11年11月24日(1999.11.24)
登録日 平成12年1月21日(2000.1.21)
発明者
  • 山中 淳平
  • 古賀 忠典
  • 吉田 博史
  • 橋本 竹治
出願人
  • 国立研究開発法人科学技術振興機構
発明の名称 温度変化により可逆的に結晶化するイオン性コロイド系およびそれを利用するコロイド結晶の製造方法 実績あり
発明の概要 【課題】 各種のイオン性コロイド系から、特殊な装置や複雑な工程を必要とせずに比較的簡単にコロイド結晶を製造することのできる技術を提供する。
【解決手段】 表面に電荷を有するコロイド粒子、該コロイド粒子を分散させる液体媒質、および該液体媒質中において解離度が温度変化とともに変化する弱電離物質を含むイオン性コロイド系を外部から加熱または冷却することによりコロイド結晶を生成させる。この弱電離物質含有コロイド系は温度変化により可逆的に結晶化し物性が変化するので、この性質を利用して、コロイド結晶の製造以外にも応用することができる。特に好ましい例は、コロイド粒子がシリカ粒子であり、液体媒質が水であり、弱電離物質がピリジンまたはピリジン誘導体である。
従来技術、競合技術の概要


コロイドとは、数nmから数μmの大きさを有するコロイド粒子が媒質中に分散している状態を指称し、多くの工業的用途を持つ。例えば、シリカなどの無機微粒子から成るコロイドは、ゴム・プラスチックの充填剤、複写・感光紙のコーティング剤、インク用マイクロフィラー、半導体の研磨剤、耐火物用バインダー、化粧品の顔料などに広く用いられている。また、高分子ラテックスなどの有機粒子コロイドは、医療検査用試薬、細胞研究試料、電子顕微鏡用の標準試料などとして、さらに、金属微粒子から成るコロイドは磁気材料、導電性フィラー、および触媒などとして、工業的に重要である。
これら従来の用途においては、主としてコロイド系の微粒子としての特性が利用されているが、近年、コロイド粒子が液体中で形成する結晶構造(コロイド結晶)に着目した応用展開が検討されている。コロイド結晶は粒子が三次元的に規則正しく配列した集合体であり、1)表面に電荷を持つイオン性コロイド粒子(シリカ、イオン性高分子ラテックス等)が水等の極性液体中において、粒子間の強い静電的相互作用により安定化され形成する場合と、2)非イオン性コロイド粒子がパッキングして形成する場合があるが、本発明が対象とするのは、前者のイオン性コロイド粒子系である。
コロイド結晶の結晶面間隔は、原子・分子系結晶の場合よりはるかに大きく、しばしば用いられる実験条件(イオン性粒子系の場合、粒径 0.1~1μm、粒子の体積分率10-2~10-1)において、可視光の波長のオーダーとなる。このため、コロイド結晶は可視光のBragg 回折により、イリデセンスと呼ばれる虹色の光を発し、また、可視光に対する特異的な吸収帯(フォトニックバンドギャップ)を持つ。これらの特性に基づき、コロイド結晶を用いて新規な特性を持つ光学素子を作製する試みが近年盛んに行われている。
イオン性コロイド系由来のコロイド結晶の生成を制御する手法としては、これまでに、イオン性高分子ラテックス/水分散系に対して、せん断力を与えたり [B. J. AckersonおよびN. A. Clark, Phys. Rev. A 30, 906, (1984)]、電場による[T. Palberg, W. Moench, J. SchwarzおよびP. Leiderer, J. Chem. Phys. 102, 5082, (1995)]、可逆的な結晶化実験が報告されているが、これらの方法を応用するにあたっては、前者の場合、せん断場印加のために特殊な装置が必要とされること、また後者については、電極反応により不純物イオンが生じ、これが結晶化を妨げること、等の難点があるものと思われる。この他に、イオン性コロイド結晶を高分子ゲルを用いて固定化し、温度変化によるゲルの体積変化を利用して結晶面間隔を制御した報告 [J. M. Weissman, H. B. Sunkara, A. S. Tse andS. A. Asher, Science, 274, 959, (1996)]があるが、この場合にはコロイド結晶の固定化にあたって煩雑な工程が必要であり、また、無秩序な粒子配列状態からの結晶の生成は試みられていない。

産業上の利用分野


本発明は、コロイドの技術分野に属し、特に、温度変化により可逆的に結晶化するイオン性コロイド系およびそれを利用するコロイド結晶の製造方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
表面に電荷を有するコロイド粒子が液体媒質中に分散されコロイド粒子の体積分率が0.01~0.05であるコロイド分散系に、該液体媒質中における解離度が温度変化とともに変化するような弱電離物質を添加して、外部からの加熱または冷却により前記コロイド粒子を結晶化させることを特徴とするコロイド結晶の製造方法。

【請求項2】
コロイド粒子がシリカ粒子であり、液体媒質が水であり、弱電離物質がピリジンまたはピリジン誘導体であることを特徴とする請求項2のコロイド結晶の製造方法。

【請求項3】
表面に電荷を有し体積分率が0.01~0.05であるコロイド粒子、該コロイド粒子を分散させる液体媒質、および該液体媒質中において解離度が温度変化とともに変化する弱電離物質を含み温度変化により可逆的に結晶化し得ることを特徴とするコロイド系。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP1998145095thum.jpg
出願権利状態 登録
ライセンス状況 通常実施権[S06-06]
参考情報 (研究プロジェクト等) ERATO 橋本相分離構造プロジェクト 領域
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