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工業製品の生産支援プログラム 新技術説明会

国内特許コード P09A014506
掲載日 2009年5月22日
出願番号 特願2007-218241
公開番号 特開2008-084306
登録番号 特許第4971074号
出願日 平成19年8月24日(2007.8.24)
公開日 平成20年4月10日(2008.4.10)
登録日 平成24年4月13日(2012.4.13)
優先権データ
  • 特願2006-230052 (2006.8.28) JP
発明者
  • 田辺 郁男
出願人
  • 国立大学法人長岡技術科学大学
発明の名称 工業製品の生産支援プログラム 新技術説明会
発明の概要

【課題】最小限の実験やシミュレーションにより生産者の希望条件を満足する最適な設計パラメータを短時間で求めることができる工業製品の生産支援方法およびプログラムを提供する。
【解決手段】複数の制御因子のそれぞれに設定された複数の水準の組み合わせの中から選択された一部の組み合わせに対する特性値を求める手順203と、一部の組み合わせについて、誤差因子による特性値の変動を求める手順203と、一部の組み合わせについての特性値とその変動から、加法性により制御因子の全ての水準の全ての組み合わせについて特性値の平均値と標準偏差を求める手順204と、制御因子の全ての水準の全ての組み合わせについて特性値の度数分布を求める手順205と、工業製品の受注条件、工業製品の生産条件および生産者の希望条件を入力する手順206と、前記度数分布により、希望条件を満足する制御因子の水準の組み合わせを抽出する手順208とを有する。
【選択図】図2

従来技術、競合技術の概要


近年、工業製品の開発・生産に対して、期間の短縮化および低コスト化の要求が厳しくなっており、そのための効果的な手法が望まれている。一方、品質工学(タグチ・メソッドとも呼ばれる。)の手法は、使用条件や他の誤差要因による特性への影響が少なく、安定性の高い工業製品を設計するための手法である。この品質工学の手法の概要は図1に示されている。図1を参照して品質工学の手法の概要を説明する。



工業製品の設計において、設計者が任意に設定可能な設計パラメータを制御因子とし、動作特性等の結果に誤差を生じさせるパラメータを誤差因子とする。手順101では、まず制御因子と誤差因子にどのようなパラメータを割り当てるかを決定し、複数の制御因子にそれぞれに複数の水準(数値や工程の種類など)を設定する。誤差因子にもそれぞれ複数の水準を設定する。それらの水準の組み合わせに対する特性値を実験により求めるのである。



各水準の組み合わせは直交表に基づいて選択される。すなわち、手順102で、直交表に複数の制御因子の各水準を割り付ける。そして、手順103で、直交表に基づいて実験(コンピュータによるシミュレーションも含む)を行い、その結果の特性値を求める。



実験を行う各水準の組み合わせは、組み合わせ全体に比較すると極めて少数の一部の組み合わせのみが選択される。例えば、標準L18直交表は、制御因子として8パラメータの複数の水準(1パラメータが2水準、7パラメータが3水準)の組み合わせを実験・評価することができるものである。各水準の組み合わせ全体は4374通り存在するが、標準L18直交表ではその中から18通りの組み合わせのみが選択されている。この18通りの組み合わせは、各パラメータの各水準に対する評価が均等に行えるように選択されている。これにより、各パラメータの各水準に対して均等で妥当な評価を行うことができ、また、そのための時間を大幅に短縮することができる。



次に、手順104で、各水準の組み合わせに対する実験結果の特性のSN比(誤差因子による特性値のばらつきを示す値)と感度(特性値の平均値に関連する値)を計算する。具体的には、SN比は(特性値の平均値の二乗)/(特性値の分散)をデシベル[dB]表記とした値であり、感度は特性値の平均値の二乗をデシベル[dB]表記とした値である。そして、手順105で、SN比と感度に関して最適な水準の組み合わせを選択する。すなわち、誤差因子に対して安定性(ロバスト性)が高く、目的とする特性(望目特性)に近くなるような制御因子の水準の組み合わせを決定する。



そして、手順106で、その最適な組み合わせが工業製品としての諸条件を満足するか否かを判断し、満足するものであれば、その設計によって工業製品を生産すればよい。諸条件を満足しないのであれば根本的に設計や生産工程を変更する必要がある。つまり、手順106で条件を満足しない場合は、手順101からやり直すことになる。また、この品質工学の手法では、手順107として示すように、加法性を利用して全ての水準の全ての組み合わせについてSN比と感度を推定することができる。すなわち、全ての水準の全ての組み合わせについて特性値の平均値と特性値の標準偏差を推定することができる。



図1に示すような、品質工学の手法を用いた開発がうまく成功すれば、誰がどのような使用条件で使用しても、使い勝手がよく希望の成果が得られるような工業製品を開発できる。しかし、望目特性の近辺に特性値のばらつきが極めて小さくなるような設計パラメータの水準の組み合わせがある場合は少なく、この品質工学の手法にも多くの制限がある。



品質工学の手法を利用した設計・製造方法としては、下記の特許文献1が公知である。特許文献1には、成形品の温度分布のばらつきを評価特性として用い、その温度分布のばらつきを最小とする最適解を求め、この最適解に基づいて金型設計を行い、金型を製造したうえ射出成形を行うことが記載されている。また、成形品の温度分布のばらつきを評価特性として、品質工学の手法を用いて主要パラメータを抽出し、抽出されたパラメータのSN比が大きい値を選択することにより成形品の温度分布のばらつきを最小とする最適解を求めることが記載されている。

【特許文献1】特開2004-268318号公報

産業上の利用分野


この発明は、品質工学に基づいて、最小限の実験やコンピュータ・シミュレーションにより工業製品の最適な設計パラメータを求めるとともに、生産者の希望条件を満足する最適な設計パラメータを求めることができる工業製品の生産支援方法およびプログラムに関するものである。

特許請求の範囲 【請求項1】
工業製品の特性値を調整するための設計パラメータを制御因子とし、前記工業製品の前記特性値に誤差を生じさせるパラメータを誤差因子として、複数の前記制御因子のそれぞれに設定された複数の水準の組み合わせの中から選択された一部の組み合わせに対する前記特性値を求める手順(203,303)と、
前記一部の組み合わせについて、前記誤差因子による前記特性値の変動を求める手順(203,303)と、
前記一部の組み合わせについての前記特性値とその変動から、加法性により前記制御因子の全ての水準の全ての組み合わせについて前記特性値の平均値と標準偏差を求める手順(204,304)と、
前記制御因子の全ての水準の全ての組み合わせについて前記特性値の度数分布を求める手順(205,305)と、
前記工業製品の受注条件、前記工業製品の生産条件および生産者の希望条件を入力する手順(206,306)と、
前記度数分布により、前記希望条件を満足する前記制御因子の水準の組み合わせを抽出する手順(208,308)とをコンピュータに実行させるための工業製品の生産支援プログラム。

【請求項2】
請求項に記載した工業製品の生産支援プログラムであって、
前記特性値の平均値と標準偏差を求める手順(304)は、前記誤差因子に設定された複数の水準に対応する前記特性値と当該水準に対して設定された度数に基づいてそれらを求めるものである工業製品の生産支援プログラム。

【請求項3】
請求項に記載した工業製品の生産支援プログラムであって、
前記誤差因子の複数の水準に対する度数は、正規分布に基づいて設定されたものである工業製品の生産支援プログラム。

【請求項4】
請求項に記載した工業製品の生産支援プログラムであって、
前記誤差因子の複数の水準に対する度数は、最尤値を境界に標準偏差の異なる2つの正規分布を合成した分布に基づいて設定されたものである工業製品の生産支援プログラム。

【請求項5】
請求項1~4のいずれか1項に記載した工業製品の生産支援プログラムであって、
前記一部の組み合わせは、直交表に基づいて選択されたものである工業製品の生産支援プログラム。

【請求項6】
請求項1~5のいずれか1項に記載した工業製品の生産支援プログラムであって、
前記特性値の度数分布を求める手順(205,305)は、度数分布が正規分布であるとして求めるものである工業製品の生産支援プログラム。
産業区分
  • 計算機応用
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2007218241thum.jpg
出願権利状態 権利存続中
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