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使用済媒質の再生システム

国内特許コード P09A014513
整理番号 13052
掲載日 2009年5月22日
出願番号 特願2007-221362
公開番号 特開2009-053097
登録番号 特許第4929517号
出願日 平成19年8月28日(2007.8.28)
公開日 平成21年3月12日(2009.3.12)
登録日 平成24年2月24日(2012.2.24)
発明者
  • 天本 一平
  • 小藤 博英
  • 福嶋 峰夫
  • 明珍 宗孝
出願人
  • 独立行政法人日本原子力研究開発機構
発明の名称 使用済媒質の再生システム
発明の概要

【課題】使用済媒質中の高レベル放射性物質(FP等)を適切に取り除くことにより媒質を再生し、媒質をリサイクルできるようにする。
【解決手段】使用済媒質に沈殿物転換材を添加することにより使用済媒質中の不純物の一部を沈殿物として析出させる沈殿物転換用の反応槽10と、該反応槽10による沈殿処理後の媒質をろ過処理して沈殿物を回収するフィルタ装置12と、該フィルタ装置12によるろ過後の媒質を受ける中間受槽14と、該中間受槽14で送液速度を調整してろ過後の媒質をイオン交換能及び/又は分子ふるい能を利用して可溶性不純物の回収を行う媒質精製ユニット16を具備している。
【選択図】図1

従来技術、競合技術の概要


使用済燃料の乾式再処理プロセスの一つに溶融塩電解法がある。この溶融塩電解法は、溶融したアルカリ金属塩化物(溶融塩)を媒質とし、その媒質中に使用済燃料を溶け込ませ、電気化学的な操作により目的物質の分離回収を行う方法である。しかし、溶融塩電解法で回収されなかった不純物は、運転時間の経過と共に媒質中に蓄積していくため、媒質の組成が変化し、電流効率の低下や媒質融点の上昇等の運転に悪影響を与える。運転条件を満足しなくなった媒質は、廃塩として取り替える必要があるが、廃塩はアクチノイド物質やFP(核分裂生成物)を含有しているため、高レベル放射性廃棄物(HLW)として廃棄されることになる。そこで、放射性廃棄物発生量や環境負荷の低減、経済性などの観点から、廃塩中の高レベル放射性物質(FP等)を適切に取り除くことにより媒質を再生し、媒質をリサイクルすることが望まれている。



現在、使用済媒質の再生技術については、主に米国で開発されているゼオライト収着法と、ロシアで開発されている沈殿法がある。



米国で開発されているゼオライト収着法では、まずパイロコンタクタを用いた液‐液抽出法によりマイナーアクチノイド(MA)核種を回収し、次に固定床(4A型ゼオライトを収着材として充填)を用いて収着作用によりFPを除去することが試みられている。このようにしてFPを収着したゼオライトは、ソーダライトに転換して安定化することにしているが、ソーダライトは、その構造上、ゼオライトのように多くのFPを含有できないため、ソーダライト化した後の廃棄物量が増大し、環境負荷及び経済性の面から大きな課題となっている。



他方、ロシアで開発されている沈殿法では、使用済媒質にリン酸ナトリウム(Na3 PO4 )や炭酸ナトリウム(Na2 CO3 )を添加することにより媒質中に溶け込んでいる成分を沈殿させ、これをフツリン酸ガラス等で固化する。この方法では、媒質中の沈殿物を回収する技術が必要となる。沈殿物の回収法として、吸引による回収法や遠心分離機による固液分離法などが検討されているが、いずれにしても装置が複雑であり、また操作が煩雑であることにより、実操業に際しては、安全性や能率、保守性等の面でさまざまな問題が生じることが予想され、沈殿物を容易に回収できる技術は未だ確立されていない。なお、このような沈殿法の場合には、廃塩を除染することが検討されているのみで、リサイクルについては全く考慮されていない。



その後、沈殿法で、放射性核分裂生成物を溶融塩からろ過分離し、溶融塩をリサイクルすることが提案されている(特許文献1参照)。しかし、ろ過のみでは、沈殿物を形成しない可溶性不純物は回収できず、回収されなかった不純物は、運転時間の経過と共に媒質中に蓄積していくため、媒質の組成が変化し、電流効率の低下や媒質融点の上昇等の運転に悪影響を与える。従って、運転条件を満足しなくなった媒質は、廃塩として取り替える必要がある。

【特許文献1】特開平9-152497号公報

産業上の利用分野


本発明は、使用済燃料の乾式再処理プロセスで生じる使用済媒質中の不純物元素を除去し、使用済媒質を再生するシステムに関するものである。

特許請求の範囲 【請求項1】
使用済媒質に沈殿物転換材を添加することにより使用済媒質中の不純物の一部を沈殿物として析出させる沈殿物転換用の反応槽と、該反応槽による沈殿処理後の媒質をろ過して沈殿物を回収するフィルタ装置と、該フィルタ装置によるろ過後の媒質中の可溶性不純物をイオン交換能及び/又は分子ふるい能を利用して回収する媒質精製ユニットを具備し、前記反応槽は、使用済媒質供給口と沈殿物転換材供給口と攪拌機を具備し、使用済媒質に沈殿物転換材を添加することにより使用済媒質中の不純物の一部を沈殿物として析出させる沈殿室と、堰で囲まれ上部から上澄液がオーバフローし前記堰の下部にゲート弁が設けられて含沈殿物液が流入可能で、内部に汲み上げポンプが組み込まれている媒質汲み上げ調整室とからなり、前記沈殿室の底部は、媒質組み上げ調整室の底部に向かって下がり勾配の傾斜面となっている構造であり、前記フィルタ装置のフィルタ材は、不純物固化用ガラス材料と整合性のある粒状又は繊維状のガラスからなり、カートリッジ方式で交換可能な構造をなし、前記媒質精製ユニットは、多段の精製塔からなり且つ真空吸引可能であって、各精製塔の充填材は、不純物固化用ガラス材料と整合性のある粒状あるいは繊維状のガラス、またはガラス細管からなり、カートリッジ方式で交換可能な構造をなしていることを特徴とする使用済媒質の再生システム。

【請求項2】
沈殿物を回収するフィルタ装置と可溶性不純物を回収する媒質精製ユニットとの間に、汲み上げポンプを備えた中間受槽を介在させ、媒質精製ユニットへの送液速度を調整可能とした請求項1記載の使用済媒質の再生システム。

【請求項3】
沈殿物転換用の反応槽と沈殿物を回収するフィルタ装置との間に、ろ過処理後の媒質を戻す戻り配管を設け、前記反応槽から媒質精製ユニットに向かう送液配管を設けて送液速度を調整可能とした請求項1記載の使用済媒質の再生システム。

【請求項4】
使用済溶媒の融点以上の温度に維持・制御が可能な加熱ヒータが装置及び配管類に組み込まれている請求項1乃至3のいずれかに記載の使用済媒質の再生システム。

【請求項5】
請求項1乃至のいずれかに記載の使用済媒質の再生システムを用い、使用済媒質に沈殿物転換材を添加することにより使用済媒質中の不純物の一部を沈殿物として析出させる沈殿物転換工程、沈殿処理後の媒質をフィルタでろ過し沈殿物を回収する沈殿物回収工程、ろ過後の媒質をイオン交換能及び/又は分子ふるい能を備えた媒質精製ユニットに通し可溶性不純物を回収する可溶性不純物回収工程を具備している使用済媒質の再生方法。
産業区分
  • 原子力
  • 放射性物質処理
国際特許分類(IPC)
画像

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JP2007221362thum.jpg
出願権利状態 権利存続中
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