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単結晶炭化ケイ素及びその製造方法 実績あり 外国出願あり

国内特許コード P09S000208
整理番号 KG0002
掲載日 2009年5月22日
出願番号 特願2003-502272
登録番号 特許第4848495号
出願日 平成13年6月4日(2001.6.4)
登録日 平成23年10月28日(2011.10.28)
国際出願番号 JP2001004708
国際公開番号 WO2002099169
国際出願日 平成13年6月4日(2001.6.4)
国際公開日 平成14年12月12日(2002.12.12)
発明者
  • 金子 忠昭
  • 浅岡 康
  • 佐野 直克
出願人
  • 学校法人関西学院
発明の名称 単結晶炭化ケイ素及びその製造方法 実績あり 外国出願あり
発明の概要

極薄Si融液層を用いた高温液相成長法であり、成長結晶表面と原料供給多結晶との間の厳密な温度差制御の必要がないこと、不純物添加の制御が可能であることを特徴とする。また、育成された単結晶SiCは、内部に微結晶粒界がなく、成長表面のマイクロパイプ欠陥の密度が1/cm以下であり、10μm以上のテラスと3分子層を最小単位とした多分子層ステップを有することを特徴とする。

従来技術、競合技術の概要
炭化ケイ素(以下、SiCという。)は、耐熱性及び機械的強度に優れているだけでなく、放射線にも強く、さらに不純物の添加によって電子や正孔の価電子制御が容易である上、広い禁制帯幅を持つ(因みに、6H型のSiC単結晶で約3.0eV、4H型のSiC単結晶で3.3eV)ために、シリコン(以下、Siという。)やガリウムヒ素(以下、GaAsという。)などの既存の半導体材料では実現することができない高温、高周波、耐電圧・耐環境性を実現することが可能で、次世代のパワーデバイス、高周波デバイス用半導体材料として注目され、かつ期待されている。また、六方晶SiCは、窒化ガリウム(以下、GaNという。)と格子定数が近く、GaNの基板として期待されている。
【0003】
この種の単結晶SiCは、従来、黒鉛ルツボ内の低温側に種結晶を固定配置し、高温側に原料となるSiC粉末を挿入配置して黒鉛ルツボ内を不活性雰囲気中で1450~2400℃の高温に加熱することによって、SiC粉末を昇華させて低温側の種結晶の表面上で再結晶させて単結晶の育成を行なう昇華再結晶法(改良レーリー法)によって形成されている。また、炭素(以下、Cという。)原子を含むルツボ内にSi融液を収納し、このSi融液をルツボの加熱により結晶成長温度まで加熱するとともに、このSi融液の低温域にホルダ等で支持させたSiC単結晶基板を一定時間浸漬させることにより、Si融液中にルツボの構成元素であるCを溶解させて両者の反応により生成されるSiC単結晶をSiC単結晶基板の表面上にエピタキシャル成長させる液相エピタキシャル成長法(以下、LPE法という。)によっても形成されている。
【0004】
しかし、上記した従来の育成方法のうち、昇華再結晶法の場合は、成長速度が数100μm/hrと非常に早い反面、昇華の際、SiC粉末がいったんSi、SiC、SiCに分解されて気化し、さらに黒鉛ルツボの一部と反応する。このために、温度変化によって種結晶の表面に到達するガスの種類が異なり、これらの分圧を化学量論的に正確に制御することが技術的に非常に困難である。また、不純物も混入しやすく、その混入した不純物や熱に起因する歪みの影響で結晶欠陥やマイクロパイプ欠陥等を発生しやすく、また、多くの核生成に起因する結晶粒界の発生など、性能的、品質的に安定した単結晶SiCが得られないという問題がある。
【0005】
一方、LPE法の場合は、昇華再結晶法で見られるようなマイクロパイプ欠陥や結晶欠陥などの発生が少なく、昇華再結晶法で製造されるものに比べて品質的に優れた単結晶SiCが得られる反面、成長過程が、第6図の記号▲で示すように、Si融液中へのCの溶解度によって律速されるために、成長速度が10μm/hr以下と非常に遅くて単結晶SiCの生産性が低く、製造装置内の液相を精密に温度制御しなくてはならない。また、工程が複雑となり、単結晶SiCの製造コストが非常に高価なものになる。また、Si融液中へのCの溶解度を上昇させて成長速度を速めるために、Sc等の遷移金属をSi融液中に混ぜる方法も採られている。ところが、この場合は、遷移金属が成長結晶中に不純物として取り込まれるために、純度が低下して品質的、性能的に十分満足のゆくものが得られない。また、成長過程は、第6図の記号□で示すように、Scを混ぜることによって、Si融液中へのCの溶解度を上げるが、昇華再結晶法に比べて単結晶SiCの生産性は非常に低いという問題があった。
【0006】
本発明は前記問題に鑑みてなされたもので、マイクロパイプ欠陥や界面欠陥等の発生が少ないとともに、幅広なテラスを有し表面の平坦度の高い、高品質、高性能な単結晶SiCを提供することを目的とする。
産業上の利用分野
本発明は、単結晶炭化ケイ素に関するもので、詳しくは、発光ダイオードやパワーデバイス、高周波デバイス、耐環境用デバイスなどの半導体デバイスとして幅広い分野で用いられる単結晶炭化ケイ素に関するものである。
特許請求の範囲 【請求項1】 種結晶となる単結晶炭化ケイ素基板と多結晶炭化ケイ素基板との間で温度差を形成しないように熱処理を行って液相エピタキシャル法によって形成された単結晶炭化ケイ素であって、
内部に微結晶粒界存在せず、
表面のマイクロパイプ欠陥の密度が1/cm以下であり、
前記表面が、3分子層を最小単位とした原子オーダーステップと幅広のテラスとを有し、前記テラスの幅が10μm以上であることを特徴とする単結晶炭化ケイ素。
【請求項2】 前記表面が、(0001)Si面である請求の範囲第項に記載の単結晶炭化ケイ素。
【請求項3】 種結晶となる単結晶炭化ケイ素基板と多結晶炭化ケイ素基板とを重ね、黒鉛製の密閉容器内に設置して、高温熱処理を行なうことによって、前記単結晶炭化ケイ素基板と前記多結晶炭化ケイ素基板との間に、熱処理中に極薄金属シリコン融液を介在させ、該融液自身の蒸発分と、単結晶炭化ケイ素のエピタキシャル成長に消費されるシリコンに対して前記多結晶炭化ケイ素基板側から供給されるシリコン量との差分を別途設置したシリコン源から補給しながら前記単結晶炭化ケイ素基板上に液相エピタキシャル成長した請求の範囲第1項または第2項に記載の単結晶炭化ケイ素。
【請求項4】 前記極薄金属シリコン融液が、50μm以下の厚みである請求の範囲第項に記載の単結晶炭化ケイ素。
【請求項5】 単結晶炭化ケイ素バルク体及び単結晶炭化ケイ素の表面エピタキシャル成長層として使用できる請求の範囲第1項~第4項のいずれか1項に記載の単結晶炭化ケイ素。
【請求項6】 III族金属が添加され、p型に伝導型が制御された請求の範囲第1項~第5項のいずれか1項に記載の単結晶炭化ケイ素。
【請求項7】 V族元素が添加され、n型に伝導型が制御された請求の範囲第1項~第5項のいずれか1項に記載の単結晶炭化ケイ素。
【請求項8】 種結晶となる単結晶炭化ケイ素基板と多結晶炭化ケイ素基板とを重ね、前記単結晶炭化ケイ素基板と前記多結晶炭化ケイ素基板との間に極薄金属シリコン融液を介在させ、黒鉛製の密閉容器内に設置して、前記極薄金属シリコン融液自身の蒸発分と、単結晶炭化ケイ素のエピタキシャル成長に消費されるシリコンに対して前記多結晶炭化ケイ素基板側から供給されるシリコン量との差分を別途設置したシリコン源から補給しながら高温熱処理を行なうことによって前記単結晶炭化ケイ素基板上に単結晶炭化ケイ素を液相エピタキシャル成長させる単結晶炭化ケイ素の製造方法。
【請求項9】 前記多結晶炭化ケイ素基板及び極薄金属シリコン融液のいずれか一方若しくは両方に、III族金属を添加し、前記単結晶炭化ケイ素基板に液相エピタキシャル成長する単結晶炭化ケイ素をp型の伝導型に制御する請求の範囲第項に記載の単結晶炭化ケイ素の製造方法。
【請求項10】 前記多結晶炭化ケイ素基板及び極薄金属シリコン融液のいずれか一方若しくは両方に、V族元素を添加し、前記単結晶炭化ケイ素基板に液相エピタキシャル成長する単結晶炭化ケイ素をn型の伝導型に制御する請求の範囲第項に記載の単結晶炭化ケイ素の製造方法。
【請求項11】 前記高温熱処理時にIII族金属を含むガス状化合物を黒鉛製の密閉容器内に供給し、前記単結晶炭化ケイ素基板に液相エピタキシャル成長する単結晶炭化ケイ素をp型の伝導型に制御する請求の範囲第項に記載の単結晶炭化ケイ素の製造方法。
【請求項12】 前記高温熱処理時にV族を含むガス状化合物を黒鉛製の密閉容器内に供給し、前記単結晶炭化ケイ素基板に液相エピタキシャル成長する単結晶炭化ケイ素をn型の伝導型に制御する請求の範囲第項に記載の単結晶炭化ケイ素の製造方法。
産業区分
  • 無機化合物
  • 処理操作
  • 固体素子
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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出願権利状態 権利存続中
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