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ガスバリア性の炭素繊維強化プリプレグ及び炭素繊維強化プラスチック並びにそれらの製造方法 新技術説明会 実績あり 外国出願あり

国内特許コード P09P006728
整理番号 7041
掲載日 2009年6月5日
出願番号 特願2007-292659
公開番号 特開2009-120627
登録番号 特許第5294609号
出願日 平成19年11月10日(2007.11.10)
公開日 平成21年6月4日(2009.6.4)
登録日 平成25年6月21日(2013.6.21)
発明者
  • 米本 浩一
  • 蛯名 武雄
  • 水上 富士夫
  • 奥山 圭一
  • 神谷 祥二
出願人
  • 国立大学法人九州工業大学
  • 独立行政法人産業技術総合研究所
  • 独立行政法人国立高等専門学校機構
  • 川崎重工業株式会社
発明の名称 ガスバリア性の炭素繊維強化プリプレグ及び炭素繊維強化プラスチック並びにそれらの製造方法 新技術説明会 実績あり 外国出願あり
発明の概要

【課題】高いガスバリア性、特に水素ガスバリア性を有する炭素繊維強化複合材料を提供すること。
【解決手段】シート状の炭素繊維強化材とマトリックス樹脂とからなる炭素繊維強化プリプレグであって、プリプレグの内部に、板状の結晶構造を持つ粘土鉱物が、一方向に配向し且つ緻密に積層したガスバリア層を有するガスバリア性の炭素繊維強化プリプレグ、及びそれから得られる炭素繊維強化プラスチック。かかるプリプレグは、例えば、シート状の炭素繊維強化材とマトリックス樹脂とからなる炭素繊維強化プリプレグの積層体の少なくとも一つの層間に、板状の結晶構造を持つ粘土鉱物が、一方向に配向し且つ緻密に積層したガスバリア性のフィルム状物を配置し、その後、この積層体を加熱及び/又は加圧することによって得られる。
【選択図】なし

従来技術、競合技術の概要


繊維強化プラスチック(FRP)は、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂等の熱硬化性樹脂や、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルエーテルケトン等の熱可塑性樹脂のマトリックス樹脂と、炭素繊維、ガラス繊維、アラミド繊維等の繊維強化材とからなる複合材料である。これらの複合材料は、例えば、繊維強化材にマトリックス樹脂が含浸された中間製品であるプリプレグから、加熱・加圧といった成形・加工工程を経て成形される。特に、炭素繊維を繊維強化材として用いた複合材料は、軽く、高強度等の優れた機械的特性を有するので、近年、航空機、自動車等の部材として多く用いられるようになって来ている。



ところで、炭化水素燃料に替えてクリーンな燃料である水素を利用する時代、いわゆる水素エネルギー社会が到来しつつある状況下では、取り扱いの容易さを考えて、水素の貯蔵容器の軽量化が一層求められると予想される。そして、そのためには、従来から用いられてきたステンレスやアルミニウム等の金属材料よりも比強度に優れた、炭素繊維強化プラスチックを用いることが有効であると考えられる。しかしながら、有機系のプラスチックは一般的にガスバリア性が低く、特に水素ガスは容易に通してしまうという性質があるため、従来の方法で製作される炭素繊維強化プラスチックも、そのまま水素用の容器として使用することは殆ど不可能である。



従って、炭素繊維強化プラスチックを利用する場合には、何らかの方法でガスバリア性、特に水素ガスバリア性を付与することが必要となる。従来、炭素繊維強化プラスチックを、例えば、水素タンク用の構造材料として使用する場合、アルミニウム板をライナーとして、あるいはアルミ箔の接着等により水素ガスバリア性を付与することが多く試みられてきた。しかし、これらの方法では、熱膨張率の差によって接着面が剥離する等の問題があり実用化が阻まれている。かかる方法とは別に、水素タンクの表面を有機系のフィルムで覆うことも試みられているが、この方法による場合は、ある程度水素透過率は下がるものの、実用化に耐えられる十分な水素ガスバリア性は、必ずしも得られていないのが現状である(例えば、特許文献1)。

【特許文献1】特開2005-126651号公報



一方、最近、粘土鉱物で出来た耐熱性のガスバリア材料が開発されている(特許文献2参照)。これは、層状の結晶構造を持つ珪酸塩等の粘土鉱物の、一方向に高配向、且つ、緻密な層を、少量の有機系バインダによって結合させ、単独で耐熱性と高いガスバリア性を有する柔軟なフィルム等に加工したものである。これまでFRPのガスバリア性能の向上には、フィラーとしての層状の珪酸塩(粘土)を添加物の形で用いることが行われてきた。そして、ある程度その効果は認められたものの、プラスチック自体の成形性が悪くなるため添加量には限界があった。特許文献1の技術は、従来フィラーとして少量添加した粘土を主材料とした膜にすると、飛躍的に耐熱性とガスバリア性が向上することを見出した画期的な技術であると考えられる。

【特許文献2】特開2006-188645号公報



本発明者らは、前記技術と炭素繊維強化プラスチックの技術を有機的に結合することによって、従来得られなかった高いガスバリア性、特に水素ガスバリア性を有する複合材料を開発することを目的として、鋭意検討の結果本発明に至ったものである。

産業上の利用分野


本発明はガスバリア性能を有する、特に、水素ガスバリア性に優れた炭素繊維強化プリプレグ及び炭素繊維強化プラスチック、並びにそれらの製造方法又は成形方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
シート状の炭素繊維強化材とマトリックス樹脂とからなる炭素繊維強化プリプレグであって、該プリプレグの内部に、板状の結晶構造を持つ粘土鉱物が、一方向に配向し且つ緻密に積層したガスバリア層を有することを特徴とするガスバリア性の炭素繊維強化プリプレグ。

【請求項2】
ガスバリア層が、粘土鉱物に対して3~30質量%の有機添加物を含むことを特徴とする請求項1記載のガスバリア性の炭素繊維強化プリプレグ。

【請求項3】
シート状の炭素繊維強化材とマトリックス樹脂とからなる炭素繊維強化プリプレグの積層体の少なくとも一つの層間に、板状の結晶構造を持つ粘土鉱物が、一方向に配向し且つ緻密に積層したガスバリア性のフィルム状物を配置し、その後、該積層体を加熱及び/又は加圧することを特徴とするガスバリア性の炭素繊維強化プリプレグの製造方法。

【請求項4】
ガスバリア性のフィルム状物が、粘土鉱物に対して3~30質量%の有機添加物を含むことを特徴とする請求項3記載のガスバリア性の炭素繊維強化プリプレグの製造方法。

【請求項5】
シート状の炭素繊維強化材とマトリックス樹脂とからなる炭素繊維強化プリプレグの表面に、粘土鉱物の分散液を塗布又は含浸させ、該プリプレグの表面に、板状の結晶構造を持つ粘土鉱物が、一方向に配向し且つ緻密に積層したガスバリア層を形成させ、その後、該
ガスバリア層を形成されたプリプレグを加熱及び/又は加圧するか、あるいは更に、該ガスバリア層の表面にマトリックス樹脂層又は前記炭素繊維強化プリプレグを配置した積層体とした後、該積層体を加熱及び/又は加圧することを特徴とするガスバリア性の炭素繊維強化プリプレグの製造方法。

【請求項6】
粘土鉱物の分散液が、粘土鉱物に対して3~30質量%の有機添加物を含むことを特徴とする請求項5記載のガスバリア性の炭素繊維強化プリプレグの製造方法。

【請求項7】
炭素繊維強化材とマトリックス樹脂とからなる繊維強化プラスチックであって、その内部に、板状の結晶構造を持つ粘土鉱物が、一方向に配向し且つ緻密に積層したガスバリア層を有することを特徴とするガスバリア性の炭素繊維強化プラスチック。

【請求項8】
ガスバリア層が、粘土鉱物に対して3~30質量%の有機添加物を含むことを特徴とする請求項7記載のガスバリア性の炭素繊維強化プラスチック。

【請求項9】
成形型に敷設された炭素繊維強化材とマトリックス樹脂とからなる炭素繊維強化プリプレグの積層体の少なくとも一つの層間に、板状の結晶構造を持つ粘土鉱物が、一方向に配向し且つ緻密に積層したガスバリア性のフィルム状物を配置し、その後、成形型を型締めし、加熱及び/又は加圧して成形することを特徴とするガスバリア性の炭素繊維強化プラスチックの製造方法。

【請求項10】
ガスバリア性のフィルム状物が、粘土鉱物に対して3~30質量%の有機添加物を含むことを特徴とする請求項9記載のガスバリア性の炭素繊維強化プラスチックの製造方法。

【請求項11】
成形型に敷設されたシート状の炭素繊維強化材の積層体の少なくとも一つの層間に、板状の結晶構造を持つ粘土鉱物が、一方向に配向し且つ緻密に積層したガスバリア性のフィルム状物を配置し、その後、樹脂トランスファー成形法又は樹脂フィルムインフュージョン成形法で成形することを特徴とするガスバリア性の炭素繊維強化プラスチックの製造方法。

【請求項12】
ガスバリア性のフィルム状物が、粘土鉱物に対して3~30質量%の有機添加物を含むことを特徴とする請求項11記載のガスバリア性の炭素繊維強化プラスチックの製造方法。

【請求項13】
フィラメントワインディング成形法において、マンドレルに炭素繊維強化材とマトリックス樹脂とからなる複合材を巻回・積層するに際し、板状の結晶構造を持つ粘土鉱物が、一方向に配向し且つ緻密に積層したガスバリア性のフィルム状物を、巻回途中の層中に配置し、その後、マトリックス樹脂を加熱硬化させることを特徴とするガスバリア性の炭素繊維強化プラスチックの製造方法。

【請求項14】
ガスバリア性のフィルム状物が、粘土鉱物に対して3~30質量%の有機添加物を含むことを特徴とする請求項13記載のガスバリア性の炭素繊維強化プラスチックの製造方法。




産業区分
  • 高分子化合物
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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出願権利状態 権利存続中
詳細は、下記「問合せ先」まで直接お問い合わせください。


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